勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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ドラゴニア

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エウレカ「よし、じゃあアレス乗ってくれ」
アレス「おお、キャリア?!」
エウレカ「うん、父ちゃんのだけどね」
ミリア「おお~!」
エウロス「かあさんも乗って乗って」
ツツジ「はいはいw」

この日はセカキョー戦の開催日だ

エウレカに連れてってもらおうとしたら、エウロスさんとツツジさんも一緒に行くことになった

そして、キャリアに乗って会場に向かう

このキャリアってのはすごい

乗り心地もいいし、寒くも暑くもなく、音楽までかかっていて、座席はフカフカだ

もちろんオレにはデカすぎるけどw

ツツジ「ミリアちゃん、お膝座って?」
ミリア「うん!ママ!」
ツツジ「ああ…かわいい…ギュ…わたしも娘欲しかったわあ」
アレス「はははw…今からでも作れば?」
エウロス「な、何言ってんだよ///」
エウレカ「やめてくれよ、アレス…」
アレス「けどさあ、エウロスさんもツツジさんも、別に年寄りではないんだろ?」
エウロス「いやでも…///」
エウレカ「やめてくれよ~…」
アレス「わかったわかったw」

そして会場に着いて、オレが入り口に行くと、すごい数のドラゴンに囲まれた

手には変な機械を持っていて、その機械はピカピカと光を放ったり、丸いのがついたものを差し出されたりして、すごく困った

エウレカ「みなさん、取材は後にしてください!」
エウロス「散れ散れ!」

エウレカたちに守られて、会場に入り、案内のドラゴンがオレたちを控え室に案内した

エウレカ「大変だったなあ…」
アレス「なんなの?あれ?」
エウレカ「アレスとミリアちゃんが世にも珍しい存在だから、ああやって取材に集まったんだよ」
アレス「取材?」
エウレカ「うん…新聞とか、ネットやテレビでアレスは映ると思うよ」
アレス「ふーん…」
エウレカ「ただ、今のところアレスには悪いけど、みんなの興味は『希少生物』を見る感覚だね…」
アレス「ああ、まあそうだろうなw…別に気にしちゃいないよ…人間の世界に居ても、ああいうふうになることはたまにあるからさ」
エウロス「へぇぇ!…人間の世界でも有名なのか!」
アレス「まあ、そうだねw」
エウロス「アレスは人間の世界ではモテるのかい?」
ミリア「モテるモテるw…カッコいいし、強いし、優しいし、頼りになるし、男からも女からもモテる」
エウロス「やっぱそうだよなあw」
エウレカ「もしかして、アレスには彼女作るのとか余裕?」
アレス「ん?…ああ…作ろうと思えば一日二日で出来るんじゃねえかな」
エウレカ「すげえ…」
ツツジ「ほらあなたたち…アレスさん、もうすぐ戦うんだから、そんな話をしてないの…」
エウロス「あ、すまん…」
エウレカ「ごめん…」
アレス「いいって別にw…オレはね、ミリアに会うまでは、物事をする判断とかキッカケは『モテること』だったんだよ…だからモテる為に必要な力は出来る限り身につけたわけw…戦うのだって魔法だってそう…負けるのはあんまカッコいいとは思えないから、オレは誰よりも強くなったの…まあ、見てなよw」
エウレカ「…たしかにこの状況下で余裕あるとこは、すごくカッコいいよ」
エウロス「うんうん」
ツツジ「ドラゴンだったら好きになりそうねえ」
エウロス「か、かあさん…」
アレス「あはははw…ツツジさん、ありがとw…でも、冗談でもそういうのは言っちゃダメだ…自分の一番大切なものを踏み付けにするような事は…」
ツツジ「そうね…ごめんね、おとうさん…大好きよ」
エウロス「い、いや///」
エウレカ「や、やめろ…」
アレス「あはははww」

