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過去を手繰る
78 トレント狩り/ニール(2)
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◆登場人物紹介(既出のみ)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女
・ニール…冒険者見習いとして活動している自称貴族の少年
・デニス…王都シルディスの西の冒険者ギルドに所属する、Aランクの先輩冒険者
・シアン…前・魔王討伐隊の一人で、Sランク冒険者(実力はSSランク)。デニスの兄貴分
・マーニャ…エルフでBランクの魔法使い。デニスとは古くからの知人。実年齢不詳(かなり年上らしい)。
・アラン…デニスの後輩の冒険者。騎士団に所属しながら、ニールの「冒険者の先生」をしている。
・ジャスパー…『樫の木亭』夫婦の一人息子で、Cランク冒険者。剣士から魔法使いに転向の修行中。
====================
森の奥にあるトレント生息地には、見た感じ10体以上のトレントが集まっていた。何をしてるのか、ただ群れているだけの様にも見える。
今回は2体狩ればいいんだそうだ。複数のトレントを相手にするつもりはない。群れの端にいるトレントに目星をつけ、アランが軽く魔法を当てて誘いだして来た。
他のヤツらに見つからない程度に離れると、マーニャさんとジャスパーの火魔法、アランの風魔法をガンガン当てていく。
トレントはダメージを与えると、片っ端から回復魔法で回復する。それを続けているうちに魔力切れで倒れるんだそうだ。そこで核を潰せば討伐完了となる。(と、本で読んだ)
デニスさんは直接攻撃をするらしい。若干小さめの戦斧を手にしている。……いや? あれ普通の手斧じゃねえか?
「おい、ニール! 俺が枝を落とすから、お前が拾っていってくれー」
「え? 枝?」
「あの太い幹に斬りつけると剣が痛むから勿体ないんだよ。それより小枝でもいいから沢山切り落としてやった方が、ヤツにはダメージを与えられる。しかも落とした枝も高く売れるんだよな」
つまりは、ダメージを与えつつお小遣い稼ぎもできる、一石二鳥の方法らしい。
ただしトレントに登る必要があるので危険も増えるし、トレントの気を逸らす為の人手も要る。魔法を連打するので、それなりの魔力も使うそうだ。
「まあ、これだけ魔法の使い手がいるなら、大丈夫でしょ」
そうマーニャさんが言ったように、3人の魔法の猛襲に気を取られ、こっそり回り込んで背後から登っていくデニスさんに、トレントは気が付かないようだ。
トレントに登ったデニスさんは、そう太くない枝を選んで手斧でどんどんと落としていく。落とした端から回復魔法がかかり、枝が再生すると、またそれをデニスさんが切り落とした。
自分の上に居るデニスさんに気付いたトレントは、振り落とそうと巨体をゆすったり、腕のような枝を振り上げて払おうとしたりするが、そうするとがら空きになった胴体に魔法の直撃を食らってしまう。
結局トレントは魔法を防ぐのを優先させるようになり、デニスさんは木の枝を落とし放題の状態になった。
落ちた枝を集めて回ると、あっという間に両手で抱える程になる。言われてた様に、縄で縛ってマジックバッグにしまった。
魔力切れでトレントが動かなくなる頃には、20束ほどになったんじゃないかな。
こんな感じで、2体目を相手にした時はアランがトレントに登り、デニスさんは火魔法で参戦。意外にあっさりと倒す事ができた。といっても、皆殆ど魔力を使いきっちゃったらしいけど。
トレント2体分と沢山の枝の束で流石に重くなったバッグを、手分けして背負って帰路についた。
* * *
「マーニャさん、水魔法使いだと思っていましたが、火魔法も使うんですね」
「得意なのが水ってだけで、ひと通りは使えるわよー」
前の方を歩くアランとマーニャさんがそんな話をしている。以前にも何度か見ているけど、やっぱりマーニャさんの魔法はすごいよなあ。
