勇者と妖精の恋と冒険

ヨッシー

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東の国の洞窟

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そして翌日

ミリア「うー( *A*)ボ-」
アレス「おはよw…ナデナデ」
ミリア「お兄ちゃん…ギュ…」
アレス「かぁわいい…ギュ…スリスリ」
剣士「ほんとずーっとくっついてるんだねw」
アレス「ま、こういう時くらいはね…よし、ミリア髪やってやる」
ミリア「はーい」

身支度を整えて、元の大きさに戻る

周りでバスケットを守ってくれた魔物たちに感謝を言って、冒険の続きを始める

その広場の先は、魔界系の魔物か、ゾンビ系の魔物、たまに無機物系の魔物が出て、獣系は出なかった

僧侶「獣系の魔物は出ませんね…」
アレス「そりゃそうだよw…こんな食料が確保できない場所にいるわけないよ」
僧侶「ああ、そっかw」
アレス「獣系のはさ、獣とほぼ一緒と思っていいんだ…洞窟は寝ぐらになるようなとこしか居ない」
戦士「なぁるほど」
アレス「魔界系のやつは共食いするし、なぜかゾンビ系に襲われないんだ」
剣士「へぇぇ!…でも言われるとゾンビって人間か、獣か、獣系の魔物ばっかりだ」
拳士「ほんとだw」
アレス「お前たち、そんな知識でよくやってきたなw」
僧侶「申し訳ない///」
戦士「む!…敵だ!」

とくに奥に行くほど多いのは、無機物系のやつだ

岩石や泥のような物質の魔物

ほんと不思議だよな…

身体が繋がってなくても、腕とか足とかの認識で動いてる

岩石の奴らは剣や殴りじゃ大して効かない

有効なのは回復魔法なんだけど、回復魔法は使う魔力はそんなには多くないものの、使用頻度で言えば、一番と言ってもいいから、使える回数が少なくなるのはチームにとってかなりの痛手になる

ところが、オレの光魔法の光をくっつけた壁には近寄らない事に気づいた

近寄ると動きが鈍るようだった

オレは試しに、直接やつらにスタンプしてみた

すると、回復魔法をやられた時みたく、物質に戻す事が出来た

回復魔法と違って、直接相手に触らないといけないのは面倒だけど、この光魔法は一瞬ならほとんど魔力が減らない

オレみたいに敵に触るのが簡単にやれるなら、素晴らしい魔法だ

とても最弱とは思えない使い勝手だ

オレはその性能にめちゃくちゃ満足した

アレス「無機物系はオレが全部やってやるよ」
僧侶「助かります!」
戦士「その魔法すごいなあ…」
拳士「だんだん魔法使い欲しくなってくるなw」
剣士「ねw」
ミリア「でも、お兄ちゃんほど期待したらダメなのよ」
戦士「うん…わかってる…だけど、火の魔法だけでもだいぶ便利だよなあ」
アレス「そうだよw…その上水まで使えたら、それだけで居る価値があると思うぜ」
剣士「かもしれない…」
拳士「でもやっぱり4人がいいよなあ…費用面でさ」
アレス「まあそうかw…それにもしも人間関係を乱す奴とかだと大変だもんな」
僧侶「そうですねえ…一緒に居る時間が長いので、協調性は大事です」
剣士「アレスさんなら居て欲しいくらいだけどw」
戦士「けど、アレスさんに迷惑かけるばっかりだぞ?」
剣士「…そっか」
拳士「だよな…正直言ってアレスさん1人なら、とっくにもうこの冒険終わってると思う」
アレス「まあねw…けどまあ、オレも良い経験出来たし、意外と楽しかったよ」
僧侶「そう言ってくれて良かったですw」

