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魔界
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カストロ「おお!…アレス、おかえり!」
ゼブル「遅かったなあ?…何があった?」
ドルフ「いや、実はさ…
ドルフ「…で、5万になって返ってきたってわけw」
ゼブル「…もっととってやりゃ良かったのにw」
アレス「いや、いいんだよ」
ドルフ「…アレス」
アレス「ん?」
ドルフ「ほんと…その…ありがと…カストロをいじめてたオレなんかの為に…」
アレス「それはもう済んだ事だし、今は友達なんだから当然だよ」
ドルフ「これさ…この5万…アレスが受け取れよ」
アレス「なんでΣ(゚д゚υ)」
ドルフ「いや…そのさ…遠慮しねえで」
カストロ「アレス…貰ってやってよ…オレたちは借りたまま生きるのってすごく嫌なんだよ」
ゼブル「ああ」
アレス「…うーん…オレはマジで気にしてないけど…それでお前の気が楽になるなら貰うよ」
ドルフ「ああw」
アレス「けどお前…元々持ってた2万はお前んだ」
ドルフ「いや、いいから…その分以上にスカッとしたから…な?」
アレス「…わかったよ…ところで、駒の材料は?」
ドルフ「あっ!…そういや、ボコられた場所に置きざりだ…とってくる」
アレス「ああ…気をつけて行けよ?」
ドルフ「うんw」
ミリア「転移しようか?」
ドルフ「ありがとミリア…でも、オレあんま風景覚えてないから…ミリアは覚えてる?」
ミリア「覚えてないゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
アレス「ブフww…オレもww」
ドルフ「グw…じゃあ行ってくるw」
カストロ「…また襲われたりしてw」
ゼブル「ブフww」
アレス「いやしかし、オレが他人の視界見た時に暴行とか、やけに多くない?」
ミリア「ほんとほんと!」
ゼブル「そうなのか?」
アレス「うん…三、四回はあったよね」
ミリア「うん」
カストロ「…それって今回は遅いから心配して見たけど、他のはたまたま?」
アレス「たまたまw」
ゼブル「アレスはたまたまと思ってるけど、たまたま見ようって時が、実はたまたまじゃないんじゃないか?…その…アレスは勇者として選ばれた奴だからとか…」
アレス「オレの意志とは別ってこと?」
ゼブル「うん…わからんけど…」
カストロ「オレもそう思うなぁ…」
アレス「なのかなあ?…まあ、それが本当なら嬉しいけどねw…そんな時こそ…いや、そんな時だけ見れればいいや」
ゼブル「助けてやれるから?」
アレス「うん」
ゼブル「オレは…うーん…見返りもなくそう思えるアレスがわからねえな」
カストロ「オレはわかる気がするよ…助けて笑顔だとか、楽しいだとかが戻る事がきっと見返りなんだろ?」
アレス「そうそうそうw」
ゼブル「…そんなのアレスには得になるの?」
ミリア「なるよ~…ゼブルちゃんだって、さっき一緒に笑ってたのに…わからないの?」
ゼブル「…ああ…ああ~…」
カストロ「わかったか?…オレはね、そういう時嬉しいんだ…自分が笑ってるのも、アレスが笑ってくれるのも」
アレス「お前…」
カストロ「金なんかより嬉しいからさ…オレはアレスの為になら死んでもいいよ///」
アレス「大げさな奴だなぁ…ウル」
ミリア「お兄ちゃん、泣きそう?w」
アレス「やめてぇ?…恥ずかしいから///」
ミリア「ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
カストロ「ぶはww」
アレス「あとさ…人間にはわりと、『役に立ちたい願望』みたいなのもあるよw…そいつに必要とされたい…みたいなw…たぶん、そうする事で自分の存在意義みたいなのを実感したいんだろなw…うわ、そう考えるとちょっとだせえ」
