勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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再び魔界

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ミリア『お兄ちゃん、カッコ良かったよ~』
アレス『おっ、本当?』
ミリア『うん!…たくさん儲かっちゃったし』
アレス『やったぜw』
ミリア『次はでもね、え~と…1.5対10だって』
アレス『オレ1.5?』
ミリア『うん』
アレス『もう儲からねえなあ…それでもまた全部賭けな』
ミリア『うん!』
アレス『ミゼルに迷惑かけてない?』
ミリア『たぶん…聞いてみる』

ミリア『迷惑だなんてとんでもないって言ってるよ』
アレス『良かったなw…ミゼルはミリアの事かわいいんだろうな』
ミリア『そうかな』
アレス『そうだよw』

審判「アレス…こちらへ」
アレス「はいよ」

3回戦目の相手は陸戦軍団の団長で、式典の時に挨拶してたデカい奴だ

審判「始め!」

コイツこんだけデカいし、二転蹴りに耐えられるんじゃないかなと思って、早速やってみた

そしてそれはキレイに決まり、頭の側面から生えてる湾曲した角と、頬骨と歯が何本か砕けて、ソイツは気絶した

審判はそれを見るなり、『勝者、アレス!!』と叫んだ

アレス「おい…大丈夫か?…ユサユサ…」

オレは胸に耳をつけて、心音を確認した

大丈夫、生きてる

アレス「おい!…起きろ!」
魔人3「ぐ…う…な…」
アレス「喋ると痛えぞ?…良かった生きててw…ちょっと痛いけど、我慢しろよ」

オレはソイツの砕けた頬骨を押さえて、回復した

魔人3「おお…すごい…」
アレス「わりぃ…角片っぽと歯がなくなっちまったな…」
魔人3「ああー!!…角!!」
アレス「わりぃ…」
魔人3「な、何が起きてオレはこうなったんだ?」
アレス「オレの『二転蹴り』って技が決まってさ…あんたなら耐えられるかと思って、試したんだよ」
魔人3「そうなのか…まさか何もしてないうちに終わるとは…」
アレス「角…悪かったな…」
魔人3「あ、いや…」

ミリア『すごかったね、すぐ終わったのよ』
アレス『うんw…死ななくて良かった』
ミリア『あのね、ミゼルちゃんもね、お兄ちゃんカッコいいって』
アレス『あはははww…ミゼルがそんな事言うの意外w』
ミリア『ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3』
アレス『けど、ミゼルに言われるのは気分いいな』
ミリア『でも、さっきの技は陛下にはやらないでほしいって』
アレス『わかってる』
ミリア『あのね、次の試合終わったら、お昼休憩なのよ…一緒にいられるって』
アレス『おお…じゃあさっさと終わらせよう…次は賭け率は?』
ミリア『次はね…お兄ちゃん1.2倍だって…』
アレス『そっか…まぁ、それでもまた賭けておいて?』
ミリア『はーい』

そしてまた審判に呼ばれて、次の試合が始まる

今度の相手は水中戦団の軍団長だった

ソイツはしかし、棄権した

そのせいで賭けは不成立になって、観客からのブーイングが凄かった

アレス「いいのか?…お前…降格しちまうんじゃねえか?」
魔人4「いや、仕方ない…水中ならともかく、陸上じゃ無理だ…こっちこそすまん…あんたを見くびって、試合仕掛けたのに…」
アレス「気にすんな」

そうして四回戦目はなくなり、オレは控え室に戻った

控え室で座っていると、カストロたちがやってきて、そのちょっと後にミリアがミゼルと手を繋いで入ってきた

ミリア「お兄ちゃ~ん…ギュ」
アレス「おー、よしよしw…ナデナデ」
ゼブル「すごいなアレス…異次元の強さだ」
ドルフ「マジでw…稼げたよ~、ありがとなw…たださ、もっと苦戦してくれたらもっと稼げたんだけどな」
アレス「はははw…それは思ったけどね、オレそういうの嫌いでな」
カストロ「あ、ミゼルさん、こちらにどうぞ」

カストロは、扉付近で立っているミゼルに席を作った

ミゼル「ありがとうございます」
カストロ「あ、いえ…」
ミゼル「ですがさすがにお昼は陛下とご一緒しますので…これで失礼します…申し訳ございません」
カストロ「そうなんですか…残念だな…ミゼルさんも食べるかと思って、お弁当作ったのに」
ミゼル「…私に?…ではいただきます…ただ、今は手持ちがございません」
カストロ「え?…ああ、別にいらないですw」
ミゼル「いえ…でも…」
アレス「もらっとけよw…カストロの『気持ち』だ…ソイツは金で返すモンじゃない」
ミゼル「……」
カストロ「あ、でも、気にしないでくださいねw…それで、これ…オレなんかのじゃあれだけど…陛下にも…」
ミゼル「…ありがとうございます…カストロの料理は陛下も美味しいと申してましたので…喜ばれると思います」
カストロ「良かったw」
アレス「良かったなあ」
ゼブル「優しいな」
ミリア「優しいね~」
アレス「ミゼル…ミリアの事見てくれてありがとな」
ミゼル「いえ…それは全然かまいませんから…」
ミリア「ミゼルちゃん、また後で一緒に見ようね!」
ミゼル「はいw…ニコ…それではまたあとで」

