勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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再び魔界

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ついに試合当日

オレは癖で朝六時に目が覚めた

まだ時間あるから、柔軟と走り込みをする

ミリアはオレの手の上でタオルに巻かれて眠ってる

だからミリアを乗せてる手だけは動かさないように走っていて、それももうかなり慣れた

ボスは一緒に寝ない時も、朝には道場に来ていた

オレとミリアが居なくて寂しがってないかな…

ボスの視界は魔界では見れない

それに、カーくんたちとかもそうなんだけど、見えても見え方がオレの普段見てるのとは違う

なんというか、色がないし、あまりよくわからない

たぶん、人間と獣は目の仕組みが違うんだと思う

だからきっと、読み取れてないんだろう

ボスの視界なんかは猫なだけに、素早くあっちこっちに視線が移るから、余計にわけがわからない

寂しがってくれてたら嬉しいけど、あちこちいろんなとこに行くオレに、放浪癖のあるボスは連れて行けないもんな…

ミリア「うー( *A*)…」
アレス「おっ、起きたの?」
ミリア「うん…魔界は薄暗いのよ…」
アレス「だなぁ…なんかさ、人間の世界より息がちょっと苦しい感じする…それも瘴気ってやつのせいかな…」
ミリア「そうなの?」
アレス「ミリアは感じない?」
ミリア「アタシは普通だよ?」
アレス「なんか妖精っていいなあw」
ミリア「あはははw」
アレス「けど、息が苦しいって事は、人間の世界の時よりも体力の減りが早いって事だ…それがまおちゃんとの試合で不安な要素だな」
ミリア「あ~…」
アレス「でもさ…オレはブルースと本気でやって、勝てたんだ…それは本当に自信ついたな…」
ミリア「すごかったよ、ブルースとの戦い」
アレス「カッコ良かった?」
ミリア「うん!…ビシビシバシバシって早くって…何してるかわからないんだけど、カッコ良かった」
アレス「カッコいいなら全てオッケーだよ」
ミリア「ブルースもカッコ良かった」
アレス「だなw…きっとまおちゃんもカッコいいぞ」
ミリア「ねw…でも一番はお兄ちゃん」
アレス「へへ///…試合終わってさ、暇があったらガイア様に会いに行こうか」
ミリア「うん!」

そして走り終えると、汗を流すために風呂に入った

コラーゲンの湯の粉も、そろそろ買いに行かないとな…

軽くカストロの作ったメシを食べて、まだ時間ではないけど、城に行く事にした

カストロたちも、競技場に向かった

競技場は城から近くはないけど、まおちゃんたちは転移出来る部下に連れてってもらうらしくて、それにオレたちも便乗する

ミゼル「ミリア様…アレス様を案内したら、私と観客席に行きましょう」
ミリア「はーい٩(*❛⊰❛)۶」
ミゼル「私と一緒よりも、カストロたちと一緒の方が良いですか?」
ミリア「ううん、ミゼルちゃんと一緒がいい…安心」
ミリア「まあ///…光栄でございます」

アレス「そろそろ10時だね」
ミゼル「はい、もうすぐ武舞台の方へ行きますよ?」
アレス「なんか開会式みたいなのあるの?」
ミゼル「いえ、挨拶程度はしますが、そういったものはありません…すぐに戦いになると思います…もはや1回戦目の賭けは締め切ってますので」
アレス「賭け率はどのくらい?」
ミゼル「24対4で、アレス様が24倍の方ですね」
アレス「いいねえw」
ミゼル「私も賭けたかったです…」
アレス「なw…10万でも240万になるんだもんな」
ミゼル「はい」
アレス「ミゼルは金に困ってるとかあるのか?」
ミゼル「いえ…ただ、あって困るものではないし、安心もしますので」
アレス「たしかにねw」
ミゼル「まあ、立場上仕方ないですね…お給料も良いですし」
アレス「そうだろうなw…オレも人間の世界で金稼がないとだ」
ミゼル「人間の世界ではお困りですか?」
アレス「いや…全然…まだ全然だけど…オレも安定した暮らしを続けたいからさ…ミリアもいるし」
ミゼル「そうですよね…そろそろ行きます」
アレス「うん」
ミリア「頑張ってね!」
アレス「うんw…ギュ」

