勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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ドラゴニア

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ピンポ-ン

エウレカ「はい!…社長、お待ちしてましたw」
社長「もうさw…ドキドキしちゃったよ…これ運ぶのw」
エウレカ「うははw…戸建て買えるような値段ですものねw」
社長「うんうんw」
アレス「社長さん、久しぶりw」
社長「アレスさん!…いや、リアルタイムで見れなかったけど、全試合見たよ!…ほんとに信じられないくらい強かった!…あ、これ、エリクシールだよ」

それは10センチ×8センチくらいで、厚みが2センチくらいの豪華な黒と金のケースで、フタをパカッと開けると、透明なシートに包まれた赤い葉っぱと、同じくシートに包まれた青い葉っぱ、それから緑の葉っぱの三枚が入っていた

アレス「え?…これがエリクシール?」
エウレカ「そう…」
アレス「これがそんな家くらいの価値なの?」
社長「信じられないよなw…これは色が違うけど、皆同じ1本の木から生えているんだよ…で、緑の葉っぱはケガも体力も回復する効果、青い葉っぱはどんな病気や毒も治療する効果がある…で、この赤い葉っぱはその効果を引き出す役割がある」
アレス「…つまり、この3枚は同時に食べるって事?」
社長「そう…もちろん、病気してなくて、ケガだけ治すなら、緑と赤だけでいいけど、青だけ食べてもそこまで効果ないんだよね…だけど、3枚同時なら、完璧な健康体にしてくれる」
アレス「なるほど…」
エウロス「これはこれは社長さん!…お久しぶりです!」
ツツジ「何年ぶりですかねえw」
社長「おお、エウロスさんとツツジさん!…会えて嬉しいですw」
ミリア「社長ちゃん、こんちわ」
社長「こんちわw」
アレス「このシートを切って、中身だけ食べるんだよな?」
エウレカ「そうそう…でもさ、アレスは体重どのくらい?」
アレス「オレ?…75キロくらいかなあ?」
エウレカ「軽っ!」
社長「軽っ!」
アレス「そりゃドラゴンと比べたらなあw」
エウレカ「オレの4分の1しかないよ…てことは、4回に分けても大丈夫かもね」
社長「そうだな…タイガもちょっとで回復したしな…逆に多いとかえって毒になるかも」
アレス「…そっか」
エウレカ「アレス、それさ、一回全部出して、4分割して、もう一度真空パウチし直してあげるよ」
アレス「なんだそれ?」
エウレカ「つまり、4回分に分けるって事だよ…真空パウチってやつやらないと、枯れてしまうからね」
アレス「ありがとう!…助かるよ!」
ミリア「ありがと~」

エウレカはその作業をする為に、自分の部屋に入っていった

アレス「社長さん、このこれ?トランクだっけ?…これに50万入ってる…気を利かせてくれてありがとう」
社長「いやいやw」
アレス「中身確かめてよ」
社長「うん…パカ……たしかに…こんな現金持ち帰るのまた緊張するわw」
エウロス「ですよねw」
アレス「はははw」
社長「ああ、そうだ…アレスさん…」
アレス「ん?」
社長「ドラグーンを60個も購入してくれてどうもありがとう…」
アレス「ああw…いや、いいんだよ…たった60人しか助けられないしw」
社長「あんた素晴らしいよ…」
ツツジ「ほんと…ドラグーン一つ買うのに、たくさんの龍たちは大変な思いをしてるんですよ…」
エウロス「それが片親とか孤児にはどれだけありがたいか…」
社長「そりゃ、アレスさんにはここの金はあまり価値がないかもだけど、それでも太っ腹すぎるよ…賞金の半分くらい他龍にあげてさ…おまけにグッズの儲けも寄付してさ」
エウロス「うんうん…立派すぎるよ…たかだか25年しか生きてないってのに、たった数日でたくさんの龍を救っちまうんだから」
ツツジ「ほんとにねぇ…何百年生きてても出来ないような事なのにねぇ」
アレス「いや、マジでやめてくれる?w…そういうの照れるし…オレはたかだか30分も満たない時間、戦っただけだよ」
社長「いやいやいや…それだけじゃないだろう!…いくらアレスさんが強かろうと、アレスさんの粋な振る舞いがなけりゃ、ここまでの結果にはなってないんだから」
エウロス「本当にその通りだよ」
アレス「いやもういいってw…それよりゲームしようぜ?」

