勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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魔界

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アレス「ただいま~」
ミリア「ただまあ~」
カストロ「お、おかえり…」
アレス「紹介するよ…こちら魔王のボレアスって言うんだ、よろしくしてやってくれw」
カストロ「し、知ってるよ!…その…あの…よ、ようこそ…おいでくださいまし…まし…」
ドルフ「せ、狭い家ですが…あ!…私、ドルフと申します…」
ボレアス「…そんなに気を使わなくていいw…今日はアレスの友人として来たのだから」
カストロ「あ、あ、はい…」
ボレアス「して…そなたは?」
カストロ「あ、あ、…か、カストロって申します…」
アレス「あ、あ、か、カストロって名前なのか?w」
ミリア「ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
カストロ「ち、違うよ!///…緊張しちゃって…」
アレス「はははw…ポン…いつも通りにしろや…お前も」
ドルフ「いやでも…そうは言っても…」
ボレアス「いや…本当になんというか…普段通りにしてくれ…こちらも気を遣ってしまう」
カストロ「は、はい…」
ミゼル「…だが、失礼のないようにな?」
カストロ「は、はい!」
アレス「こっちは側近のミゼル…美人だよな」
ドルフ「う、うん…知ってるけど…」
アレス「…知り合い?」
ドルフ「いや、有名人だから…」
アレス「ああ…」
ミゼル「…よろしく」
アレス「ミゼルお前…もっと愛想良くしろよ…せっかくの美人がもったいない」
ミゼル「…申し訳ありません…」
アレス「いや…まあ、ミゼルはミゼルだもんな…まおちゃん、ミゼル…とりあえず中に入ってよ…オレんちじゃないけど…」
ボレアス「おじゃまする」
ミゼル「おじゃまいたします」
ドルフ「ど、どうぞ!」

中に通されると、ゼブルが床に膝をついて、待っていた

ゼブル「これは魔王陛下…このような見苦しい部屋で申し訳ございませんが…どうかおくつろぎを…」

ボレアスもミゼルも、ゼブルの変わり果てた姿に目を見開いた

ボレアス「軍団長…その姿…想像以上だ…」
アレス「…オレがやりすぎてしまったんだ…本当に申し訳ない事したよ」
ゼブル「いや…その事はもう言うな…この身体になって良かった事もあるんだから…」
ミゼル「…私は身体の変化より、態度の変化の方が驚きました」
ゼブル「…ミゼル…以前は傲慢な態度をとってすまなかった…オレは今、子供にさえ勝てない弱い存在になって…やっと痛みがわかったんだ」
ミゼル「…そうか…見直した」
ボレアス「…しかし…かわいそうだが、その身体では、軍団長はもう務まらないな…」
ゼブル「はい…なんの音沙汰もなく留守にし続けて申し訳ありません…私は退役します…近いうちちゃんとその報告に伺います」
ミゼル「…いや…その身体で来るのは辛かろう?…他の隊員たちからもどんな目で見られるか…退役の手続きは私がしておいてやるぞ」
ゼブル「…ありがとう…ケジメをつけるべきだけど…そうしてくれるとありがたい」
ボレアス「ふむ…わかった…せめて退役金を出してやってくれ」
ミゼル「…は」
ゼブル「ありがとうございます…ウル…遠慮したいところですが…私にはお金は必要で…とても助かります…」
ボレアス「気にするな…ポン…ゆっくりと休め」
ゼブル「…はい…」
アレス「…良かったな、ゼブル…ほんと…すま…
ゼブル「もういいってw」
アレス「ははw…じゃあ、堅い話はここまでにして…そうだ、早速これ、人生ゲームでもやっててくれ…」
ボレアス「おお、これがみんなで作ったという?」
アレス「そうそうw…ミゼルもやれ」
ミゼル「…かしこまりました」
ミリア「おもしろいのよ」
アレス「オレは食事を作ってるから、ドルフとカストロは教えてやりながら、一緒にやれや」
カストロ「え!…わ、わかった…」
ドルフ「で、では陛下…ミゼルさんも…こちらへ」
ミリア「アタシはお兄ちゃんの手伝いするよ…ミゼルちゃんはこの駒使うといいのよ…まおちゃんはこれ」

ミリアはそう言って、ミゼルにホイミンの駒、ボレアスにカーくんの駒を渡した

ボレアス「おお…ミゼルのはホイミンか…いいな」
ミゼル「こちらがよろしいですか?」
ボレアス「…うん」
ミゼル「ダメです」
ボレアス「な!」
アレス「ブフw」
ミリア「仲良くやるのよ」
ボレアス「うむ」

