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母ちゃんと三度目のオレと二度目のユウトくん
4話
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いつもは小説は、授業の休み時間とか、自習の時間に書いてたけど
ユウトくんが興味持ってくれたから、すごくやる気出てきちゃったw
だから最近は母ちゃんが居ない時は、家でも書いてる
でも今日は母ちゃんは夕方からの方は休みで、一緒にご飯食べた
「カオくん、銭湯行こっか」
「うん」
「カオくんはお風呂好きだよね…ほんとにごめんね…おうちになくて」
「いいよ、別に…台所で洗うのも慣れたよ」
「ごめん…」
「別に怒ってないよ」
「母ちゃん、いつかは風呂付きのとこに住まわせてあげるからね!」
「大丈夫だから…」
『無理しないで』って言おうとしてやめた
それを言ったら
きっと母ちゃんは泣く
母ちゃんが泣いたら、オレもたぶん泣いてしまう
銭湯に向かって2人で歩く
オレは何も話さないようにした
母ちゃんと仲良くなるのは簡単だ
今この場で、母ちゃんの手を握ればいい
早くそう出来ればいいな…
母ちゃんが中古のスーファミを買ってきてくれたのは中1のクリスマスだった
起きたら枕元に置いてあった
ソフトはスーパーマリオワールドとスターフォックスってやつ
すごく古いゲームだ
本来なら、オレの年齢じゃスーファミすら知らない
ゲームを通じて仲良くなったのは、中3の頃
でもそれまでは待てない…
だから
スーファミをプレゼントしてくれたら
そこから仲良くなるつもり
でもそれまでまだ2年もある
母ちゃんの寂しそうな顔を、あと2年も…
ごめんね…
「カオくん、今日は一緒に女風呂入れば?w」
「何言ってるんだよ」
「いいじゃん、まだギリギリセーフだよ」
「嫌だよ」
「ちぇ…」
ごめん、母ちゃん
それは本当に無理だ…
オレはまだ子どもだから
性欲を抑えてるから
だからもしかしたら
母ちゃんの身体に反応しちゃうかもしれない…
そんなのは嫌だ
オレは親子で居たいから
だからダメだよ
「カオくん、じゃあこれお風呂のお金」
「…多いよ?」
「うんw…たまには風呂上がりのコーヒー牛乳飲んでよw」
「…ありがと」
「こんなのもたまにしか出来なくてごめんね」
「いちいち謝ることもないよ」
ああ…
こういうの…
こういう健気な優しさがジーンとくるの
いつもよりたった100円多いだけ
でもこの100円が泣ける
あったかくなる
母ちゃん大好きだよ…
オレはお風呂は好きなんだけど、銭湯の湯は熱くてそれほど好きじゃない
それでも流しで必死に水で洗うよりは全然良いんだけど…
でも、ぬるくてずっと入ってられるような温度が好き
なんか熱いと無理してる感じがする
『お金払ったから元とらないと』って感じ
そういうの義務感だよね
一回目の時、ユウトくんのプレゼントの話で言ってたっけ
『義務感を押し付けるのは思いやりじゃない』って
ほんとにそうだよね
オレはユウトくんからいろいろ教わってるな
母ちゃんはまだ入ってるかな?
