勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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勇者と妖精と猫の生活

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帰り道も、帰ってからも、宇宙の話を聞かせてもらった

宇宙のとてつもない広さと、とてつもない力を聞けば聞くほどに、オレという存在の小さい事を思い知らされる思いだ

ノトス「エウレカさん、すごく知識あるんだねぇ…」
アレス「なんかそういうの学校で学んだの?」
エウレカ「いやぁ///…そういうのは学校じゃないけど、宇宙の事や生物の事とかは面白くて、色々と調べたんだよ///…だからこういう話を話せるのけっこう嬉しいんだ///」
アレス「そうだったのかw…けどさぁ、オレ不思議に思うんだよ」
エウレカ「なにを?」
アレス「いや、オレはその話だと、ドラゴニアとは全然違う…距離だってもうすんごい離れた場所に住んでるわけじゃない」
エウレカ「うんうん」
アレス「けどさ…たしかに人間とドラゴンは見た目は全然違うけど、それ以外の生物とか植物はオレの星とほとんど見た目が変わらないぜ?…大きさは多少違うけどさ」
エウレカ「オレはアレスの世界見た事ないけど、タイガもそう言っててさ…それでオレは思ったんだけどさ」
アレス「うん」
エウレカ「生命体の住める状況になる条件てたくさんあるんだけどね…それが全て合った時しか生命体は出来なくて、そしてその条件が全て合うと同じ進化をするんじゃないかってね」
ノトス「つまり、生命体のいる星はどこも似た感じになるって事?」
エウレカ「そうとしか思えないんだよね…で、ドラゴンと人間の違いは、おそらくだけど、知的生命体に進化する大元の祖先の動物がなんらかの環境や状況の違いで違ってた…ただそれだけなんじゃないかと思うんだ」
アレス「…オレらは猿みたいなのが進化した結果で、エウレカたちはトカゲみたいなのが進化したって感じ?」
エウレカ「そうそう…その可能性は大いにあるとオレは思うんだよ…なぜなら、アレスもタイガもさ」
アレス「うん」
エウレカ「ミリアちゃんも」
ミリア「うん」
エウレカ「このドラゴニアに来て、身体が重いとか、息が苦しいとか、そういうのないよね?…変わらず普通だよね?…時間の感覚も同じ感じだよね?」
アレス「…うん…普通だ…そうか…てことは、ドラゴニアもオレらの星は質量も大気の成分も同じって事か?」
エウレカ「だと思うんだよ…それってさ、偶然同じって思う方が無理があると思わない?」
ノトス「たしかに!w」
アレス「ほんとそうだw」
エウレカ「もちろん偶然だってありえるけどさ…でもオレらが生きていられる星の条件ってのは、それほどにたくさんあるんだよ…そんでね、時間の感覚がほとんど同じって事はね」
アレス「うん」
ミリア「うん」
エウレカ「太陽の大きさと星の距離も同じって事になる」
アレス「そうなの?」
エウレカ「うん…大きさっていうか質量ね…太陽質量が多いと力もすごくなるから、距離が遠くないといけなくなる…遠いと公転周期も長くなる…そうなると時間の感覚が違うよね?」
アレス「なるほど~…」
エウレカ「時間が違ってたら、時間で計算されてる『速度』や『距離』の単位もアレスやタイガには通用しないはずだ」
アレス「たしかにw」
エウレカ「だからさ、本当に全くといっていいほど、アレスの星とドラゴニアは条件が同じなんだと思うよ」
アレス「…なんかすげ~よなあ」
エウレカ「ねw…けどさ、そういうふうに同じ条件下で生きてるから、こうして気持ちとか感情も同じ感覚で話せてるんじゃないかな」
