勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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ドラゴニア

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龍穴をくぐると、そこは空だった

つまり、オレたちは高い空からまっさかさまに落ちている

けど逆に考えると、高くて良かった

これが低いとこだったら、考えがまとまらないうちに墜落して死んでたかもしれない

オレはミリアに小さくしてもらって、落下した

身体が小さいと、高いところから落下しても、大した事ないのだ

その上、着地時に風を使えば、無傷で降りられる

そんなふうにして、オレたちは無事に着地する事が出来た

オレだけ大きさを元に戻してもらい、ミリアを秘密基地にしまって、辺りを見回した

風景は人間の世界と変わらない

空があって、山があって…

でも、来たのはいいが、どこに向かえばいいのかわからない

ミリア「お兄ちゃん、どうする?」
アレス「んー…どっち行けばいいんだかわかんねえな…」

とか言ってると、猛スピードで空から何かデカいものが降ってきた

それは銀に輝くドラゴンだった

ドラゴンは想像よりデカかった

足だけで、オレの身長くらいはある

全体的な身長はオレの倍とちょっとくらいだろうか

銀のドラゴン「今ゲートから来たのはお前か?」
アレス「ゲート?…龍穴の事か?」
銀のドラゴン「ああ、人間はそう言ってたな…お前、ドラゴンを見ても全然ビビってないなw」
アレス「そんな事はねえけど…あんたが銀色だからかな」
銀のドラゴン「…それはなんで?」
アレス「ここに来る前に本で見てたんだよ…タイガって奴の話な…それに優しい親友の銀のドラゴンの事が書いてあったんだ…だからあんたは怖いと思わなかった…実際怖そうに見えないしな」
銀のドラゴン「…タイガ…久しぶりに聞いた…懐かしい名だ…」
アレス「あんたはまさかエウレカか?」
銀のドラゴン「…ああ…そうだよ」
アレス「やっぱりw…会えて良かった…オレはアレス…人間の世界で勇者って呼ばれてる」
エウレカ「アレス…勇者って?」
アレス「ああ、人間の世界を魔界の奴らはずっと前から狙っててね…それと戦う為に神様から選ばれた人間の事さ」
エウレカ「へぇぇ!…魔界…そんなのあるんだな…」
アレス「うん…この世にはいろんな世界があるって聞いたよ…このドラゴンの世界もその一つだって」
エウレカ「ふーん…オレはこのドラゴニアと人間の世界しか知らない」
アレス「ここはドラゴニアっていうのか」
エウレカ「ああ…タイガは元気なのか?…お前、知ってるのか?」
アレス「いや…タイガは死んだよ」
エウレカ「え?!…なんで?!」
アレス「わからんけど…普通に寿命じゃねえかな…人間は長くても100年も生きられないからな」
エウレカ「そ、そんなに短いのか…」
アレス「ああ…タイガがここから居なくなって、何年くらい経つんだ?」
エウレカ「…300年くらいかな…」
アレス「なるほど…お前とは友達だったのか?」
エウレカ「オレはそう思ってた…でも、タイガはどうかわからない」
アレス「どうして?」
エウレカ「だってさ、あいつ…パッといきなり目の前で消えてさ…もう戻って来なかった…友達だったらせめて別れの挨拶くらいするだろ?…オレとの友情はその程度だったんだよ、きっと」
アレス「…オレはタイガじゃねえし、タイガの事も知らねえから、お前に言える事はねえけど…オレはまだ会ったばっかりのお前を好きになったよ…だからタイガもお前の事好きだったんじゃねえかな…」
エウレカ「そうかな…だったらなんでだ……でももうわかりようがないよな…」
アレス「まあね…」
エウレカ「けど…アレ…なんだっけ?…お前の名前」
アレス「アレスw」
エウレカ「アレス…ありがとねw…好きって言ってくれてさw」
アレス「いやw…なんか不思議とエウレカは懐かしい感じがする…」
エウレカ「オレもなんかそう思うw」
アレス「ちょっと待ってろ…ミリア、出ておいで」

ミリアは秘密基地から出て、妖精のサイズになってパタパタと飛んだ

ミリア「ミリアだよ٩(*❛⊰❛)۶」
エウレカ「え?!…ちっさ!」
アレス「ミリアは妖精の世界に住んでた、妖精って種族だよ…オレの大切な恋人なんだ」
エウレカ「妖精…」
ミリア「うん!٩(*❛⊰❛)۶よろしくね!」
エウレカ「よろしくw」
アレス「エウレカはどうしてオレが来たのをわかったの?」
エウレカ「…あのゲートからタイガが来たからさ…また来ないかと思って、来たらわかるようにしてたんだよ…」
アレス「そうだったのか…」
エウレカ「でも…もう会えないのか…」
アレス「うん…でもオレで良かったら友達になってくれないか?」
エウレカ「…お前、さっき会ったばっかのオレを信用するの?」
アレス「うん、まあ…エウレカはオレを知らないうちは無理か?」
エウレカ「うーん…けど、ゲートを通れたんだよね?」
アレス「うん」
エウレカ「だったら少なくとも悪い奴じゃないのはわかる…でも、気が合うかはわからないし…」
アレス「じゃあさ…オレ、お前にメシをご馳走するよ」
エウレカ「メシ?」
アレス「うん…ドラゴンも食事はするだろ?」
エウレカ「うん」
アレス「ちょっと待ってね…ゴソゴソ…ミリアお願い」
ミリア「はーい」

