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第五話 王都で御披露目会

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 この世界に転生してから約8年が経ち、私は8歳になった。

 今日は王都に来ている。

 普段は領地から出ることが無く、王都に来たのは初めてだ。

 父上と母上はたまに王都来ている。

 そして、今、私は王城の庭園で開かれた今年で8歳になる子供達の顔合わせの御披露目会に参加している。

 参加している私はブドウジュースが入ったグラスを片手に会場の壁になっている。

 何故、壁になっているかと言うと私が他の子に挨拶しようとすると避けられるからだ。

 なんなら、少し泣いた子までいた。

 まぁ、この悪役顔のせいだろう。

 私が成長していくにつれて、どんどん悪役顔になっている。

 迷惑を掛けたく無いので、壁になっているのだ。

 私は壁になりながら、会場全体を見ることにした。

 会場の中には幼いヒロイン達がいたのだ。

 ゲーム開始は貴族学院からなので、ゲームと比べて幼かった。

 ちなみに、この国の貴族学院は12歳から16歳、5年間通う。

 1人目のヒロイン、セリカは金色の髪を腰まで伸ばし、友人だと思う5人の令嬢と一緒にテーブルを囲み、楽しそうに会話をしていた。

 2人目のヒロイン、アリゼルは赤色の髪を背中の半分ぐらいまで伸ばし、友人だと思う3人の高位貴族の令嬢と一緒にテーブルを囲み、紅茶を飲みながら、凛々しく会話をしていた。

 3人目のヒロイン、エリーゼは緑色の髪を肩まで伸ばし、友人だと思う4人の令嬢と一緒にテーブルを囲み、楽しそうに会話をしていた。

 4人目のヒロイン、フェリスは銀色の髪を腰まで伸ばし、友人だと思う2人の令嬢と一緒にテーブルを囲み、会話をしていた。

 そんな中、私は壁になりながら、バレないように1人のヒロインを見ていた。

 そのヒロインはエリーゼだ。

 私は4人のヒロインの中でエリーゼが1番好きだ。

 ゲームで10回のエンドロールを迎えた私は他のヒロインのエンドを一度やり、エリーゼと結ばれるエンドを7回迎えた。

 私はゲームの中で1番好きなヒロインが画面の中では無く、目の前にいることに感動すら覚えたのだ。

 ゲームの中のエリーゼも可愛かったが、ゲームの時よりも幼いエリーゼも可愛かった。

 うちの天使と同じくらい可愛かった。

 うちの天使というのは妹のアメリアのことだ。

 アメリアは私と両親に似て無く、天使なような容姿をしている。

 父上になんで似てないのかと聞くと、父上はクロバーグ家に生まれる子どもは性別によって、容姿が変わると答えてくれた。

 男の子なら、悪役顔に女の子なら天使のような顔になるらしい。

 この話を聞いた時に悪役顔は遺伝なのかと思ってしまった。

 そんなことを考えていると、友人の話が面白かったのか、エリーゼは笑顔を浮かべていたのだ。

 私はその表情を見て、改めて一目惚れしてしまった。

 今直ぐ、婚約したいと思ったが今はまだ早いと思ってしまったのだ。

 確かに、私はこの歳の中では1番強いだろう。

 だが、それだけではシナリオを壊しても大丈夫だと胸を張って、言うことが出来ない。

 もっと、力をつけてからエリーゼと婚約出来るように動こう。

 婚約は貴族学院前までにはしたいので、最短10歳、最長12歳と心に決めたのだ。

 それから色々と考えているとお開きの時間になったので、エリーゼのことを最後に一目見てから会場を後にした。
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