そんな会話をしつつ、魔物を倒しつつ
オレたちは洞窟を進んでいって、ついに最奥部に到着した

オレが光で先を照らすと、ドクロが守るように剣を抱いて座っていた

剣士「あ!…あの剣かな?!」
拳士「きっとそうだろう…」
剣士「よーし!…タタタタ…バチ!…きゃあああ」
戦士「大丈夫か?!」

その剣の周囲には結界がされていて、剣士ちゃんは弾かれた

その結界に触ったからなのか、魔族が転移して現れた

めちゃくちゃデブでデカくて、デカい棍棒を持ってる

身体の色は青く、目が三つもある

耳のすぐ上くらいのとこから角が生えていて、頭には髪はない

変な臭いがしていて、非常に見た目だけでも不愉快だ

そいつはまず剣士ちゃんに棍棒を降り下ろした

オレは剣士ちゃんを突風で吹き飛ばして、棍棒から逃したけど、そのせいでまた結界にバチってなってたw

ごめんなw

そのデカブツの背中に、戦士と拳士が攻撃をしたが、大して傷をつけられなかった

デカブツは腕をぶん回して、裏拳を繰り出した

拳士は避けたが、戦士は当たって、吹っ飛んだ

その隙をぬって、僧侶は剣士ちゃんを助けに行ってる

僧侶くんはなかなか冷静でいいな

回復した剣士ちゃんは、持ち前の俊敏さで、デカブツを斬り込んでいくけど、浅い傷がつくだけで、あまり効いてない

後ろからも復活した戦士と、拳士が攻撃をするが、デカブツは水の魔法で、拳士と戦士に激流を当てて吹っ飛ばした

戦士と拳士は壁に強烈に叩きつけられて、気絶した

見た目のわりに、なかなかの芸達者である

ミリア「あんな水の魔法もあるのね」
アレス「うん…中級の魔法だよ…あいつはどう?…ミリアの殺し判定」
ミリア「ギリギリ殺さない」
アレス「そう…でも良い奴でもない?」
ミリア「うん、たぶん」

剣士ちゃんはデカブツのハンマーを避けつつ、浅く何度も攻撃を入れている

これがずっと続けてられるなら、時間かかっても倒せるかもしれない

だけど、剣士ちゃんにはそこまで体力がない

僧侶も補助魔法で強化して、デカブツに攻撃を当ててるけど、逆にデカブツの棍棒をくらい、腕と肋骨が折れて苦しんでいる

剣士ちゃんが僧侶をかばいつつ頑張ってるけど、そろそろ限界だろう

アレス「おい…ドカ!!」
魔族「げふ!!…ゴロゴロ」
剣士「え…すご…一撃…ガ-ン」
アレス「僧侶くん…パァァァァ」
僧侶「う…げふ…あ、ありがとうございます…」
魔族「て、てめえ…」
アレス「あ?…ギロ」
魔族「ぶっ殺す!!」

デカブツの振り下ろした棍棒をいなすように叩くと、デカブツはバランスを崩して、オレに背を向けて尻もちをつく

オレはその後ろから手を顔に回して、三つの目のどれかに指を突っ込んで、背中を足で押さえて、首をのけぞらせた

魔族「ぎゃあああ!!…ぐああ!!」

デカブツは騒ぎながら、右手をオレに向けて、魔法を放とうとした

オレは空いてる手でその手首を掴んで、そのデカブツの顔に向けた

すると、激流が顔にかかり、苦しんだ

アレス「おい、バカだなw…お前はこの剣を守ってるのか?」
魔族「うう…な、なにもんだ、お前…」
アレス「オレが今質問してんだよ…バキグキ!!」

オレはデカブツの手首をへし折った

魔族「ぐあああ!!」
アレス「うるせえ…黙らねえとこのまま目ん玉えぐりとるぞ?」
魔族「ぐ…こ、殺せ…」
アレス「残念だけどその期待には応えられないね…殺すのは好きじゃないんだ…でもいたぶるのは結構好きだぞ…パチン」

