69 / 236
ルシア
3
しおりを挟む
アレス「どう?…タチアナ…自分の住処の場所はわかるかい?」
タチアナ「なにしろ雪がいっぱいで…」
オレは地図を広げて、現在地をなんとなく教えた
タチアナ「わたしの住処はもう少し進んだとこだと思います」
アレス「そっか、まあ、わかったら教えて?…わからなかったらそのままルシアに行く」
タチアナ「はい!」
アレス「じゃあ、ミリア、タチアナも…2人で秘密基地に入ってな」
ミリア「はーい٩(*❛⊰❛)۶」
タチアナ「わわ!…わ!」
アレス「さ、つかまって?…落ちないようにね」
タチアナ「は、はい!」
ミリア「いいよ~」
オレは2人を秘密基地に入れて、先へと進んだ
天気は良く、雪も少し固くなっていて歩き易くなってた
タチアナ「この中…昨日はわからなかったけど、ものすごく居心地が良い」
ミリア「フカフカなのよw…でも、けっこう揺れるから慣れてね」
タチアナ「うん!…むしろこの揺れも気持ちいいかもw」
ミリア「こっちに耳当てると、お兄ちゃんのドキドキの音聞こえるのよ」
タチアナ「あ、ほんとだw」
アレス「マジかΣ(゚д゚υ)…なんか恥ずかしい///」
ミリア「そうお?」
タチアナ「生きてるって感じですよw」
アレス「余計恥ずかしいわ///」
タチアナ「あははw」
アレス「なあ、タチアナ…タチアナの両親は?」
タチアナ「わたしの両親も一緒に山で暮らしてました…でも、2人が川の中洲で釣りをしている時に、魔物がやってきて…グス」
アレス「そうだったのか…タチアナは魔物に襲われたりした時はどうしてるの?」
タチアナ「戦います」
アレス「そのナタで?」
タチアナ「はい…これは武器でもあるし、工具でもあります…いろんな事に使えるんです」
アレス「てことは、タチアナもけっこう腕が立つんだな」
タチアナ「だと思います…その…こんな事言うと狂ってると思うかもしれないけど…魔物も食料なんです」
アレス「へぇぇ!…別に狂ってるなんて思わないけど、魔物を食うのは初めて聞いたわ」
ミリア「初めて~!」
タチアナ「獣の魔物だけですけどねw…ここいらにはイノシシと牛が合わさったようなのがたまに居て、そいつはわりと美味しいんです」
アレス「おお~、その魔物ならオレも知ってるw…ここじゃないけど見たわ」
タチアナ「ほんとですか?w…あいつは美味いんですw」
アレス「あははははw」
ミリア「すごーいw」
タチアナ「しかもバカだから、罠にもかかりやすいんですよw」
アレス「そりゃたくましいなw…両親もその魔物に?」
タチアナ「はい…だからおあいこです」
アレス「たしかにw…恨みとかはないか?」
タチアナ「恨みはないです…そりゃすごく悲しかったけど、こういうとこで暮らしてるとわかるんです…魔物たちもただ生きるのに必死だってこと」
アレス「おお!…ここに来てまともな奴と巡り会えたw…オレもそう思うよ」
ミリア「アタシも!」
タチアナ「ですよね!!…良かったあw…勇者様がそう言ってくれるなら、わたしはまともだw…悲しかったけど、だからって獣や魔物は文句は言わないです…諦めて、自分の生きる糧を探すんです」
アレス「その通りだよなw」
タチアナ「アレスさんは魔物に襲われた時はやっぱり殺しますか?」
アレス「いや、獣系は殺した事はない…他のは殺す」
タチアナ「そうなんですか…獣系だけ殺さないのはなんでですか?」
アレス「オレは食わないのは、自分の身が危うい時以外は殺す理由がない…そして、今まで危うい時はなかったから」
タチアナ「…さすが勇者様…」
アレス「魔界系の奴も、以前はあまり殺さないでいたんだけど、最近殺しても大丈夫なのがわかったのさ」
タチアナ「それはなんでです?」
アレス「魔界系の奴は生き物ってわけじゃないみたいだよ…作り物なんだってさ…生き物っぽいけどね、なんだか違うんだってよ…そう、魔族から聞いた」
