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フラナ
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女が泣きながら男を強く抱きしめ、キスをすると、男は目を覚ました
男「お、お前…オレは寝てたのか…あんたたちは?」
女「あなた、ごめんなさい!!…ギュ…ごめんなさい!!」
男「どうしたんだよw…何があったの?」
女「わたし…あなたを裏切ろうとしたの…グス」
男「え?」
女「この吟遊詩人があなたに睡眠薬を飲ませて…あなたが寝てるうちにって…ほんとにごめんなさい」
男「そんなにそいつが好きなのか?」
女「ううん!!…わたしが愛してるのはあなた…本当に大好き」
男「そ、そう?///…じゃあなんでそんな事しようとしたの?」
アレス「そりゃ、お前…時々は気分転換もしたくなるってやつだよ…このカッコいい吟遊詩人に愛してるって言われて、ちょっと浮かれて、そんな気分になっちゃっただけよ」
男「そうなのか?」
女「…うん…ごめんね…わたしの事嫌いになったよね…わたし、あなたの優しさを誰よりも知ってたのに、三年も付き合ってたから、つい忘れてたの…でもこの勇者のアレス様が来てくれて、思い出させてくれたの…今はあなたが心から大事だってわかる」
男「そうだったのか…アレス…様?…勇者様?」
アレス「ああ…この女は本当にお前を愛してるよ…オレが保証する…だから今回は許してやれ」
男「はい…大丈夫です…生きてたら失敗も間違いもするの、わかってます」
アレス「やっぱりお前はいい男だw」
女「わ、わたしの事…許してくれるの?」
男「許すよw…当たり前だろ…オレはお前を愛してるんだから」
女「…あなた!…大好き!…許してくれてありがとう!」
吟遊詩人「ねえ…なんかシラけちゃったし、もう帰っていいですか?」
アレス「お前…いちおう聞くけどさ、この人の事は本当に好きなの?」
吟遊詩人「ええ…ですがもういいです」
アレス「違う女のとこにいくから?」
吟遊詩人「いえ、行きませんよ…帰っていいですか?」
アレス「ダメだね」
吟遊詩人「なぜです?」
アレス「オレがムカついたからだ」
吟遊詩人「は?…そんなの知りませんよ」
アレス「だろうねw…けど、世の中にゃ、そんな他愛のない理由で、人をボコす奴もいるんだよ…オレはムカついたらボコす…スカッとしてえからな…お前たちもスカッとしたいだろ?」
男「ぜひw」
吟遊詩人「は?…ふざけんな!…ぐえ!!」
頬骨を砕き、鼻を潰した
カッコいい顔が台無しになった
吟遊詩人「あああああ!!…いだいぃ!!」
アレス「歯も折ってやろうと思ったが、お前の歌は好きだから、許してやるよ…ボキ!」
吟遊詩人「ぎゃあ…ふぐ!!」
あんまり叫ばれると困るし、口を塞いだ
アレス「いいぞw…スカッとするな」
男「ええw」
アレス「お前…唄い終わった時さ…他にもかわいい女の子いたのに、なんでわざわざ恋人のいるこの女にちょっかい出した?」
吟遊詩人「そ、それは…ハァ…ハァ…それは…その人が…好みだったから…」
アレス「ウソをつくな!…ボゴ!」
吟遊詩人「がはっ!!」
アレス「お前、わざわざ睡眠薬なんぞ持ち歩いてさ…どうせいつもこんな事してんだろ?…男がいる女をわざと狙ってんだろ?」
吟遊詩人「そんなこと…ブルブル」
アレス「ふん…パァァァァ」
吟遊詩人「あ…治っていく…」
アレス「正直に言ってみろ…そうすりゃもうボコしはしねえから…」
吟遊詩人「いや…はい…わざと…狙いました…」
アレス「なんで?」
吟遊詩人「その…そういう誰かのものの方が…興奮するから…」
女「なんてやつ!!」
男「最低だな…」
アレス「それだけか?…お前、さっきから気にしてるここはなんだ?」
ポケットごと力ずくで破りとってみると、ナイフが入っていた
アレス「お前…これで何するつもりだった?」
吟遊詩人「そ、それは…ガクガク」