「そういやオーク狩りの時にはマーニャさんは居なかったんだよな。残念だったよなー」
この人もいたら、さらに凄かっただろうに。
「マーニャはシアンさんが苦手らしいんだよ」
デニスさんがこっそりと俺に言った。そうなんだ? なんでだろうな。
シアンさんはあんなに強くて凄い人で、しかも嫌味なところも全くない。俺みたいな見習いにもすげー良くしてくれる。良い人だと思うんだけどな。
「まあ、マーニャはエルフで長生きだからな。俺らの知らない頃もあるんだろうよ」
デニスさんよりもさらにずっと年上みたいな事、言ってたもんな。
「でもマーニャさん、子どもがいるようには見えないんだけどな」
そんな言葉が今度は聞こえたらしい。前を行くマーニャさんが振り返ってにっこり笑った。
「エルフは人間よりは長寿だから、子持ちも少なくないわよ」
「へーー 俺、他の種族の事は全然知らないんだよな。マーニャさんの子どもは男の子? 女の子?」
「どっちも」
「一人じゃないんだ? きょうだいが居るっていいなぁ、賑やかなんだろうな」
「そんな事ないわ。一緒に住んでるわけでもないし」
「え……?」
その一言で、ああまた俺は余計な事を言っちゃったんだろうか?と不安になった。
俺の表情に気が付いたのだろう。
「それが普通なのよ、エルフは家族を持たないから。人間とは違うわよね」
マーニャさんはそう言って優しく微笑んでみせてくれる。
「自分の親の事を知らない者もいるわ。それも珍しい事じゃないのよ」
ニールは優しいわね、と言いながら、マーニャさんの細い指が俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
俺の母様の手は元騎士の手で、マーニャさんみたいに細く柔らかくはない。頭の撫で方ももっと強い感じがする。でも心がほっとするのも、心地よい温かさを感じるのも、マーニャさんも母様も同じ母親だからなのかなって、ちょっと思った。
夕方を迎える草原では、涼しくなった風が俺たちの背中を押す様に吹いている。
「早く帰って夕ご飯に美味しいもの食べましょう」
そんなマーニャさんの声を合図に、王都への足を早めた。
帰ったら母様に手紙を書こう。故郷と同じ虫の声を聞きながら、そう思った。
====================
(メモ)
水魔法使い(#2、#5)
オーク狩り(#57)
デニスより年上(#19)
子持ち(#51)
お母様(#閑話1)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女
・ニール…冒険者見習いとして活動している自称貴族の少年
・デニス…王都シルディスの西の冒険者ギルドに所属する、Aランクの先輩冒険者
・シアン…前・魔王討伐隊の一人で、Sランク冒険者(実力はSSランク)。デニスの兄貴分
・マーニャ…エルフでBランクの魔法使い。デニスとは古くからの知人。実年齢不詳(かなり年上らしい)。
・アラン…デニスの後輩の冒険者。騎士団に所属しながら、ニールの「冒険者の先生」をしている。
・ジャスパー…『樫の木亭』夫婦の一人息子で、Cランク冒険者。剣士から魔法使いに転向の修行中。
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森の奥にあるトレント生息地には、見た感じ10体以上のトレントが集まっていた。何をしてるのか、ただ群れているだけの様にも見える。
今回は2体狩ればいいんだそうだ。複数のトレントを相手にするつもりはない。群れの端にいるトレントに目星をつけ、アランが軽く魔法を当てて誘いだして来た。
他のヤツらに見つからない程度に離れると、マーニャさんとジャスパーの火魔法、アランの風魔法をガンガン当てていく。
トレントはダメージを与えると、片っ端から回復魔法で回復する。それを続けているうちに魔力切れで倒れるんだそうだ。そこで核を潰せば討伐完了となる。(と、本で読んだ)
デニスさんは直接攻撃をするらしい。若干小さめの戦斧を手にしている。……いや? あれ普通の手斧じゃねえか?