そうしてオレは武舞台に上がり、人間の勇者と紹介された

みんなシーンとなって、オレを見ている

普通、人間の世界なら、まずみんなで武舞台に集まって、選手紹介して、開会の挨拶なんかをしてから始まるんだけど、オレの紹介が終わると、1回戦目の相手の名前が呼ばれて、すぐに試合になった

そういうとこも魔界らしさなんだろうな

1回戦の相手は寒冷地帯の軍団長で、翼のない魔人だった

ソイツは水と氷の魔法が得意な魔人で、まずは氷でつららのようなのをたくさん作って、オレに投げつけてきた

普通の人間なら、たくさん死んじゃうような攻撃だ

オレは腕だけ金属にして、全て叩き落とした

すると、次はオレの身体を凍らせようと魔力を送ってきた

だけど、前も言ったけど、耐性ってのは誰にでもあって、闘争心がある相手とか、ましてや魔力の高い相手は耐性が高いからそんなには効かない

オレには効くはずがない

そこで次は大量の水を流してきて、それを凍らせてきた

オレはそんなのは温度を上げる火の魔法で一瞬で相殺出来る

魔人1「な!…なぜ凍らない!」
アレス「そんなんでやられるくらいなら、魔王に会いに来るわけねえだろw…バカなのか?」
魔人1「くっ…え?…あ、あつい!…な、なんだ、身体が熱い!!」

オレは少しだけ奴の温度を上げた

魔人1「や、やめろ…あつい…ハァハァ…」
アレス「なんで戦いの相手にやめろって言われて、それを聞かなきゃいけねえんだ?…ほんとバカだなぁw…パチ!」
魔人1「うわ!…ぎゃあああ!!!」

魔人1は燃えたが、慌てて自分に水をかけて消した

消しても温度は上がるから、すぐに沸騰して蒸発する

それが嫌だからどんどん自分に水をかけるしかない

オレは間合いを一気に詰めて、蹴り上げた

奴は空に舞い上がり、落ちてきたとこを下から殴った

魔人1「ガハ!!…ぐぅ…ま、まいった…」
審判「勝負あり!…勝者、アレス!」

「「「ガヤガヤ…ザワザワ…」」」

アレス「ほら…パァァァァ」
魔人1「あ…お、おお…か、回復か?…すごい…ホイミンみたいだ…」
アレス「オレの勝ちだな」
魔人1「ああ…回復ありがとう」
アレス「うんw…いいよ」

魔人は恩を受けたら、利害関係を破綻させない為に、必ず返すというのが一般的で、人間もそういうのはあるけど、人間よりその思いは強い

魔人は家族も友達も居ないから、誰を頼ることもなく自分で自分を守るのが普通だ

だからこそ、恩を返すのは大事なんだろう

だからこそ、必ず『ありがとう』は言う

それはそれで素晴らしいことだと思う

ミリアの方を見ると、隣にいつも通り無表情なミゼルが居て、逆の隣にギードとレンゲルがいた

オレが見ると、ミリアとギードとレンゲルはオレに手を振った

アレス「さ、次は?」
審判「あちらで15分ほどお待ちください」
アレス「あ、そうなの?…別に疲れてはいないよ?」
審判「いえ、次の試合の賭けを締め切るまでお待ちください」
アレス「ああ、そういうことか」

ミリア『お兄ちゃん聞こえる~?』
アレス『おお!…聞こえる!…すごい、こんな距離でw』
ミリア『おお~!…すごいすごいw…アタシ、ミゼルちゃんと賭けるとこ行ってくるね!』
アレス『ああ、うんw…ミゼルとしっかり手を繋いで、はぐれないようにな』
ミリア『はーい』

