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勇者と妖精と猫の生活
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しおりを挟むオレはグエンの視界を確認した
グエンはなにやら薬を作っているようだった
周囲には誰もいないようで好都合だけど、薬を作るのに葉っぱをゴリゴリするやつ?…それに集中してるから、転移する場所がなかなか見れない
アレス「ミリア、いつでも転移出来るように、構えてて…サラも小さくして、持ってて」
ミリア「はーい」
アレス「お、今だ!」
ミリア「えい!」
グエンの診療所
アレス「よ…」
グエン「わわ!」
アレス「驚かせてごめんw」
ミリア「また来たのよw」
グエン「あはははw…ビックリしましたよ…何か忘れ物とか?」
アレス「いいや…ミリア、サラを元に戻してあげて」
ミリア「うん」
ミリアはサラを地面に下ろして、元に戻した
サラ「こ、こんばんは///」
グエン「こんばんはw」
アレス「なあ、グエン…お前、恋人居ないっつったよな?」
グエン「え?…ええ」
アレス「好きなやつはいる?」
グエン「いえ…今はそんな事も考えられなくてw」
アレス「恋愛に興味ないとか?」
グエン「…うーん…そんなことは…わからないです…なぜです?」
アレス「サラがさ…お前に一目惚れしたってさ」
グエン「え?!///…ボクに?」
サラ「は、はい///…その…」
アレス「グエン、でもな?…なんつうか…」
サラ「あ…わ、わたし…自分で…」
グエン「…それは…間違いなら失礼ですが、サラさんが本当は男性ということでしょうか?」
サラ「!!」
アレス「お、おお…気付いてたのか…」
グエン「身体的特徴でもしかしたら…って思ってました…やはりそうなんですね」
サラ「…はい…ごめんなさい…こんなわたしに好きになられても、困りますよね…」
グエン「いえ…嬉しいですよw」
サラ「本当ですか?///」
アレス「もしさ…グエンならどう?…恋人になれる?…男と知っても」
グエン「…それは…」
サラ「やっぱり無理ですよね…」
グエン「ボクは…外見で判断することはいけないと思ってますが…きっと、サラさんがいかにも男性っぽさがわかるような外見なら…たぶん、全然そんな気になってないと思います…ですが、サラさんは男とわかった上で見ても、とても女性らしくて…」
アレス「それな!w」
ミリア「それそれ!」
サラ「…嬉しい…グス」
グエン「ですから…今のところ、今日初めてお会いしただけなので、サラさんがどんな人かもわかりませんし、なんとも言えませんが…もしも…偉そうな言い分で申し訳ないですが…ボクがサラさんを好きになるなら、ボクはかまいません…ボクは…大切だと思えば愛せると思います」
アレス「…エッチも出来そう?」
グエン「…正直言ってボク…今までそういう経験ないので///…その…上手く出来る出来ないはわからないですが、それでもいいなら…たぶん…でも、その時にならないとわからないかもしれませんが…」
アレス「…つまり、好きになれればお前はちゃんと恋人として付き合うのも、やぶさかではないんだな?」
グエン「まあ、はい…上からな言い分で申し訳ないですが…そうです」
アレス「良かったなあ、サラw…希望はあるぞ」
サラ「は、はい///…で、でも…それはとっても嬉しいですけど…わたしと居ても子どもは…」
グエン「…ボクはもしもあなたを愛する事が出来たなら、そんな事は十分承知な上で付き合うから…だから、そんなことは気にすることではないです」
アレス「…お前はいい男だな…」
サラ「…グス…はい…カッコいいです…」
アレス「グエン…今はお前はサラに何を思ってるか、思ってないのかもわからないけどさ…だから今のところ、お前の助手とか従業員くらいの気持ちで、サラを使ってはやれねえか?」
グエン「それはとても助かりますが…辛い事ですよ?…突然呼び出しも入りますし、休む時間もそんなにありませんし…」
アレス「どうするサラ…お前が決める事だ…もちろん、今すぐここに置いてくわけじゃないが…」
サラ「…グエンさんは、今は一人でその辛い事をなさってるんですよね?…だったらわたし…わたしが手伝えるようになったら、グエンさんの休む時間が少しは作れるなら…わたしはそばに居たいです」
グエン「…サラさん…ありがとう」
アレス「…よし、でも、一旦家に帰ろうサラ…ここはお前の人生の大切な岐路だと思う…だから、一旦帰って、覚悟を決めろ…荷物とかもあるだろうし」
サラ「…はい!!…でもわたしは…グエンさんがいいなら、もう心は決まってます!」
アレス「よしよしw」
グエン「…では、ボクの助手として働いてくれることを、ボクは期待していて良いのですね?」
サラ「はい!!」
グエン「それなら待ってますw」
サラ「はい!!…グス」
アレス「良かったなあw…グエンもありがとな」
グエン「いいえw…まだどうなるかもわからないですし、何よりアレスさんに感謝するのはボクの方です…あの時アレスさんが救ってくれなかったら…」
アレス「そいつはもういいんだよw…むしろオレはお前を救えた事が誇りだ」
グエン「…ウル…アレスさん…ボク…ボク…ウル…本当に…アレスさんに会えて…」
アレス「おうw…ナデナデ…けどお前、ミリアにも感謝しろよ?…ミリアがいるからオレはお前を救えたんだからな」
グエン「…ありがとう、ミリアさん!!…本当にありがとう…」