タチアナ「魔族って?」
アレス「魔族ってのは魔界の人間みたいな奴さ…」
タチアナ「へぇぇ!!…じゃあ魔王の仲間みたいな?」
アレス「そうだねw」
タチアナ「そいつらとも話すんですか?」
アレス「ああ…今まで会った奴は1人は殺したけど、それ以外は殺してないね…意外とそんな悪い奴らじゃねえんだよ」
タチアナ「そうなの…」
アレス「まあ、ボコボコにはしたけどね…命はとってないよ」
ミリア「1人殺したのはアタシがやったのよ」
タチアナ「え?!」
アレス「ミリアは命の価値が見えるんだよ…そいつはなかったんだよな?」
ミリア「うん!」
タチアナ「命の価値…」
ミリア「そうよ~…タチアナちゃんはけっこうピカピカなのよ」
アレス「やっぱそうかw」
タチアナ「ピカピカだとあるって事?」
ミリア「そうなのよ、ここが光って見えるのよ…あんまし光ってなかったりすると、そいつは他の人のピカピカを下げるの…だから死んだ方がいいのよ」
アレス「だそうだよ…でもオレもその話は納得いくわ」
タチアナ「わたしも…人は多かれ少なかれ、他人の影響受けますもの」
アレス「だよなw」
ミリア「お兄ちゃんに関わると、みんな心がピカピカになるのよ」
アレス「らしいよw」
タチアナ「わかりますw」
アレス「どうだ?…なんかわかるとこあった?」
タチアナ「今のところないです…ごめんなさい」
アレス「謝らなくていいよw…どうせこの雪じゃ、お前の住処も埋もれてるかもしれないし…」
タチアナ「ですよね…でも、出来れば帰りたいです…いろいろと大切な物もあるから」
アレス「うん、わかってる…一回木に登って、上から見てみるか」
オレは木を登り、てっぺんまで行くと、タチアナを手に握り、見せてみた
タチアナ「あ!…あそこの川!…あの川沿いの側に住処はあります!」
アレス「よっしゃ!…じゃあもっかい入ってな?…2人とも、木を飛び移って川岸まで行くから、気をつけてな?」
ミリア「はーい!…タチアナちゃん、このクッションの中に潜るのよ」
タチアナ「うん!…わ!あったかくて気持ちいいw」
ミリア「そうなのよw」
アレス「よっし、行くぞ!」
木を次々と飛び移り、川岸に着地した
アレス「だいじょぶ?」
ミリア「だいじょぶ~」
タチアナ「だ、大丈夫ですけど…気持ち悪いです…」
アレス「それは大丈夫とは言わないw…ほら出な?…オレの手の上でいいから吐きな?…ナデナデ」
タチアナ「そんな…」
アレス「いいからいいからw…洗えばいいんだし…ほら…ナデナデナデナデ」
タチアナ「う…ゲ…ゲェ~…オェ…」
タチアナ「も、もう大丈夫です///…ほんと…優しくて好きになっちゃいます///」
アレス「あははw…ありがとよ」
ミリア「またモテてるぅw」
アレス「ミリアが愛する人だから、モテて当たり前だよ」
タチアナ「そうですよw」
アレス「で、川下か川上かどっちかな?」
タチアナ「川下です」
アレス「よし」
それから川下を歩いていくと、20分程でタチアナが『ここです』と言った
タチアナを外に出し、案内させた
少し進むと、たしかに家の形の物に出くわした
ほとんど全てが竹で出来ている
アレス「すげえw…これをタチアナが作ったの?」
タチアナ「これは父と一緒に建てました…あっちの物置はわたしが作りました」
ミリア「すごいすごい!」
アレス「へぇぇ!…大したもんだよ…」
タチアナ「必要に迫られれば案外やるもんですよw」
アレス「それわかるw…でもそれでもやっぱり感心はするよ」
タチアナ「ありがとうございます///…一応中には入れそうです…どうぞ」
アレス「ああ、おじゃまします」
ミリア「おじゃましまーす」
タチアナ「まあ、何もないですけどw」
アレス「…これじゃ冬は寒かろう?」
タチアナ「はい…この暖炉の前で毛布にくるまってるだけになっちゃいます」
アレス「…退屈だったりはしないのか?」