アレス「ああ~…つまり、同じ条件下じゃないオレたちみたいなのが居たとしたら、オレたちから見て悪い考えでも、それが常識だったりするかもしれないって事か?」
エウレカ「そうそうw…例えばオレが『ほんとノロマで頭悪いな、クソオヤジ…』って言ったら、アレスはきっと殴るし、ミリアちゃんとノトスちゃんもガッカリして悲しくなるよね?」
ノトス「うんw…あなたからそんな言葉聞きたくないわ」
ミリア「やだよ~」
アレス「殴るなw…けど、それが普通に褒め言葉かもしれないって事だろ?」
エウレカ「そうそうw…そういうふうに気持ちも違ってくると思うんだ」
ノトス「なるほどねぇ…わたしなんかはどんな状況になったらそんな酷いことが褒め言葉になるか想像つかないけど…」
アレス「オレもわかんねえw…でも、ただそういう可能性があるって事だよな…けどさ、人間でも、たぶんドラゴンでもさ…普通にそれが悪い事だとも、迷惑かけたり傷つけたりする事とも思わないで、話す奴っているよ」
エウレカ「いるよねぇ…」
ノトス「いる!…わたしの昔の友達とかそうだった…」
ミリア「こないだのドロシーとか?」
アレス「そうそう…ああいうのは一体、どう育ったんだ?って不思議に思うよ…同じ言語なのに、言ってる意味が通じないもんな…」
エウレカ「ねw…ほんとだよw」
アレス「ミリアが殺すって判定した奴は本当にオレも価値がないと思っちゃうね…」
ミリア「ドラゴンでそういうの、お兄ちゃんと戦った奴で一龍しか見てないのよ…人間はけっこういるけど」
アレス「ああ~…アイツか?…オレが翼と足切って、片方しか治してやらなかった奴か?w」
ミリア「うんそれw…アイツは死んでも良かったのよ」
ノトス「ブフww」
アレス「オレもドラゴンで嫌な奴ってあいつくらいだったなw…だから覚えてるんだけどw」
ノトス「あははw…ドラゴンは嫌な奴って少ないのねw」
ミリア「少ないのよ」
エウレカ「なんだか嬉しいねw」
アレス「ドラゴンは長生きだから、そんだけ信用が必要になるもんな」
エウレカ「そうだねぇ…」
アレス「けどさ…まともに生きてたら、大事だと思う人…龍を簡単に裏切るなんてマネ…そうそう出来ないよな」
エウレカ「うん…出来ないw…そんなの無理だよ、やりたくない」
アレス「だよなw…オレだってさぁ、ミリアが寝てる時にちょっと離れててさ、その時にミリアが起きて『お兄ちゃんどこ~』って泣いちゃうだけでも心が痛むよw」
ミリア「ごめんなさいw///」
ノトス「あはははw…かわいいw」
アレス「そうw…ごめんって思うけど、たまらなくかわいいんだw」
ミリア「えへへ///」
ノトス「わたしたちもいつか子ども出来て…そんなふうに思われてみたいな」
エウレカ「ねw」
アレス「エウレカに似ればそうなるよw…ママ、ママってさw」
エウレカ「え~」
ノトス「あはははw…ああ、いいねえ…わたし正直言って、子どもと接するのって今までほとんどないからね…すごく不安なんだけど…やっぱり懐かれたら愛おしくなるんだろうなぁ」
アレス「そう思うよ」
ミリア「とってもかわいいのよ」
エウレカ「アレス、今日はそろそろオレたちは寝ないといけないけど…どうする?泊まる?」
アレス「泊まってく?…で、明日社長に挨拶にでも行こうかw」
ミリア「うん!…社長にも会いたい!」
エウレカ「あはははw…それは喜ぶよ」
アレス「けど、その前に少しだけ帰るわ…うちにいる猫とホイミンたちに言わないと」
エウレカ「ああ、うん…ね、その猫とホイミンたちっての…ここには来れないかな?」
アレス「どうかねぇ…ゲート通れるか試してみないことには…」
エウレカ「あ、そっか…じゃあさ、このスマホ貸すから、写真撮ってきて見せてよ」
アレス「これ、オレたちの世界でも使えるのか?」
エウレカ「写真撮るのは出来るよ…使い方教えるね」