ドルフとカストロは、世間話をしつつ、人生ゲームの説明をしつつ、それに伴って友達や結婚の説明をミゼルにしつつ、ゲームをした

オレはミリアと二人で、料理をした

ミリアは賢いし、いつも一生懸命にやるから、何気にもう上手い

レシピもちゃんと日記に書いてある

スープを煮込む待ち時間に、奴らを台所からのぞいてみた

ボレアス「カストロは以前にゼブルらからいじめを受けていたと聞いたが…」
カストロ「あ、はい…」
ボレアス「それなのに、今はよく友達でいられるものだ」
カストロ「…アレスのおかげです…その…ゼブルたちには悪いけど…それはもう残酷なほど痛めつけてくれて…それですっかり、ボクの中の憎しみが消えたんです…」
ミゼル「ほう…そんなに残酷に?…まあ、ゼブルの姿を見ればそうか…」
ゼブル「ええw…いや、地獄でした…羽根をちぎられ、目も潰され、角も砕かれ、腕も焼かれ…カストロには足がぐにゃぐにゃになるほど踏まれましたから…」
ドルフ「う、うわぁ…絶対やだ…」
カストロ「ボクは…それでもその時は心が痛みませんでした…」
ボレアス「つまりそれほどの恨みだったのだな…」
カストロ「は、はい…でも、今はそのおかげで…仲良くなれました」
ゼブル「いつも一番面倒見てくれてます…」
ミゼル「……」
ドルフ「ミゼルさん、そこは進学か就職を選ぶマスで、強制ストップです」
ミゼル「ほう…私は進学がいいな」
ボレアス「…進学の方が有利か?」
ゼブル「就職も悪くないです…早くからお金が稼げますから…進学はそのあとの就職の選択肢が多いですけど、結局は運ですねw」
ボレアス「…本当に人生のようだw」
カストロ「アレスがすごい考えて作りましたからw」
ミゼル「なるほど…苦労をしたのだな」
ボレアス「ふむ…私とは違うな」
ドルフ「そ、そんな!…陛下はいつも下々をないがしろにはしなかったではないですか」
カストロ「そ、そうですよ!」
ボレアス「…ありがとう…だが、今はそういう話はいいのだw」
ミゼル「…次はドルフの番だぞ」
ドルフ「あ、はい」
ミゼル「…で、ゼブルよ…」
ゼブル「ん?」
ミゼル「お前はアレス様とどのくらい戦えたのだ?…むざむざとその姿になったわけではあるまい?」
ゼブル「…いや…むざむざとこの姿になったんだよw…軍団長とか言って自惚れてたのがアホらしくなるほど、アレスは強くって…それでいて全然本気を感じなかった…きっと…オレの部隊で挑んでも勝てない」
ミゼル「…それほどにすごいのか…勇者は…」
カストロ「…めちゃくちゃに強いです」
ドルフ「聞いた話だと、両手からそれぞれ竜巻が出せるらしいですよ…」
ボレアス「…なに?…す、すごい」
ミゼル「自在に飛んで…竜巻を二つ出して?…その上魔法バリヤ?…勝てないではないか」
ゼブル「…だから、勝てないんだって…陛下以外は犬死にするよ…お前も強いけど、次元が違うんだよ」
カストロ「しかも、身体も自在に金属化出来るって…」
ミゼル「……本当に人間なのか?」
ゼブル「…まあ、神に選ばれてるからな…普通の人間ではないよ」

オレが思ったより会話が弾んでる

やっぱ連れてきて良かったな

ミリア「お兄ちゃん、まだかなあ?」
アレス「んー…パク…ムシャムシャ…もうちょいだな…あと五分くらい煮込もうか…まだ大根が硬い」
ミリア「よーし…味は大丈夫だった?」
アレス「大丈夫だよ~…もう超美味いw…ミリアの優しさがいっぱい出てる」
ミリア「やったあ٩(*❛⊰❛)۶」

そうして、しばらくして、食事は出来上がった

今日作ったのは、メインがハンバーグ、サイドにサラダと、野菜と肉のスープだ

肉と野菜がバランスよく、美味しくとれる

アレス「…運べばもう食えるからな」
カストロ「あっ、手伝うよ!」
アレス「いいよw…ゲームしてろよ」
ミリア「大丈夫よ~」

アレス「さ、支度出来たよ…食おうぜ」
ドルフ「やった」
アレス「まおちゃん、ミゼル…ここ座れよ」
ボレアス「ありがとう…こ、これは…」
ミゼル「…美味しそう…」
カストロ「美味しいですよw」
ゼブル「私は野菜嫌いでしたが…人間の世界の野菜はうますぎて、好きになりました」
ボレアス「…おお」
アレス「まま…食ってみりゃわかるって…いただきます!」
ミゼル「…いただきます?」
カストロ「ああ…食べる前に、そう言って、食べ物に感謝するんだって…」
ボレアス「ほう?…いただきます…」
ドルフ「いただきます…」
ミゼル「…いただきます…」
ミリア「いただきまーす」