タチアナ「退屈は退屈です…でも、ルシアに暮らすよりマシです」
アレス「ルシアはそんな居心地悪いのか?」
タチアナ「うーん…普通だと思うんですけど、魔法使えないと差別されて、働いても出世しないし、給料も低いし…そのわりに税金はとられるしで…どの道貧乏暮らしをするハメになります…だったらいっそ、ここで気ままに過ごした方がいいんです」
アレス「そっか…オレも差別とか嫌いだわ…だいたい魔法ってのはほぼ才能が物を言うモンだし、それが出来る出来ないなんて運なんだ…そのせいで他人をバカにするってのはろくでもねえよ」
ミリア「ほんとほんと!!」
タチアナ「ほんとそう思います…ですけど、ルシアはそれが当たり前なんです」
アレス「ムカつくなあ…どうせその魔法使える奴らって言ったって、オレより使えねえくせに」
タチアナ「アレスさんはそんなにすごい魔法使いなんですか?」
アレス「めちゃくちゃすごいよ」
ミリア「めちゃくちゃよ~…アタシこないだビックリしたのよ」
タチアナ「どんなふうに?」
ミリア「右手と左手でね、それぞれ一個ずつ大きな竜巻作って、操ってるのよ…アタシ、お兄ちゃんがすごいの知ってたけど、そこまでとは思わなかったよ」
タチアナ「すごいww…竜巻って風の上位魔法ですよね?!」
アレス「だね…魔力がないと作れないね」
タチアナ「それを二つ!」
アレス「うんw…なんか出来たわw」
タチアナ「それをあいつらに見せてやりたい!!ww」
ミリア「ね!」
アレス「あははw…それやったら街がズタボロになるよw」
タチアナ「いっそそれでもいいくらいw」
アレス「まぁまぁ…行ってみて成り行き次第じゃやるかもだぞw」
タチアナ「…そしたらわたしもついてっていいですか?」
アレス「うーん…オレね、基本的に仲間はいらないのね…」
タチアナ「そうですか…」
ミリア「連れてってあげようよ?」
アレス「そうお?」
ミリア「うん!…アタシ、タチアナちゃんは好き」
アレス「じゃあ、ルシアに居るまでの間は一緒に行動するか」
タチアナ「はい!…ありがとう、ミリアちゃん!!」
ミリア「うん!w」
アレス「じゃあさ、お前の持って行きたい物、ここに集めろよ」
タチアナ「はい!」
タチアナの持ってきた物は、少ない衣類と、生活に必要な工具や調理器具などだった
それらはオレからしたらいくらでももっと良い物を買えるものばかりだった
そんな物を大切にするタチアナを不憫に思った
でも、それを言うのはただの侮辱になる
アレス「へぇぇ!…こういう工具だけでこんな立派な家作れるのか!」
タチアナ「えへへ///」
ミリア「ほんとにすごいねえ!」
タチアナ「こんなボロっちい物だけど、今までわたしを支えてくれた大切な物なんです…邪魔かもしれないですが、魔物に壊されたりしたくないので、持っていってもいいですか?」
アレス「ボロっちくなんかないよ…ナデナデ…オレには輝いて見える…邪魔なんて思わない…こっちのバスケットに全部小さくして入れて、持って行こう」
タチアナ「う…グス…うう…優しい…」
アレス「この小屋にはオレが結界ってのを張ってあげる」
タチアナ「そ、それは?」
アレス「それはこういうもの…」
オレはバスケットに結界を張った
アレス「ちょっとだけ触ってみ?」
タチアナ「はい…バチ!…いたっ!!」
アレス「痛かったろ?w…こんなふうに、触れもしなくなるバリヤなのさ…これをこの家にやっておけば、雪も魔物も近寄れない…何日空けてても大丈夫だからさ」
タチアナ「…でも、これをなくすのはどうすればいいの?」
アレス「オレがまた一緒に来て、解除してやるよw…その為の目印をつける」
タチアナ「目印?」
アレス「うん…この赤い布を貰っていいかい?」
タチアナ「あ、はい」
アレス「じゃあ、一旦外に出よう」
外に出て、近くの木の枝に赤い布を巻き付けた
マフラーの木みたいに
