勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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再び魔界

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ゼブルの家

アレス「みんな、あれだなw…案外、犬が死んだって事で泣いたりするんだなw…意外だわ」
レンゲル「いや…普通にアレスが『仲良くしてた犬が死んで悲しかった』ってだけなら『ふぅん』くらいだけど…」
ゼブル「ああ…あんなふうに聞かされたらなぁ…」
アレス「そっかw」
ゼブル「まあ、とりあえず皆さん…狭いですが、どうぞお上がりください」
ボレアス「失礼する」

そうしてみんなで家に入り、席に座った

まだ食事するには早いから、みんなは人生ゲームをすることにした

オレはその間、ガイア様に会いに行った

妖精の城、シエナの部屋

アレス「よ!」
ミリア「ほ!」
シエナ「あ!いらっしゃーい!…タタタ」
アレス「はははw…ダッコ…こないだのたまごはあれからなんともないかい?」
シエナ「うん!…他にもそういうのあったから、使ったのよ!」
ミリア「良かったね!」
アレス「ふふふw…ナデナデ…やっぱあれだな…今のシエナと比べると、ミリアの身体はだんだん大人に近づいてる感じするな」
ミリア「そうお?」
アレス「うん…ちょっとミリア上着脱いでみて?」
ミリア「うん」

アレス「シエナ、隣に立ってみて?」
シエナ「はーい」

アレス「やっぱ前より胸大きくなったし、身長も少し伸びてる」
ミリア「お~…それはお兄ちゃんにとって良いこと?」
アレス「んー…オレはなんていうか…ミリアが好きだから…嬉しいとかそういうのないかなw…子どもの身体のままでも、大人の身体になっても、ずっと今のその身体のままでも、ミリアなら大好きだ」
ミリア「やったー!٩(*❛⊰❛)۶」
シエナ「背が伸びたら、神さまから貰った服着れないねえ」
ミリア「ああ~…(*´・д・)」
アレス「着れなくなってきたら貰いに行こうよw…さすがにそれくらいはくれるよ」
ミリア「うん!」
アレス「じゃあ、もっかい着て、ガイア様のとこ行こうか」
ミリア「はーい」

天界

アレス「……あれ、今日はまだ来ないな」
ミリア「うん…いつもすぐ来るのに」
アレス「あ、おい…今日はガイア様は?」
天使「これはアレス様…今日はガイア様はあちらの神殿に行かれてますよ」
アレス「オレがそこに行っても大丈夫?」
天使「うーん…きっと行こうとしても行けないと思います」
アレス「え?…なんか結界とか?」
天使「結界といえばそうですが、通常のとは違うものです…神の魔法なので、アレス様にはどうすることも出来ないと思います」
アレス「…どういう結界なの?」
天使「近寄れば近寄るほど、身体が小さくなっていく結界です」
アレス「…近寄っていくほど身体が小さく…」
ミリア「どういうこと?」
アレス「…つまり…ここからあの神殿までの距離が100メートルだとして、50メートル進んだら、オレらの身体が半分になってたとしたら…オレらの歩幅も半分になるから…つまり…行けども行けどもこの距離感は縮むことがないってことか?」
天使「その通りです…進めば進むほど、小さくなりますので…ここから見えるにも関わらず、あの神殿には永遠に辿りつけないでしょう」
アレス「…すげ~…完璧じゃねえか…」
ミリア「よくわかんない…」
アレス「…ミリア、そこから一歩だけ歩いてみて?」
ミリア「うん…よ」
アレス「ミリアの一歩はほら…60センチくらいだろ?」
ミリア「あ、うん」
アレス「逆にさ、ミリアが今より100倍の身長があったら、単純にミリアは一歩で60メートルも進む…わかる?」
ミリア「…うん!わかる!」
アレス「じゃあ、ミリアの背が今の十分の一だったら?」
ミリア「えっと…今が60センチだから…6センチ?」
アレス「そうw…それしか進まない…あれに近くなると、背がどんどんどんどん小さくなるから、一歩の幅もどんどんどんどん小さくなるよね?」
ミリア「…ああ~!!…うん!!」
アレス「走ってスピードが上がって、一歩が大きくなったところで、やっぱりそれだけ小さくなってるなら、たぶんだけど一生あそこにはいけないと思う」
ミリア「おお~…あんなに見えるのに」
アレス「すごい事考えるよなあ…」
「そうじゃろ?」
アレス「ビク!(°ロ° )‘A‘;)」
ミリア「ああ~!おじいちゃん!」
ガイア「ほっほっw…よく来たのうw」
アレス「…いや、今のは完全に油断してました…」
ガイア「ふふふw…待たせてすまんの」
アレス「あ、いえ…いつも突然ですみません」
ガイア「かまわんよw…わしは暇な時はおぬしらを見てるからな…ただ、魔界に行ってる時は見えないから、今日来るのはわからんかった」
アレス「ああ、なるほどw…今来たのは偶然ですか?」
ガイア「いや、おぬしが天界に来たらわかるようにしてある」
アレス「そうなんですねw…はははw」
ガイア「おぬしとミリアに会うのは楽しみじゃからのう…ミリア、抱っこさせておくれ」
ミリア「うん!」

