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母ちゃんと三度目のオレと二度目のユウトくん
2話
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母ちゃんも働き始めて、オレも小学校に再び通い始めた
ボロボロアパートから小学校の距離は、父さんの家からの距離と変わらないんだけど、ボロボロアパートは本来なら学区内ではなかった
だけど、小学校は変わらずに済んでいた
元々、友達も居なかったし、学校が変わっても全然良かったけど、面倒じゃないのは助かる
一度目の世界では、ユウトくんは私立の中学校に通ってたから、会わなかったのは当然だったけど、ハルちゃんと違う中学だったのは、学区が違ってたからだ
だから、このボロボロアパートからユウトくんの小学校までの距離は、父さんちからの距離の倍はある
しかも、自転車も買えないほど貧乏だから、子どもの足じゃ、40分はかかる
子どもってのは、いつも元気で活発だけど、案外体力はない
運動が得意じゃないオレはなおさらだ
40分歩いて、帰りもまた40分歩く
まあ、体力的な問題は頑張るとしても、それだけで1時間20分も使っちゃう
実際には1時間半は見ないとダメだ
母ちゃんは夕方5時に帰ってきて、ご飯とか準備して、7時にはまた違うパートに行く
だからなるべく5時か、少し過ぎるくらいで帰らないと、母ちゃんに無駄に心配かけてしまう…
ユウトくんに会いに学校終わった足で行っても、40分も経ってたら、ユウトくんも家に帰ってるはずだし、会えたとしても、そんなに時間もない
それに、ユウトくんに今会うのは、だいぶ人生が変わってしまうだろう
だけど、それでもユウトくんに確実に会えるとしたら、小学生のうちだと思う
ユウトくんが行ってた私立の中学校は知ってるけど、その中学校を選ぶかはわからないし
16歳になったとして、ハルちゃんちのセブンで会える保証もない
それなら、今すぐ会いに行った方がいいと思った
…というより、いろいろ理屈をこねて、会いに行く理由を無理矢理つけてるだけだけど…
ユウトくんと会えたら、オレはだいぶ安心出来ると期待してる
いつもそうだから
もう一つ不安なのは、この世界のユウトくんが大人なのか、子どもなのかって事
子どもでも嬉しいんだけど、オレは出来れば大人のユウトくんに会いたい
そうするとなると、午後の授業を早退しないといけない
しかも、早くしないと夏休みが始まってしまう
夏休みになったら、会える確率は低い
そう思いたったオレは、翌日の学校の午後の授業は『お腹が痛い』という理由で、早退させてもらった
オレの小学校では『置き勉』が許されないから、ランドセルが重い
でも、仕方ないからユウトくんの小学校に歩いた
あっつくて、ランドセルが重くて、ハァハァと息を荒くしながら、一生懸命歩く
セミがうるさい
うるさいのはミンミンゼミだ
『ミーンミンミンミンミンミー』の『ミンミンミンミン』の部分がとくにうるさい
一旦気になると、余計に耳に入ってきて、イライラしてくる
オレは虫は触れないほど苦手ではないけど、セミって下手な飛び方で、やたらめったら暴れながら飛ぶから、結構オレの方にも飛んできたりする
苦手じゃなくても、セミに急襲されたらさすがに怖い
ユウトくんの小学校の生徒たちが、叫び声や奇声を上げて、友達たちと帰っていく
どうして小学生って、ああいう声出すんだろう
あと、気に入ったセリフがあると、何度も何度も繰り返すの
でも、大人にはすごくつまらないから、無視する
そうすると、反応してくれるまで繰り返すから、余計にうるさい
かと言って、相手すればしたで、内容がほとんどなくて、反応に困るし
ユウトくんは子どもでもそんな事しなかったな…
普段、言葉遣いは不良っぽくしてても、大人にはちゃんと敬語で話してたし
やっぱりユウトくんは違う
そんなふうにユウトくんを思い浮かべて、頭お花畑で歩いてたら、セミが襲ってきた
オレは慌てて避けようとして、ガードレールに突っ込んじゃって、お腹打って、ランドセルの重みも加わって、前のめりに倒れそうになった
うわぁ!!って思ったその時
ガシッと受け止めてくれた男の子
オレは顔が見えなかったけど、絶対にユウトくんだと、なぜか思った
「大丈夫か?w…ほら」
ああ、やっぱり!!