アレス『ミリア、聞こえる?』
ミリア『うん!』
アレス『賭け率ってのどのくらいになってる?』
ミリア『ちょっと待ってね…ミゼルちゃんに聞いてみる』

ミリア『えっとね、4対5だって…お兄ちゃんが4だって』
アレス『えΣ(゚д゚υ)…もうそんな?…わかった…でも、まあ全部オレに賭けなね』
ミリア『うん、もう賭けた!』
アレス『はははw…ガッポガッポやw』
ミリア『ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3』

審判「…レス…アレス!」
アレス「あ?…ああ」
審判「そろそろ次の試合が始めます…ここへ」
アレス「はいよ」

2回戦目は飛行部隊の軍団長だって

翼が生えてる

審判「始め!」

ソイツは早速飛んで、雷を撃ってきた

雷は速い

いくらオレでも、見てからじゃ避けるのは困難だ

でも、攻撃範囲は広くないから予測して避けるのはさほど大変ではないし、動き回ってたら狙いもつけられない

オレはしばらく動き、そうしながら自身にスピードアップ魔法をかけていった

アレス「は、はええ…」

オレはブルースとの修行中、そういう魔法を使ってなかったから、久しぶりに使ってみて驚いた

元々の速さが上がってるからか、前より速い

奴はバカみたいに雷を撃ってきてるけど、それしか脳がないのかね…

オレは奴の方に飛んだ

すると、観客が騒いだ

オレが飛ぶとは思ってなかったんだろう

奴はオレから距離をとろうと、離れようとしたけど、オレの飛ぶスピードの方がずっと速い

奴は翼で風を利用して飛ぶ

オレは引力の力で飛ぶ

オレの体重だとほとんど力はいらないし、すごく速い

追いついたオレは、デカい水の玉の中に奴を入れた

その中で雷を出せば、自分が雷にやられる

奴は雷をやめて、水の玉から出ようと潜った

水の玉はオレの魔力で浮いてるけど、その中から出れば落ちる

ソイツは少し落ちて、また飛ぼうとしてたけど、オレはすでにソイツの背中に乗っている

両方の翼を掴んで、背中に足を乗せて引っ張る

付け根が引っ張られて、少しずつ切れて血が吹き出る

魔人2「ぎぃやあああ!!!」

ドラゴンの力を消すと、当然二人ともその状態で落ちていく

コイツは飛ぼうにも翼をオレに掴まれてるから飛べない

魔人2「うわーーー!!!」

もちろん、そのまま落ちたらコイツは死ぬから地面すれすれで止まって、それから着地して、オレはまた翼を引っ張った

引っ張りながら、もう片方の足で、コイツの太腿が折れるまで踏んだ

魔人2「あぎゃああああ!!!」

コイツは魔法を出す余裕もない

魔人2「や、やめー!!…まいった!…まいったから!!」
審判「そこまで!!…アレスの勝利!!」

「「「ウオオオーー!!」」」

アレス「おお、なんか喜んでるw…オレに賭けた奴いたんだなw…大丈夫か?」
魔人2「い、痛い…ハァ…ハァ…」
アレス「待ってな…今回復してやる」
魔人2「あ、ああ…」
アレス「ちょっと痛いかもしれんが、我慢しろ」

オレは引っ張られてちぎれかけた部分をぐっと押し付けて、回復をかけた

魔人2「うう!…ハァ…ハァ」
アレス「ほら、もう片っぽも…」
魔人2「うっ!」

それから仰向けにさせて、足をまっすぐにした

魔人2「ぐぅぅ…」
アレス「我慢しろ…すぐ終わるから…パァァァァ」
魔人2「あ…ハァ…あ、ありがとう…いや、勇者って強いんだな…人間だからって舐めてたよ…すまん」
アレス「いいよ、別にw」
魔人2「治してくれてありがとう…あとで治療代は払うよ…」
アレス「いいって別にw…治せるから残酷にやったんだから」
魔人2「…そっかw…いや、痛かったw」
アレス「ははw…ごめんな」

こうして、2回戦目も終わった
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