勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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ドラゴニア

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そして翌日

アレス「なあ、これさ、両者とも棄権になったら、どうなるの?」
案内係「その場合は両者ともに0ポイントですね」
アレス「そんな場合ってあるの?」
案内係「ありますよ…連日死闘をしてるので、ダメージが蓄積されますから…特に明日は休戦日なので、今日はおそらく棄権者も多いかと思います」
アレス「休戦日?…明日は休みってこと?」
案内係「ええ…ここに書いてありますよ?」
アレス「ごめんw…ドラゴンの世界の文字は読めねえんだw」
案内係「あっ、失礼しました!!」
アレス「!(‘A‘;)ビク…い、いやいいんだ…そっか、今日は辞退して、今日と明日で少しでも体調を整えようってか」
案内係「その通りです…アレスさんだけですよ、無傷なのは」
アレス「ははw」
案内係「だからこそ龍気もすごいんですけどねw」
アレス「でもさ、ドラゴンてほんと心が寛容だよな…異世界の生物でも変わりなく讃えてくれるんだからさ」
案内係「ドラゴンにとって、肉体的に強い者は、尊敬の対象になるんですよw…だから誰であろうと、強い者は尊敬されます…アレスさんは特にセカキョー戦の歴史においても、圧倒的に最強ですからね…それに、昨日のあのイベントや、他の選手たちとのフェアなやりとりなんかもあって、好感度がすごいんですよ」
アレス「オレはただ普通に思ったことをしてるだけさ…そんなことより、姪っ子ちゃんにはあげた?」
案内係「はい!…ものすごく喜んでましたよ!…ありがとうございました!!」
アレス「なら良かったよw…じゃあ出番になったらまたお願い」
案内係「はい!…もしかしたらボクではないかもですけど」
アレス「そうなの?」
案内係「ええ…お前ばっかりずるいって感じになってまして///」
アレス「あはははw…わかったw」
案内係「では、失礼しますw」

アレス「いや、なんかすごいことになってんなw…人間の世界の時よりすごいかもしれん」
エウレカ「うーん、まぁ、人間って存在自体珍しいしね…それに、アレスはうちとここしかほとんど居ないけど、それでももう世界中の龍たちにアレスの存在が知れ渡ってるしね」
アレス「いや、ほんとそれがすげえよな…」
エウロス「おい、大変だぞ…昨日のアレスさんのサインボール、もうオークションに出てるぞ…5000ペスくらいの値段ついてる」
ツツジ「まあ!…ドラグーンの半分の値段ねぇ」
エウレカ「…ていうか、昨日の今日でそんな金儲けにしようとするのがムカつくよ…アレスに失礼すぎるだろ」
ミリア「どんなことなのぉ?」
エウロス「昨日アレスさんが配ってたボールを、5000ペスで売ってるんだよ」
アレス「あはははw…たかだかペンでオレの名前書いただけなのになw」
エウレカ「アレスはムカつかないの?」
アレス「別にいいってw…そんなものに価値がつくなら、お前たちにも残していくよ?」
エウレカ「うんw…オレは売ったりはしないけど、ぜひ欲しいよ」
ツツジ「ええ、ぜひw」
アレス「うんw…ごめんな、そのくらいしかしてやれなくて」
エウレカ「な、何言ってんだよ!…ノトスさんと仲良くなれたのだって、アレスのおかげだろ!…オレの方こそ恩返し出来ないよ…」
アレス「気にすんな…親友だろ?…ポン」
エウレカ「…アレス…ウル」
ミリア「気にすんなよ…ポン」
エウレカ「あははw」