ほらね…いっつもこうして助けてくれるんだ
オレは泣きそうになったけど、ユウトくんからしたら初対面だから、ぐっとこらえた
「あ、ありがとう!」
「おうw…セミムカつくよなw」
「…ユウトくん」
「…誰だ?…お前…」
「…トンネル5つ目…」
「…!!…もしかして…カオくん?!」
「うん!…ユウトくん!!…ギュ!」
「あ、おい…やめってw…こんなとこでよ」
「あ、ごめん///」
「…マジかよ」
「うん」
「オレの知ってるカオくんと全然違うんだが…」
「ワルだった?」
「…なんで知ってる?」
「聞いたんだよ…前に」
「どういうことよ…まあ、いい…とりあえずオレんチ来いよ」
「うん!」
「あ…お前が本当にカオくんなら、オレんチ知ってる…よな?」
「うん」
「じゃあ、その証明に、先に歩いてくれ」
「わかった…でもなんか悲しいよ…」
「なんで?」
「だってユウトくんに疑われてるんだもん」
「…だってオレの知ってるカオくんはさ…たしかに信用できる奴だったけど、ワルだからさ…」
「そっか…オレがワルだなんて、どういう人生でそうなるのかわからないよ」
「うーん…たしかに…お前全然弱っちそうだもんなあ」
「ユウトくんの知ってるオレは、ケンカとかもしたの?…強かった?」
「いや、ケンカはしなかったよ…めちゃくちゃ頭良くてさ、度胸もあって、口で収めるんだよ…それがカッコ良くてな…オレたち下っ端のワルから憧れられてた」
「へぇぇw…そっかw…ハルちゃんは今日は?」
「ハルは今日学校休んでる…風邪だとよ…ほんとはお見舞い行こうとしてたわけ…わかった…もう信じるよ…隣歩くわ」
「うん!」
「なんかかわいいカオくんだなあw」
「あははw…良かった…ユウトくんはよくそう言ってくれたんだよ」
「オレにかわいいって言われて嬉しいのか?w」
「嬉しいんだよ…とっても…」
「変なカオくんだなw」
「それもよく言われる…ユウトくんはさ」
「うん」
「今は医者を目指してるの?」
「…そんなのまで知ってるのか?」
「うん」
「カオくんはさ…おそらくオレに聞かされて、やり直したんだろ?」
「そう」
「…それでその教えたオレってのは、今のオレに似てるオレか?」
「うん…そう」
「ちょっと待て…カオくんよ…お前はこれからオレがどんなふうに生きるか、知ってるわけだよな?」
「うん」
「知ってても絶対に教えるなよ?」
「うん、もちろんだよ」
「オレがカオくんの知ってるオレと違う選択をしても、黙ってろよ?」
「うん…でも…その選択にもよるかな…もしもユウトくんが悪い事とかしそうだったら、オレは止める」
「わかったw…それでいい…約束だぞ?」
「うん」
「カオくん…ハルのとこ行くか?」
「え?…お見舞いに知らない人が行ったら、ハルちゃんビックリするよw」
「…それもそうかw」
「それに、ユウトくんちもうすぐだ」
「ああ」
オレたちはユウトくんの住んでるマンションに着いた
「部屋の番号知ってる?」
「うん…1012でしょ?」
「そうw」
オレはユウトくんちに入ると、ユウトくんのママに挨拶をして、ユウトくんの部屋に入った
「すごい参考書だね…」
「まあねw…前はワルだったからやってなかったけど、今回勉強やってみたら、案外嫌いじゃなかったんだw」
「うん、ユウトくん頭良いもん」
「カオくんは勉強は?」
「オレは前は〇〇高校だったよ」
「げえw…すげ~w…でも、そうすると、なんでやり直したのかわからねえな…もったいなくねえか?」
「オレはね、母ちゃんが大事なんだ…マザコンて思うかもだけど」
「…母ちゃん死んじゃったとか?」
「うん…二回ね」
「え?…それどういう?…もしかしてカオくん…3回目の人生なのか?」
「うん」
「お前…寿命は?」
「23」
「ふざけんなよ?…てめぇ…なんでそんな早死にする人生で、オレに会いにくんだよ?!…グッ…オレはカオくんとそれしか付き合えないのかよ!!」
「う…ご、ごめん…グス」
「ちっ、泣くなよ…悪かったよ…ナデナデ…」
「いや…ごめん…謝るのはオレだ…オレは自分の事しか考えてなかった…グス…ユウトくんに会えば…オレは安心出来ると思って…グス」
「もういいよ…もう会っちまったんだからさ…手遅れだ」
「ご、ごめん…グス…ごめんね…」
「いいって…ナデナデ…乱暴にして悪かったよ…きっと、今日会いに来なくても…オレたちはいつか出会ってたさ」
「そうかな…」
「そんな気がするよ…」
「そうだね…ユウトくん、ギュッとしていい?」
「え?…オレそんなゲイとかじゃねえぞ?…まさかカオくん、そうなのか?」
「ううんw…でも、前もよくそうしてくれたんだ…安心するから」
「うーん…とは言えさ、カオくんはオレを良く知ってるからそう思うんだろうけど、オレは今のかわいいカオくんは初対面だぜ?…まだそんなハグする仲には思えねえって…わりいけど」
「そっか…言われたらそうだ…ほんと、自分の事しか考えてないね、オレ」
「気にするなよw…そのうちそうするだろ」
「へへw」