ミリア「おー、いいのよ~…ナデナデ」
サラ「たしかに…わたしだってミリアちゃんが居なかったら、いくらアレスさんがすごい人でも、今日の事はなかった…」
アレス「そうだぞw…それは本当にそうだぞ」
サラ「ミリアちゃんすごい…ありがとう!!」
ミリア「へへへ///…やったー٩(*❛⊰❛)۶」
アレス「かぁわいいなぁ///…ギュ…よーし、じゃあ今日はとりあえず帰るぞ」
サラ「は、はい!」
グエン「わかりました…また来るのを楽しみにしてますw」
サラ「はい///」
そうして元の町に帰り、サラを家に送っていった
アレス「サラ…オレはそうだな…また明後日の午後7時くらいに来るよ…それまでにいろいろと準備しときな?」
サラ「はい!!」
アレス「いいか?…この生まれ育った町とも、もうお別れ…そういう事にもなるからな?…まあ、帰りたかったら帰らせてやるけど…一応そういう事も覚悟するんだぞ?」
サラ「わかってますw…大丈夫です…不安はありますけど…期待の方が大きくて…」
アレス「うんw…ナデナデ…じゃあまたな」
ミリア「またなー!٩(*❛⊰❛)۶」
サラ「はい!…またw」
嬉しそうに笑うサラの顔は、本当にかわいい女の子にしか見えなかった
アレス「よし…ミリア、ごめんだけど、今度はノトスの修行しに行こう」
ミリア「うん!」
エウレカの家に転移したオレは、早速ノトスに修行をつけた
何よりまずは、痛みに耐える訓練だ…
アレス「ノトス…覚悟をしろよ?…エウレカも」
ノトス「は、はい!…ドキドキ」
エウレカ「うう…うん…」
アレス「その前に、なぜオレがノトスにこの辛い訓練を最初にやるかだが…」
ノトス「…はい…」
アレス「ノトスは決して、心が強くはない…そうだよな?」
ノトス「はい…全然」
アレス「だからなんだ…身体を痛めつける…苦痛に耐える…それは単純だけど、お前が思うよりもずっと、心を鍛えられるからだ…本当だぞ?…勇気すら出てくる…お前次第だけど」
ノトス「おお…」
エウレカ「なんとなくわかる気がする」
アレス「そして心が強くなった方が、この先の修行の効率も良くなる…当然だよな?」
ノトス「…たしかに」
アレス「ただ、お前が耐えれなかったら意味がない…オレは悪いけど、耐えれなかったらそこで修行はやめにする」
ノトス「う、うん…はい…頑張ります」
アレス「でも、オレはノトスを信じているし…それにエウレカもいる」
エウレカ「お、オレ?」
アレス「ああ…誰だって身体が辛い時は心を保つのは大変だよ…それでも大好きな龍が優しく労ってくれたらさ…それは全然違うよ」
ノトス「うん///…そう思う」
エウレカ「わかった!…オレは見るのが辛くても、ちゃんと見て…ノトスちゃんを抱きしめるよ!」
アレス「うんw…きっとね…それはニ龍にとっても良い結果になる…痛めつけるオレを憎んでもいいからさ…ニ龍は幸せになれよ」
ノトス「…アレスさん…ウル」
エウレカ「アレス…」
ミリア「アレス…」
アレス「ブハww…ミリアww」
ノトス「あはははw」
ミリア「ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
アレス「よし…じゃあやるぞ」
そうして、ノトスを片方の爪先だけで立たせて、金属化した腕や足でノトスを殴り、蹴った
ノトスの腕は折れ、足も折れる
血を吐いて、涙を流しても、心を鬼にしてオレは痛めつけた
回復をしながら
アレス「ノトス!…怖がるな!…ちゃんとオレの攻撃を見て構えろ!…目をつぶるな!」
ノトス「は、はい!」
そうして10分ほどボコボコにして、その日のその訓練は終わりにした
あんまりやっても本当に心が保たなくなる
エウレカ「ノトスちゃん…ギュ…グス…」
ノトス「ああ…ガクガク…ギュ…」
アレス「エウレカ…ノトスは震えているだろ?…最初は恐怖があるからさ…その震えが止まるまで、ずっとそうして抱きしめて撫でてやってくれ」
エウレカ「うん!…ギュ…ナデナデ…」
ノトス「…ヒック…」
アレス「ノトス…泣いたっていいぞ…そこはお前がたった一つ、子どもにかえって泣ける場所だからな」
ノトス「…うわぁぁん…」
エウレカ「よしよし…ギュ…ナデナデ」
アレス「落ち着いた?」
ノトス「うん///…なんか恥ずかしい///」
ミリア「ノトスちゃん、かわいいのよ」
アレス「はははw…エウレカが居て良かったな」
ノトス「はい!///」
エウレカ「えへへ///」
アレス「明日からもほとんど毎日これやるけど…耐えれそう?」
ノトス「…うん!…エウレカさんに頼っちゃうけど…」
エウレカ「そんなの当たり前だよ!」
アレス「うんうん…オレがもう大丈夫だなって判断したら、この修行はやめる…たぶんね、なんの戦闘訓練もしてないけど、終わった頃にはノトスの攻撃力も上がってるよ」
ノトス「お~///…よーし…頑張ろ!」
アレス「エウレカ…修行とはいえ、ノトスを痛めつけてすまない…お前の大事な龍を…」
エウレカ「…ううん…オレはアレスを信じてるから」
ミリア「すまないな…エウレカ…」
エウレカ「ブハww」
みんな「「ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」」
そしてこの日はこれで切り上げて、ビリーたちの元へ帰って寝た
応援ありがとうございます!
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