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二度目の帰還
48 久しぶりのクエスト(1)
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◆登場人物紹介(既出のみ)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。ニールの家に仮居候中。
・アラン…騎士団に所属しながら、ニールの「冒険者の先生」をしているBランク冒険者
・ニール…冒険者見習いとして活動している自称貴族の少年
・マーニャ…エルフでBランクの魔法使い。美人で酒に強い。
・デニス…王都シルディスの西の冒険者ギルドに所属する、Aランクの先輩冒険者
====================
リリアンさんの朝の早さには驚かされました。
確かに昨日、声を掛けていただく様に言ってありましたが、まさか日が昇る前に部屋のドアが叩かれるとは……
リリアンさんに起こされ、眠い目をこすってランニングをご一緒する。が、その距離も半端ない。昨日走った距離はほんの準備運動にしかならないと感じられる程だった。
「せっかくアランさんと一緒なので、騎士団での訓練がどんな事をするのか教えてもらえませんか?」
リリアンさんから意外なリクエストがあった。
私が今でも騎士団に所属している事を、彼女に言ってはいないはずだ。「騎士団に居た事がある」と言ったのを受けての発言だろう。
「教えてほしい」と言いながらも、彼女はあらかたを知っている様子だった。やや古い型が混ざっているようだが。
何故、彼女が知っているのか。手合わせをしてみるも、その作法やルールもほぼ間違いない。
勿論、私が勝ったが…… 15歳にしてこれほど動けるのなら、これからの伸びしろは如何様の程か。獣人でなければ、充分に騎士団にも推薦できる人材だと思えた。
彼女は騎士団の訓練を真似るのが気に入ったようで、明日からも付き合ってほしいと笑顔で頼まれた。
「私がやっている鍛錬は自己流ばかりなので、こうして基本が学べるのは有り難いです」
確かに、騎士団の訓練は冒険者にとっても、得られる物は多いだろう。
その頃、やっと起きてきたニールは私たちの朝練を目にして、目を丸くさせた。それまで残っていた眠気が一瞬にして吹き飛んだ様だ。
そうだな、彼にも騎士団の訓練をさせてみよう。模擬剣を手にして無駄に気合が入っているニールを見て、そう思った。
* * *
皆で冒険者ギルドに行って、そこで今更にリリアンがランクアップしていた事を知った。
Cランクって、マジかよ。冒険者デビューしてまだ3か月だぞ。
「おい、いったい何があったんだ?」
そう聞くと、リリアンは頭に手を当てながらへらへらと笑った。
「いやー、通りすがりに見つけて倒しちゃったワイバーンが、偶然にもクエスト対象でさー」
ああ、そういえば先日デニスさんとワイバーンを倒したと言っていたな。あれか。ラッキーなヤツだなぁ。
今日のメンバーはAランクが一人、Bランクが二人にCランクが一人、あとは見習いの俺。
俺を除外すれば、Bランクのクエストを選ぶのがいいだろうという話になった。
「でも、ランク通りの実力ではない者も居ますがね」
アランが俺にだけ聞こえるように呟いた。
そういや、デニスさんは元々はSランクだったって聞いてたな。
でも今日に限って妥当な依頼がボードに貼り出されていなかった。
さあどうしようかと話していると、ギルドマスターのマイルズさんが2階から降りてきた。
「おい、デニス。ちょっと良いか?」
俺たちを置いて、デニスさんがギルマスの話を聞きに行ったのを見送ると、
「何か頼まれ事でもありそうね」
マーニャさんが、ふっと笑う様に言った。
以前リリアンが言っていたように、マーニャさんも本当はBランク程度の実力なんかじゃないだろう。
この間、俺の故郷に一緒に連れて行ってもらったあの時。マーニャさんの魔法で、馬車で行くよりもずっと早くに故郷の近くの町に着く事ができた。内緒だと言われ、それが何の魔法だか聞く事も出来なかったけれど…… でも凄い魔法だという事はわかる。
以前にナインテールを倒したそうだし。もしかしたら、マーニャさんもAランクどころか……Sランククラスなのかもしれないな。
そんな事を考えていると、デニスさんが戻って来た。
「あー…… グリフォン討伐を頼まれたんだが。いいかな?」
グリフォン!!