コンコン
「失礼します」
アレス「ん?」
ガチャ
「あの…私、こういう者でして…」
アレス「エウレカ、なんて書いてあるの?」
エウレカ「商品企画部部長?」
企画部長「はい…アレスさんのグッズを作って販売しようと企画が立ってまして…それで、許可をいただきたくて」
エウレカ「すげ~w」
アレス「なんだ?…グッズって」
エウレカ「えっとさ、商品にアレスの写真とかプリント…印刷?した物とか、そういうのを販売するって事だよ」
アレス「ほう…そりゃ、オレにも儲けがあるのか?」
企画部長「もちろんです!…売り上げの15%がアレスさんの取り分として考えられてます」
アレス「それでどのくらい儲かる予想なの?」
企画部長「えっとですね…アレスさんに申し上げるのは、誠に申し訳ないのですが、アレスさんの龍気も一過性のものだと思いますので…一ヵ月の期間限定となると思います…それに、今後のアレスさんの活躍にもよりますし、ちょっと予想は出来かねますが、けっこうな儲けは出ると思います」
アレス「そう…じゃあその5%はエウロスさんにあげて?…この人ね?…であとの10%は寄付するよ…この世界にはいろいろ寄付するとこあるんだよな?」
企画部長「あります…どの団体に?」
アレス「うーん…そんな詳しくはわからないけど…エウレカはどこがいいと思う?」
エウレカ「えっと…発展途上の貧困してる国とか?」
アレス「…それはそんなはした金でも役に立つのか?」
エウレカ「立つよ!…そういった地域では、病気になっても金がなくて満足に医療を受けられなくて、大した病気でなくても死んだりするんだ…でも、寄付金でワクチンとか買えれば、助かる命もたくさんあると思う」
アレス「ほお…じゃあそれで…あんたの責任で選んでおいてくれる?…どうせそういう団体でも、ずるいとこは偉い奴が懐にしまったりすんだろ?…そういうのは嫌だからな…」
企画部長「…アレスさんはいらないのですか?」
アレス「オレはこの世界の金を貰っても仕方ないしなw…頼むよ」
企画部長「…はい!…必ず、クリーンな団体に寄付させていただきます!…あと、その寄付する旨を宣伝に使ってもよろしいでしょうか?…その方が売り上げが大きくなると思うので」
アレス「もちろんw…それで助かる命が増えるなら結果の出るやり方でやってくれ」
企画部長「はい!…ではまた後ほど、詳しく話させていただきます…それでは失礼いたします」
アレス「うん」

エウロス「アレスさん、うちに5%ってなぜ?」
アレス「いや、お世話になったからさ…オレはいらねえし、いくらになるかはわからないけど、金はあって困るもんじゃねえだろ?…ツツジさんと一緒に美味いものでも食べてよ」
ツツジ「アレスさんたら…ウル」
エウロス「ほんと…若いのに大した方だ…」
アレス「気にしないでよw…オレの目的はエリクシールだけだ」

コンコン
「ノトスです…」
ガチャ
アレス「よお」
ノトス「ごめんなさい、何度も///」
アレス「何度来てもいいぞ…ノトスは試合は?」
ノトス「わたしはアレスさんの後よ」
アレス「そっか、用事は?」
ノトス「あ…エウレカさんに…///」
エウレカ「う、うん///」
アレス「うんじゃあ連れてってよw」
ノトス「あ、はい///…ごめんなさい」
エウロス「いいからいいから!w」
ツツジ「息子をよろしく頼みますねw」
エウレカ「か、母ちゃん///…じゃあアレス…ごめんね」
アレス「いいから行けw」
ノトス「あ、でもちょっと待って…アレスさんの次の相手の事…」
アレス「ん?」
ノトス「次の相手の人は、勝つ為なら手段を問わないっていうか…審判に気付かれないなら反則行為も平気でするような…」
アレス「んー?…けど、セカキョー戦は反則行為なんかあるのか?…なんでもありだろ?」
ノトス「そうだけど…でもそういう奴だから一応気をつけるよう忠告しようと思って…」
アレス「…ありがと…ムカつく奴?」
ノトス「はい…嫌いです」
アレス「世間的にも嫌われてる?」
ノトス「好きな龍は好きですが、一般的には好かれてはいません…」
アレス「わかったw…むしろそういう相手の方がいいやw…ありがと」
ノトス「うん…じゃあ、気をつけて」
アレス「うんうん」