カストロ「オレもそれ、今はわかる」
ミリア「アタシも~…お兄ちゃんの役に立ちたい」
アレス「…ウル…」
ミリア「泣きそう?」
アレス「恥ずかしいからぁ///」
ミリア「ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
その後、ドルフが帰ってきて、『粘土』というのを買ってきていた
いろんな色の粘土があって、形も自由に作れる
そのうちに他の二人も帰ってきて、オレ以外のみんなで駒作りをしていた
意外にカストロは器用で、うまかった
ミリアはホイミンとカーくんを作った
メープルは難しいらしいw
オレの駒はカーくんで、ミリアはホイミンなんだそうだ
カーくんの駒はかわいい
カーくんは片方の翼が切れていて、それもちゃんとそうなっていた
ドルフがその翼の事を聞いてきて、ミリアがそうなった経緯を話すと、みんなすごい腹を立てていた
オレはそれを横で聞いていて、(お前たちもさんざんいじめてたくせにw)と面白かった
アレス「オレ、ちょっと明日はかなり早起きするから、そろそろ寝るわ」
そう言って、オレとミリアは早めにバスケットに移って寝た
そして朝方の4時半頃
アレス「ミリア…ユサユサ」
ミリア「へへw…起きてるのよw」
アレス「おっw…珍しいw」
ミリア「うふふw…ギュ」
アレス「かぁわいいw…ナデナデ…一応ギードの視界を確認して…」
ギードの視界は暗かったが、かすかに部屋の中が見えていた
アレス「お…ギードも起きてるみたい」
ミリア「じゃあ行こっか」
アレス「うんw」
ギードの寮部屋
アレス「よっ」
ミリア「よっ」
ギード「おお、アレス…待ってたよ…ヒソヒソ」
アレス「ああ…」
ギード「麻痺かけるか?…この三人」
アレス「いや…麻痺させると起きれなくなるから…怪しまれると厄介だろ?…お前が」
ギード「あ、そうか…じゃあ早速ここに入って静かにしててくれ」
アレス「わかった、ミリアお願い…」
ミリア「はーい…」
オレはポケットに入るサイズになり、ミリアを抱えて飛び、入った
アレス『ミリア…まだ時間あるから寝ちゃってていいよ』
ミリア『うん…スリスリ…ずっと抱っこしてたら疲れちゃうよ?』
アレス『大丈夫w…全然だよw…タオル持ってくれば良かったな』
ミリア『たしかに…』
アレス『ごめんな』
ミリア『ううん…』
真っ暗な中、ミリアを抱いてジッと待った
なんにもしないで暗闇の中で待つ時間は、いつも感じてる時間とはだいぶ違って遅かった
気が遠くなるような中、目を閉じて待っていると、ギードの仲間のいびきがやみ、生活音に変わった
部屋の明かりがついて、ポケットの布地の隙間や切れ込みから、光が差し込んできた
それだけでもだいぶ精神的に助かる
少しすると、ギードが軍服を着るのに持ち上げ、着た
結構揺れたが、それでもギードはあまり揺れないように気をつけて着てくれたのはわかった
そして、移動が始まり、オレはだいぶ上下左右に動かされる
いつもミリアはこういう思いをしてるんだろうと、実感した
もちろんいつも、秘密基地が揺れないようには気をつけているが、オレはミリアを入れたまま暴れるからな…
いつも文句言わず入ってるんだな…
本当にいつも健気でかわいい
トントン…
アレス「ん?」
ギード「会場に着いて、整列が済んだ…しばらくすると挨拶が始まるから、見ててくれ…」
アレス「わかった」
アレス『ミリア…起きれる?…チュ』
ミリア『…う…( *A*)?…』
アレス『ブフw…魔王見るだろ?』
ミリア『ま、まおー…( *A*)…見る』
アレス『…w』
寝ぼけたミリアを抱えて、ポケットの切れ込みから外をのぞいた