まだ見た事のない魔獣の名前に、心が沸き立った。
* * *
一行は西へ向かう街道を進む。街道を行く者が他に見あたらないのは、この先に発生している障害を恐れて、皆他の道を選んでいるのでしょう。
どうやらグリフォンのつがいが、街道の途中に居座ってるそうで。おそらく近くに巣でも作ってしまったのか。Aランクの魔獣が、しかも2頭も居るのなら、リリアンとニールを置いて行こうとするだろうとは予想ができたわ。
でもニールはともかく、リリアンはもう一人前の冒険者なのだから、いつまでもそういう訳には行かないでしょうに。すでにCランクまで上がっているのだし。
結局、見聞を広めさせたいと、アランがニールの同行を請い、そうなるとリリアンも連れて行かない訳にはいかなくて。
結局デニスは、彼女の押しを断れなかった。
でも、それで良かったのよ。全く……いつまで怯えているのかしらね。
「何、まだビビってるのよ。ニールにはアランがついているし、彼女はあんたが守ってあげれば大丈夫でしょう。せっかくだから、良いとこ見せてやりなさいよ」
明らかに不安顔になったデニスに、そう耳打ちすると軽く息を吐いてああと返事があった。
「リーダーがメンバーにそんな顔見せるんじゃないわよ」
発破をかけるように背中を叩くと、いてぇ!とわざとらしく言って不自然な苦笑いをしてみせた。
優しくて弱い者を気遣えるのは彼の良いところだけれど、こんな所で立ち止まらせる訳にはいかない。
彼にはトラウマを克服してもらわないと、困るのだから。
====================
(メモ)
Cランク(#34)
ワイバーン(#11、43)
マーニャの実力?(#4)
ナインテール(#19)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。ニールの家に仮居候中。
・アラン…騎士団に所属しながら、ニールの「冒険者の先生」をしているBランク冒険者
・ニール…冒険者見習いとして活動している自称貴族の少年
・マーニャ…エルフでBランクの魔法使い。美人で酒に強い。
・デニス…王都シルディスの西の冒険者ギルドに所属する、Aランクの先輩冒険者
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リリアンさんの朝の早さには驚かされました。
確かに昨日、声を掛けていただく様に言ってありましたが、まさか日が昇る前に部屋のドアが叩かれるとは……
リリアンさんに起こされ、眠い目をこすってランニングをご一緒する。が、その距離も半端ない。昨日走った距離はほんの準備運動にしかならないと感じられる程だった。
「せっかくアランさんと一緒なので、騎士団での訓練がどんな事をするのか教えてもらえませんか?」
リリアンさんから意外なリクエストがあった。
私が今でも騎士団に所属している事を、彼女に言ってはいないはずだ。「騎士団に居た事がある」と言ったのを受けての発言だろう。
「教えてほしい」と言いながらも、彼女はあらかたを知っている様子だった。やや古い型が混ざっているようだが。
何故、彼女が知っているのか。手合わせをしてみるも、その作法やルールもほぼ間違いない。
勿論、私が勝ったが…… 15歳にしてこれほど動けるのなら、これからの伸びしろは如何様の程か。獣人でなければ、充分に騎士団にも推薦できる人材だと思えた。
彼女は騎士団の訓練を真似るのが気に入ったようで、明日からも付き合ってほしいと笑顔で頼まれた。
「私がやっている鍛錬は自己流ばかりなので、こうして基本が学べるのは有り難いです」
確かに、騎士団の訓練は冒険者にとっても、得られる物は多いだろう。
その頃、やっと起きてきたニールは私たちの朝練を目にして、目を丸くさせた。それまで残っていた眠気が一瞬にして吹き飛んだ様だ。
そうだな、彼にも騎士団の訓練をさせてみよう。模擬剣を手にして無駄に気合が入っているニールを見て、そう思った。