案内のドラゴンがドアをノックし、エウレカたちは特別席に案内され、オレは武舞台の方に案内された

観客たちも、対戦相手のドラゴンたちも、好奇の目でオレを見ている

選手紹介が始まると、観客席の上にあるデカいテレビに、1人1人映像が映しだされた

そのたびに、そのドラゴンのファンが騒ぐ

オレの紹介になった時だけシーンとなっていたが、オレはそのデカいテレビに映ったオレのカッコ良さに見とれていた

このカッコ良さがドラゴンたちにはわからないのが残念だ

選手紹介が終わると、ルールの説明があり、それも済むと、ついに大会は始まった

オレはいきなり出番だった

そしてソイツは優勝候補らしい

つまり、ソイツを倒すことが出来れば、オレの優勝はもう見えるって事だ

オレは試合が始まるまでに自分の強化を終えていた

ソイツは始まりの合図と共に、いきなり翼を広げて叩きつけてきた

しかし、翼が地面に叩きつけられた時にはすでに、オレはソイツの肩に乗って、目ん玉に腕を突っ込んで、目をほじくり出してやった

ソイツは悲痛な叫びをあげ、目を押さえてうずくまった

オレは右の翼を右手で掴み、左手で首の後ろを掴んで、力ずくで翼をもぎとった

ソイツも、観客のドラゴンたちも、絶叫をあげた

ソイツはまだ降参しなかったから、そのもぎとった翼を使って、めちゃくちゃに叩いてやった

ガードしたもう一つの翼も折れ、さらにガードしている腕も折れて、ソイツはやっと降参した

翼は刃物みたいになってる部分もあるから、ソイツは血まみれのズタボロになった

審判「しょ、勝者!アレス!!」

オレは対戦相手のソイツに近寄った

アレス「おい…おとなしくしろ…治してやるから」
ドラゴン1「…え?」
アレス「ほら、まず腕出せ…はやく」
ドラゴン1「う、うん…」
アレス「ちょっと痛くても我慢しろよ?」
ドラゴン1「うん…な、治せるのか?」
アレス「ああ…じゃなかったらここまでやらねえよ…ほら…パァァァ」
ドラゴン1「あ…う、腕が…」
アレス「そっちも」
ドラゴン1「は、はい!」

アレス「審判さん、ちょっと手伝ってくれ」
審判「は、はい」
アレス「翼を元のとこにくっつけててくれ」
審判「はい!…グッ!」
ドラゴン1「うっ…」
アレス「痛くてもじっとしてろ…曲がってくっつくぞ?」
ドラゴン1「は、はい…」
アレス「審判さん、もうちょい上げて」
審判「はい!…ググ」
アレス「よし…パァァァ」
審判「おお!…くっついた!!」

観客「「「おお~!!!」」」

アレス「審判さん、その目玉をとってくれ」
審判「あ、は、はい…う、うわ」
アレス「洗うから持ってて」
審判「わ!…何もないとこから水が…」
アレス「うん…よし、貸して」
審判「はい…」
アレス「おい、この目玉突っ込むからな?…痛いかもだけど我慢しろよ?」
ドラゴン1「わ、わかった!…ぐっ!…うう~…」
アレス「よし…パァァァ…どうだ?」
ドラゴン1「あ…み、見える!…見えるよ!…ありがとう!!」
アレス「ん…次は頑張れよ…じゃな」

「「「わああああ!!!」」」

「「「アレスーー!!!」」」

観客たちは喝采と拍手をした

審判「い、今のが魔法ですか?」
アレス「ああ…すごいだろ?」
審判「はい…」
アレス「オレはね、こんなふうに治せるから、その分あのくらい残酷にやる…痛い思いしたくなかったら、棄権することだな…」

そう言ってオレは武舞台を後にして、選手の椅子に座った

治す時間がかかったものの、試合時間的には短いから、隣の奴らはまだ戦っていた

オレの戦った方では二回戦目が始まる

アレス「なあ、オレの次の試合にはまだかかるよな?」
案内係「は、はい…まだかなり時間あると思います」
アレス「あそこの特別席に行っててもいいかい?」
案内係「あ、はい…どうぞ」
アレス「ありがと」