そして、オレの出番が来て、武舞台に案内された

相変わらず…いや、それ以上の喝采を受けて、オレは武舞台に立った

今日の対戦相手は黄色い肌をしたドラゴンで、翼にも手があった

たしかに卑劣そうな感じがする

前情報でそう聞いたからそう思うだけかもしれないけど…

試合が始まって、オレは様子見することにした

コイツがなんか卑怯なマネしてからボコした方が、オレの株が上がるからだ

黄色のドラゴンはオレを両手で掴み、持ち上げて、頭に噛みついてきた

観客たちは悲痛な悲鳴をあげる

だが、悲鳴をあげたのはオレじゃなくて黄色ドラゴンの方だ

オレは頭を金属化していたから、思い切り噛み付いたコイツは歯が何本か折れた

翼の方の手で口を押さえて、まだオレを離さない

オレは水の剣で黄色ドラゴンの足を片方、切断した

悲鳴をあげて、オレを離したところを、オレは腹に何発もパンチを入れた

またオレを掴もうと、今度は翼の手を伸ばしてきたから、翼を半分に切った

痛がってる黄色ドラゴンにタックルをして押し倒し、馬乗りになって顔を何発か殴ると、『まいった!』と叫んだ

審判「勝者!…アレス!!」

「「「ワアアアアアアア!!!」」」

黄色ドラゴン「ハァ…ハァ…ハァ…うぐ…」
アレス「おい…足くっつけて欲しいか?」
黄色ドラゴン「ああ…ハァ…ハァ…やってくれ…」
アレス「やってくれ?…口の利き方知らねえのか?」
黄色ドラゴン「……」
アレス「じゃあな」
黄色ドラゴン「まっ、待ってくれ!…ハァハァ…」
アレス「なんだよ」
黄色ドラゴン「お願いします…治してください…」
アレス「…お前さ、最初オレを噛んだよな?…あれさ、オレだからなんともないけど、普通なら死んでるぞ?…平気で殺すような事、お前はしたんだ…お前のその姿は因果応報ってやつだ」
黄色ドラゴン「うう…す、すまない…すいませんでした…どうか…お願いします…」
アレス「…選べ、足か翼か…どっちかだけだ」
黄色ドラゴン「そ、そんな…」
アレス「嫌なら諦めろ」
黄色ドラゴン「…じゃ、じゃあ足で」
アレス「わかった…審判さん、またお願いしていい?」
審判「わかりました!」

審判「こんな感じですかね?」
アレス「うん、ピッタリだねw…パァァァァ」
黄色ドラゴン「ああ…く、くっついた…良かった…」
審判「良かったじゃなく、礼を言ったらどうだね?」
黄色ドラゴン「…ふん…ありがとさん…ぐぶぅ!!…ズザ-」
アレス「なにをカッコつけてんだお前…礼を言う時は誠心誠意心を込めるんだよ…ああ?…ドゴ!…ボキ!」
黄色ドラゴン「ああ!…ぎゃああ!…ぐぶぅ!…ま、待って!…待ってください…ぐふ…あ、ありがとうございました!!…この恩は一生忘れません!!」
アレス「わかった、許す…お前もどうせ戦いに生きるなら、誇りあるカッコいい生き方をしろ…じゃあな」

「「「ワアアアアアアア!!!」」」

「「「最高!アレスーー!!!」」」

アレス「…ウケたぞw」
エウロス「たしかにw」
ミリア「カッコいいのよ~///」
アレス「ふふふw…おいで」
ミリア「うん!」
アレス「よっ…ダッコ」
ミリア「うふふw…ギュ…スリスリ」

オレもミリアを抱っこしたまま特別席に座り、次のノトスの試合を見ることにした

しかし、ノトスの相手は棄権した

ノトスは実力者だし、ノトス自身のケガも比較的軽いからだろう

アレス「ノトス、得したなw」
ノトス「うーん…わたしとしては、ちゃんと戦った結果が良かった…」
アレス「それは違うぜ?…強いってのはただ戦うスキルだけが全てじゃない…正直者なのもいいけど、強者ってのは運もかけひきも大切な要素だよ…戦わずに勝ちを拾ったんなら、素直に喜ぶべきだ」
ノトス「…そうかなあ」
エウレカ「うん…ビジネスでもそういうの大事だから、アレスの言う事もわかるなあ」
ノトス「わたし、頭堅いのかな…」
アレス「ちょっとなw…けど、別にちょっとなら悪い事じゃないから、気にすんな…とりあえず今日明日休めるんだから、気持ち切り替えて体調整える事に集中しな?…それだって戦いだぜ?」
ノトス「うん…そうね!…ほんとにそうだわ…わたし、ちゃんと休養とることにする」
エウレカ「うん!…オレとしても、ノトスさんがそうしてくれるのは嬉しいよ!」
ノトス「…ありがと///…ほんとに優しいのね///」
エウレカ「え?…へへ///」
アレス「休養は明日がっつりとる事にして、今日はこれからデートすれば?…まだ時間はあるんだし」
ノトス「…ど、どうする?///」
エウレカ「ノトスさんがいいなら///」
ノトス「わ、わたし…じっとしてるより、少し動いてた方がいいから///」
エウレカ「じゃあ遊びに行こう///」
ノトス「うん///」
アレス「楽しんできなw」
ミリア「行ってらっしゃい!」

それからオレは、エウレカの家に帰り、エウロスさんとツツジさんと一緒に楽しく過ごした
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