勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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再び魔界

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アレス「ガイア様は動物と話したりは出来ます?」
ガイア「んー…出来るとは思うが…動物がここに来れればの話じゃな」
アレス「そっか…」
ガイア「出来るとは言ってもあれじゃぞ?…考えがわかるってことと、ワシの考えを伝えるといったところで、獣は人間ほど理解はせんよ…人間ほど脳の性能が良くないからのう…当然じゃが」
アレス「…それはでも、簡単な事なら伝えられます?」
ガイア「うむ…その獣にもよるが…何度も伝えればわかるかもな」
アレス「なるほど…」
ガイア「…ボスのことか?」
アレス「…わかりましたかw」
ガイア「まあのw…おぬしはたとえ行きずりの獣でも、頼られたら見捨てたりはしないからのう」
アレス「…そんな良い奴じゃないですよw…全ては見れませんし、気に入った奴しか…助ける気にはならないです」
ガイア「そんなのワシだってそうじゃよw…ふうむ…ではそうだな…おぬしの不老不死の願いを叶えるという褒美は、ちょっとズルい形になったから、獣と気持ちを通じ合う能力を、ワシからおぬしへ譲渡しよう」
アレス「…そんな事出来るんですか?」
ガイア「ああ、『与える』というのは正確ではなくてなw…おぬしのその『やる気次第の力』というのも、ワシの元々持っていた能力の一つじゃ…それをおぬしに譲渡したのじゃ」
アレス「譲渡…」
ミリア「譲渡って?」
アレス「『あげる』ってことだよ」
ミリア「アタシがお兄ちゃんにホイミンの杖をあげる…とか?」
アレス「そう…そうすると、ミリアの手にはもう、ホイミンの杖はなくなるよね?」
ミリア「あ、うん…」
アレス「つまり…ガイア様は今はその『やる気次第の力』を持っていないということですか?」
ガイア「そういうことじゃ」
アレス「そんな…なんか申し訳ないな」
ガイア「気にするな…何かをすれば何かが起こる…何かなくせば何かを得るし、何かを得れば何かをなくす…なんにでも代償がある…それは当然の事じゃろw…神だからそれはないなんて、そんな都合の良い事はないよ」
アレス「…なるほど…」
ガイア「獣と通じあう能力…欲しいか?」
アレス「それを貰ったら、ガイア様は困りませんか?」
ガイア「時々は困るじゃろうが…本当に時々かなw…だから、それが必要な時におぬしを呼んでもいいなら全然大丈夫じゃ」
アレス「いいに決まってますw…それならオレは欲しいです」
ガイア「わかった…譲渡したぞ」
アレス「え?Σ(゚д゚υ)もう?」
ガイア「うんww」
アレス「ちなみに返す事も出来ます?」
ガイア「もちろん…おぬしが死んだりしたら返してもらうし、いらないって言ったら返してもらう」
アレス「なら良かったですw」
ガイア「その力はいわば、誰とでも話せる力だ…ただ、気をつけるんじゃよ?」
アレス「…何をですか?」
ガイア「いや、例えばボスと会話するとしてな?」
アレス「…はい」
ガイア「おぬしは今みたいに普通に会話したとするよ?」
アレス「…はい」
ガイア「でもおぬしはそう思っていても、はたから見ると、おぬしも猫の声を出してるように見えるんじゃw」
アレス「ああ~!ww…そりゃたしかに変人だww」
ガイア「ほっほっww」
アレス「それは気をつけますw」
ガイア「うむ」
アレス「それとあと、頼んでばっかりで申し訳ないですが…ミリアは王でなくなったことで、だんだんと身体が成長してるようで…」
ガイア「ほぉ…」
アレス「で…身体が大きくなって、この服が小さくなってきたら、またその時同じ服をサイズ合わせてくれますか?」
ガイア「そんなのはお安い御用じゃよ?…その服気に入ってるのか?」
アレス「はい///…いろいろ着せて、いろいろ買ったけど、やっぱりこれが一番かわいいんですよね~…すごく」
ガイア「おおw…なんか嬉しいw」
ミリア「やったあ!٩(*❛⊰❛)۶」」
アレス「こんな事言うの下品ですけど…ミリアのお胸が大きくなって、お胸の部分が膨らんだら、この服もっとかわいい気がしてます///」
ガイア「ほっほっw…なんなら色違いで同じの何着かやろうか?」
アレス「マジですか?!Σ(゚д゚υ)」
ガイア「うんw…けっこう褒められて嬉しいんじゃ…とくにおぬしみたいに身だしなみに気をつけてる奴に言われるのは」
アレス「やったあww」