オレはバスケットを出して、中から冷凍宝箱を出し、大きくしてもらった

アレス「この中の食べれないもんとか、逆に好きなもんとか、食べてみたいもんはある?」
エウレカ「すごいなミリア…大きさを変えるなんて!」
ミリア「えへへw…ありがと…エウレカちゃん、食べ物選んでよ」
エウレカ「あ、ああ…いや、どれでも食べれそうだよ…でもやっぱ好きなのは肉かなあ」
アレス「わかったw」

オレは厚切りしたステーキを焼き、ポテトを添えたものと、野菜サラダ、ごはんを炊いた

その間、エウレカはミリアと話して仲良くなったようだった

アレス「エウレカ、出来たよ」
エウレカ「すごくさっきからいい匂いしてて、待ちくたびれたよw」
アレス「ミリア、エウレカも小さくして?」
ミリア「うん…えい!」
エウレカ「お、おお~w…オレ、ちっちゃい!ww」
アレス「はははw…そのサイズならこれでも腹いっぱい食えるだろ」
エウレカ「うんうん!!」
アレス「よし、じゃあいただきまーす」
エウレカ「いただきまーす…って、ミリアはいいの?…そんなちょっとだけで」
ミリア「うん!…アタシは水だけで生きられるのよ…でも、肉は好きだからちょっと食べるのw…あと果物のジュース」
エウレカ「へぇぇ…妖精って便利だなw」
アレス「全くそう思うよ…まあ、早く食おうぜ?」
エウレカ「うん、いただきます!」

エウレカ「うまい!!…人間てこんな美味いもん食べてるの?!」
アレス「うんまあ…中でもオレのは美味い方だけどね」
ミリア「そうそうw…お城のお肉には負けるけど、お兄ちゃんの作るのは美味しい」
アレス「お城のはなあ…良い肉だからな」
エウレカ「これより美味いの…」
アレス「だねぇ…」
エウレカ「でもオレはアレスので十分美味いよ」
アレス「良かったよw…食いながら話そうぜ」
エウレカ「うん…モグモグ」
アレス「ゴソゴソ…これ…これってさ、ドラゴニアで作ってるのは本当?」
エウレカ「あ!…なんで持ってるの?」
アレス「これは元々、タイガが人間の世界に持ってきたものの一つだよ…おそらく最後の一つ…他のはほとんどはオレが食っちまったよ…」
エウレカ「そうなのか…これ、あの時の…まだあったんだね…タイガはどうして自分で食わなかったんだろう」
アレス「タイガはなんつうか、力に溺れる奴じゃなかったんだろうな…オレにはわかる…それにただ単純に、それまずいんだよw…少なくとも人間にはね」
エウレカ「…ああw…たしかにまずいよね、コレw…味はほとんどないけどさ…口の中に広がる不快感がさw」
アレス「そうそうw…これさ、この今持ってるこの実は、タイガの子孫…子供たちが代々受け継いできたものなんだよ…それをオレに役立ててくれってさ…オレはそれで貰ってきた」
エウレカ「そうなんだ…」
アレス「これはでも、お前にやるよ…タイガとの思い出が少しはあるんだろ?」
エウレカ「え?…いいの?…人間が食えば新たな力が身につくんでしょ?…アレスはいらないの?」
アレス「そんなのはいいんだよw…まずいし…タイガの思いとか、そんな形でないものだけど、これには確かにある…友達のお前が持つなら、タイガも嬉しいんじゃねえかな」
エウレカ「…タイガ…本当に嬉しいのかな…オレたちは友達と思ってて良いのかな…」
アレス「いいと思うよ…少なくとも、タイガの残した本には、お前を嫌いとか悪く言うような事は何もなかった…楽しくて優しいとは書いてあったけど」
ミリア「エウレカちゃん、お守りにするといいのよ」
エウレカ「うっ…グス…」
アレス「そうしろよw…な?」
エウレカ「うん…けど、これさ…隠してないとダメだw…みんなに見られたら、とられちゃうw」
アレス「そうなのかw…じゃあサイズを変えて、アクセサリーにして付けておけば?…オレがそうしてやるよ…もっかい貸せよ」
エウレカ「うん!」

アレス「あとさ…エウレカは…ドラゴンは人間の世界には来れないのか?」
エウレカ「あ、うん…だって、あのゲートはオレたちの身体じゃ小さくて入れないもん」
アレス「ああ、そういう事ねw」
エウレカ「それに瞬間移動の魔法もドラゴンには使えないし…」
アレス「ああ…あれはね、本当なら人間には使えなくて…神様や妖精とかの使う魔法なんだよ」
エウレカ「へぇぇ!…ミリアも使えるの?」
ミリア「使えるのよ!」
エウレカ「すげ~!!」
ミリア「えへへww」
アレス「今まで何度もそれで助けてもらった」
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