アレス「ここのこの部分、血が固まってるぞ?…お前はこれで人を刺してるな?」
吟遊詩人「……」
アレス「言わねえのか?…オレをみくびってるのか?…ズブ!」
吟遊詩人「ぎゃああああ!!」
オレは吟遊詩人のナイフを目に突き刺した
アレス「言えよ…言えば治してやる…ウソだったり、言わなかったりしたら…もう片方もやる」
吟遊詩人「い、言います…その…女とやってる時に…それで男を死なない程度に刺して…男に見させるんです…自分の女が犯されてるのを…それが快感で…ハァハァ…」
男「頭にきすぎて、何言っていいかわからない…」
女「人間じゃない…」
アレス「なあ、オレさ、回復魔法っての使えるんだよ…さっきも治したろ?」
吟遊詩人「は、はい…治してください…」
アレス「ほら…パァァァァ」
吟遊詩人「ああ!…見える…ありがとうございます!」
アレス「お前にとって手は特に大事だよな?…楽器弾くもんな」
吟遊詩人「は…は、はい…ガタガタ」
アレス「それが壊されたらさ…お前どうする?」
吟遊詩人「や、やめて!!」
アレス「今までお前の被害に遭ったやつは、そう思ってたろうよ…ガシ!…グイ」
吟遊詩人「やめて!!いやだあああ!!…ぎゃえああぶぶ」
オレはまた口を塞いで、静かにした
アレス「ほら見ろ…これ、お前の人差し指と親指だよ」
吟遊詩人「あ…あ…グス」
アレス「男は親指持ってくれ…女は人差し指…嫌かもしれないけど持って?」
男「…はい!」
女「うう…はい…」
アレス「切ってもすぐになら、くっつけて回復魔法かければくっつくんだわ…でもオレは回復魔法をかけてやるだけ…この2人がお前を許してくっつけるなら回復魔法をかけてやる…そうじゃなかったら諦めろ…それがお前の報いだ」
吟遊詩人「そんな!!…お願いします!…もう二度と、誓ってやりませんから!!」
男「本当か?」
吟遊詩人「はいい!!」
女「どうしようかな…」
吟遊詩人「お願いします!!…どうか!!」
アレス「どうする?…オレはどっちでもいいよ…もうだいぶスカッとしたし」
男「二度としないと本気で誓うか?」
吟遊詩人「は、はい!…すみませんでした!…もうやりません!!…ハァ…グス…」
男「じゃあ…」
女「……」
2人は指をくっつけた
アレス「お前さ…こんなどうしようもねえお前を許す奴も世の中には居るんだ…感謝してまともに生きろよ?…パァァァ」
吟遊詩人「あ…く、くっついた!!…ああ…ありがとうございます!!…グス…も、もう二度と…しません…」
アレス「お前の歌はな、本当に良いと思う…これからはその歌で、他人を喜ばせて生きることだ」
吟遊詩人「わかりました…そうします」
アレス『ミリア、どう?…こいつの価値は』
ミリア『少しだけ良くなったよ』
アレス『許せる?』
ミリア『んー…殺さないかな…』
アレス『わかったw』
アレス「もしまたいつか会って、お前がまともに生きてなかったら、今度は腕をもらうからな?…今度は切らないで引きちぎるぞ?…痛えぞ?…しかも傷がぐちゃぐちゃだと、もうくっつかないし…オレはやってみたいけどなw」
吟遊詩人「は、はい…ブルブル…」
アレス「よし、行け…」
吟遊詩人は一目散に逃げていった
アレス「あはははw…だせえw」
男「あはははw…アレス様…ありがとうございました…」
女「本当に…」
アレス「いや…ごめんな?…こんな残酷な事平気でする勇者でさw」
男「いえ!…たしかに残酷で、怖かったですけど、あなたはやっぱり勇者だと思いました!」
女「はい…わたしたちを助けてくださって、ありがとうございました!」
アレス「ああ…じゃあオレも部屋に戻るよ…いっぱいエッチしろよ?」
男「あははw…はいw」
女「はい///」
アレス「おやすみw」
それからは何事もなく、また翌日には吟遊詩人は甲板で歌を唄っていた
こいつの人格で、この美しさが出せるのが不思議でならないけど、芸術ってのは性格や人格なんか関係ないのかもしれない
もしかしたら、良くも悪くも常識に囚われてないからこそ、尋常ではないものが創れるのかもしれない
