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第十四話 お茶会

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 エリーゼと仮の婚約者になった私はエリーゼからの信用に得ることにした。

 一週間に一度、エリーゼと私でお茶会をすることにしたのだ。

 クロバーグ家の領地とアルクーバ家の領地は1日で行き行き出来るので、一週間に一度のお茶会が可能だ。

 そして、今日は婚約してから初めてのお茶会の日だ。

 今日は天気もいいので、庭の東屋でお茶会をすることにした。

 私とエリーゼは席に座り、紅茶を出した使用人は席を外した。

 「えっと、思い出したことがあったんだけど。レイグ、なんで、あの時壁になっていたの?」

 「ああ、あれは私が挨拶しようとすると避けられて、なんなら少し泣いてる子までいたから迷惑にならないように壁になっていたんだ。まぁ、この悪役顔は怖いと思うからね」
  
 「まぁ、僕も最初は少し怖かったよ。でも、今は怖く無いよ。だって、レイグは凄く優しいからね。答えづらいなら大丈夫だけど、レイグは今友人いるの?」

 「今は、いないよ」

 「えっ、居ないの?それで大丈夫なの?」

 「大丈夫だよ。幼い頃は父上も友人が居なかったらしい。でも、今は父上は友人が数多くいるから。父上曰く、クロバーグ家は成人してから友人が出来るらしい」

 「そ、そうなんだ。あ、もしかして、お父様も友人なのかな?」

 「うん、エリーゼのお父様も父上と友人らしいよ。だから、婚約の話が結構早く進んでいたらしい」

 「婚約?えっと、もしかして、婚約の話はレイグから言ったの?」

 「うん、そうだよ。9歳の頃に父上にやんわりと伝えていたんだ。そして、父上がそれを汲み取ってくれて、婚約の話を進めてくれたんだ」

 「そ、そうなんだ。ずっと、気になっていたんだけどなんで8歳の時に婚約しなかったの?」

 「それは私がまだエリーゼと釣り合わないと思ったから」

 「釣り合わない?レイグが僕に?そ、そんなことは無いよ。レイグは顔は少し怖かったけど、とても優しくて、気遣いも出来る良い人だよ。僕なんかよりも良い人だよ」

 「褒めてくれてありがとう、エリーゼ。でも、私自身がまだ釣り合わないと感じていたんだ。だから、釣り合う努力をして婚約を切り出したんだ。それが今だったということだ」

 「ぼ、僕のためにそこまで、あ、ありがと、レイグ」

 そう言い、エリーゼははにかんだ笑顔を浮かべてくれた。

 その後、私はエリーゼとの会話を楽しんだ。

 1週間前には見ることが出来なかった笑顔を何度か見ることが出来た。

 私はエリーゼの笑顔とはにかんだ笑顔を見れたことを嬉しく思いながら、屋敷に帰ったのだ。

 
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