勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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魔界

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カストロ「アレス…」
アレス「ん?」
カストロ「これからはどうする?」
アレス「魔王に会いに行くよ」
カストロ「いきなり?」
アレス「んー…」
カストロ「場所わかるの?…魔王様のとこにそんなすんなり行けるかな…」
アレス「わからんけど…とりあえず、ギードの視界借りて移動すれば、魔王の軍隊のとこには行くだろ」
カストロ「だ、大丈夫なの?…それ…敵の中に行くようなもんだよ?」
アレス「まあねw…大丈夫じゃね?」
カストロ「軽いなあw…でも、心配だよ」
アレス「あはははw…お前に…魔族に心配されるなんてなw…変わったな、お前も」
ミリア「カストロちゃん、心配ないのよ」
カストロ「え?…ミリア、なぜそう言えるの?」
ミリア「だってお兄ちゃんは結界出来るし、いざとなったら人間の世界でも、ドラゴンの世界でも、アタシが転移すればいいんだもん」
アレス「ま、そういうこった」
カストロ「ああ!…なるほどぉw…たしかにそうだ」
アレス「だいたいからしてこのオレが、そこまでなるほど追い詰められる未来があると思えん」
カストロ「なんて自信だw」
アレス「それに、オレだってギードのとこに転移するんなら、ギードが一人の時を狙ってするし」
カストロ「ああ、そっか」
アレス「ま、なるようになるよ」
カストロ「…でもさ、死なないでくれよ?…オレはまた何度でも会いたい」
アレス「大丈夫だよ…そう思ってくれるやつはたくさん居るからさ…オレはまだ死ねない」
カストロ「うん」
アレス「でも、ありがとな」
カストロ「うん」

アレス「ゼブル」
ゼブル「ん?」
アレス「お前、軍隊ではかなりの地位だったんだろ?」
ゼブル「ああ」
アレス「今お前が軍隊に居ないことで、騒ぎになってるかな」
ゼブル「どうかね…オレは別荘に行くと行って出てきたから…たぶん、みんな休んでるくらいにしか思ってないんじゃないか?」
アレス「…てきとうだな」
ゼブル「オレたちは他人にそんな関心がないし、オレが帰らなきゃそれはそれで、オレの席が空くからな…それはみんなには嬉しいことだろうしな」
アレス「お前たちってほんと、横の繋がりがないんだな」
ゼブル「横の繋がり?」
アレス「うん…まぁいいや…けど、そんな各々自分自分で動くのに、軍隊とかやってけるの?」
ゼブル「それは問題ない…規律を乱したら給料が少なくなったり、最悪クビになるからな…」
アレス「ああ…ちゃんとやらないと損失がデカいからやるのか…」
ゼブル「普通そうだろ?…人間は違うのか?」
アレス「人間もそういう考えは持ってるけど、普通は『周りに迷惑をかけないように』って思いでちゃんとやるかな」
ゼブル「ふうん…」
アレス「迷惑かけても気にしない奴もいるけど、そういうのは少ないかな…迷惑かけると誰からも相手にされなくなるしな」
ゼブル「その考えはわかるぞ…オレたちはそんなに他人に関心とか興味がなくても、だからといって嫌われて生きたいとは思ってないからな…」
アレス「ああ…それは損だもんな」
ゼブル「そう…できればお互いに補填し合える仲の奴とは、繋がりを持っていたい」
アレス「…それはそうだよな…人間もそれは同じだと思う…ただ、人間はそういうんじゃなくても、見捨てられないほっとけないで繋がってる事もよくあるかな」
ゼブル「損害を受けても?」
アレス「うん…たぶん…きっとそれでも何かを得てるんだと思うよ…何か…人間って、お前たちと違って孤独に強くないんだと思う」
ゼブル「なるほど!…ははw…それが一番わかりやすいw」
アレス「ああ…そうだな…きっとそれだなw…お前たちと人間の違いはw」
ゼブル「…けど、その人間の気持ちも今となっては少しわかる…オレは一人では生きられないからな…」
アレス「…すまんな…もうカストロは嫌いではないか?」
ゼブル「うん…もう、全然だ…こんな身体になったのは残念だが、きっとこんな身体になったからわかった事もある」
アレス「…かもな…」
ゼブル「…オレが思うに…」
アレス「ん?」
ゼブル「人間が孤独を感じるのは、他人と接する事が多いからなんじゃないかな…もちろん弱さもあるが」
アレス「…そうだと思う…最初からずっと一人でいるのと、誰かと楽しくやってから一人になるのは、同じ一人でも違ってる」
ゼブル「ああ…オレはさ…クソしてケツ拭いてもらうのは今でも抵抗あるけど…奴らがもし嫌になって逃げ出すのも全然いいけど…オレだって嫌だしな?…けど、なんか…一緒にゲームしたりしてるとさ…それが出来なくなるのはなんか…ケツ拭いてもらう事より嫌になってきてる」
アレス「…そうか…うん、わかった」
ゼブル「なにが?w」
アレス「いやw…こっちの話w…今日はオレがメシ作ってやるよ…その前に焦げ付かないフライパン買ってくるw」
ゼブル「金あるのか?」
アレス「うん、ドルフがくれたよ」
ゼブル「オレもやろうか?」
アレス「いや、いいよw…お前には金は必要だろ…」
ゼブル「…焦げ付かないフライパンも、一生焦げ付かないわけじゃないからな?」
アレス「えΣ(゚д゚υ)そうなの?!」
ゼブル「ああ、底面が削れてくると焦げ付くようになっちまう」
アレス「げえ…そうか…そりゃそうか」
ゼブル「2つ3つ買っておけよw」
アレス「うん…これで買えるかな?」
ゼブル「あ~…安いのなら買えるが…ある程度高い方がいいぞ…保ちが違う…そのタンスの上から二番目に少し金入ってるから、持ってけよ」
アレス「…いや、お前から金もらうのはな…なんか悪くて出来ねえ」
ゼブル「ははw…不思議なもんだなw…お前がくれって言ってたら、絶対やる気にはならねえのにw…遠慮されるとやりたくなるんだなw」
アレス「はははw…だなw…けど大丈夫だ…魔王から貰う」
ゼブル「ブフw…まだ会った事もねえのに、焦げ付かないフライパンの為に金せびるのか?w」
アレス「はははw」