オレはミリアたちのいる、特別席へ行って、そこから試合を見ることにした

アレス「よっと…」
ミリア「お兄ちゃん、やっぱり楽勝だったね」
アレス「まあねw」
エウレカ「アレス…す、すごいその…残酷なんだね…」
アレス「ああ、ごめん…嫌いになったか?」
エウレカ「う、ううん」
アレス「怖くなった?」
エウレカ「……いや…」
アレス「本当か?w」
エウレカ「うん」
ツツジ「見ててとても痛くなったわ」
アレス「ごめんね、ツツジさん…エウロスさんも」
エウロス「いやいや…さすがにビビったけど…人間がそんなに強いと思ってなかった…アレスさんだけ特別?」
アレス「そうだねw…オレは特別だよ…オレ以外の人間なら、ドラゴンたちには全然歯が立たないよ」
エウロス「そうだよねえ…タイガも弱かったし…」
アレス「エウレカ…」
エウレカ「ん?」
アレス「オレの事怖くなっても無理ないけど、友達でいてくれるか?」
エウレカ「うんw…怖くないよ…治せるからあそこまでやったんでしょ?」
アレス「うんw…オレもほんとはあそこまでやるのは嫌だけどね…いきなり優勝候補のアイツがあんな目に遭ったのを見たら、誰でもビビるだろ?…そして、ああして治してやって、フェアなとこを見せれば、観客の心も掴めるだろ?…ヒソヒソ」
エウレカ「…なあるほど…そんな計算してたんだね…w…ヒソヒソ」
アレス「オレは目的を達成する為なら、カッコ悪い事以外はなんでも利用する…結果を出さなきゃ、何も変わらないからな…ヒソヒソ」
エウレカ「そっか…すごいなあ…ヒソヒソ」
アレス「この大会に出る目的が、戦う事ならあそこまではやらない…目的はエリクシールだからな…ヒソヒソ」
エウレカ「なるほど…そういう姿勢、尊敬するよ…ヒソヒソ」
ツツジ「なんだかアレスさんの試合見た後だと、他の試合はかすんじゃうねえ」
エウロス「全くほんとそうw…でもあれ放送出来るのかね?」
エウレカ「無理だろぉw…普通にホラー映像だよ、あれは」
エウロス「だよなあw」
エウレカ「まあでも、ネットで拡散されるだろうな…」
アレス「そのさ、情報がすぐ行き渡るのすごく便利だけど、厄介でもあるよなあ」
エウレカ「そうなんだよ…」
アレス「そういうのを悪用する奴はやっぱりいるんだろ?」
エウレカ「いるんだよ…ある意味アレスよりもよっぽど怖いよ…時には龍生まで壊されることあるもの」
ツツジ「物騒ねえ…」
アレス「まあ、物事には良い部分だけじゃねえって事だよな…」
エウロス「そうよなあ」
ミリア「そうよなあ」
ツツジ「うふふふw…かわいいw」

その後も試合は続いたけど、一試合が長くて、見るべきものもなかった

観客も離席する者が多かった

結局、その日は二度目の試合が回る事なく、終わってしまった

仕方なく、エウレカの家にみんなで帰る事になった

アレス「くっそ、この調子じゃ九日はかかっちまうんじゃねえか?」
エウレカ「いや、試合が進んでいくと、テンポが上がるよ」
アレス「そうなの?」
エウレカ「うん…みんなケガとかダメージを負ったままとか、体力も回復しきらないまま戦うことになるからね」
アレス「ああ…なるほどねw…だったらもうオレの優勝は間違いないじゃないか」
エウレカ「ほんとだねw…でも、大会終わったらアレスは帰っちゃうんだろ?…だったら長引いてくれた方がいいな…」
アレス「お前さ…ほんと、時々かわいい事言うよなあw」
ミリア「ブフフww」
アレス「そういうの女の子に言えればいいのになw」
ツツジ「ほんとにねえw」
エウレカ「う、うるさいよ///」
アレス「あはははww」
エウロス「ブフww」

こうして、大会初日は無事に終わった
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