そうして、同じデザインの色違いを三つももらえた

ミリア「おお~!(´・O・)」
アレス「楽しみだな~w」
ガイア「他にも何かあるか?」
アレス「いろいろ好奇心で知りたいんですけど、妖精ってなぜ人間の女と同じ特徴なんです?」
ガイア「…というより、ワシら神と同じ身体的特徴なのが人間でな」
アレス「ああ…はい」
ガイア「別にな?…そういうふうに作ったわけじゃないんだぞ…進化の結果、人間は今の外見になった…ワシら神も、人間の姿には驚いたもんじゃ…同じような外観になったからのう」
アレス「…進化?」
ガイア「そうじゃ…全ての生き物には必ず『親』がおるじゃろ?」
アレス「ああ、はい…」
ガイア「その親にも親はいて、さらにその親もいる」
アレス「もちろんですね…」
ガイア「だけど不思議に思わんか?…どんどん遡っていくと、最初の生物はどこから生まれたのか…まさかに命がぽっと湧き出るとは思えないじゃろ?」
アレス「たしかにΣ(゚д゚υ)」
ガイア「最初の生物の元になったのは、生物でもなんでもない、ただの物質なんじゃ…海の中で、火山の噴火だの海流だの…そういったもので出来上がった、命の元になるような物質…それらは次第に集まり、各々が己に『膜』を作った…それが『個』の始まりじゃ」
アレス「…その時点ではでも、生物っぽいとは思えないですね」
ガイア「そうじゃの…この際『生物とは何か』という哲学的なのは置いといて、なんとなくそう思うよな?」
アレス「はい」
ガイア「ワシもそう思う…でもその膜で囲われた、極小の粒は、意思や考えのある無しなど無くても、増えていくんじゃ…そういう仕組みを勝手に実行してな」
アレス「…はい」
ガイア「それらは数が増えてくると、次第に集まり、いくつかの塊になる…それこそが『生物の始祖』じゃ」
アレス「生物の始祖…オレや他の…猫なんかも?」
ガイア「そうじゃ…それらは必ず海から生まれる…最初は粒の生命体…それが植物になり、魚になり…やがて陸に上がりトカゲになったり蛙になったり…そしてまたそれが年月を経て、ネズミになったり鳥になったり…そうやって状況や環境や敵に合わせて、命を繋ぐ為にする変化の事を『進化』と言うんじゃよ」
アレス「へぇぇ!!…そうだったのか…」
ガイア「ネズミのような動物が、どんどん進化して、その中の脳が発達した動物…猿のようなな?…それがさらに年月を重ねて人間へと変わっていった…その人間の形はワシらがそうしたわけでもなく、ワシらと似たのじゃよ」
アレス「…すげえ…」
ガイア「じゃろ?w…だからこそ、ワシらも人間がかわいいんじゃ…妖精を見てな?…おぬしは美しいと思うよな?」
アレス「思います」
ガイア「それはどこがどうとか、説明のいるものじゃないよな?…見て、その瞬間に『美しい』と思う」
アレス「そうですね…好みはあれど、妖精が美しくないと思わない奴がいるとは思えません」
ガイア「つまり、美しさというのは、だいぶ曖昧な感覚に基づいておるが…それでも確かなモノじゃ…なにが言いたいかって言うと、人間の…特に女性の身体的特徴は、美しさの一つの完成した形なんだと思う」
アレス「なるほど~!」
ガイア「妖精はたまごから始まり、虫のような幼体、さなぎを経て、人間の女性のような身体になる…それは小さな規模の進化じゃ」
アレス「ああ…はい」
ガイア「そういう生命を昔にワシらが作った…そして、最後には完成された美しさを持つ女性の姿になるようにした…だから人間の女と妖精は似ているんじゃよ」
アレス「なぁるほど…なるほどねぇ」
ガイア「妖精はだから、他の生物とはいろいろと違っている…なればこそ、妖精だけの世界を与えたのじゃ」
アレス「…よくわかりました」
ガイア「本当にの…最初の生物が生まれて、人間が出来るまでの時間は気が遠くなるほどじゃ…その途中途中でほとんどの生物が死に絶えるような天変地異も何度かあった」
アレス「そうなんですか…」
ガイア「ああ…だが、それは悲惨なようで、長い目で見たら必要な事でもあったのよ…そうした時を超えて、今こうしておぬしと話してる…とても不思議じゃよw」
アレス「本当に…オレもとても嬉しく思います」
ガイア「これからもたまに来て、話し相手になってくれよ?w」
アレス「もちろんですよ」
ガイア「ワシの代わりにいろいろやって、いろいろ見せてくれ」
アレス「そんな事でいいならw」
ガイア「ほっほっw」
アレス「ではそろそろ…ボスのとこに行ってみます」
ガイア「わかったw」
ミリア「おじいちゃん、またね!…ギュ」
ガイア「またね~…ギュ…ナデナデ」
アレス「はははw…またww」