壇上に挨拶をする上官らしき魔人…コイツは身体がデカく、三つ目で、まるでカストロを一回り大きくしたような感じ
カストロも人間で言えば、剣士ちゃんと同じほど強い
それでもいじめられるんだから、魔人は人間とは比べられないほど強いだろう
その上官はきっと、ゼブルと同じほどの実力がある
ゼブルとて、雷魔法を腕と角から出されたら、人間では太刀打ちできないほどの強さだったと思う…その上飛べるし
なぜ、さっさと人間の世界を襲わなかったんだろう…
なぜ、魔王は天使に精神攻撃をしたのか…
あの時はあの堕天使どもに腹立つばかりだったが、魔王にされた事が原因なら、アイツらも被害者だった…
それをオレはあんなにも痛めつけて、果ては殺してしまった…
実際に殺したのは妖精でも、アイツらを殺したのはオレだ…
今になって後悔が出てきた
ミリア『お兄ちゃんどしたの?…悲しい顔して…ナデナデ』
アレス『…いや…あのミリアたちに酷いことしてた天使たち…アイツらも魔王の魔法でああなったんなら…なにも殺す事はなかったんじゃないかって…オレはあの時怒りに自分を抑えられなくて、やりすぎてしまった…』
ミリア『…魔王のせいかもだけど、だからってアタシたちは酷い事されたのよ…お兄ちゃんはそれを助けただけ…殺したのはアタシたち』
アレス『…けど…オレがあんな…あそこまでやらなきゃ、ミリアたちに殺される前に逃げれたかもしれない』
ミリア『ううん、アタシたちは殺したよ…逃げて死なない奴がいても、そうじゃなきゃ殺した…それはアタシたちの考えたことよ…お兄ちゃんは関係ないよ…だから、自分が殺したなんて思わないで?…お兄ちゃんはあの時すごく怒って、すごく残酷だったけど…お兄ちゃんは命まではとらなかったよ…それがお兄ちゃんなんだよ…あの時お兄ちゃんにされてた残酷な事も、アイツらがアタシたちにした酷いことへの報いだよ…アタシたちは全員…あの時死んだ妖精たちも全員、お兄ちゃんに救われたのよ…お兄ちゃんはなんにも悪くなんかないの』
アレス『ミリア…グス』
オレはミリアのその気持ちに感動したし、ミリアがこんなに多くの事を話した事も初めてでビックリもした
アレス『ありがとミリア…そんなに喋ったのも初めて聞いたw』
ミリア『えへへw…いつかね、お兄ちゃんがそんなふうに思った時に、言えるようにね…アタシ考えてたのよw』
アレス『ミリア…グス…ギュゥ…ありがと…ありがと…ギュ』
ミリア『…グス…ギュ…お兄ちゃん…お兄ちゃんは今まで、たくさんのいくつもの心をピカピカにしてきたの、アタシが一番知ってる…そんなお兄ちゃんが悪いことなんて、少しもないのよ…』
アレス『…うん…ありがと…ギュ』
ミリア『えへへw…ナデナデ』
オレはミリアに深く感謝して、また壇上を見た
上官の長い挨拶が終わり、紹介されて、ついに魔王が現れた
事前に聞いてはいたが、オレもミリアも驚いた
魔王の外見は、髪は美しい直毛で白く長い
美しく湾曲した角は、先っぽが前に出ている
肌は浅黒いが…顔立ちは…
ミリア『なんだか…人間みたいね』
アレス『ああ…角なかったら人間にしか見えん…しかも、相当なイケメンだ…』
ミリア『ね…すごくハンサムだね…お兄ちゃんと同じくらい』
アレス『オレもあのくらいハンサム?』
ミリア『…うー…あれより!』
アレス『ははw…ありがとw…けど、オレよりイケメンな気がするなぁ』
オレは胸ポケットに忍ばせてある、自分の写真を魔王と並べて、見比べた
ミリア『全然お兄ちゃんの方がイケメンなのよ』
アレス『そうお?…たしかにオレもイケメンだけど、タイプが違うからな…』
ミリア『たしかに…お兄ちゃんより上品な感じ』
アレス『くそ…それなw』
オレは念のため、試しに少し魔王の視界を見てみた
問題なく見れたのはいいが、魔王の視界の焦点は、ギードの方向に向けられている
つまり、オレに感づいているのか?
