勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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寄り道

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ミリアと共に、マフラーの木にまた転移して、街で食料品を買い物してから、城に行ってみた

リンゼイはすごく喜んでオレたちを迎えてくれた

リンゼイ「アレス、またいつか闘技大会があった時は、気がついた時でいいから出場してくれよ」
アレス「…いいけど…オレが出たらオレが優勝しちゃうよ?…結果がわかりきってるの見ても面白くなくない?」
リンゼイ「良いのだよw…国民たちも、またアレスを見たがっているのだ…そのアレスの圧倒的な強さ、カッコ良さをな」
アレス「そっかw…うんまあいいよ」
リンゼイ「ところで、また新しい冒険の話などないのか?」
アレス「ああ、もちろんあるよw…だからそれを聞かせようと来たんだ…な?」
ミリア「うん!」
リンゼイ「おおw…では、どうせなら昼食をとりながらにしようではないか」
アレス「お、ほんと?w…じゃあさ…恥ずかしいんだけど…ヒレステーキ…いいかな?///…ここのヒレステーキが今までの中で一番美味いんだ///」
リンゼイ「ほぉぉ!…世界を冒険してるアレスがそこまで言うなんて、誉れ高い事だ…シェフも喜ぶぞ…もちろん、用意するよw」
アレス「やったねw」
ミリア「やったー!」
アレス「昼までまだ時間あるけど、何しようかね」
リンゼイ「我が国の兵士たちと手合わせしてやってくれないか?」
アレス「ああ、いいとも」

それから兵士たちの修練場に行って、手合わせをしてやった

剣士ちゃんにやったみたいに、隙がある部分に光をくっつけるやつだ

最初は一人ずつ相手にしていたけど、だんだんと人数を増やして相手をしていった

リンゼイ「お、お前たち…それだけの人数で傷一つつけられないではないか!」
小隊長「も、申し訳ございません…アレスどのは強すぎます…」
リンゼイ「うーん…アレスは本当に人間なのか?」
アレス「人間だけど…特別かもなぁ」
リンゼイ「まだ本気ではなかったりするのか?」
ミリア「お兄ちゃんが本気なら、身体動かすまでもないのよ」
アレス「そうだね」
リンゼイ「…魔法?」
アレス「うん」
リンゼイ「凄まじいのう…」

そうしてその後、昼食をとりながら、これまでの冒険を話して聞かせた

でも、ドラゴンの世界の話は内緒にしておいた

城で風呂に入らせてもらい、少しゆっくりしてから城を後にした

ミリア『お兄ちゃん、エウレカちゃんの話はしなかったのね』
アレス『うん…ドラゴンの世界の話は誰にもしない…ただ、いつかクロードにだけは聞かせて、本にしてもらおうと思ってるんだ』
ミリア『そうなの』
アレス『もしこの話を聞いて、龍穴をくぐれる奴がいたとしても、ソイツはくぐった時に落ちて死ぬだけだろ?…エウレカがまた助けてくれる保証もないし』
ミリア『あっ、そうだね』
アレス『それに…なんていうかさ…話したくないんだよ…エウレカやツツジさん、エウロスさんたち家族の事は、特別なんだ…だから親友のクロードにしか話さない』
ミリア『わかった、アタシも言わない』
アレス『うんw』

オレは胸ポケットからエウレカ一家と一緒に撮った写真を出し、ミリアと眺めた

人間の世界で見るその写真は…ドラゴンたちは、こうして見ても現実とは思えない

夢の中の話だったんじゃないか?って気になるくらいに

ミリア『お兄ちゃん、嬉しそうな顔w』
アレス『ん?』
ミリア『この写真の中のお兄ちゃん』
アレス『ああw』
ミリア『また行こうね!』
アレス『うん、もちろんw』
ミリア『次はどこ行く?』
アレス『んー…ダンでも見るか』