夕食が終わり、少し経つと、そこはフラナという国だった
男「お、お前…オレは寝てたのか…あんたたちは?」
女「あなた、ごめんなさい!!…ギュ…ごめんなさい!!」
男「どうしたんだよw…何があったの?」
女「わたし…あなたを裏切ろうとしたの…グス」
男「え?」
女「この吟遊詩人があなたに睡眠薬を飲ませて…あなたが寝てるうちにって…ほんとにごめんなさい」
男「そんなにそいつが好きなのか?」
女「ううん!!…わたしが愛してるのはあなた…本当に大好き」
男「そ、そう?///…じゃあなんでそんな事しようとしたの?」
アレス「そりゃ、お前…時々は気分転換もしたくなるってやつだよ…このカッコいい吟遊詩人に愛してるって言われて、ちょっと浮かれて、そんな気分になっちゃっただけよ」
男「そうなのか?」
女「…うん…ごめんね…わたしの事嫌いになったよね…わたし、あなたの優しさを誰よりも知ってたのに、三年も付き合ってたから、つい忘れてたの…でもこの勇者のアレス様が来てくれて、思い出させてくれたの…今はあなたが心から大事だってわかる」
男「そうだったのか…アレス…様?…勇者様?」
アレス「ああ…この女は本当にお前を愛してるよ…オレが保証する…だから今回は許してやれ」
男「はい…大丈夫です…生きてたら失敗も間違いもするの、わかってます」
アレス「やっぱりお前はいい男だw」
女「わ、わたしの事…許してくれるの?」
男「許すよw…当たり前だろ…オレはお前を愛してるんだから」
女「…あなた!…大好き!…許してくれてありがとう!」
吟遊詩人「ねえ…なんかシラけちゃったし、もう帰っていいですか?」
アレス「お前…いちおう聞くけどさ、この人の事は本当に好きなの?」
吟遊詩人「ええ…ですがもういいです」
アレス「違う女のとこにいくから?」
吟遊詩人「いえ、行きませんよ…帰っていいですか?」
アレス「ダメだね」
吟遊詩人「なぜです?」
アレス「オレがムカついたからだ」
吟遊詩人「は?…そんなの知りませんよ」
アレス「だろうねw…けど、世の中にゃ、そんな他愛のない理由で、人をボコす奴もいるんだよ…オレはムカついたらボコす…スカッとしてえからな…お前たちもスカッとしたいだろ?」
男「ぜひw」
吟遊詩人「は?…ふざけんな!…ぐえ!!」
頬骨を砕き、鼻を潰した
カッコいい顔が台無しになった
吟遊詩人「あああああ!!…いだいぃ!!」
アレス「歯も折ってやろうと思ったが、お前の歌は好きだから、許してやるよ…ボキ!」
吟遊詩人「ぎゃあ…ふぐ!!」
あんまり叫ばれると困るし、口を塞いだ
アレス「いいぞw…スカッとするな」
男「ええw」
アレス「お前…唄い終わった時さ…他にもかわいい女の子いたのに、なんでわざわざ恋人のいるこの女にちょっかい出した?」
吟遊詩人「そ、それは…ハァ…ハァ…それは…その人が…好みだったから…」
アレス「ウソをつくな!…ボゴ!」
吟遊詩人「がはっ!!」
アレス「お前、わざわざ睡眠薬なんぞ持ち歩いてさ…どうせいつもこんな事してんだろ?…男がいる女をわざと狙ってんだろ?」
吟遊詩人「そんなこと…ブルブル」
アレス「ふん…パァァァァ」
吟遊詩人「あ…治っていく…」
アレス「正直に言ってみろ…そうすりゃもうボコしはしねえから…」
吟遊詩人「いや…はい…わざと…狙いました…」
アレス「なんで?」
吟遊詩人「その…そういう誰かのものの方が…興奮するから…」
女「なんてやつ!!」
男「最低だな…」
アレス「それだけか?…お前、さっきから気にしてるここはなんだ?」
ポケットごと力ずくで破りとってみると、ナイフが入っていた
アレス「お前…これで何するつもりだった?」
吟遊詩人「そ、それは…ガクガク」
アレス「ここのこの部分、血が固まってるぞ?…お前はこれで人を刺してるな?」
吟遊詩人「……」
アレス「言わねえのか?…オレをみくびってるのか?…ズブ!」
吟遊詩人「ぎゃああああ!!」
オレは吟遊詩人のナイフを目に突き刺した