そう言ってミゼルは出ていった

カストロ「お弁当気に入ってくれるといいな」
アレス「だいじょぶだよ…ってか、カストロのメシなんだ?…ここでも」
カストロ「嫌だった?」
アレス「ううんw…魔人たちには悪いけど、魔界料理より100倍は嬉しいわ」
ドルフ「たしかになぁ…地上の食いもんは全然うめえよな」
ゼブル「うん…その為に地上が欲しくなるのはわかる気がする」
アレス「なw…けど、そのメシをまずくしてる『瘴気』が、お前たちには必要なんだもんなぁ」
ゼブル「ほんとそれは仕方ないよな」
カストロ「そのさ、瘴気とか…オレ、あんまし気にしてなかったけど、洞窟だと結構平気なのなんでかな」
ゼブル「洞窟とかそういうとこにも少しだけあるんだよ」
アレス「マジで?Σ(゚д゚υ)」
ゼブル「らしいよ…だから人間たちも洞窟に入るといつもと違う感じになるって学者が言ってた」
アレス「…たしかにそうかも…でも雰囲気とか暗さでなってるんだと思ってたよ」
ゼブル「もちろんそれも影響あると思うけどな…でも、洞窟内にはあるってよ…奥に行けば行くほどね」
カストロ「だからオレも平気だったんだな…」
ゼブル「あとは多少慣れもあると思うぜ」
ドルフ「へぇぇ…」
アレス「オレが全然その瘴気が平気なのは、やっぱりこのネックレスのおかげなのかなあ?」
ミリア「そうだといいなあ…それだと死んだこの子たちも嬉しいよ」
アレス「な…でもそうだとすると、オレが妖精の国へ行った事も、今に繋がってるんだよな…」
ミリア「すごいのよw…それに、妖精の国に来てもね…きっとお兄ちゃんじゃなかったら、その石は集まらないのよ」
ゼブル「…なんで?」
ミリア「お兄ちゃんは全然その子たちの事知らないのに、死んだ身体を抱きしめて優しくして、泣いてくれたのよ…妖精はそういう優しいのあたたかいの大好きだから」
カストロ「アレスらしいなあ…」
アレス「かわいそうでさ…」
ミリア「お兄ちゃんは妖精からもモテモテだもんね」
アレス「あ、そうお?w」
ミリア「魔人たちからはモテないかな」
ドルフ「いやぁ…そうでもないんじゃね?…たぶん、魔人の女から見てもアレスはカッコいいよ」
カストロ「戦い方もカッコいいし」
ゼブル「ただ、好きとかそういうのわからねえからな…けど、アレスがその気ならいつでも抱けると思うぜ」
アレス「おお~w…じゃあ魔人てやっぱり、見てくれが判断基準なのか」
ゼブル「だなぁ…そうだと思うぜ…」
ドルフ「ていうか、そこでしか判断する事出来ないしな」
アレス「そっか…」
カストロ「オレみたいにブサイクなのは諦めるか、すげえ金持ちになるしかない」
ミリア「カストロちゃんはブサイクじゃないのよ」
アレス「そうだよ…痩せてきて良くなったよ…もっとちゃんとすれば、案外結構マシにはなるもんだぜ?」
カストロ「…オレもアレスのおかげで儲かったし、少しオシャレもしてみようかな///」
アレス「うんうん…色気付くのは違うけど、身なりを良くするのはいい事だよ」
カストロ「よーし」
アレス「なんつうかさ…すごい高価なアクセサリーを身につけて悦にいるってのとは違くてさ…」
ドルフ「ふんふん」
アレス「例えばさ…10万の宝石があったとするじゃん」
ゼブル「うん」
アレス「そいつを指輪にして、身につけて、自分の格が上がった気になってさ…自慢したりな?」
カストロ「うん」
アレス「それっていうのは、逆に言えば、『自分はそういう物がなければ見栄えが良くない』って言ってるようなモンだ」
ゼブル「…へぇぇ!…なるほどねぇ」
アレス「ソイツ自身がダイヤモンドなら、たかだか10万ぽっちの宝石なんてあったって、逆に見栄えが悪くなるだけさ」
ドルフ「ああ~、そういうことか!」
カストロ「そっか…でも、それでも服は必要だよ?」
アレス「そりゃそうだよw…ダイヤモンドだって、単品でそこいらにあるより、立派なケースに入ってる方がより輝いて見えるじゃん」
カストロ「ああ~たしかにw」
アレス「オシャレっつうのは、そのケースに気を使うことと、自身の宝石を磨くことよ」
ゼブル「なるほどねぇw」
アレス「けど、宝石でない奴は宝石になることから始めないとなw…でもカストロはもう、ピカピカの宝石だよ」
ミリア「そうなのよ」
カストロ「…グス…ありがと…」
ドルフ「…そのケースもゴテゴテに悪趣味に飾りたてない方がいいよな」
アレス「だなw」
カストロ「たしかにアレスの着てる服は高級そうだけど、デザインはシンプルで品がいいもんね…そういうの似合うの羨ましいよ」
アレス「おっ、嬉しいね~」
ミリア「カッコいいのよ~」
アレス「おお…カストロ、これお前考えたの?」
カストロ「あ、うんw…どうかね?」
アレス「美味いよ!…へぇぇ…すげえじゃん…今度教えてくれ」
カストロ「うん///」
ゼブル「ところでアレスよ」
アレス「ん?…モグモグ」
ゼブル「そんな食って試合だいじょぶか?」
アレス「たしかにΣ(゚д゚υ)…ごめん、カストロ…これ、後で食うな」
カストロ「わかったw…オレもちょっと考えないで作りすぎてごめん」
アレス「いや、嬉しいってw…バシ」
カストロ「へへ///」

食後に少しゆっくりしてると、ミゼルが迎えに来た

ミゼルはまた武舞台まで付き添ってくれて、その後ミリアの手をとって、観客席に向かっていく

まおちゃんはまだいない

オレは武舞台に上がり、ストレッチや柔軟をしてその時を待った
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