その木にも結界を張り、布がなくならないようにした
タチアナ「これが目印?」
アレス「そう…ミリアはどこに居ても、一瞬でここに来れる…な!」
ミリア「そうなのよ!」
タチアナ「すごい!…それも魔法?」
アレス「うんw…妖精ならではのね」
タチアナ「すごいw」
ミリア「へへーんw」
アレス「ふふw…ナデナデ…ミリア、3人で転移はしたことないけど、出来る?」
ミリア「魔力はけっこう使うけど、出来るのよ…アタシを触ってれば」
アレス「…ていうわけだ…だからここにちゃんと戻るには、あの目印を含めたこの景色を目に焼き付けておかないといけない…オレは覚えたけど、ミリアとタチアナもちゃんと覚えてくれ」
タチアナ「はい!!」
ミリア「覚えるのよ」
タチアナとミリアは、その後2人並んで、目印と風景を一生懸命覚えていた
アレス「タチアナ…今日はお前んちの中で、バスケット出して休もうか」
タチアナ「はい!w」
アレス「まずメシ食って、風呂入るべ」
タチアナ「はい!」
ミリア「お風呂お風呂~」
そうしてこの日はタチアナの家でゆっくり過ごした
タチアナ「なにしろ雪がいっぱいで…」
オレは地図を広げて、現在地をなんとなく教えた
タチアナ「わたしの住処はもう少し進んだとこだと思います」
アレス「そっか、まあ、わかったら教えて?…わからなかったらそのままルシアに行く」
タチアナ「はい!」
アレス「じゃあ、ミリア、タチアナも…2人で秘密基地に入ってな」
ミリア「はーい٩(*❛⊰❛)۶」
タチアナ「わわ!…わ!」
アレス「さ、つかまって?…落ちないようにね」
タチアナ「は、はい!」
ミリア「いいよ~」
オレは2人を秘密基地に入れて、先へと進んだ
天気は良く、雪も少し固くなっていて歩き易くなってた
タチアナ「この中…昨日はわからなかったけど、ものすごく居心地が良い」
ミリア「フカフカなのよw…でも、けっこう揺れるから慣れてね」
タチアナ「うん!…むしろこの揺れも気持ちいいかもw」
ミリア「こっちに耳当てると、お兄ちゃんのドキドキの音聞こえるのよ」
タチアナ「あ、ほんとだw」
アレス「マジかΣ(゚д゚υ)…なんか恥ずかしい///」
ミリア「そうお?」
タチアナ「生きてるって感じですよw」
アレス「余計恥ずかしいわ///」
タチアナ「あははw」
アレス「なあ、タチアナ…タチアナの両親は?」
タチアナ「わたしの両親も一緒に山で暮らしてました…でも、2人が川の中洲で釣りをしている時に、魔物がやってきて…グス」
アレス「そうだったのか…タチアナは魔物に襲われたりした時はどうしてるの?」
タチアナ「戦います」
アレス「そのナタで?」
タチアナ「はい…これは武器でもあるし、工具でもあります…いろんな事に使えるんです」
アレス「てことは、タチアナもけっこう腕が立つんだな」
タチアナ「だと思います…その…こんな事言うと狂ってると思うかもしれないけど…魔物も食料なんです」
アレス「へぇぇ!…別に狂ってるなんて思わないけど、魔物を食うのは初めて聞いたわ」
ミリア「初めて~!」
タチアナ「獣の魔物だけですけどねw…ここいらにはイノシシと牛が合わさったようなのがたまに居て、そいつはわりと美味しいんです」
アレス「おお~、その魔物ならオレも知ってるw…ここじゃないけど見たわ」
タチアナ「ほんとですか?w…あいつは美味いんですw」
アレス「あははははw」
ミリア「すごーいw」
タチアナ「しかもバカだから、罠にもかかりやすいんですよw」
アレス「そりゃたくましいなw…両親もその魔物に?」
タチアナ「はい…だからおあいこです」
アレス「たしかにw…恨みとかはないか?」
タチアナ「恨みはないです…そりゃすごく悲しかったけど、こういうとこで暮らしてるとわかるんです…魔物たちもただ生きるのに必死だってこと」
アレス「おお!…ここに来てまともな奴と巡り会えたw…オレもそう思うよ」