それから社長も交えて、ツツジさんたちとゲームして遊んでるうちに、エウレカは真空パウチを終えて、戻ってきた

エウレカ「アレス、ほらこれ…」
アレス「ありがと、4回分もあるのは助かるなあw…早速このドラグーン試してみようかな」
ミリア「おお~!」
エウロス「食べて食べて!」
アレス「おーし…グッ…メキメキ…バキ!」
社長「すげぇw…開ける道具なしで割ったww」
エウレカ「どんな握力だよww」
アレス「へ?…あははw…開けるやつあるのかw」
エウロス「そりゃドラゴンの腕も握り潰すはずだわw」
ミリア「いつもこうして割ってるのよw…わあ…オレンジ色の実だねえ」
アレス「うん…見た目はこっちの方が美味そうだ…ムシャ…ぐ…いや、やっぱ気持ち悪いなw」
エウレカ「うんww」
社長「かわいそうだなぁ、口が小さいと噛まないといけないもんな」
アレス「…そっか…ドラゴンなら一気に飲み込めるのかw」

オレはまたやけくそになって、さっさと食べた

エウロス「どう?」
エウレカ「身体に異変ない?」
アレス「んー…特になんとも…ぐ…う!」
ミリア「お兄ちゃん!!」
アレス「う…身体が熱い…」
ミリア「お兄ちゃん!…すごい汗!!」
エウレカ「や、やばい…早速エリクシールの出番だ!」
社長「おう!」
アレス「ぐ…う…」

オレは身体が焼けそうに熱くなって、呼吸もしづらくなり、身体中が痛く痺れるようだった

ミリアが泣きながらエリクシールを口移ししてくれて、しばらくすると回復した

アレス「う…あ…」
ミリア「お兄ちゃあん…グス」
アレス「ミリア…もう大丈夫…もうちょっと熱いくらい…エウレカ、悪いけど、エアコンつけて…」
エウレカ「あ、うん!!」

アレス「ふぅ…パタパタ…もう大丈夫…すごいなエリクシール…もう死ぬかと思ったw…オレ史上、二度目のヤバい感じだったw」
エウロス「本当にもう大丈夫?!」
ツツジ「なんともない?!」
アレス「うん!…もう熱くもないよ」
社長「よ、良かった…」
ミリア「うう~…グス…ギュゥ」
アレス「ごめんなミリア…心配かけて…いや、エリクシールを買ったのは正解だった」
エウレカ「ねw…ほんと良かったよ…グス」
社長「アレスさん史上、一度目のヤバかった時って、いつ、どんな時だったの?」
アレス「ああ、それはミリアたち妖精の世界を救った時でねw…これさ…このネックレスに宝石みたいなのあるだろ?」
エウレカ「うん…キレイだよね、それ」
ミリア「その石は元々妖精だったのよ」
エウロス「ええ?!」
ミリア「妖精は死ぬと、最後の力でそういう魔石になるのよ…アタシたち、悪い心になった天使たちにいじめられて、18人も死んだの…」
ツツジ「まあ!!…ミリアちゃんもいじめられたの?!」
ミリア「うん…でも、そんな時お兄ちゃんが助けに来てくれたのよ」
アレス「ああ…でももっと早くに来れてれば、もう少し犠牲は少なくて済んだのに…」
ミリア「そんなのお兄ちゃんは悪くないのよ」
エウレカ「そ、そうだよ」
ミリア「そいつらはたくさん殴ったり、無理矢理エッチな事したりしてきたのよ…それでアタシの子どもたちは18人も死んだの…」
エウロス「酷い…」
社長「許せん…」
アレス「だろう?…オレもあんなに腹が立った事なかった」
ミリア「お兄ちゃんは死んだ妖精をキレイに拭いてあげて、心から労ってくれて、泣きながら優しく抱きしめてキスしてくれたのよ…」
エウレカ「アレスらしいね…」
ミリア「魔石になった妖精は、一緒に居たい妖精の元に飛ぶのよ…それでお兄ちゃんにはその6個の魔石が飛んできたの」
社長「へぇぇ!」
妖精「でもその石は、魔力がお腹いっぱいになるまで吸っちゃうのよ…普通なら一個でもかなりヤバいのに、お兄ちゃんには6個もだったのよ」
アレス「魔力って、体力みたいになくなるとヤバいんだ…さすがのオレもそん時はほとんどの魔力を吸われて、瀕死になったんだよねw」
ミリア「二日も寝てたのよ」
アレス「…そんなに?!Σ(゚д゚υ)」
エウレカ「この最強レジェンドのアレスが…」
アレス「でも、このドラグーンを食べた時の方が死ぬ思いだったね…」
社長「人間には合わないんだなぁ…で、どう?…なんか力は身についた?」
アレス「んー…ドラゴンの力ってさ、まずはどう練習するの?」
エウレカ「まずは物を浮かせるんだよ…こんなふうに」