ガイア様はミリアを抱っこしながら、周囲をいつものソファーのある空間に変えた

ガイア「今日はどうした?」
アレス「ああ、魔界のお話を聞かせようと思いましてね…」
ガイア「おお!…教えてくれ」
アレス「はい…結論から言うと、魔人と人間は価値観や文化が違うから、相容れないと思いますが…魔人が悪ということは全然ありませんでした」
ガイア「ほう…魔王も?」
アレス「はい…むしろ魔王はどちらかと言うと人間の価値観寄りで、良い奴でした…な?」
ミリア「うん!…まおちゃん、優しいのよ」
ガイア「ふぅん…ならなぜ天使を?」
アレス「魔王は天使を悪にはしていませんでしたよ…魔界の大気に含まれてる『瘴気』ってのを取り入れると、心の中の悪い部分が増長するらしいです…そいつを取り入れて悪の心が強くなった天使たちが、魔界で悪さをしたのです」
ガイア「…どんな?」
アレス「魔界にいるサキュバス…妖精を殺したそうです」
ガイア「…なんてことを…」
アレス「魔王はサキュバスは性欲が強いだけで、心は純粋無垢な妖精ということを理解していて、大切に思っていました…サキュバスに乱暴な事をしてはいけない法律まで作って」
ガイア「…なんと!!」
アレス「だからその法律を侵した天使たちの方が悪い…でも魔王はそれが瘴気のせいだというのもわかっている…しかし、実際にサキュバスは死んだ…その事実は純粋無垢なサキュバスの為に許す事は出来ない…しかし、魔王は魔界で勝手に天使を裁く…殺す事も出来ない…天界と争うつもりはないから…」
ガイア「ほぉ…うむ…すごく納得できるし、冷静な判断だ」
アレス「魔王は殺せない代わりに、ガイア様たちから裁かれるように、魔王独特の魔法で、『本心が隠せなくなる魔法』というのを天使たちにかけたそうです…そうすれば、ガイア様たちからなんらかの処罰がくだるはずって…」
ガイア「…なるほど…」
アレス「だけど魔王は、悪に染まった心を持つ者は天界に行く事が出来なくなるというのを知らなかった…あの堕天使たちは天界に帰れなくなったから、心優しく美しい妖精の国へ行った…とかなんだと思います」
ガイア「…そういう事だったのか…」
アレス「魔王は理性的で、紳士です…魔王がいるから、魔界や魔人は平和を保てていると思います」
ガイア「…じゃあ、ワシがおぬしを勇者にした意味はあまりないのう…」
アレス「それ、オレも思いましたww」
ガイア「いや、しかし、魔物を作ったのも魔王じゃろう?」
アレス「それはそうですけど、どうやらそれはもっとずっと昔の魔王だそうですよ…何代か代替わりして、今の魔王は一度も作った事ないそうです…なぜ作らないかも聞いたら…」
ガイア「おお…なぜ?」
アレス「『かわいそうであろう?』って言ってましたw…オレはなんか難しい能書きを聞かされるより、信じられました」
ガイア「ほっほっw」
アレス「それどころか、『魔法の実』を狙ったのは、『魔物を駆逐する為』だそうです」
ガイア「どういうこと?」
アレス「魔界の魔物…先代の魔王が作りあげた魔物は、魔力が動力で動く作り物なんだそうです…生物でも命でもない、ただ戦うだけの道具みたいな…」
ガイア「ほぉ…」
アレス「その動力である魔力をなくせば、魔物は消えるそうです…その為に光魔法の魔力を吸い取る魔法を手に入れたかったそうです」
ガイア「…なんと…」