「へへwってw…ほんと違うもんだなw」
「そんなに違う?」
「うーん…でも、まだわからないけど、今のところはなんとなくさ…なんつうの?…芯は同じな感じはするよ」
「たぶんね、そうだと思う…ユウトくんがそうだったから」
「そっかw…前のオレとか、カオくんとかハルの事、聞かせてくれよ」
「あ、うん…そうしたいとこだけど、そろそろ帰らないとなんだよ」
「そうなの?…まだ来たばっかりじゃん」
「うん…ごめん、母ちゃんに心配かけたくないんだ」
「わかった…明日はハルが休みだったらお見舞い行くから、明後日また会うか?」
「うん…そしたらね、オレ、あんまり時間とれないから、ユウトくん、ハルちゃんのセブンの近くのサイゼわかる?」
「ああ」
「そのサイゼの辺りに来てもらえる?」
「いいよ」
「たぶん、オレの学校と、ユウトくんの学校の中間くらいだから」
「うん…わかった」
そして、ユウトくんにマンションの出入り口まで見送られて、家に帰った
ボロボロアパートから小学校の距離は、父さんの家からの距離と変わらないんだけど、ボロボロアパートは本来なら学区内ではなかった
だけど、小学校は変わらずに済んでいた
元々、友達も居なかったし、学校が変わっても全然良かったけど、面倒じゃないのは助かる
一度目の世界では、ユウトくんは私立の中学校に通ってたから、会わなかったのは当然だったけど、ハルちゃんと違う中学だったのは、学区が違ってたからだ
だから、このボロボロアパートからユウトくんの小学校までの距離は、父さんちからの距離の倍はある
しかも、自転車も買えないほど貧乏だから、子どもの足じゃ、40分はかかる
子どもってのは、いつも元気で活発だけど、案外体力はない
運動が得意じゃないオレはなおさらだ
40分歩いて、帰りもまた40分歩く
まあ、体力的な問題は頑張るとしても、それだけで1時間20分も使っちゃう
実際には1時間半は見ないとダメだ
母ちゃんは夕方5時に帰ってきて、ご飯とか準備して、7時にはまた違うパートに行く
だからなるべく5時か、少し過ぎるくらいで帰らないと、母ちゃんに無駄に心配かけてしまう…
ユウトくんに会いに学校終わった足で行っても、40分も経ってたら、ユウトくんも家に帰ってるはずだし、会えたとしても、そんなに時間もない
それに、ユウトくんに今会うのは、だいぶ人生が変わってしまうだろう
だけど、それでもユウトくんに確実に会えるとしたら、小学生のうちだと思う
ユウトくんが行ってた私立の中学校は知ってるけど、その中学校を選ぶかはわからないし
16歳になったとして、ハルちゃんちのセブンで会える保証もない
それなら、今すぐ会いに行った方がいいと思った
…というより、いろいろ理屈をこねて、会いに行く理由を無理矢理つけてるだけだけど…
ユウトくんと会えたら、オレはだいぶ安心出来ると期待してる
いつもそうだから
もう一つ不安なのは、この世界のユウトくんが大人なのか、子どもなのかって事
子どもでも嬉しいんだけど、オレは出来れば大人のユウトくんに会いたい
そうするとなると、午後の授業を早退しないといけない
しかも、早くしないと夏休みが始まってしまう
夏休みになったら、会える確率は低い
そう思いたったオレは、翌日の学校の午後の授業は『お腹が痛い』という理由で、早退させてもらった
オレの小学校では『置き勉』が許されないから、ランドセルが重い
でも、仕方ないからユウトくんの小学校に歩いた
あっつくて、ランドセルが重くて、ハァハァと息を荒くしながら、一生懸命歩く
セミがうるさい
うるさいのはミンミンゼミだ
『ミーンミンミンミンミンミー』の『ミンミンミンミン』の部分がとくにうるさい
一旦気になると、余計に耳に入ってきて、イライラしてくる
オレは虫は触れないほど苦手ではないけど、セミって下手な飛び方で、やたらめったら暴れながら飛ぶから、結構オレの方にも飛んできたりする
苦手じゃなくても、セミに急襲されたらさすがに怖い
ユウトくんの小学校の生徒たちが、叫び声や奇声を上げて、友達たちと帰っていく
どうして小学生って、ああいう声出すんだろう
あと、気に入ったセリフがあると、何度も何度も繰り返すの
でも、大人にはすごくつまらないから、無視する
そうすると、反応してくれるまで繰り返すから、余計にうるさい
かと言って、相手すればしたで、内容がほとんどなくて、反応に困るし
ユウトくんは子どもでもそんな事しなかったな…
普段、言葉遣いは不良っぽくしてても、大人にはちゃんと敬語で話してたし
やっぱりユウトくんは違う
そんなふうにユウトくんを思い浮かべて、頭お花畑で歩いてたら、セミが襲ってきた
オレは慌てて避けようとして、ガードレールに突っ込んじゃって、お腹打って、ランドセルの重みも加わって、前のめりに倒れそうになった
うわぁ!!って思ったその時
ガシッと受け止めてくれた男の子
オレは顔が見えなかったけど、絶対にユウトくんだと、なぜか思った
「大丈夫か?w…ほら」
ああ、やっぱり!!