偶然かもしれないが、魔王から見たギードは小さくて、ハッキリそうとは言い切れない
底知れない奴だ…
だけど、すごい悪い奴…には全然見えない
むしろオレより上品で紳士的だ…悔しいけど
アレス『ミリア…魔王のピカピカはどう?…ここから見える?』
ミリア『けっこうピカピカよ』
アレス『それは…タチアナと比べたらどう?』
ミリア『えっとね…タチアナちゃんと同じくらいかなあ…ダンとか…』
アレス『…それはかなり上のピカピカ?』
ミリア『普通よりピカピカ…でも、エウレカちゃんたちとか、クロードちゃんの方がピカピカ』
アレス『おお…そうなのかw…さすがオレの親友だぜw…けど、タチアナやダンくらいだとすると、やっぱ普通より善人だよなあ?』
ミリア『そう思うのよ』
ダンたちほどの価値なら、なぜ天使に精神攻撃をしたのか…
オレは俄然、魔王に興味が湧いた
だいいち、この自分中心な魔族たちを治めているんだから、只者でないはずがない
アレス「ギード…」
ギード「ん?」
アレス「見せてくれてありがとう…これでいつでも魔王の視界が見れる…」
ギード「良かった…どうだ?…アレスから見て…」
アレス「それは今度話す…あまり長話出来る状況じゃないしな…オレらはもう用は済んだから…ここらで帰るよ」
ギード「…わかった」
アレス「また近いうちに来る…それまでまたな」
ギード「ああ…また…楽しみにしてる」
ミリア「またね!」
ギード「またねw」
用事が済んで、オレとミリアはゼブルの家に転移した
ゼブル「遅かったなあ?…何があった?」
ドルフ「いや、実はさ…
ドルフ「…で、5万になって返ってきたってわけw」
ゼブル「…もっととってやりゃ良かったのにw」
アレス「いや、いいんだよ」
ドルフ「…アレス」
アレス「ん?」
ドルフ「ほんと…その…ありがと…カストロをいじめてたオレなんかの為に…」
アレス「それはもう済んだ事だし、今は友達なんだから当然だよ」
ドルフ「これさ…この5万…アレスが受け取れよ」
アレス「なんでΣ(゚д゚υ)」
ドルフ「いや…そのさ…遠慮しねえで」
カストロ「アレス…貰ってやってよ…オレたちは借りたまま生きるのってすごく嫌なんだよ」
ゼブル「ああ」
アレス「…うーん…オレはマジで気にしてないけど…それでお前の気が楽になるなら貰うよ」
ドルフ「ああw」
アレス「けどお前…元々持ってた2万はお前んだ」
ドルフ「いや、いいから…その分以上にスカッとしたから…な?」
アレス「…わかったよ…ところで、駒の材料は?」
ドルフ「あっ!…そういや、ボコられた場所に置きざりだ…とってくる」
アレス「ああ…気をつけて行けよ?」
ドルフ「うんw」
ミリア「転移しようか?」
ドルフ「ありがとミリア…でも、オレあんま風景覚えてないから…ミリアは覚えてる?」
ミリア「覚えてないゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
アレス「ブフww…オレもww」
ドルフ「グw…じゃあ行ってくるw」
カストロ「…また襲われたりしてw」
ゼブル「ブフww」
アレス「いやしかし、オレが他人の視界見た時に暴行とか、やけに多くない?」
ミリア「ほんとほんと!」
ゼブル「そうなのか?」
アレス「うん…三、四回はあったよね」
ミリア「うん」
カストロ「…それって今回は遅いから心配して見たけど、他のはたまたま?」
アレス「たまたまw」
ゼブル「アレスはたまたまと思ってるけど、たまたま見ようって時が、実はたまたまじゃないんじゃないか?…その…アレスは勇者として選ばれた奴だからとか…」
アレス「オレの意志とは別ってこと?」
ゼブル「うん…わからんけど…」
カストロ「オレもそう思うなぁ…」
アレス「なのかなあ?…まあ、それが本当なら嬉しいけどねw…そんな時こそ…いや、そんな時だけ見れればいいや」
ゼブル「助けてやれるから?」
アレス「うん」
ゼブル「オレは…うーん…見返りもなくそう思えるアレスがわからねえな」
カストロ「オレはわかる気がするよ…助けて笑顔だとか、楽しいだとかが戻る事がきっと見返りなんだろ?」
アレス「そうそうそうw」
ゼブル「…そんなのアレスには得になるの?」
ミリア「なるよ~…ゼブルちゃんだって、さっき一緒に笑ってたのに…わからないの?」
ゼブル「…ああ…ああ~…」
カストロ「わかったか?…オレはね、そういう時嬉しいんだ…自分が笑ってるのも、アレスが笑ってくれるのも」
アレス「お前…」
カストロ「金なんかより嬉しいからさ…オレはアレスの為になら死んでもいいよ///」
アレス「大げさな奴だなぁ…ウル」
ミリア「お兄ちゃん、泣きそう?w」
アレス「やめてぇ?…恥ずかしいから///」
ミリア「ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
カストロ「ぶはww」
アレス「あとさ…人間にはわりと、『役に立ちたい願望』みたいなのもあるよw…そいつに必要とされたい…みたいなw…たぶん、そうする事で自分の存在意義みたいなのを実感したいんだろなw…うわ、そう考えるとちょっとだせえ」
カストロ「オレもそれ、今はわかる」
ミリア「アタシも~…お兄ちゃんの役に立ちたい」
アレス「…ウル…」
ミリア「泣きそう?」
アレス「恥ずかしいからぁ///」
ミリア「ゲラゲラ(* ≧▽≦)ノ=3」
その後、ドルフが帰ってきて、『粘土』というのを買ってきていた
いろんな色の粘土があって、形も自由に作れる
そのうちに他の二人も帰ってきて、オレ以外のみんなで駒作りをしていた
意外にカストロは器用で、うまかった
ミリアはホイミンとカーくんを作った
メープルは難しいらしいw
オレの駒はカーくんで、ミリアはホイミンなんだそうだ
カーくんの駒はかわいい
カーくんは片方の翼が切れていて、それもちゃんとそうなっていた
ドルフがその翼の事を聞いてきて、ミリアがそうなった経緯を話すと、みんなすごい腹を立てていた
オレはそれを横で聞いていて、(お前たちもさんざんいじめてたくせにw)と面白かった
アレス「オレ、ちょっと明日はかなり早起きするから、そろそろ寝るわ」
そう言って、オレとミリアは早めにバスケットに移って寝た
そして朝方の4時半頃
アレス「ミリア…ユサユサ」
ミリア「へへw…起きてるのよw」
アレス「おっw…珍しいw」
ミリア「うふふw…ギュ」
アレス「かぁわいいw…ナデナデ…一応ギードの視界を確認して…」
ギードの視界は暗かったが、かすかに部屋の中が見えていた
アレス「お…ギードも起きてるみたい」
ミリア「じゃあ行こっか」
アレス「うんw」
ギードの寮部屋
アレス「よっ」
ミリア「よっ」
ギード「おお、アレス…待ってたよ…ヒソヒソ」
アレス「ああ…」
ギード「麻痺かけるか?…この三人」
アレス「いや…麻痺させると起きれなくなるから…怪しまれると厄介だろ?…お前が」
ギード「あ、そうか…じゃあ早速ここに入って静かにしててくれ」
アレス「わかった、ミリアお願い…」
ミリア「はーい…」
オレはポケットに入るサイズになり、ミリアを抱えて飛び、入った
アレス『ミリア…まだ時間あるから寝ちゃってていいよ』
ミリア『うん…スリスリ…ずっと抱っこしてたら疲れちゃうよ?』
アレス『大丈夫w…全然だよw…タオル持ってくれば良かったな』
ミリア『たしかに…』
アレス『ごめんな』
ミリア『ううん…』
真っ暗な中、ミリアを抱いてジッと待った
なんにもしないで暗闇の中で待つ時間は、いつも感じてる時間とはだいぶ違って遅かった
気が遠くなるような中、目を閉じて待っていると、ギードの仲間のいびきがやみ、生活音に変わった
部屋の明かりがついて、ポケットの布地の隙間や切れ込みから、光が差し込んできた
それだけでもだいぶ精神的に助かる
少しすると、ギードが軍服を着るのに持ち上げ、着た
結構揺れたが、それでもギードはあまり揺れないように気をつけて着てくれたのはわかった
そして、移動が始まり、オレはだいぶ上下左右に動かされる
いつもミリアはこういう思いをしてるんだろうと、実感した
もちろんいつも、秘密基地が揺れないようには気をつけているが、オレはミリアを入れたまま暴れるからな…
いつも文句言わず入ってるんだな…
本当にいつも健気でかわいい
トントン…
アレス「ん?」
ギード「会場に着いて、整列が済んだ…しばらくすると挨拶が始まるから、見ててくれ…」
アレス「わかった」
アレス『ミリア…起きれる?…チュ』
ミリア『…う…( *A*)?…』
アレス『ブフw…魔王見るだろ?』
ミリア『ま、まおー…( *A*)…見る』
アレス『…w』
寝ぼけたミリアを抱えて、ポケットの切れ込みから外をのぞいた
壇上に挨拶をする上官らしき魔人…コイツは身体がデカく、三つ目で、まるでカストロを一回り大きくしたような感じ
カストロも人間で言えば、剣士ちゃんと同じほど強い
それでもいじめられるんだから、魔人は人間とは比べられないほど強いだろう
その上官はきっと、ゼブルと同じほどの実力がある
ゼブルとて、雷魔法を腕と角から出されたら、人間では太刀打ちできないほどの強さだったと思う…その上飛べるし
なぜ、さっさと人間の世界を襲わなかったんだろう…
なぜ、魔王は天使に精神攻撃をしたのか…
あの時はあの堕天使どもに腹立つばかりだったが、魔王にされた事が原因なら、アイツらも被害者だった…
それをオレはあんなにも痛めつけて、果ては殺してしまった…
実際に殺したのは妖精でも、アイツらを殺したのはオレだ…
今になって後悔が出てきた
ミリア『お兄ちゃんどしたの?…悲しい顔して…ナデナデ』
アレス『…いや…あのミリアたちに酷いことしてた天使たち…アイツらも魔王の魔法でああなったんなら…なにも殺す事はなかったんじゃないかって…オレはあの時怒りに自分を抑えられなくて、やりすぎてしまった…』
ミリア『…魔王のせいかもだけど、だからってアタシたちは酷い事されたのよ…お兄ちゃんはそれを助けただけ…殺したのはアタシたち』
アレス『…けど…オレがあんな…あそこまでやらなきゃ、ミリアたちに殺される前に逃げれたかもしれない』
ミリア『ううん、アタシたちは殺したよ…逃げて死なない奴がいても、そうじゃなきゃ殺した…それはアタシたちの考えたことよ…お兄ちゃんは関係ないよ…だから、自分が殺したなんて思わないで?…お兄ちゃんはあの時すごく怒って、すごく残酷だったけど…お兄ちゃんは命まではとらなかったよ…それがお兄ちゃんなんだよ…あの時お兄ちゃんにされてた残酷な事も、アイツらがアタシたちにした酷いことへの報いだよ…アタシたちは全員…あの時死んだ妖精たちも全員、お兄ちゃんに救われたのよ…お兄ちゃんはなんにも悪くなんかないの』