その後、カストロと一緒に焦げ付かないフライパンを買いに行った

オレが人間だからか、すごいジロジロ見られるが、かと言ってそれだけだった
本当に自分以外に関心がないようだ

カストロ「このお金だと、このフライパンなら2つ買えるよ」
アレス「…いや、それなんかすぐダメになりそう…こっちがいいな」
カストロ「それだと1つしか買えないけど?」
アレス「いいんだ…安物買いの銭失いってな?…高けりゃいいってわけじゃねえけど、やっぱ安物はそれなりなんだよ」
カストロ「ふーん…」
アレス「これ買ってさ、あとこの小さいのもいけない?」
カストロ「ギリギリいける」
アレス「おw…じゃあこれとこれにしようw…フタもついてるし」
カストロ「小さいのいるの?」
アレス「バカお前w…小さいのあると便利なんだよw…あとフタして弱火にすると、中まで火が通るんだよ」
ミリア「おお~」
カストロ「へぇぇ!」
アレス「おし、買って帰ろう♪」

そうして自分用のフライパンを買って、ゼブルの家でウキウキしながら料理をした

ミリアもそのフライパンで豚肉をタレで焼く

タレ付けて焼いても焦げ付かない

最高だ…

もちろん、料理はいつもドルフたちに教えながらやる

ドルフ「うんま!」
カストロ「ゼブルほら…」
ゼブル「ありがと…うんま!w」
ミリア「へへーん」
アレス「でかしたぞ、ミリア…ナデナデナデナデ」
ミリア「うえーい٩(*❛⊰❛)۶」

交代でゼブルにメシを食わせる係を決めていて、その係の者は、ゼブルが食い終わってから食べる

アレス「みんな…オレはそろそろ魔王のとこに行くよ」
ドルフ「ついにか…ケンカ売りに行くってわけじゃないんだろ?」
アレス「うんまあ…魔王次第かな」
カストロ「もしもさ…アレスが魔王様をやっつけてさ…そしたらこの魔界はどうなるんだろう」
ゼブル「魔王様はダントツだからなぁ…とって代われる奴なんかいないよな」
ドルフ「ああ…」
アレス「へぇぇ…意外だなぁ…魔王が死んだらみんな魔王になりたがるかと思ったぜ…」
ドルフ「そりゃ、いろいろ豪華でいいけどよ…魔王様が魔王様でみんな納得してるのはそれほどに強いからだよ…強い奴じゃないとみんなに殺されて、オレがやる…とかなって、戦争になるかもしれない」
アレス「そりゃ、落ち着けないなw…へぇぇ…それほど強いのか…」
カストロ「魔王様は精神を操ったりするんだよ」
アレス「…そんな魔法が?」
ゼブル「ああ…魔王様しか使えない、闇の魔法だ…アレスもくらったら負けるかもな」
アレス「…ふうん…そういや、ミリアのとこ襲った天使たちも、魔王に悪の心を増幅されて…って言ってたもんな」
ミリア「言ってた~」
アレス「…ま、やってみない事には対策もたてらんないな…ところでさ」
ドルフ「ん?」
アレス「オレは他人の視界を覗いて、そこに行ける」
ドルフ「ああ…言ってたな…だからオレは逃げられない…だろ?」
アレス「うん…けど、オレはそれはしない事にしたよ…逃げたきゃ逃げていい…」
ドルフ「え?…なぜ?」
アレス「お前が、今のこの現状を捨ててもいいならな」
ドルフ「……」
カストロ「……」
アレス「お前の心には、今までにない何かが、今はあるはずだ…それに背いて、また元の生活に戻りたいなら…オレは止めない…お前たちに任す…もしそれで、ゼブルが飢えて死んでも…」
ゼブル「…ああ…いいぜ…お前たちの人生だしな…ただ、飢えて死ぬのは苦しいから、出て行く時はオレを殺してからにしてくれ」
アレス「ああ…そうしろ…ただ、それをする前にな?…おのれの心と真剣に向き合ってくれ…後悔しないか、自分にとって正しいのか…それでも出て行くなら、オレは責めない」
ドルフ「…わかった…」
アレス「オレはお前を信じるだけだ…友達だからな…話はこれで終わりだ」
ドルフ「友達か…」
カストロ「…友達…」
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