「おい、ニール! 俺が枝を落とすから、お前が拾っていってくれー」
「え? 枝?」
「あの太い幹に斬りつけると剣が痛むから勿体ないんだよ。それより小枝でもいいから沢山切り落としてやった方が、ヤツにはダメージを与えられる。しかも落とした枝も高く売れるんだよな」
つまりは、ダメージを与えつつお小遣い稼ぎもできる、一石二鳥の方法らしい。
ただしトレントに登る必要があるので危険も増えるし、トレントの気を逸らす為の人手も要る。魔法を連打するので、それなりの魔力も使うそうだ。
「まあ、これだけ魔法の使い手がいるなら、大丈夫でしょ」
そうマーニャさんが言ったように、3人の魔法の猛襲に気を取られ、こっそり回り込んで背後から登っていくデニスさんに、トレントは気が付かないようだ。
トレントに登ったデニスさんは、そう太くない枝を選んで手斧でどんどんと落としていく。落とした端から回復魔法がかかり、枝が再生すると、またそれをデニスさんが切り落とした。
自分の上に居るデニスさんに気付いたトレントは、振り落とそうと巨体をゆすったり、腕のような枝を振り上げて払おうとしたりするが、そうするとがら空きになった胴体に魔法の直撃を食らってしまう。
結局トレントは魔法を防ぐのを優先させるようになり、デニスさんは木の枝を落とし放題の状態になった。
落ちた枝を集めて回ると、あっという間に両手で抱える程になる。言われてた様に、縄で縛ってマジックバッグにしまった。
魔力切れでトレントが動かなくなる頃には、20束ほどになったんじゃないかな。
こんな感じで、2体目を相手にした時はアランがトレントに登り、デニスさんは火魔法で参戦。意外にあっさりと倒す事ができた。といっても、皆殆ど魔力を使いきっちゃったらしいけど。
トレント2体分と沢山の枝の束で流石に重くなったバッグを、手分けして背負って帰路についた。
* * *
「マーニャさん、水魔法使いだと思っていましたが、火魔法も使うんですね」
「得意なのが水ってだけで、ひと通りは使えるわよー」
前の方を歩くアランとマーニャさんがそんな話をしている。以前にも何度か見ているけど、やっぱりマーニャさんの魔法はすごいよなあ。
「そういやオーク狩りの時にはマーニャさんは居なかったんだよな。残念だったよなー」
この人もいたら、さらに凄かっただろうに。
「マーニャはシアンさんが苦手らしいんだよ」
デニスさんがこっそりと俺に言った。そうなんだ? なんでだろうな。
シアンさんはあんなに強くて凄い人で、しかも嫌味なところも全くない。俺みたいな見習いにもすげー良くしてくれる。良い人だと思うんだけどな。
「まあ、マーニャはエルフで長生きだからな。俺らの知らない頃もあるんだろうよ」
デニスさんよりもさらにずっと年上みたいな事、言ってたもんな。
「でもマーニャさん、子どもがいるようには見えないんだけどな」
そんな言葉が今度は聞こえたらしい。前を行くマーニャさんが振り返ってにっこり笑った。
「エルフは人間よりは長寿だから、子持ちも少なくないわよ」
「へーー 俺、他の種族の事は全然知らないんだよな。マーニャさんの子どもは男の子? 女の子?」
「どっちも」
「一人じゃないんだ? きょうだいが居るっていいなぁ、賑やかなんだろうな」
「そんな事ないわ。一緒に住んでるわけでもないし」
「え……?」
その一言で、ああまた俺は余計な事を言っちゃったんだろうか?と不安になった。
俺の表情に気が付いたのだろう。
「それが普通なのよ、エルフは家族を持たないから。人間とは違うわよね」
マーニャさんはそう言って優しく微笑んでみせてくれる。
「自分の親の事を知らない者もいるわ。それも珍しい事じゃないのよ」
ニールは優しいわね、と言いながら、マーニャさんの細い指が俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
俺の母様の手は元騎士の手で、マーニャさんみたいに細く柔らかくはない。頭の撫で方ももっと強い感じがする。でも心がほっとするのも、心地よい温かさを感じるのも、マーニャさんも母様も同じ母親だからなのかなって、ちょっと思った。
夕方を迎える草原では、涼しくなった風が俺たちの背中を押す様に吹いている。
「早く帰って夕ご飯に美味しいもの食べましょう」
そんなマーニャさんの声を合図に、王都への足を早めた。
帰ったら母様に手紙を書こう。故郷と同じ虫の声を聞きながら、そう思った。
====================
(メモ)
水魔法使い(#2、#5)
オーク狩り(#57)
デニスより年上(#19)
子持ち(#51)
お母様(#閑話1)
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