ミリア「アタシも!」
タチアナ「ですよね!!…良かったあw…勇者様がそう言ってくれるなら、わたしはまともだw…悲しかったけど、だからって獣や魔物は文句は言わないです…諦めて、自分の生きる糧を探すんです」
アレス「その通りだよなw」
タチアナ「アレスさんは魔物に襲われた時はやっぱり殺しますか?」
アレス「いや、獣系は殺した事はない…他のは殺す」
タチアナ「そうなんですか…獣系だけ殺さないのはなんでですか?」
アレス「オレは食わないのは、自分の身が危うい時以外は殺す理由がない…そして、今まで危うい時はなかったから」
タチアナ「…さすが勇者様…」
アレス「魔界系の奴も、以前はあまり殺さないでいたんだけど、最近殺しても大丈夫なのがわかったのさ」
タチアナ「それはなんでです?」
アレス「魔界系の奴は生き物ってわけじゃないみたいだよ…作り物なんだってさ…生き物っぽいけどね、なんだか違うんだってよ…そう、魔族から聞いた」
タチアナ「魔族って?」
アレス「魔族ってのは魔界の人間みたいな奴さ…」
タチアナ「へぇぇ!!…じゃあ魔王の仲間みたいな?」
アレス「そうだねw」
タチアナ「そいつらとも話すんですか?」
アレス「ああ…今まで会った奴は1人は殺したけど、それ以外は殺してないね…意外とそんな悪い奴らじゃねえんだよ」
タチアナ「そうなの…」
アレス「まあ、ボコボコにはしたけどね…命はとってないよ」
ミリア「1人殺したのはアタシがやったのよ」
タチアナ「え?!」
アレス「ミリアは命の価値が見えるんだよ…そいつはなかったんだよな?」
ミリア「うん!」
タチアナ「命の価値…」
ミリア「そうよ~…タチアナちゃんはけっこうピカピカなのよ」
アレス「やっぱそうかw」
タチアナ「ピカピカだとあるって事?」
ミリア「そうなのよ、ここが光って見えるのよ…あんまし光ってなかったりすると、そいつは他の人のピカピカを下げるの…だから死んだ方がいいのよ」
アレス「だそうだよ…でもオレもその話は納得いくわ」
タチアナ「わたしも…人は多かれ少なかれ、他人の影響受けますもの」
アレス「だよなw」
ミリア「お兄ちゃんに関わると、みんな心がピカピカになるのよ」
アレス「らしいよw」
タチアナ「わかりますw」
アレス「どうだ?…なんかわかるとこあった?」
タチアナ「今のところないです…ごめんなさい」
アレス「謝らなくていいよw…どうせこの雪じゃ、お前の住処も埋もれてるかもしれないし…」
タチアナ「ですよね…でも、出来れば帰りたいです…いろいろと大切な物もあるから」
アレス「うん、わかってる…一回木に登って、上から見てみるか」
オレは木を登り、てっぺんまで行くと、タチアナを手に握り、見せてみた
タチアナ「あ!…あそこの川!…あの川沿いの側に住処はあります!」
アレス「よっしゃ!…じゃあもっかい入ってな?…2人とも、木を飛び移って川岸まで行くから、気をつけてな?」
ミリア「はーい!…タチアナちゃん、このクッションの中に潜るのよ」
タチアナ「うん!…わ!あったかくて気持ちいいw」
ミリア「そうなのよw」
アレス「よっし、行くぞ!」
木を次々と飛び移り、川岸に着地した
アレス「だいじょぶ?」
ミリア「だいじょぶ~」
タチアナ「だ、大丈夫ですけど…気持ち悪いです…」
アレス「それは大丈夫とは言わないw…ほら出な?…オレの手の上でいいから吐きな?…ナデナデ」
タチアナ「そんな…」
アレス「いいからいいからw…洗えばいいんだし…ほら…ナデナデナデナデ」
タチアナ「う…ゲ…ゲェ~…オェ…」
タチアナ「も、もう大丈夫です///…ほんと…優しくて好きになっちゃいます///」
アレス「あははw…ありがとよ」
ミリア「またモテてるぅw」
アレス「ミリアが愛する人だから、モテて当たり前だよ」
タチアナ「そうですよw」
アレス「で、川下か川上かどっちかな?」