アレス「言えよ…言えば治してやる…ウソだったり、言わなかったりしたら…もう片方もやる」
吟遊詩人「い、言います…その…女とやってる時に…それで男を死なない程度に刺して…男に見させるんです…自分の女が犯されてるのを…それが快感で…ハァハァ…」
男「頭にきすぎて、何言っていいかわからない…」
女「人間じゃない…」
アレス「なあ、オレさ、回復魔法っての使えるんだよ…さっきも治したろ?」
吟遊詩人「は、はい…治してください…」
アレス「ほら…パァァァァ」
吟遊詩人「ああ!…見える…ありがとうございます!」
アレス「お前にとって手は特に大事だよな?…楽器弾くもんな」
吟遊詩人「は…は、はい…ガタガタ」
アレス「それが壊されたらさ…お前どうする?」
吟遊詩人「や、やめて!!」
アレス「今までお前の被害に遭ったやつは、そう思ってたろうよ…ガシ!…グイ」
吟遊詩人「やめて!!いやだあああ!!…ぎゃえああぶぶ」
オレはまた口を塞いで、静かにした
アレス「ほら見ろ…これ、お前の人差し指と親指だよ」
吟遊詩人「あ…あ…グス」
アレス「男は親指持ってくれ…女は人差し指…嫌かもしれないけど持って?」
男「…はい!」
女「うう…はい…」
アレス「切ってもすぐになら、くっつけて回復魔法かければくっつくんだわ…でもオレは回復魔法をかけてやるだけ…この2人がお前を許してくっつけるなら回復魔法をかけてやる…そうじゃなかったら諦めろ…それがお前の報いだ」
吟遊詩人「そんな!!…お願いします!…もう二度と、誓ってやりませんから!!」
男「本当か?」
吟遊詩人「はいい!!」
女「どうしようかな…」
吟遊詩人「お願いします!!…どうか!!」
アレス「どうする?…オレはどっちでもいいよ…もうだいぶスカッとしたし」
男「二度としないと本気で誓うか?」
吟遊詩人「は、はい!…すみませんでした!…もうやりません!!…ハァ…グス…」
男「じゃあ…」
女「……」
2人は指をくっつけた
アレス「お前さ…こんなどうしようもねえお前を許す奴も世の中には居るんだ…感謝してまともに生きろよ?…パァァァ」
吟遊詩人「あ…く、くっついた!!…ああ…ありがとうございます!!…グス…も、もう二度と…しません…」
アレス「お前の歌はな、本当に良いと思う…これからはその歌で、他人を喜ばせて生きることだ」
吟遊詩人「わかりました…そうします」
アレス『ミリア、どう?…こいつの価値は』
ミリア『少しだけ良くなったよ』
アレス『許せる?』
ミリア『んー…殺さないかな…』
アレス『わかったw』
アレス「もしまたいつか会って、お前がまともに生きてなかったら、今度は腕をもらうからな?…今度は切らないで引きちぎるぞ?…痛えぞ?…しかも傷がぐちゃぐちゃだと、もうくっつかないし…オレはやってみたいけどなw」
吟遊詩人「は、はい…ブルブル…」
アレス「よし、行け…」
吟遊詩人は一目散に逃げていった
アレス「あはははw…だせえw」
男「あはははw…アレス様…ありがとうございました…」
女「本当に…」
アレス「いや…ごめんな?…こんな残酷な事平気でする勇者でさw」
男「いえ!…たしかに残酷で、怖かったですけど、あなたはやっぱり勇者だと思いました!」
女「はい…わたしたちを助けてくださって、ありがとうございました!」
アレス「ああ…じゃあオレも部屋に戻るよ…いっぱいエッチしろよ?」
男「あははw…はいw」
女「はい///」
アレス「おやすみw」
それからは何事もなく、また翌日には吟遊詩人は甲板で歌を唄っていた
こいつの人格で、この美しさが出せるのが不思議でならないけど、芸術ってのは性格や人格なんか関係ないのかもしれない
もしかしたら、良くも悪くも常識に囚われてないからこそ、尋常ではないものが創れるのかもしれない
夕食が終わり、少し経つと、そこはフラナという国だった
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