オレは写真を撮るやり方を教わって、一旦湖に帰った

ホイミン「おかえりなさいw」
アレス「ただいま~w…つってもまたすぐ行くんだ…今日は友達のところに泊まるから」
カーくん「そうなの…」
アレス「うん…ボスは?」
ミリア「あそこ!」

ボスはオレたちに気付くと、メープルの上に乗って、走り寄ってきた

アレス「あはははw…メープル、すっかり乗り物じゃんw」
メープル「うふふふw」
ボス「アレス~…ピョン…撫でて」
アレス「よーしよしよしw…ナデナデナデスリスリスリ」
ボス「大好き」
ミリア「お兄ちゃん、早速タンクを試してみよ~?」
アレス「おっ、いいね!」

タンクを出して、それにオレの魔法で集めた水を満タンにした

蛇口のレバーを上に上げると水が出る

カーくん「おお~!!」
ホイミン「すごいすごい!!ww」
アレス「ホイミン、このレバーを上に上げたり、下げたり出来る?」
ホイミン「やってみる」

ホイミンたちは問題なくレバーを動かすことが出来て、安心した

アレス「ホイミン、これならいつでもオレの魔法の水飲めるし、清潔だよ」
ホイミン「やったー!!」
ミリア「みんな、このお椀はボスの水入れだから、なくなってたら入れてあげてね」
カーくん「うん!」

この素直で優しい、純粋な者たちを、どういう心持ちになったら裏切れるのか…それが出来るクソはたしかに居るけど、オレにはわからない

カーくんたちとメシを食べて、それから写真を撮って、エウレカの家に戻った

アレス「ごめん、遅くなって…寝る時間少なくしてごめんね」
エウレカ「いいよいいよw…写真撮れた?」
ノトス「見せてえ?」
ミリア「はい!」

エウレカ「この青い丸いのがホイミン?」
アレス「そうそう」
ノトス「かぁわいい~ww」
アレス「あ、ドラゴン目線でもかわいいのかw」
エウレカ「かわいいねぇw…みんなかわいいw…ボスはほんと目つきが怖いねw」
ミリア「ねw…でも賢くて良い子なのよ…猫の中でも特にピカピカなの」
アレス「あ、そうなの?」
ミリア「そうよw…猫はあんましピカピカじゃないのよw…犬と違ってw…でも、ボスはピカピカ」
アレス「それは初めて聞いたわ…へぇぇ…でも犬の方がピカピカなのはわかる気がする」
ミリア「犬は面白いピカピカなのよ…好きな人の近くにいるとピカピカになるのよ」
エウレカ「…なんかわかるかもw」
ノトス「ねw」
アレス「うんうんw」
ミリア「お兄ちゃんの昔の友達のゴンも、きっと幸せだったのよ」
アレス「ああ…そうであってほしい」
ノトス「ホイミンてなんにも考えてなさそうな顔がかわいいわね」
アレス「実際のところ、あんまりいろいろ考えてはないと思うw…だけど、ホイミンはいろんなところで、持ち前の回復魔法でみんなを助けてる…無償の優しさを振りまいて生きてる…どんな宝石よりも価値のある生き物さ」
エウレカ「いいねえ…」
アレス「ホイミンは普通は単独でふらふら気の向くままに生きてるんだけど、このホイミンは違うね」
ミリア「このホイミンはカーくんをほっとけないのよ…それに、お兄ちゃんのことが大好きなの」
アレス「へぇぇ…オレそんなかまってないけどなぁ」
ミリア「ホイミン言ってたのよ…」
エウレカ「好きって?」
ミリア「うん…みんなでお風呂入る時、ホイミンはお湯には入れないからね…お水の冷たい風呂に入るのよ」
ノトス「うん」
ミリア「お兄ちゃんだけはその冷たいお風呂に一緒に入るの…アタシは冷たくて無理」
エウレカ「ああ~…」
ミリア「ホイミンはそのお兄ちゃんの優しさが大好きなんだって」
アレス「あ、そうなの?」
エウレカ「アレスらしいねぇ」
ノトス「うん…」
ミリア「お兄ちゃんはモテモテなのよ」
アレス「やったぜw…てか、そろそろ寝ようか…」
エウレカ「ああ、うん」

そうして、オレとミリアはエウレカとノトスにしたら普通のベッドたけど、オレたちには巨大なベッドで、一緒に寝た

さすがに文明の進んだドラゴニアのベッドは、めちゃくちゃ寝心地が良かった
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