タチアナ「川下です」
アレス「よし」
それから川下を歩いていくと、20分程でタチアナが『ここです』と言った
タチアナを外に出し、案内させた
少し進むと、たしかに家の形の物に出くわした
ほとんど全てが竹で出来ている
アレス「すげえw…これをタチアナが作ったの?」
タチアナ「これは父と一緒に建てました…あっちの物置はわたしが作りました」
ミリア「すごいすごい!」
アレス「へぇぇ!…大したもんだよ…」
タチアナ「必要に迫られれば案外やるもんですよw」
アレス「それわかるw…でもそれでもやっぱり感心はするよ」
タチアナ「ありがとうございます///…一応中には入れそうです…どうぞ」
アレス「ああ、おじゃまします」
ミリア「おじゃましまーす」
タチアナ「まあ、何もないですけどw」
アレス「…これじゃ冬は寒かろう?」
タチアナ「はい…この暖炉の前で毛布にくるまってるだけになっちゃいます」
アレス「…退屈だったりはしないのか?」
タチアナ「退屈は退屈です…でも、ルシアに暮らすよりマシです」
アレス「ルシアはそんな居心地悪いのか?」
タチアナ「うーん…普通だと思うんですけど、魔法使えないと差別されて、働いても出世しないし、給料も低いし…そのわりに税金はとられるしで…どの道貧乏暮らしをするハメになります…だったらいっそ、ここで気ままに過ごした方がいいんです」
アレス「そっか…オレも差別とか嫌いだわ…だいたい魔法ってのはほぼ才能が物を言うモンだし、それが出来る出来ないなんて運なんだ…そのせいで他人をバカにするってのはろくでもねえよ」
ミリア「ほんとほんと!!」
タチアナ「ほんとそう思います…ですけど、ルシアはそれが当たり前なんです」
アレス「ムカつくなあ…どうせその魔法使える奴らって言ったって、オレより使えねえくせに」
タチアナ「アレスさんはそんなにすごい魔法使いなんですか?」
アレス「めちゃくちゃすごいよ」
ミリア「めちゃくちゃよ~…アタシこないだビックリしたのよ」
タチアナ「どんなふうに?」
ミリア「右手と左手でね、それぞれ一個ずつ大きな竜巻作って、操ってるのよ…アタシ、お兄ちゃんがすごいの知ってたけど、そこまでとは思わなかったよ」
タチアナ「すごいww…竜巻って風の上位魔法ですよね?!」
アレス「だね…魔力がないと作れないね」
タチアナ「それを二つ!」
アレス「うんw…なんか出来たわw」
タチアナ「それをあいつらに見せてやりたい!!ww」
ミリア「ね!」
アレス「あははw…それやったら街がズタボロになるよw」
タチアナ「いっそそれでもいいくらいw」
アレス「まぁまぁ…行ってみて成り行き次第じゃやるかもだぞw」
タチアナ「…そしたらわたしもついてっていいですか?」
アレス「うーん…オレね、基本的に仲間はいらないのね…」
タチアナ「そうですか…」
ミリア「連れてってあげようよ?」
アレス「そうお?」
ミリア「うん!…アタシ、タチアナちゃんは好き」
アレス「じゃあ、ルシアに居るまでの間は一緒に行動するか」
タチアナ「はい!…ありがとう、ミリアちゃん!!」
ミリア「うん!w」
アレス「じゃあさ、お前の持って行きたい物、ここに集めろよ」
タチアナ「はい!」
タチアナの持ってきた物は、少ない衣類と、生活に必要な工具や調理器具などだった
それらはオレからしたらいくらでももっと良い物を買えるものばかりだった
そんな物を大切にするタチアナを不憫に思った
でも、それを言うのはただの侮辱になる
アレス「へぇぇ!…こういう工具だけでこんな立派な家作れるのか!」
タチアナ「えへへ///」
ミリア「ほんとにすごいねえ!」
タチアナ「こんなボロっちい物だけど、今までわたしを支えてくれた大切な物なんです…邪魔かもしれないですが、魔物に壊されたりしたくないので、持っていってもいいですか?」