ボレアス「これは…美味いw…これが野菜なのか」
ミゼル「信じられないです…火も通さずにこんなに美味しく食べれるなんて」
アレス「魔界のは無理だよな…」
ボレアス「本当に美味い…それに、人生ゲームも面白い…あれは他の魔人にもやらせるべきだ」
ドルフ「…魔人たちがやりますかね?」
ボレアス「魔人の生活と違うからこそ、やってみてほしいと思う…」
ドルフ「あの…もし陛下がお望みならば…私の会社で企画立案して、製造販売も…もちろん、アレスの許可もいるけど…」
アレス「ん?…いや、いいぞ?…魔人が楽しめるなら、利用しろや」
ボレアス「…では、ミゼル…ドルフの会社に、人生ゲームの話を通しておいてくれ」
ミゼル「は…かしこまりました…ミリア様は食べないのですか?」
ミリア「アタシ、ハンバーグちょっと食べたよ」
アレス「妖精は水だけで生きれるんだよ…」
ミゼル「そうなのですか!…羨ましい」
アレス「羨ましくも思うけどね…でも、美味しいもの食べるのも幸せなことだよ…ミリアがあまり食べれないのも、少しかわいそうに思うよ…ナデナデ」
ミリア「うん…ちょっと羨ましいのよ」
アレス「食べ終わるの待たないといけないしな…ナデナデ」
ミリア「それは大丈夫よ~…スリスリ」
ミゼル「アレス様とミリア様は結婚というものはしているのですか?」
アレス「…いや、まだ…」
ミゼル「ずっと決まった異性と一緒に過ごすのですよね?…結婚とは」
アレス「うん…どちらかが死ぬか、裏切ったりしない限りは」
ミゼル「…変わってますねぇ…」
アレス「…ふふw…ミゼルはエッチはするの?」
ミゼル「…申し上げられません」
アレス「ごめんw…けどさ、魔人はエッチしたくなったら、そこいらの奴とするの?」
ドルフ「…わりとそうかな?」
アレス「その時って、相手は誰でもいい感じ?」
ドルフ「外見が気に入ればな」
アレス「断られる事もあるか?」
ドルフ「それは結構あるな…向こうがそういう気分でない時とか、外見が気に入られない時とか…」
アレス「…そんで、それで子供が出来たら、女が一応は面倒見るんだろ?…喋るくらいまでは」
ドルフ「たぶんそう」
アレス「その育てる時にかかる費用はどうすんの?…その女が全て負担するの?」
ボレアス「いや、子供が出来たら国から養育費と報奨金が支払われる…その代わり、最低限までは養育する義務がある」
ミゼル「それでも報奨金は結構な額だし、養育期間は仕事も免除されたり、優遇はされるから、女も特に嫌でもない」
ゼブル「むしろ、子供が出来るのを狙いにしてる女も結構いる」
アレス「…すげ~社会だな…子供の面倒見てるうちに、子供がかわいくなったりしないもんかね…」
ミリア「ね…」
ミゼル「さあ…」
ドルフ「…女はほとんど遊び歩いてるからなあ」
アレス「…じゃあ面倒見てねえじゃん」
ドルフ「さすがにメシは食わせてるけどな…それとか、金払って面倒見てもらうとかな…」
アレス「そうなのか…カストロはさ、もし今自分に子供が出来たら、どうする?」
カストロ「…面倒見てみて、その時の気持ちによるかな…したことないからわからないよ…けど、オレは…結婚というの興味あるよ」
アレス「ほうw…なるほどね…ドルフは?」
ドルフ「実はオレも…ちょっと興味あるかなw…アレスとミリアを見てると、こいうのも悪くないかなって思う」
アレス「そっかw…まあ、オレは魔人たちの価値観をねじ曲げに来たわけじゃないからさ…勧めたりはしないけど…なんとなくそう思ってくれるのは嬉しいわ」
カストロ「アレスが嬉しいなら、オレも嬉しい」
ミリア「ブフw…カストロちゃん、かわいいのよw」
アレス「はははw」

ボレアスは今の会話を聞いて、思うところがあるようだった

ミゼル「アレス様は食べるの遅いですね…魔界にはこういう言葉があります…『食べるの遅い奴は仕事も遅い』…と」
アレス「なんだあ?…急に貶してきたw」
ミゼル「あ、いえ…意外だなと…気分を害されたのなら申し訳ない」
アレス「別にいいよw」
ミリア「お兄ちゃんは遅くないのよ…カストロちゃんを待ってるのよ」
カストロ「…え?」
アレス「ミリア、言うなよ~」
ミリア「あ、ごめん…」
カストロ「どういうこと?」
アレス「なんでもねえよ」
カストロ「気になるよ」
アレス「ま、いいじゃんw」
カストロ「……」
アレス「まおちゃん、ハンバーグ美味い?」
ボレアス「ああ、美味い…美味すぎる」
ミゼル「本当に…どれも美味しいです」
アレス「良かったよw」
ミリア「スープも美味しい?」
ミゼル「はい…私はスープが一番好きでした」
ミリア「やったあ٩(*❛⊰❛)۶」
アレス「やったね~…ナデナデ」
ミリア「うん!」

食事も終わり、食器をカストロとドルフにも手伝ってもらい、片した
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