ダンは船の上に居て、タチアナも一緒に働いていた

二人はすぐに結婚をして、一緒に暮らしているということだった

二人は何度もオレに礼を言っていた

仕事の邪魔をするのも悪いから、ジョシュに許可をもらって、展望台にミリアと登り、のんびりと過ごした

夜になってジョシュがダンとタチアナに時間を作ってくれたから、一緒にメシを食いながら話しをした

そしてその日は船で一夜を明かして、次に剣士ちゃんの元へ行く事にした

剣士ちゃんの視界は、魔物と戦っている最中だった

転移したオレとミリアは、加勢をしようと思ったけど、剣士ちゃんが強いから見守る事にした

そして魔物をこてんぱんに倒すと、僧侶くんが回復をかけて、魔物たちを逃がしている

ただ一つ、以前と違ってたのは拳士くんが居なかった事だった

剣士「アレスさ~ん!!…ギュ!」
アレス「はははw…ナデナデ」
僧侶「久しぶりです~w」
戦士「お久しぶりです!」
ミリア「やっほー٩(*❛⊰❛)۶」
アレス「おい、くっつきすぎだぞ…」
剣士「いいじゃないですか~…久しぶりに会えたんだし…グス」
アレス「…ところでみんな更に腕を上げたんだなあ」
僧侶「そうですか?///」
戦士「いや、拳士が居なくなったから、必然的にですね~w」
アレス「なんで居なくなった?…まさか死んだとかじゃねえよな?」
剣士「違うの…」
僧侶「あの…今、護衛の最中なので、歩きながらでよろしいですか?」
アレス「あ、ああ…すまない…邪魔して」
ミリア「ごめんなさい」
剣士「いいのよ~…ミリアちゃん相変わらずものすごくかわいい///」

アレス「で、拳士くんは?」
戦士「失恋して、気まずくなって離脱しました」
アレス「…ああ…剣士ちゃんにフラれたのか」
僧侶「…はい」
剣士「…なんでアタシってわかるの?」
アレス「だって、前からずっと拳士くんはお前の事好きだったからさ」
剣士「え?!…拳士ったらそんな事言ってたの?!…アレスさんに!」
アレス「いやw…見てりゃわかるし、オレに嫉妬してもいたしなあ」
剣士「え~!…そうなの…」
アレス「お前もにぶちんだなぁ」
剣士「だってぇ」
ミリア「にぶちんにぶちんw」
僧侶「まあ、年齢的に離れてますしね…」
剣士「うん…アタシはみんなを兄みたいに思ってて、そういうふうに考えられないもん」
アレス「それじゃ仕方ないよなぁ…」
戦士「おまけにアレスさんが好きすぎて、他の男の事見てないしな」
剣士「う…///」
僧侶「アレスさんは剣士ちゃんの事、なんとも思いませんか?」
剣士「いいから!…そういうこと聞かないでよ!」
僧侶「でもさ、剣士ちゃんも若くてかわいい女の子じゃないか…結婚して幸せに暮らすのも悪くないよ?」
戦士「うんうん…そりゃ剣士ちゃんに抜けられるとオレたちも困るけど…剣士ちゃんが幸せになりたいと思うなら、構わないんだぜ?」
剣士「いいの!…いいんだよ…」
アレス『来ない方が良かったかもな』
ミリア『うーん…そうかも』
アレス『まずったなあ』
ミリア『剣士ちゃん、キラキラが曇ってってるよ…』
アレス『そう…』
アレス「剣士ちゃん…オレはさ…」
剣士「アレスさん、大丈夫…アタシは大丈夫…だから言わないで?」
アレス「ああ…」
剣士「ごめんね、ミリアちゃん…」
ミリア「いいのよ…ギュ」

ミリアは剣士ちゃんの手を握った

そのミリアの優しさが伝わったのか、剣士ちゃんの顔は少し元気になった

剣士「ミリアちゃんの手って触り心地いいねえw…アタシなんかマメでゴツゴツでしょw」
ミリア「うんw…硬いのよ」
剣士「女らしくないよねw」
ミリア「わからないけど…でもアタシはこの手は好きなのよ…お兄ちゃんの手と一緒だから」
剣士「え?」
ミリア「この硬い手は、たくさんの命を守ってきた手だもの…スリスリ」
剣士「ミリアちゃん…ウル」
ミリア「立派で優しい手なのよ」
剣士「うっ…グス…ありがと…」
ミリア「お兄ちゃんが認めるだけあるのよ」
剣士「うんw…グス」
アレス「なあ、剣士ちゃん…ミリアの言う通りだぜ?…そんなお前をオレは認めてるし、だからこそこうして会いに来たんだよ…オレはお前を友達だと思ってるからさ…」
剣士「うん…」
アレス「お前の気持ちは嬉しいけど、オレはやっぱり受け止められないから…その気持ちは捨ててもらえないか?…それが出来ないなら、オレは今後会いに来れない」
剣士「うーん…難しい」
アレス「そこをなんとかw…オレは友達を失くしたくない」
剣士「…わかった…」
アレス「僧侶くんと戦士くんも、もうそういう話はなしだ」
僧侶「は、はい…」
戦士「ど、どうしてアレスさんは剣士ちゃんがダメなんです?…好みじゃないですか?…けっこうモテますし、性格だって良いのに」
アレス「オレの心が向いてるのが他にいるからだ」
戦士「はあ…」
剣士「アタシももっと、いろいろ見てみます」
アレス「うん…オレも普通に会えたら嬉しいから、頼むよ」
剣士「はーい…ミリアちゃん、ありがとう」
ミリア「ううんw」
アレス「あとでステーキパーティーしてやっから」
剣士「おー!」
僧侶「いいですね~w」
戦士「やったあ」