* * *
皆で冒険者ギルドに行って、そこで今更にリリアンがランクアップしていた事を知った。
Cランクって、マジかよ。冒険者デビューしてまだ3か月だぞ。
「おい、いったい何があったんだ?」
そう聞くと、リリアンは頭に手を当てながらへらへらと笑った。
「いやー、通りすがりに見つけて倒しちゃったワイバーンが、偶然にもクエスト対象でさー」
ああ、そういえば先日デニスさんとワイバーンを倒したと言っていたな。あれか。ラッキーなヤツだなぁ。
今日のメンバーはAランクが一人、Bランクが二人にCランクが一人、あとは見習いの俺。
俺を除外すれば、Bランクのクエストを選ぶのがいいだろうという話になった。
「でも、ランク通りの実力ではない者も居ますがね」
アランが俺にだけ聞こえるように呟いた。
そういや、デニスさんは元々はSランクだったって聞いてたな。
でも今日に限って妥当な依頼がボードに貼り出されていなかった。
さあどうしようかと話していると、ギルドマスターのマイルズさんが2階から降りてきた。
「おい、デニス。ちょっと良いか?」
俺たちを置いて、デニスさんがギルマスの話を聞きに行ったのを見送ると、
「何か頼まれ事でもありそうね」
マーニャさんが、ふっと笑う様に言った。
以前リリアンが言っていたように、マーニャさんも本当はBランク程度の実力なんかじゃないだろう。
この間、俺の故郷に一緒に連れて行ってもらったあの時。マーニャさんの魔法で、馬車で行くよりもずっと早くに故郷の近くの町に着く事ができた。内緒だと言われ、それが何の魔法だか聞く事も出来なかったけれど…… でも凄い魔法だという事はわかる。
以前にナインテールを倒したそうだし。もしかしたら、マーニャさんもAランクどころか……Sランククラスなのかもしれないな。
そんな事を考えていると、デニスさんが戻って来た。
「あー…… グリフォン討伐を頼まれたんだが。いいかな?」
グリフォン!!
まだ見た事のない魔獣の名前に、心が沸き立った。
* * *
一行は西へ向かう街道を進む。街道を行く者が他に見あたらないのは、この先に発生している障害を恐れて、皆他の道を選んでいるのでしょう。
どうやらグリフォンのつがいが、街道の途中に居座ってるそうで。おそらく近くに巣でも作ってしまったのか。Aランクの魔獣が、しかも2頭も居るのなら、リリアンとニールを置いて行こうとするだろうとは予想ができたわ。
でもニールはともかく、リリアンはもう一人前の冒険者なのだから、いつまでもそういう訳には行かないでしょうに。すでにCランクまで上がっているのだし。
結局、見聞を広めさせたいと、アランがニールの同行を請い、そうなるとリリアンも連れて行かない訳にはいかなくて。
結局デニスは、彼女の押しを断れなかった。
でも、それで良かったのよ。全く……いつまで怯えているのかしらね。
「何、まだビビってるのよ。ニールにはアランがついているし、彼女はあんたが守ってあげれば大丈夫でしょう。せっかくだから、良いとこ見せてやりなさいよ」
明らかに不安顔になったデニスに、そう耳打ちすると軽く息を吐いてああと返事があった。
「リーダーがメンバーにそんな顔見せるんじゃないわよ」
発破をかけるように背中を叩くと、いてぇ!とわざとらしく言って不自然な苦笑いをしてみせた。
優しくて弱い者を気遣えるのは彼の良いところだけれど、こんな所で立ち止まらせる訳にはいかない。
彼にはトラウマを克服してもらわないと、困るのだから。
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(メモ)
Cランク(#34)
ワイバーン(#11、43)
マーニャの実力?(#4)
ナインテール(#19)
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