勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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フラナ

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クロード「え?…もう見つけたんですか?」
アレス「はい…ほんとたまたまなんですけどねw…これです」
クロード「…これが魔法の実…これを食べれば私でも魔法が身につくのですか?」
アレス「だと思います…欲しいのですか?」
クロード「正直言って興味はありますw…くれと言ったらくれますか?」
アレス「いえ…あげられません…オレがこれを食べるかはわからないけど、これを誰であろうとあげるのは、オレを信じてこれを託してくれた親子に合わせる顔がございませんから」
クロード「それは…こんな言い方は嫌ですが、今日初めて会った親子の方が、王よりも価値がある…という事ですか?」
アレス「それは本当に嫌な言い方ですね…オレはね、王様…王様だから敬意を示してこんなふうに話してますけど、誰あろうとオレはオレですよ…誰が相手でも、オレを信じてくれた人を裏切る事はオレはしないです」
クロード「わかりましたw…そんなに怒らないでください…あなたがどう思ってるのか、知りたかっただけですからw…ごめんなさい…やはりあなたは信のおける、立派な方だ…あなたがそういう人なら、あなたが例えば私を守ると言ってくれたなら、それは絶対と思えます」
アレス「ええ…オレは信じてくれたら応えるし、出来ない事は言わないです…そう生きてきたし、そう生きていけるだけの力がオレにはありますから」
クロード「そう言い切る事が出来るなんてすごい人だ…私とそれほど歳は違わないのに…」
アレス「王様はいくつです?」
クロード「私は最近25になりました」
アレス「オレも25ですw…同じですねw」
クロード「同じ年齢だと思うと、余計にあなたと私の差を感じます」
アレス「そんな事感じるのは意味のない事ですよ…王様とオレじゃ、生まれも環境も、生き方も、立場も違うんだから…オレには王様は出来そうにないです」
クロード「そうですかね?」
アレス「そうです」
クロード「私は…王様という責務から逃げる気はありませんが…出来ればそんな立場じゃなかったら良かったです…そしたらアレスどのと友達になれるかもしれないのに」
アレス「王様だと友達にはなれませんか?…オレは全然いいですよw」
クロード「本当ですか?!」
アレス「こんな事ウソつくはずがない」
クロード「嬉しい…ウル…本当に?」
アレス「本当だよ…ギュ…ナデナデ」
クロード「う…う…グス…」
アレス「クロード…オレは一つのとこにジッとする性格じゃねえけど…ちょくちょく遊びには来てやるよw」
クロード「うん…うん…グッ…ありがとう、アレスどの…」
アレス「アレスって言えよw」
クロード「うん…アレス…ありがとう…」
アレス「おうw…じゃあさ…オレとお前の友情の証を今から作るぞ」
クロード「え?…どうやって?」
アレス「そうだな…その剣貸して?」
クロード「…はい」
アレス「見てな?」

オレは謁見の間の壁に、クロードの剣を投げ、突き刺した

クロード「なにを?」
アレス「オレの妹な…不思議な魔法を使えるんだわ」
クロード「不思議な魔法?」
アレス「ああ…物や生き物を大きくしたり、小さくしたりとか、一瞬で場所を移動したり…ミリア、出ておいで」
ミリア「はーい」
アレス「ほら…妹のミリアだよ」
クロード「ええ!!…手のひらに!!」
ミリア「ミリアです、よろしく٩(*❛⊰❛)۶」

部屋にいるみんなも、ミリアを見て驚いた

そりゃそうだろう

アレス「このミリアが使う転移魔法ってのは、覚えた場所に一瞬で行けるって魔法でね…その覚えるのに必要なのは、目印なんだ…その目印がないと、転移出来なくなったりする…オレもミリアも、あの壁に刺さったクロードの剣を目印にするから、クロードが友と思うなら、あれはずっとあのままにしておいてくれ」
クロード「わかった!!…誰にもあれは触らせない!」
アレス「ああ…それがあればオレはいつでもここに来れる…つまり、友情の証だ」
クロード「うん!」
アレス「よしw…でさ、この魔法の実の使い方だけどね」
クロード「ああ…うん」
アレス「こいつはやっぱり、もう一度魔族が来るのを待って、そいつの前でオレが破壊するなり、食うなりして見せるのがいいと思うわけだ」
クロード「たしかにそれならなくなったのが相手にも伝わる」
アレス「うん…だろ?…で、まあ、それで相手が怒って暴れたら、オレが全員ぶちのめせばいいだけだからさ」
クロード「簡単に言うなあw」
アレス「まあねw…だからさ、クロードは奴らが攻めてきた時、暴れた時に、街の人が巻き込まれないようにだけしてくれればいい」
クロード「わかった…それは話し合って手を打つよ」
アレス「うん…まぁ、そういうことだ」
クロード「アレスの事は疑うわけじゃないけど、本当に一人で?…誰か手伝う人はいらないのかい?」
アレス「いらない…ハッキリ言ってしまうと、邪魔にしかならない…だからオレは仲間も作らずに旅してるんだからな」
クロード「すごいなあ…」
アレス「任せておけ…勇者ってのは人々の想像をはるかに超えてるんだよ」
クロード「カッコいいな///」
アレス「だろ?w…モテるぞ、オレは」
ミリア「モテるモテる!」
クロード「あはははw…たしかにモテそうw…アレス…良かったら今日は、このまま一緒に夕食どうかな?」
アレス「あれ出る?…なんだっけ…ヒレ肉?」
クロード「うんw…用意させるw」
アレス「やったぜw」
クロード「いろいろと冒険の話を聞きたい」
アレス「いいとも」

そうしてオレは、クロードたちと一緒に夕食を食った

また味付けは違っていたが、やっぱり美味い

いろいろと旅の話を聞かせ、お偉いさんたちともすっかり打ち解けた

大臣「あの…アレスどの…」
アレス「ん?」
大臣「朝の事なんですが…あの側近をぶちのめしてくださって、ありがとうございました…」
アレス「ん、なんで?」

オレは知っていたが、あの兵士を気遣って知らないフリをした

大臣は簡単に事情を話すと、目に涙を浮かべて、感謝をしていた

クロード「今日は楽しかった…こんなに楽しい気持ちになったのは初めてかもしれない…本当にありがとう…本当に友達と思ってていいんだよね?」
アレス「ああ…このオレが友達になるって事は、100人の友達が出来るより価値のある事だからな?」
クロード「すごい自信だねw…でも私もそう思うよ」
アレス「また明日来るよ…夕食の時に」
クロード「うん、また冒険の続きを聞かせてほしい」
アレス「ああ…じゃあ、またな…ミリア、バスケットに帰ろうか」
ミリア「うん!…またね、王さま」
クロード「またねw」

別れの挨拶を済ますと、オレとミリアは小さくなってから、バスケットに転移した

アレス「ミリア、大きさ戻してもらえる?…ミリアも大きくなって」
ミリア「うん!…パァァァァ」
アレス「ミリア使いが荒くてごめんな?」
ミリア「全然嬉しいのよw…ギュ…チュ」
アレス「ああ、かわいい///…スリスリ…おばちゃんたちに魔法の実が見つかった事、教えないと」
ミリア「あ、そっか」

そしておばちゃんたちに事情を話してから、風呂に入り、新しく買った本を一緒に読んだ
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