オレはもう熱くてダメ…
そんで、隣にあるのは極端に冷たい水風呂
絶対ゆっくり入らせるつもりないよ
塩梅良くないよ
オレはギブアップして、風呂から出て、パンツだけ履いて、コーヒー牛乳を買った
美味い…
大人でも美味いけど、子どもで飲む方が美味い
こんな繊細な苦みがちょうどいいんだ
でも、半分だけ飲んで、母ちゃんにあげようかな
きっと母ちゃんは飲んでないから
でも、まだ早いだろうか…
悩んだけど
番台さんに聞いて、母ちゃんが上がってたらあげる事にした
「すいません」
「なあにカオルくん」
「母ちゃんはあがってますか?」
「あがってるよ」
「じゃあこれ…母ちゃんにあげてもらえますか?」
「カオルくんはもういいの?」
「はい」
「わかった…優しいねw」
「そんなことないです」
番台さんは母ちゃんに渡してた
オレは扇風機の前に立って、汗が引くまで涼んでから、服を着て表に出た
母ちゃんが出てきて
母ちゃんの顔見たら、目が赤くなってた
泣いた後の目
オレと目が合うと
『コーヒー牛乳ありがとw』と言って
嬉しそうに笑った
オレは『もういらなかったから』とか
心にもない事を言わないといけない
辛い
帰り道は母ちゃんの後ろを歩く
そうすると、母ちゃんからシャンプーの匂いとかして
オレはそれがとても好きだ
懐かしい感じがするから
寒い時期だと特にいいのだ
「もうすぐ夏休みだね」
「うん」
「夏休みの宿題はもう出てる?」
「まだ」
「わからなかったら、母ちゃんに聞いてね」
「うん」
大丈夫…
残念ながら、今のオレなら二日で終わるよ
「そのさ…ユウトくん…だっけ」
「うん」
「夏休みはいっぱい遊ぶの?」
「と思う」
「母ちゃん、どこにも連れて行ってあげないから良かった」
「気にしないで」
「気にしちゃうよw…申し訳なくて」
「いいから!」
「カオくん…」
「母ちゃん…ごめんねはもういいから…」
「うん…ウル…ありがと…」
(こちらこそ…ありがと…)
「ユウトくんによろしくね」
「うん」
「同じクラス?」
「ううん…隣の小学校の子…たまたま知り合ったの」
「あらw…すごいねw…どうやって?」
「セミがね」
「うん」
「襲ってきて」
「うんw」
「避けたら転びそうになって」
「うん…」
「そしたらユウトくんが支えてくれたの」
「おお!…カッコいいね!」
「そうw」
「じゃあ母ちゃんからも『ありがとう』って伝えておいてね」
「うん」
これでも本来なら喋り過ぎてる
でも、母ちゃんが嬉しそうにすると
やっぱり我慢できない
オレは
ユウトくんほど優しい人間とは思わないけど
それでも優しく出来ないのって本当に辛い…
母ちゃん…
そんで家に着いて、オレは明日の時間割りの準備をして、歯を磨いた
そういうの『偉いね』とかよく言われるけど
オレの場合はただ『不安症』なだけだ
宿題が少しあるから、それをやってから寝る
宿題をやってるうちに、母ちゃんは寝てた
うちには扇風機しかないから、眠れる時に寝た方がいい
暑いから布団はかけてあげないけど、パジャマが上がって腹が出てたから
パジャマだけ直してあげてから、オレも眠った
ユウトくんが興味持ってくれたから、すごくやる気出てきちゃったw
だから最近は母ちゃんが居ない時は、家でも書いてる
でも今日は母ちゃんは夕方からの方は休みで、一緒にご飯食べた
「カオくん、銭湯行こっか」
「うん」
「カオくんはお風呂好きだよね…ほんとにごめんね…おうちになくて」
「いいよ、別に…台所で洗うのも慣れたよ」
「ごめん…」
「別に怒ってないよ」
「母ちゃん、いつかは風呂付きのとこに住まわせてあげるからね!」
「大丈夫だから…」
『無理しないで』って言おうとしてやめた
それを言ったら
きっと母ちゃんは泣く
母ちゃんが泣いたら、オレもたぶん泣いてしまう
銭湯に向かって2人で歩く
オレは何も話さないようにした
母ちゃんと仲良くなるのは簡単だ
今この場で、母ちゃんの手を握ればいい
早くそう出来ればいいな…
母ちゃんが中古のスーファミを買ってきてくれたのは中1のクリスマスだった
起きたら枕元に置いてあった
ソフトはスーパーマリオワールドとスターフォックスってやつ
すごく古いゲームだ
本来なら、オレの年齢じゃスーファミすら知らない
ゲームを通じて仲良くなったのは、中3の頃
でもそれまでは待てない…
だから
スーファミをプレゼントしてくれたら
そこから仲良くなるつもり
でもそれまでまだ2年もある
母ちゃんの寂しそうな顔を、あと2年も…
ごめんね…
「カオくん、今日は一緒に女風呂入れば?w」
「何言ってるんだよ」
「いいじゃん、まだギリギリセーフだよ」
「嫌だよ」
「ちぇ…」
ごめん、母ちゃん
それは本当に無理だ…
オレはまだ子どもだから
性欲を抑えてるから
だからもしかしたら
母ちゃんの身体に反応しちゃうかもしれない…
そんなのは嫌だ
オレは親子で居たいから
だからダメだよ
「カオくん、じゃあこれお風呂のお金」
「…多いよ?」
「うんw…たまには風呂上がりのコーヒー牛乳飲んでよw」
「…ありがと」
「こんなのもたまにしか出来なくてごめんね」
「いちいち謝ることもないよ」
ああ…
こういうの…
こういう健気な優しさがジーンとくるの
いつもよりたった100円多いだけ
でもこの100円が泣ける
あったかくなる
母ちゃん大好きだよ…
オレはお風呂は好きなんだけど、銭湯の湯は熱くてそれほど好きじゃない
それでも流しで必死に水で洗うよりは全然良いんだけど…
でも、ぬるくてずっと入ってられるような温度が好き
なんか熱いと無理してる感じがする
『お金払ったから元とらないと』って感じ
そういうの義務感だよね
一回目の時、ユウトくんのプレゼントの話で言ってたっけ
『義務感を押し付けるのは思いやりじゃない』って
ほんとにそうだよね
オレはユウトくんからいろいろ教わってるな
母ちゃんはまだ入ってるかな?