アレス「そういう魔法あるんですか?」
ガイア「あるよ」
アレス「魔王はその魔法を手にして、魔物を消すか、最低でも大きさ変化魔法を手にして、魔物が暴れても被害が出ないように小さくしようとしてました」
ガイア「なるほどのう…それは…人間の為に?」
アレス「いえ…さすがにそこまで人間に寄ってはいないですw…ただやっぱり動機は『かわいそう』って事ですねw」
ガイア「ほっほっw…そうだったのか…」
アレス「ただ、その魔法を手に入れたとして、魔王が直々に一体ずつ滅していくのかなっていう疑問はあります」
ガイア「たしかに…そんなのいつまでかかるかわからんのう」
アレス「ええ…でもね、ガイア様…魔王はそんな平和な奴だけど、オレはちゃんと勇者の仕事をしたと思います」
ガイア「おお…どんな?」
アレス「オレは今日、魔王と戦いました…とは言え、試合ですがね」
ガイア「おお!…ふむふむ」
アレス「その試合はギリギリでオレが勝ちました…そして魔王は、オレがいる限り、地上を襲うことはないし、魔人にもそうしないように…言いつけてました…オレと約束してくれました…そんな約束はなくても、魔王は襲ったりはしないと思いますが…でも、それでもオレは使命を果たせたのではないかと思ってます」
ガイア「うむ…おぬしはワシの想像を超えて、よくやってくれたわ…」
アレス「オレはいろいろと落ち着いたら、地上と魔界を繋ぐゲートの辺りで暮らすつもりです…少なくとも、そこに居を構えるつもりです」
ガイア「門番をする…ってわけか」
アレス「そのつもりです…ただオレの性格上、いろいろなとこに遊びに行きながらだと思いますけどw」
ガイア「なるほどのう…ならばなおさらにアレスには『不老不死』を与えてやらねばじゃのう」
アレス「…お願いします」
ミリア「お兄ちゃん…本当にいいの?」
アレス「うんw…ミリアを置いてはいかない」
ミリア「お兄ちゃん…グス」
ガイア「わかった…と言ってもな?」
アレス「はい」
ガイア「不老不死にする事は…少なくともそんな魔法も力も存在はしないんじゃ」
アレス「え?!Σ(゚д゚υ)…ウソついたんですか?!」
ガイア「いやいやw…おぬし、神にそんな事言うなww」
アレス「けど…」
ガイア「いや、な?…簡単な事じゃ…おぬしが毎年…毎年じゃなくてもいいけど、ワシに会いに来ればいいだけじゃ…そしたらワシはおぬしが年をとっても、今の年齢まで戻してやるから」
アレス「…なるほど!」
ガイア「おぬしの精神や記憶以外の時を戻してなw」
アレス「おお~w…それ、『やっぱもうやらない』とかはなしですよ?w」
ガイア「わかっとるww」
ミリア「それならアタシも安心したのよw…もしお兄ちゃんが生きるのが辛かったら死ねるんだよね?」
ガイア「そうじゃ」
アレス「ミリア…ギュ…大丈夫…オレはミリアとずっと一緒だよ」
ミリア「うん…ギュ」
アレス「約束ですよ?…ガイア様」
ガイア「神に二言はないわい」
アレス「おっし」
ガイア「おぬしが最近まで修行に明け暮れてたのは、魔王との戦いの為か?」
アレス「はい…やってなきゃ勝てませんでしたね…」
ガイア「そんな強いのか、魔王は」
アレス「強かったですねぇ…ところでガイア様…」
ガイア「ん?」
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