デカブツの片足だけを温度を上げて、火をつけた

デカブツは熱さで足をバタバタさせて暴れた

魔族「やめて、やめてくれ!!…いでえええ!!…あづいいぃぃ!!」
アレス「…パチン…ちゃんと話す気になったか?」
魔族「は…はい…ハァ…ハァ…ぐわ!!」

デカブツに蹴りを入れて、吹っ飛ばし、無事な方の腕と足も折った

デカブツは恐怖と痛みで体を震わせながら、オレを見つめる

アレス「あの剣を守ってたのか?」
魔族「は、はい…ハァ…ハァ…」
アレス「あれはそんなに強いのか?」
魔族「あ、あれは…ハァ…魔法が…風の魔法が…ハァ…ハァ…出せて…」
アレス「どんな?」
魔族「…か、風が…ハァ…ハァ…刃物みたいに…飛ぶんだ…ハァ…ハァ」
アレス「ほう…そりゃ良いものだなあ…回復してやるけど、暴れるなよ?…また焼くぞ?」
魔族「わ、わかった…あ、あんたには敵わない…ハァ…ハァ…」
アレス「ほれ…パァァァ…どうだ?」
魔族「う…だ、大丈夫…なぜ殺さない?」
アレス「勇者は優しいからな」
魔族「勇者…あんたが…」
アレス「覚えとけ、勇者のアレスってんだ」
魔族「あ、ああ…魔族より怖い奴だ…」
アレス「どうしてこんな剣が、こんなとこにあるんだ?」
魔族「その剣の持ち主の人間が…ここに住んでたオレを倒そうとやってきたんだ…そいつはなかなか強かったけど…そこのそいつくらいには強くて、その風の剣を使ってたから、結構苦労して倒した…」
アレス「ほうほうw…で?」
魔族「オレは剣を自分で使おうと思ったけど…そんなの持ってたら、オレより強い奴に奪われて、殺されるだけだからな…人間に使われるのも嫌だから、結界を張ったんだ」
アレス「お前は結界を張れるのか?」
魔族「オレは出来ない…結界を張れるやつは魔族にはいない…だけど、結界を張る道具がある…一回だけしか使えないけどな…」
アレス「へぇぇw…そんなのあるのかw…結界を破る事は出来ないのか?」
魔族「その道具の結界を壊す道具はあるけど…強い結界は壊せない」
アレス「そうなのか…人間にもあまり結界を使う奴は居ない」
魔族「だろうな…」
アレス「お前が剣士ちゃんばっかり狙ったのは、剣士ちゃんが持つのを恐れたからか?」
魔族「そう…他の奴らは大した事ないけど、そいつはなかなか強かったから」
アレス「だってさ…良かったな、剣士ちゃんw」
剣士「う、うん」
魔族「でも勇者は段違いだな…」
アレス「そりゃお前、魔王を倒そうってんだから当たり前よ…お前がもし魔王にケンカ売ったら、さっきみたいにやられてるだろ?」
魔族「そ、そうか…それもそうだ…」
アレス「魔界ってのはどうやって行くんだ?…転移なら行けるんだろうけど…転移先知らねえし」
魔族「…それはさすがに教えられねえ…どうしても吐かせようとするなら、オレは死ぬ」
アレス「…わかったよ…別に殺す気はねえし、聞かねえ」
魔族「いいのか?」
アレス「ああ…オレはのんびりと旅するからいいのさ」
魔族「変わってるな…」
アレス「オレはな、人間にそこまで助けてやる価値があるかわからない…だからさ…賭けをしてるわけよ」
魔族「賭けを?」
アレス「ああ…こうやって気ままに冒険してな?」
魔族「ああ」
アレス「そんでオレが魔王に縁があるなら、無理に聞かなくても会えるだろってな…会えたら倒すし、会えなかったらそれはそれで、人間には救う価値がなかったって事だ…そういう賭けだな」
魔族「…ほんとに変わってるな…」
アレス「まあ、それでも一応は魔王を目的にしてるから冒険するし、お前にも聞いたのさ」
魔族「なるほど……じゃあさ」
アレス「うん?」
魔族「この島から南に渡って、さらに東に行くと、ルシアっていう大きな人間たちの国がある」
アレス「ふむふむ」
魔族「そのルシアの南にもいくつか町がある」
アレス「ほう…」
魔族「かなり遠いが…インダムって国の近くに、ある魔族の作った洞窟がある…」
アレス「ふむ」
魔族「その、ある魔族って奴がな、オレはすごく嫌いなんだ…会うたびにボコられる…そいつがいるから、剣を持ってかなかった」
アレス「なるほどねw…で?…そいつをオレにやっつけて欲しいのか?」
魔族「そうだ…」
アレス「やっつけたらどうしてくれる?」
魔族「もし、やってくれるなら、あんたにコレをやる…これのここに口をつけて吹くと、一度だけオレを呼び出せる…やっつけて半殺しにして、呼んでくれたら…オレはソイツをぶっ殺して、あんたを魔界に転移させてやる」
アレス「あははははw…そりゃいいなw」
魔族「わはははw…オレはあんたには勝てないから手は出さないけど…魔界に着いても味方はしないぞ?」
アレス「ああ、そんなの当たり前だ…オレはいつも一人で戦ってきたからな…わかったw…とりあえずルシアに行って、南下して、インダムってとこな?」
魔族「そうだ…インダムの西の方の山脈だ…その途中に結構深く大きな裂け目があって…崖みたいな…そこを降りていったとこに、ソイツの洞窟がある…熱い場所だ」
アレス「わかった…お前をスカッとさせてやるよw…いつになるかわからねえけど、楽しみに待ってろよ」
魔族「ああ…オレはカストロって名前だ…カストロって呼んでから、その笛を吹いてくれ」
アレス「わかった…その剣はいただくぞ?」
カストロ「あんたは結界を破れるのか?」
アレス「わけないぜ」
カストロ「見てていいか?」
アレス「おう」

オレは結界に手を向け、解除を始めた
数秒間、バチバチいって、結界は壊れた

カストロ「すごいな…」
アレス「だから勇者なんだ」
カストロ「なるほどw…じゃあ楽しみにしてる」
アレス「おう…またな」
カストロ「ああ…またな…シュン」

カストロは転移して消えていった
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