そうしてまたゲートをくぐり、今度はブルースの道場に転移した

リー「あっ!…アレスさん!」
アレス「ようw…ボスはいるかね?」
リー「ボスは居ません…アレスさんが居なくなってから、来てません」
アレス「え!Σ(゚д゚υ)」
リー「しばらくの間、たまに来ては探してましたけど…」
アレス「…そっか…わかった」

オレはボスの視界を見てみた

前にも言ったけど、猫の視界はだいぶ見にくい

それでもなんとか場所はわかった

いつもの商店街だ

でも、ボスの視界はハッキリわからないせいか、それを頼りに転移は出来なかった

アレス「ミリア…商店街に行くよ…走るから、秘密基地に入って」
ミリア「はーい」

ミリアを秘密基地に入れて、商店街に走る

商店街に着くと、オレは視界を見ながらボスを探した

それでもボスは動くから、中々見つけられなかった

肉まん売りの屋台で、ミリアが食べたいと言うから、肉まんを一つ買うことにした

屋台で買っていると、ボスの声が聞こえた

いつもの『ニァ』じゃなく、声になって聞こえた

ボス「アレス~!」
アレス「ボス!!」
ボス「嬉しい嬉しい!!…ピョン!」
アレス「寂しかったか?…ごめんよ」
ボス「撫でて撫でて」
アレス「うんうん…ナデナデナデナデ」
ボス「嬉しい大好き」
アレス「…ウル…スリスリナデナデ」
ボス「嬉しい…大好き大好き」
アレス「よしよし…ごめんな…ウル」

オレは人目をはばかり、ボスを抱いたまま、路地裏に入った

アレス「ボス…わかるか?…オレの言葉」
ボス「…!!…アレス?」
アレス「ああ…わかる?」
ボス「うん!!」
アレス「おおw…良かった…ボス…オレはね」
ボス「うん」
アレス「いろんな場所に旅したりするの」
ボス「たびって?」
アレス「んー…ここじゃないすごく遠くに」
ボス「そうなの…」
アレス「うん…ボスも結構いろんなとこ行くだろ?」
ボス「うん…遊びいく」
アレス「遊びいくのはいいんだよ…けど、オレとね」
ボス「うん」
アレス「どっか遠いとこ…こないだみたいにホイミンとかいるとことか…覚えてる?」
ボス「あのデカい鳥とか?」
アレス「そうそう…あんなふうにいろんなとこ行ったりするのオレも」
ボス「ふうん」
アレス「その時ね、ボスがどっか遊びに行ってね…行くのはかまわないんだけどね」
ボス「うん」
アレス「もしそれで、知らないとこで帰れなくなったりね…誰か悪い奴にいじめられたりね…」
ボス「うん」
アレス「そういうふうになるとオレは悲しいから…連れて行くの出来なかった」
ボス「そっかあ」
アレス「ボス…」
ボス「うん」
アレス「オレとどっか旅して、ボスが一人で遊びに行っても、ちゃんと帰れる?…オレのとこへ」
ボス「…うん!」
アレス「ほんと?…約束できる?」
ボス「やくそく?」
アレス「うん…絶対にするってこと…遊びに行っても、絶対に戻ってこれるかい?」
ボス「うん!」
アレス「オレと一緒に来たい?…一緒に居たいかい?」
ボス「うん!…アレス大好き…お風呂入れて」
アレス「うんw…あとで入ろうかw」
ボス「うん…一緒にいる」
アレス「わかった…ナデナデ…なんでそんなオレが好きなの?」
ボス「あったかいから…わかんない」
アレス「オレもボスが好きw」
ボス「嬉しい…大好き」
アレス「ふふw…ミリアは好き?」
ボス「うん!…ミリアも好き…ミリアはどこ?」
アレス「ミリア…ボスを小さくして?」
ミリア「はーい!」
アレス「ボス…ここに入ってな」
ボス「あ、ミリア!…ピョン…好き」
ミリア「ボスぅ~…ギュ…スリスリ」
アレス「ミリアの事好きだってw」
ミリア「やったあ!」
アレス「ボスはこれからは連れて行く…いいかい?」
ミリア「うん!」
アレス「ボス」
ボス「うん」
アレス「絶対に…遊びに行ったら帰るんだぞ?」
ボス「うん!」
アレス「約束」
ボス「やくそく」
ミリア「お兄ちゃん、猫の鳴き真似上手いねえ…かわいいゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
アレス「マジか!ww…秘密基地に一緒の時は、面倒見てやってね」
ミリア「うん!」
アレス「じゃあ、ゼブルの家に行こうか」
ミリア「はーい」

そうして、ゼブルの家に戻った頃は、ちょうど夕食時だった
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