オレはもう熱くてダメ…
そんで、隣にあるのは極端に冷たい水風呂
絶対ゆっくり入らせるつもりないよ
塩梅良くないよ
オレはギブアップして、風呂から出て、パンツだけ履いて、コーヒー牛乳を買った
美味い…
大人でも美味いけど、子どもで飲む方が美味い
こんな繊細な苦みがちょうどいいんだ
でも、半分だけ飲んで、母ちゃんにあげようかな
きっと母ちゃんは飲んでないから
でも、まだ早いだろうか…
悩んだけど
番台さんに聞いて、母ちゃんが上がってたらあげる事にした
「すいません」
「なあにカオルくん」
「母ちゃんはあがってますか?」
「あがってるよ」
「じゃあこれ…母ちゃんにあげてもらえますか?」
「カオルくんはもういいの?」
「はい」
「わかった…優しいねw」
「そんなことないです」
番台さんは母ちゃんに渡してた
オレは扇風機の前に立って、汗が引くまで涼んでから、服を着て表に出た
母ちゃんが出てきて
母ちゃんの顔見たら、目が赤くなってた
泣いた後の目
オレと目が合うと
『コーヒー牛乳ありがとw』と言って
嬉しそうに笑った
オレは『もういらなかったから』とか
心にもない事を言わないといけない
辛い
帰り道は母ちゃんの後ろを歩く
そうすると、母ちゃんからシャンプーの匂いとかして
オレはそれがとても好きだ
懐かしい感じがするから
寒い時期だと特にいいのだ
「もうすぐ夏休みだね」
「うん」
「夏休みの宿題はもう出てる?」
「まだ」
「わからなかったら、母ちゃんに聞いてね」
「うん」
大丈夫…
残念ながら、今のオレなら二日で終わるよ
「そのさ…ユウトくん…だっけ」
「うん」
「夏休みはいっぱい遊ぶの?」
「と思う」
「母ちゃん、どこにも連れて行ってあげないから良かった」
「気にしないで」
「気にしちゃうよw…申し訳なくて」
「いいから!」
「カオくん…」
「母ちゃん…ごめんねはもういいから…」
「うん…ウル…ありがと…」
(こちらこそ…ありがと…)
「ユウトくんによろしくね」
「うん」
「同じクラス?」
「ううん…隣の小学校の子…たまたま知り合ったの」
「あらw…すごいねw…どうやって?」
「セミがね」
「うん」
「襲ってきて」
「うんw」
「避けたら転びそうになって」
「うん…」
「そしたらユウトくんが支えてくれたの」
「おお!…カッコいいね!」
「そうw」
「じゃあ母ちゃんからも『ありがとう』って伝えておいてね」
「うん」
これでも本来なら喋り過ぎてる
でも、母ちゃんが嬉しそうにすると
やっぱり我慢できない
オレは
ユウトくんほど優しい人間とは思わないけど
それでも優しく出来ないのって本当に辛い…
母ちゃん…
そんで家に着いて、オレは明日の時間割りの準備をして、歯を磨いた
そういうの『偉いね』とかよく言われるけど
オレの場合はただ『不安症』なだけだ
宿題が少しあるから、それをやってから寝る
宿題をやってるうちに、母ちゃんは寝てた
うちには扇風機しかないから、眠れる時に寝た方がいい
暑いから布団はかけてあげないけど、パジャマが上がって腹が出てたから
パジャマだけ直してあげてから、オレも眠った
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