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最終話 無能と呼ばれた召喚士
しおりを挟む先輩、いや、リニスと再会してから1年が経った。
今日は私とエーカとリニスとの結婚式の日だ。
今日の結婚式の費用はサーワリ侯爵が出している。
本当は私達が費用を出したかったが、リニスのことを出せれたので任せるしか無かった。
エーカとリニスのウエディングドレスを選んだのもサーワリ侯爵だ。
リニスから聞いた話だともの凄く嬉しそうな表情を浮かべながら、2人のウエディングドレスを選んでいたようだ。
しかも、何度も着せ替えをしたみたいだ。
サーワリ侯爵にとってリニスは愛娘だからな。
そんなことを考えながら私は正装に着替え、会場でエーカとリニスを待っていた。
待っていると鐘が鳴った。
その鐘の音が鳴り終えると、エーカとサーワリ侯爵にエスコートされたリニスが会場に入場してきた。
エーカは純白なウエディングドレスに身を包み、純白なロングベルーをつけ、私が贈ったネックレスとイヤリングをつけていた。
リニスは純白なウエディングドレスに身を包み、純白なミドルベルーをつけ、私が贈ったネックレスとイヤリングをつけていた。
そんな2人は私の前までやってきた。
サーワリ侯爵の視線でくれぐれも頼むぞと。
私は視線で勿論と返し、エーカとリニスの手を取った。
2人をエスコートしながら、私は神父の前まで移動した。
「新婦、歌姫エーカ、リニス・サーワリ。新郎、英雄タリーに永遠の愛を誓うか?」
「誓う」
「誓う」
「新郎、英雄タリー。新婦、歌姫エーカ、リニス・サーワリに永遠の愛を誓うか?」
「英雄の称号において、誓う」
「指輪を」
私は2人と向き合い、懐から小さな箱を取り出した。
その小さな箱を開けると、黄緑色の宝石が埋め込まれた指輪と黒色の宝石が埋め込まれた指輪と私の瞳の色でもある水色の宝石が埋め込まれた指輪が入っていた。
私は2人の右手の薬指にそれぞれの瞳の色の宝石が埋め込まれた指輪をつけた。
つけてから、私の右手の薬指にもつけようとしたら、2人に止められた。
2人に小さな箱を渡すと、2人で協力して私の右手の薬指に私の瞳の色である水色の宝石が埋め込まれた指輪をつけてくれた。
「では、誓いのキスを」
私は小さいな箱を懐に仕舞い、2人の純白なベールを上にあげた。
そして、私はエーカ、リニスの順番に誓いのキスをした。
2人の唇は驚くほど柔らかった。
2人の顔は恥ずかしいのか赤くなっていた。
誓いのキスを終えると、会場から祝福を受けた。
私達はその祝福を受けながら、会場の外にでた。
会場の外には沢山の者達が集まっていた。
そして、その者達も私達のことを祝福してくれた。
エーカとリニスは会場の職員から1つのブーケを受け取り、上に投げた。
上に投げたブーケは風に乗り、必死にブーケを取ろうとしていた女性達の上を過ぎ、ある女性の手の上に落ちた。
ブーケを取ったのはなんとスムだったのだ。
スムは驚いていたが、カリスは優しそうな表情を浮かべ、スムのことを抱き締めた。
その光景を周りの人達に見られ、次は貴方達だなとか言われ、2人とも顔を真っ赤にしていた。
その光景を見ていると、愛しい妻達が私のことを呼んでいた。
私は愛しい妻となったエーカとリニスの方を向いた。
「私、ううん、私達のことをこれからも幸せにしてね、タリー」
「僕達のことをこれからもよろしく頼むぞ、後輩君、いや、タリー君」
2人は今まで見て来たどんなものよりも美しい笑顔を浮べた。
私は2人の笑顔に見惚れながら、優しく微笑んだ。
「勿論だ」
無能と言われた召喚士は契約していた特殊進化したハリケーンバードのエーカと王立学園時代の先輩のリニスと共に幸せになる。
風属性の力を使って。
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