アレス「ボロっちくなんかないよ…ナデナデ…オレには輝いて見える…邪魔なんて思わない…こっちのバスケットに全部小さくして入れて、持って行こう」
タチアナ「う…グス…うう…優しい…」
アレス「この小屋にはオレが結界ってのを張ってあげる」
タチアナ「そ、それは?」
アレス「それはこういうもの…」
オレはバスケットに結界を張った
アレス「ちょっとだけ触ってみ?」
タチアナ「はい…バチ!…いたっ!!」
アレス「痛かったろ?w…こんなふうに、触れもしなくなるバリヤなのさ…これをこの家にやっておけば、雪も魔物も近寄れない…何日空けてても大丈夫だからさ」
タチアナ「…でも、これをなくすのはどうすればいいの?」
アレス「オレがまた一緒に来て、解除してやるよw…その為の目印をつける」
タチアナ「目印?」
アレス「うん…この赤い布を貰っていいかい?」
タチアナ「あ、はい」
アレス「じゃあ、一旦外に出よう」
外に出て、近くの木の枝に赤い布を巻き付けた
マフラーの木みたいに
その木にも結界を張り、布がなくならないようにした
タチアナ「これが目印?」
アレス「そう…ミリアはどこに居ても、一瞬でここに来れる…な!」
ミリア「そうなのよ!」
タチアナ「すごい!…それも魔法?」
アレス「うんw…妖精ならではのね」
タチアナ「すごいw」
ミリア「へへーんw」
アレス「ふふw…ナデナデ…ミリア、3人で転移はしたことないけど、出来る?」
ミリア「魔力はけっこう使うけど、出来るのよ…アタシを触ってれば」
アレス「…ていうわけだ…だからここにちゃんと戻るには、あの目印を含めたこの景色を目に焼き付けておかないといけない…オレは覚えたけど、ミリアとタチアナもちゃんと覚えてくれ」
タチアナ「はい!!」
ミリア「覚えるのよ」
タチアナとミリアは、その後2人並んで、目印と風景を一生懸命覚えていた
アレス「タチアナ…今日はお前んちの中で、バスケット出して休もうか」
タチアナ「はい!w」
アレス「まずメシ食って、風呂入るべ」
タチアナ「はい!」
ミリア「お風呂お風呂~」
そうしてこの日はタチアナの家でゆっくり過ごした
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】
うすい
恋愛
【ストーリー】
幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。
そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。
3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。
さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。
【登場人物】
・ななか
広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。
・かつや
不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。
・よしひこ
飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。
・しんじ
工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
連続寸止めで、イキたくて泣かされちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
「一日中、イかされちゃうのと、イケないままと、どっちが良い?」
久しぶりの恋人とのお休みに、食事中も映画を見ている時も、ずっと気持ち良くされちゃう女の子のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる