勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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魔界

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この日は、次の明朝にはギードのところに行く日ではあったが、それまでは何もない一日だった

魔界には一週間に一度、休みの日が決まっていて、その日は大半の魔族はのんびりと過ごすらしい

ただ、全ての魔人が休みになってしまうのも世の中が立ち行かなくなるので、ドルフは休みの日が違っていた

魔人たちは友達とか横の繋がりが薄いがため、遊びに行くという行動をとらない

ゆえに、各自家で自分の好きな事をして過ごす

ドラゴンの世界にあったテーマパークみたいな施設はない

あるとすれば、スポーツ観戦をする施設というのだけだそうだ

魔人のやるスポーツは、これもまた魔族らしさが出ていて、個人競技ばかりだ

団体競技はない

そして、観戦の目的もまた、ただ観戦を楽しむのが主な目的ではなく、賭けをすることだという

アレス「…てことはさ、ドルフは他の奴と違う休みでも、あんま関係ない感じ?」
ドルフ「うん、むしろオレはそれがいいと思うんだよ」
アレス「…それはどうして?」
ドルフ「いやね、その休みの日ってのは当然半分くらいは出勤してないだろ?」
アレス「ああ、うん」
ドルフ「それがいいんだよ」
ゼブル「わかるw…他人がいるのってうぜえよなw」
アレス「ああ~…それはわかるなぁw…そっかそっかw」
ドルフ「だからオレは休みの日なんて各自好きな日にすりゃいいと思うんだがね…けど、その休みの日を制定したのは先代の魔王でさ」
アレス「ほう…」
ゼブル「なんでも、オレたちにその…みんなで遊んだり?…そういう関わりを持たせるのが目的らしかったよ…けど、誰もそうなってないんだなw…でも、休みの日が決まってるのは、それはそれでメリハリがあるから、そのままそういう形になったってわけだ」
アレス「なるほどねぇ…」
ドルフ「まあでも、今の生活するにはもう一日くらい休みあるといいな…昼間のゼブルの面倒はほとんどカストロだけになっちまうしな」
カストロ「だなw」
ゼブル「すまんな…」
ドルフ「いや…たしかにさ…他人の面倒なんて見るのは面倒くさいけど…別にゼブルを責めてるわけじゃないよ」
カストロ「オレも…」
ゼブル「いじめてたのにか?」
カストロ「ああ…でももう済んだ事だ…そう思えるほど、アレスのゼブルに対する仕打ちはスッキリした」
アレス「…やりすぎちゃったもんな…ごめんな」
ゼブル「いやw…いいんだ…こうなったからわかった事も多いし、わかって良かった事も多い」
ドルフ「やめようぜ、その話はw…そんな事より、人生ゲーム作りの続きやろうぜ」
カストロ「うんw」
アレス「そしたらさあ…ドルフでもカストロでもいいんだけど、駒を作ってくれない?」
ドルフ「どんなの?それ?」
アレス「木片かなんかをナイフで削って、人形を作るのよ…人間の形でなくてもいいし」
ドルフ「ああ~…自分の代わりになるモンって事か」
アレス「そうそうw…やれるか?」
ドルフ「やってみる」
カストロ「オレもw」
ドルフ「オレぁ、その材料になりそうなモン買ってくるよ」
アレス「おう…別に木を削るじゃなくても、やり方は任せる」
ドルフ「わかった…店で見ながら考えるわ」

そうしてドルフは出かけて行き、オレはマスのイベントを思い出したり、考えたりしていた

その作業に没頭していると、思ったより時間が進んでいて、かれこれ三時間は経っていた

カストロ「そろそろ昼メシやるわ」
アレス「お、もうそんな時間?」
ゼブル「早いなw」
ミリア「ドルフちゃん、遅いねぇ」
アレス「…そうだよなあ!…遅すぎるぜ…」

オレはドルフの視界を見てみた

すると、建物の壁と空が映っていた

アレス「…なんかあったっぽい…ミリア」
ミリア「うん!」

オレはドルフの元に転移した

ドルフは路地裏で、ボコボコになって倒れていた

アレス「ドルフ!…どうした!」
ドルフ「…う…アレ…ス…」
ミリア「えい!…パァァァ」
アレス「だいじょぶか?」
ドルフ「あ、ああ…ありがとミリア…ぐ、くそっ!」
アレス「どうした?」
ドルフ「どうしたもこうしたも、ガキが3人でオレを襲ってきてよぉ…」
アレス「…理由もなく?」
ドルフ「ねえよ!…金が欲しかったんだろ…クソガキが!…バン!」
アレス「落ち着け…そいつら探すぞ…」
ドルフ「探すったって…手がかりがねえよ…」
アレス「その前に一度確認するが…本当にそのガキどもは、お前と何も関わりはないんだな?…以前になんかしたとか」
ドルフ「…うーん…いや、ない…だいたいからして初めて見る顔だ…くそ…」
アレス「いくらもってかれた?」
ドルフ「たしか…財布には2万はあった」
アレス「それって焦げ付かないフライパン買えるじゃねえか」
ドルフ「…うんw…まだフライパン欲しいの?w」
アレス「あ、いや///…ムカつくぜ…顔見りゃわかるか?」
ドルフ「ああ…次会った時の為に、しっかり覚えたぜ」
アレス「よし…探すぞ…」
ドルフ「…いいのか?…アレスには関係ないのに」
アレス「関係なくないだろ!…友達が意味もなくボコられて、黙ってられるか!」
ドルフ「…アレス…ジ-ン…」
アレス「一生強盗なんかする気にならねえくらい、身体に教え込んでやる…」
ドルフ「うう…ブルブル…」
アレス「どした?…具合悪いのか?…ガシ」
ドルフ「あ、いや…アレスにボコられた時の事思い出して…w」
アレス「ああw…ははw…あん時は怖かったか?w」
ドルフ「怖かったよw…でも、どうやって見つける?…しらみつぶしに聞いて回るか?」
ミリア「お兄ちゃんの魔力がだいじょぶなら、いろんなとこ行ってさ」
アレス「うん」
ミリア「そんで、そこいらの人の過去を見て回ればいいんじゃない?」
アレス「賢いΣ(゚д゚υ)…そっかあw…過去…ドルフ、ボコられてからどんくらい経つ?」
ドルフ「1時間くらいかな…」
アレス「おし、すぐここいら回るぞ…過去になればなるほど魔力使うらしいから!」
ドルフ「ああ!」

オレはドルフからその三人の特徴を聞いて、手始めに近くの奴の視界を1時間前に戻して見てみた

オレは今までこの魔法は、ほとんど現在進行形な時間でしか見たことなかったが、1時間戻すだけでも相当な魔力を使う

アレス「…ダメだ…あの人は1時間前は家に居ただけだ…すごく魔力使っちまうな」
ドルフ「…アレス…もういいぜ?…いつか偶然見つけたら、自分でなんとかするよ」
アレス「いや…魔力は使うが、短時間で見れば10回はいける…諦めるのはそれからだ」
ドルフ「なんでそこまで…アレス…オレはお前のその優しさで、だいぶ落ち着けたし…大丈夫だから…そこまでしてくれても、オレはアレスに何も返せない…」
アレス「そんなもんは望んでない…今そんな話をする時間がもったいない…ミリア、秘密基地に入って?」
ミリア「はーい!」

ミリアを秘密基地に入れて、付近の店の店員など、長い時間そこに居そうな魔人に視界を借りた

そして五人目の視界で、その三人と思しき奴らを見つけた

アレス「見つけたぞ…あっちの方に行った」
ドルフ「おお…」

オレたちは奴らの向かった方に進み、途中途中で聞き込みをしたり、視界を見ながら辿った

アレス「いいぞ…だいぶ近づいてきた」
ドルフ「本当か?…すごいなw」
アレス「ミリア、シエナ水持ってる?」
ミリア「うん!…ちょっと待ってね……はい!」
アレス「おーし…ゴクゴク」
ドルフ「それは?」
アレス「これは回復薬だ…魔力も回復する」
ドルフ「そんなもんあるの?!」
アレス「うんw…心配するな、必ずお前の金は取り返してやる」
ドルフ「…すまない…」

ドルフ「おい、あんた…これこれこんな感じの三人組のガキを見なかったか?」
魔人「誰だお前?…知ってても教える義理はねえよ」
ドルフ「…すまない」

アレス「魔人はケチだな…」
ドルフ「いや、そうだな…けど、あれは普通だぞ?…オレだって金くれたりしなきゃ教えないし」
アレス「…今すっからかんだしな…」
ドルフ「ああ…ん!」
アレス「どうした?」
ドルフ「いや…ちょっと静かにしてくれ…」

ドルフ「あれだ…あの店からガキの声が聞こえる」
アレス「マジで?!…オレはなんも聞こえんけど」
ミリア「聞こえなーい」
ドルフ「オレは耳が良いんだ…あの店…もう少し近くに行ってみよう」
アレス「ああ…」

ドルフ「…間違いない、オレの悪口言ってやがる…『あのヘタレのオッサン、ざまあなかったなw』…だってよ…くそがぁ…」
アレス「三人いるか?」
ドルフ「…うん…ちょっと覗くか…いるいる!」
アレス「…アイツらか…ちゃんとオレが見た過去と同じだ…行ってくる」
ドルフ「お、おい」

オレは店に入って、その三人のガキの前に行った

アレス「お前ら…ちょっと表出ろ」
ガキ1「なんだ?…人間か?w…なんで人間がここにいるんだよww」
ガキ2「で?…なんでお前オレたちに文句つけてんの?…やっちまうぞ?」
ガキ3「金出すなら…ぎゃあああ!!!」

もうムカついたから、ガキ3とガキ1の目に指を突っ込んで、外まで引っ張った

ガキ2「おい、てめぇ!…ただで済むと思ってるのか?!」
ドルフ「そりゃ、こっちのセリフだよ…ガキが…」
ガキ2「げ…」

オレはガキ1、3を地面に叩きつけた

二人は目を押さえて悶絶している

アレス「おいガキ…悪さしたらお仕置きしなきゃな…え?」

ガキ2は背を向けて飛んで逃げようとした

オレはドラゴンの力で上に放り投げ、地面に落とした

ガキ2「あ…がは…」
アレス「逃げてんじゃねえよ…ボキ!!」
ガキ2「ぎゃああああ!!…いだい!!いだいー!!」
アレス「当たり前だろ?…痛い事してんだから…」
ドルフ「…こわ」
アレス「ドルフ、お前、ボケっとしてないで、気分晴らせよ」
ドルフ「よーしw」

ドルフは地面に悶えている三人を、ボコボコに蹴りまくり、火の魔法も当てた

ガキ1「やめ…もうやめてください…グス…すいませんでしだぁ…」
アレス「…金は?」
ガキ1「も、もう使って…ハァハァ…な、ないです…」
アレス「…じゃあその羽根むしるわ…メリメリミチミチ…」
ガキ1「あぎゃあああ!!」
ドルフ「う、うわ…」
アレス「…どうする?…もうちょっとでちぎれちゃうよ?…金は?」
ガキ2「か、返します!!…返すから!!…ブルブル」
アレス「じゃあ返せよ…5万」
ガキ3「そ、そんなにとってない…うぶ!!」
アレス「なんか言ったか?」
ガキ3「…ひぃぃ…ガタガタ」
ドルフ「…ドキドキ」
アレス「ドルフ」
ドルフ「お、おう」
アレス「どっか金貸してくれるとこってあんのか?…そういう商売してるとこ」
ドルフ「ああ、ある…ただ、そこで借りるとヤバい…人生終わる」
アレス「…だってよ、お前ら…良かったなw…相応の報いじゃねえか」
ガキ1「ほ、ほんと…すいませんでした…そ、それだけは…ぶえ!!」
アレス「…ドルフ、どうする?…気分は晴れたか?」
ドルフ「ああw…ま、あれだ…オレはもうちゃんととった金返してくれりゃいいや」
アレス「優しいなw…その金貸しに頼るまではしなくていい?」
ドルフ「…うーん…お前ら…本当に反省したか?」
ガキ1「は、はいぃ…も、もうしません…お金もそのうち必ず返します…」
ガキ2「約束するから…ぐえ!!」
アレス「口のききかた知らねえか?」
ガキ2「や、約束します!!」
ガキ3「と、とりあえず…貯金おろすんで…」
アレス「…なんだ、あるんじゃねえかよ…さっさと返せ…5万」
ガキ3「…はい」

そうして、歩ける程度に回復させて、銀行というところに行き、5万を受け取った

アレス「おい」
ガキ1「は、はい…」
アレス「悪い事はしないことだな…良い事も悪い事も…全ては自分に返ってくるんだよ」
ガキ2「はい…」
アレス「お前ら、もっと寄れ…三人とも」
ガキ3「は、はい」
アレス「ほら…パァァァァ」
ガキ1「お、おお…か、完全に治った…」
ガキ2「う、うそだ…もう痛くない…」
ガキ3「回復魔法…すごい…」
アレス「だろ?w…もしも次こういう事してたら、次は両目潰すからな?」
ガキ1「は…はい…」
アレス「オレは約束は守るよ」
ドルフ「その約束は守られたくねぇw」
ミリア「うふふふw」
アレス「ふふw…お前たち、学生か?」
ガキ2「はい…」
アレス「金ってのは、貰うのにそれ相応の苦労があるんだ…簡単に奪ったりして手に入れようとするな」
ガキ3「はい…」
アレス「それからな?…今回とった金よりこの金は多いが、これは慰謝料も入ってる…この程度で済んで良かったと思え…そんでな?」
ガキ1と2「「はい…」」
アレス「お前らはこいつにちゃんと金を返せ…必ずだ…」
ガキ1「…はい」
ガキ2「わかりました…」
ガキ3「ちゃんと返せよ?」
アレス「ああ…こいつは今払ったから1万だ…お前とお前はこいつに2万ずつ返せ…ドルフ」
ドルフ「ん?」
アレス「こいつと連絡とれるように出来る?」
ドルフ「あ、ああ…」

アレス「お前さ、もし、1年以内にこいつらが2万くれなかったら、ドルフに連絡しろ…オレが取り立ててやるから…3万ずつ」
ガキ3「は、はいw」
ガキ1「か、必ず返しますから!」
ガキ2「すぐに返す!」
アレス「はははw…金の貸し借りはちゃんとやれ?…じゃあな、帰るよミリア」
ミリア「はーい」
ドルフ「まじめに頑張れや」
ガキたち「「はい!」」

そうして、ゼブルの家に転移した

時間は午後4時になっていた
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