アレス『ミリア…グス』
オレはミリアのその気持ちに感動したし、ミリアがこんなに多くの事を話した事も初めてでビックリもした
アレス『ありがとミリア…そんなに喋ったのも初めて聞いたw』
ミリア『えへへw…いつかね、お兄ちゃんがそんなふうに思った時に、言えるようにね…アタシ考えてたのよw』
アレス『ミリア…グス…ギュゥ…ありがと…ありがと…ギュ』
ミリア『…グス…ギュ…お兄ちゃん…お兄ちゃんは今まで、たくさんのいくつもの心をピカピカにしてきたの、アタシが一番知ってる…そんなお兄ちゃんが悪いことなんて、少しもないのよ…』
アレス『…うん…ありがと…ギュ』
ミリア『えへへw…ナデナデ』
オレはミリアに深く感謝して、また壇上を見た
上官の長い挨拶が終わり、紹介されて、ついに魔王が現れた
事前に聞いてはいたが、オレもミリアも驚いた
魔王の外見は、髪は美しい直毛で白く長い
美しく湾曲した角は、先っぽが前に出ている
肌は浅黒いが…顔立ちは…
ミリア『なんだか…人間みたいね』
アレス『ああ…角なかったら人間にしか見えん…しかも、相当なイケメンだ…』
ミリア『ね…すごくハンサムだね…お兄ちゃんと同じくらい』
アレス『オレもあのくらいハンサム?』
ミリア『…うー…あれより!』
アレス『ははw…ありがとw…けど、オレよりイケメンな気がするなぁ』
オレは胸ポケットに忍ばせてある、自分の写真を魔王と並べて、見比べた
ミリア『全然お兄ちゃんの方がイケメンなのよ』
アレス『そうお?…たしかにオレもイケメンだけど、タイプが違うからな…』
ミリア『たしかに…お兄ちゃんより上品な感じ』
アレス『くそ…それなw』
オレは念のため、試しに少し魔王の視界を見てみた
問題なく見れたのはいいが、魔王の視界の焦点は、ギードの方向に向けられている
つまり、オレに感づいているのか?
偶然かもしれないが、魔王から見たギードは小さくて、ハッキリそうとは言い切れない
底知れない奴だ…
だけど、すごい悪い奴…には全然見えない
むしろオレより上品で紳士的だ…悔しいけど
アレス『ミリア…魔王のピカピカはどう?…ここから見える?』
ミリア『けっこうピカピカよ』
アレス『それは…タチアナと比べたらどう?』
ミリア『えっとね…タチアナちゃんと同じくらいかなあ…ダンとか…』
アレス『…それはかなり上のピカピカ?』
ミリア『普通よりピカピカ…でも、エウレカちゃんたちとか、クロードちゃんの方がピカピカ』
アレス『おお…そうなのかw…さすがオレの親友だぜw…けど、タチアナやダンくらいだとすると、やっぱ普通より善人だよなあ?』
ミリア『そう思うのよ』
ダンたちほどの価値なら、なぜ天使に精神攻撃をしたのか…
オレは俄然、魔王に興味が湧いた
だいいち、この自分中心な魔族たちを治めているんだから、只者でないはずがない
アレス「ギード…」
ギード「ん?」
アレス「見せてくれてありがとう…これでいつでも魔王の視界が見れる…」
ギード「良かった…どうだ?…アレスから見て…」
アレス「それは今度話す…あまり長話出来る状況じゃないしな…オレらはもう用は済んだから…ここらで帰るよ」
ギード「…わかった」
アレス「また近いうちに来る…それまでまたな」
ギード「ああ…また…楽しみにしてる」
ミリア「またね!」
ギード「またねw」
用事が済んで、オレとミリアはゼブルの家に転移した
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