エウレカはコップを浮かせた

エウレカ「浮かせて、自分の止めたいとこで止めるの…それからこんなふうに、横に動かしたり、止めたり」
アレス「…オレもやってみる」

オレもコップを浮かせるイメージを思い描いて、魔力を伝えてみた

すると、コップは一瞬で天井にぶつかって、粉々に割れた

オレは焦ったけど、魔法バリヤで防いだ

エウロス「うわ!」
エウレカ「わあ!」
アレス「あっぶね…」
社長「力入れすぎたなw」
アレス「…とは言え、これ…ドラゴンの力…?」
エウレカ「だと思う」
アレス「…やったあ!!…練習すれば操れるよな?」
エウレカ「だと思うけど、いきなりあんな速くは普通は動かせないよ」
社長「ああ…」
アレス「そうなの?…オレは大して魔力込めてないけど…」
エウロス「そもそもドラゴンには魔力とかいうのないから、それを加えた事であんなスピードになったんじゃねえか?」
アレス「なるほど…魔力はなくてもいいのか…よし、練習は後でみっちりやる事にして、とりあえず破片を片付けるわ」
ツツジ「そうねw…片付けましょうw」
アレス「エウレカ、ごめんな、それ大事なもんか?」
エウレカ「え?…ううんw…全然w」

コップの破片を片付けて、みんなで小さくなって風呂に入った

社長さんもまだいる

社長「お前、こんないい風呂に入ってたの?!」
エウレカ「はい///…大浴場の数倍広いですよねw」
社長「ていうかプール並みじゃん」
エウロス「みんなで流れるプールやろうよw」
ミリア「なにそれえ?」
エウレカ「列になって、ぐるぐる回るんだよw…母ちゃんもやろうよ」
ツツジ「はいはい」

そうしてぐるぐる回ると、水もぐるぐる回るようになって、すごい楽しかった

ミリアも浮かんで流れてる

アレス「やべぇ、楽しいw」
エウレカ「あはははw…アレス…」
アレス「ん?」
エウレカ「…いつ…帰るの?」
アレス「ん…そうだな…」
エウレカ「なんならここにずっと居たっていいんだよ?」
アレス「バカ言えw…オレがここに居たらノトスとイチャつけないだろw」
社長「なんだ、ノトスって…もしかしてあの女格闘家の?」
エウロス「そうそうw」
社長「ええ~!…オレひそかにファンだぞ…」
エウレカ「い、いやあ///」
アレス「オレが居なくても、ノトスが居るじゃんかw…幸せになれよ?」
エウレカ「…グス…」
アレス「泣くなよw…かわいい奴…ナデナデ」
ミリア「うふふふw」
社長「これで部長だからな…」
ツツジ「おほほほw」

そして、社長も帰り、オレは寝る前にエウレカの部屋に入った

エウレカはオレたちとの写真を見て、泣いていた

アレス「エウレカ…」
エウレカ「え?!…あ!…アレス///…こ、これはその…ワタワタ」
アレス「ふふw…泣き虫めw」
エウレカ「ごめん…最強のアレスの友達なのにね…弱くてごめん」
アレス「オレはそんな優しいお前が大好きだよ」
エウレカ「…うっ…グス…ズッ」
アレス「これさ…残りのこの20万…」
エウレカ「うん…」
アレス「これは全部お前にやるつもりだった…」
エウレカ「…え?」
アレス「でも、やるのは10万なw…残りの10万は、オレがまたここに来た時に使うのに預かっておいてくれよ」
エウレカ「アレス…うう~…グス」
アレス「いいだろ?…それで」
エウレカ「オレは…金なんかいらないよ…」
アレス「わかってる…でも、貰ってくれよ…ノトスと旅行とか行けるぞ?」
エウレカ「…アレス…」
アレス「…じゃあまた明日な…ちゃんと寝ろよ」
エウレカ「…うん」
アレス「おやすみ」
エウレカ「おやすみ…」
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