それからオレも、護衛の旅に加わって、なんだか久しぶりに魔物と戦った

アレス「なんかさ…魔物とまともに対峙するの久しぶりだわ」
ミリア「ほんとだね~w」
剣士「そうなの?!」
僧侶「旅してるのに?」
アレス「ああ、うん…最近はもっぱら人間と戦ってる気がする」
戦士「なんでですか?」
アレス「不良どもから絡まれたり、絡まれてるのをやっつけたり…あとは、他人の面倒見たり?」
剣士「ああ、そういうこと…」
戦士「なんか、思い描いた勇者の冒険とはちょっと違ってますww」
アレス「んー…オレもw…まあ、つまりの話、人間もそう魔物と変わらねえんじゃねえか?…オレは今まで多くの人間を見てきてそう思うわ…」
僧侶「…そう…なのかもしれません…」
剣士「あの勇者チームの戦士とかも最低だったもんね」
戦士「うん…でもそうなると…アレスさんは魔王と戦う気持ちにならないって事ですかね」
アレス「…そんなことはねえかなw…たしかにオレは汚ない奴、ださい奴、愚かな奴たくさん見てきたけどさ…そうでない奴もたくさん見てきた…お前たちだってそうだし」
剣士「おお~!!」
僧侶「なんか嬉しいですね///」
アレス「それにな?…魔王だって会ってみないことにはクソ野郎なのかもわからねえじゃねえかw」
戦士「ええ?!…悪い奴じゃないんですか?」
アレス「いや、わからないよw…ただ、オレは会って話もしないうちから、噂とか偏見とか前評判とかで判断はしたくねえ…最初から、そんなんで決めつけて相対すれば、誰だって腹立っちゃうだろ?…お前はどうだ?…僧侶くんは本当は夜出歩いてレイプするのが趣味の変態クソ野郎とか噂が立って、世間の人からそう思われてさ…そんなとこに正義感ぶった奴が『この悪者め!…ぶっ倒してやる!』…みたいなのが現れたらさ…どう思うよ?」
僧侶「それは…想像しただけで、は、腹が立ちます…」
剣士「む、ムカつく~」
アレス「だろお?…だからムカつくから僧侶くんだって頭来てボコしたりしちゃうだろ?…それをまた世間の何も知らない奴が、『やっぱりアイツは悪者だったんだ』みたいに思うんだよ」
戦士「それは…そんなの本当たまらない…」
アレス「そうだろ?…で、それで、その正義感ぶった奴をみんな讃えるとかさ…ありえねえだろ…オレはそんなふうに讃えられて浮かれるなんてカッコ悪いマネはしたくねえし」
剣士「なるほど~///…やっぱアレスさん、大人だなあ///」
僧侶「…たしかに偏見で人を判断するのは良くないですね…」
戦士「ほんとに…オレなんかバカだから、つい噂を真に受ける時あるし…」
アレス「そりゃ、人間誰しもそういう時はあるさ…でも、こないだ一緒に冒険してた時わかったろ?…獣系の魔物はかわいくなかったか?」
戦士「あっ…そっか…」
僧侶「……」

その後、護衛対象の商人たちも含めて、ステーキパーティーをし、ミリアと剣士ちゃんとは別々で、風呂に入った

オレとミリアのバスケットに剣士ちゃんも誘って眠る事にして、他の奴らは荷物用のバスケットに泊まらせた

翌朝、朝食を食べてから、剣士ちゃんたちと別れ、アクビリア号を受け取りにクロードの元へと転移した
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