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第十五話 初デート
しおりを挟むエリーゼと仮の婚約者になってから3ヶ月が経った。
今日はエリーゼとアルクーバ家の領地の街にデートに来ている。
と言っても護衛達は私達にバレないようについて来ているが。
一応、私もエリーゼにバレないように武装している。
短剣と各回復アイテムを隠し持っている。
そんなことは一旦置いておいて、私はエリーゼの方を向いた。
今日のエリーゼは麦わら帽子を被り、白いワンピースに身を包んでいる。
「エリーゼ、とても似合っていて可愛いよ」
「えっ、あ、ありがとレイグ。レイグも似合っているよ」
「ありがと、エリーゼ」
互いを褒めあった私達は取り敢えず昼食を食べることにした。
私は事前にエリーゼが好きそうな店を調べておいたのでそこに行くことにしたのだ。
到着した店は甘いパンケーキが有名な場所だ。
エリーゼは甘い食べ物が好きなのだ。
私はエリーゼのことをエスコートして、店の中に入った。
店の中は混んでいたがちょうど窓側の席が空いたのでそこに座ることにしたのだ。
私はエリーゼの椅子を後ろに引き、エリーゼを先に座らせてから席に座った。
メニューをエリーゼに渡すとエリーゼは嬉しそうな表情を浮かべながらそれを見ていたのだ。
私は嬉しそうな顔で料理を選んでいたエリーゼを見ていた。
5分ぐらいするとエリーゼが注文する料理を決めたので料理を注文したのだ。
私達は話しながら料理を来るのを待っていた。
10分ぐらいすると注文した料理が机の上に置かれたのだ。
私の前にはサンドイッチがエリーゼの前にはジャムとバターが乗ったパンケーキが置かれた。
私達は食べ始めた。
エリーゼは美味しそうな表情を浮かべながら、パンケーキを食べていたのだ。
料理も食べ終え、私達は店を出ることにした。
もちろん、会計は全て私だ。
当たり前のことだ。
男が払うのは。
次はアクセサリー店に行くことにした。
アクセサリー店に行く時に、私は馬車が通る方を歩き、エリーゼを歩道の内側に歩いて貰うことにしたのだ。
アクセサリー店に到着した私達は取り敢えず店の中を見て回ることにした。
一通り見て終わるとエリーゼが私に1つ選んで欲しいと言ってきたのだ。
私は喜んでそれを了承した。
実は見て回る時にエリーゼに似合いそうなネックレスを見つけていたのだ。
私は似合いそうなネックレスを手に取り、エリーゼの方に向かった。
エリーゼは私が早く選んだことに驚いていたのだ。
私は選んだネックレスをエリーゼの首に掛けた。
エリーゼの首には小さめの緑色の宝石が埋め込まれたネックレスが掛けられたのだ。
エリーゼは派手なものよりも控えめのほうが似合う。
エリーゼはこのネックレスを気に入ってくれたので、それを購入することにした。
もちろん、会計は私だ。
エリーゼはそのネックレスをつけながら、店を出た。
次はぬいぐるみ店に行くことにしたのだ。
「えっと、な、なんで、ここに来たの?」
「うん?ああ、エリーゼがぬいぐるみが好きかなぁと思って」
「う、うん。確かに好きだけど、レ、レイグはへ、変とか思わないの?」
「思わないよ。とても可愛いとは思うけど」
「そ、そうなんだ。は、早く、入ろ」
そう言い、エリーゼは先に店の中に入ってしまった。
私も直ぐに後を追った。
店の中に入った私達は見て回ることにしたのだ。
見て回る中でエリーゼがあるぬいぐるみの前で立ち止まった。
そのぬいぐるみはクマをモデルにしているものだったのだ。
私は直ぐに店員さんを呼び、クマのぬいぐるみを購入した。
購入したぬいぐるみをエリーゼに渡したのだ。
エリーゼは嬉しそうな顔をしながら、クマのぬいぐるみに抱きついた。
そんなエリーゼに私は視線を向けたのだ。
それに気が付いたエリーゼは自分の顔をクマのぬいぐるみで隠し、私に表情を見れないようにしていた。
「あ、ありがと、レイグ。僕、嬉しかったよ」
「喜んでもらえたら、嬉しいよ」
時間帯はもう夕方が近づいていた。
最後に私はある場所に行くことにしたのだ。
私はエリーゼをエスコートして、ある場所に向かった。
到着した場所はこの街の中で1番大きい塔だ。
塔からは夕陽に照らされた街並みがよく見えた。
「凄い綺麗な場所」
エリーゼはクマのぬいぐるみを両手で持ちながら、そう呟いた。
そんなエリーゼは私の方に振り向いたのだ。
その時のエリーゼは夕陽に照らされ、首につけたネックレスが輝いていた。
「僕、レイグと街に来れて、とても楽しくて、嬉しかった。ありがと、僕に一目惚れしてくれて」
そう言い、エリーゼは夕陽よりも眩しい笑顔を浮かべた。
私はそんなエリーゼに見惚れてしまった。
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