ほらね…いっつもこうして助けてくれるんだ
オレは泣きそうになったけど、ユウトくんからしたら初対面だから、ぐっとこらえた
「あ、ありがとう!」
「おうw…セミムカつくよなw」
「…ユウトくん」
「…誰だ?…お前…」
「…トンネル5つ目…」
「…!!…もしかして…カオくん?!」
「うん!…ユウトくん!!…ギュ!」
「あ、おい…やめってw…こんなとこでよ」
「あ、ごめん///」
「…マジかよ」
「うん」
「オレの知ってるカオくんと全然違うんだが…」
「ワルだった?」
「…なんで知ってる?」
「聞いたんだよ…前に」
「どういうことよ…まあ、いい…とりあえずオレんチ来いよ」
「うん!」
「あ…お前が本当にカオくんなら、オレんチ知ってる…よな?」
「うん」
「じゃあ、その証明に、先に歩いてくれ」
「わかった…でもなんか悲しいよ…」
「なんで?」
「だってユウトくんに疑われてるんだもん」
「…だってオレの知ってるカオくんはさ…たしかに信用できる奴だったけど、ワルだからさ…」
「そっか…オレがワルだなんて、どういう人生でそうなるのかわからないよ」
「うーん…たしかに…お前全然弱っちそうだもんなあ」
「ユウトくんの知ってるオレは、ケンカとかもしたの?…強かった?」
「いや、ケンカはしなかったよ…めちゃくちゃ頭良くてさ、度胸もあって、口で収めるんだよ…それがカッコ良くてな…オレたち下っ端のワルから憧れられてた」
「へぇぇw…そっかw…ハルちゃんは今日は?」
「ハルは今日学校休んでる…風邪だとよ…ほんとはお見舞い行こうとしてたわけ…わかった…もう信じるよ…隣歩くわ」
「うん!」
「なんかかわいいカオくんだなあw」
「あははw…良かった…ユウトくんはよくそう言ってくれたんだよ」
「オレにかわいいって言われて嬉しいのか?w」
「嬉しいんだよ…とっても…」
「変なカオくんだなw」
「それもよく言われる…ユウトくんはさ」
「うん」
「今は医者を目指してるの?」
「…そんなのまで知ってるのか?」
「うん」
「カオくんはさ…おそらくオレに聞かされて、やり直したんだろ?」
「そう」
「…それでその教えたオレってのは、今のオレに似てるオレか?」
「うん…そう」
「ちょっと待て…カオくんよ…お前はこれからオレがどんなふうに生きるか、知ってるわけだよな?」
「うん」
「知ってても絶対に教えるなよ?」
「うん、もちろんだよ」
「オレがカオくんの知ってるオレと違う選択をしても、黙ってろよ?」
「うん…でも…その選択にもよるかな…もしもユウトくんが悪い事とかしそうだったら、オレは止める」
「わかったw…それでいい…約束だぞ?」
「うん」
「カオくん…ハルのとこ行くか?」
「え?…お見舞いに知らない人が行ったら、ハルちゃんビックリするよw」
「…それもそうかw」
「それに、ユウトくんちもうすぐだ」
「ああ」
オレたちはユウトくんの住んでるマンションに着いた
「部屋の番号知ってる?」
「うん…1012でしょ?」
「そうw」
オレはユウトくんちに入ると、ユウトくんのママに挨拶をして、ユウトくんの部屋に入った
「すごい参考書だね…」
「まあねw…前はワルだったからやってなかったけど、今回勉強やってみたら、案外嫌いじゃなかったんだw」
「うん、ユウトくん頭良いもん」
「カオくんは勉強は?」
「オレは前は〇〇高校だったよ」
「げえw…すげ~w…でも、そうすると、なんでやり直したのかわからねえな…もったいなくねえか?」
「オレはね、母ちゃんが大事なんだ…マザコンて思うかもだけど」
「…母ちゃん死んじゃったとか?」
「うん…二回ね」
「え?…それどういう?…もしかしてカオくん…3回目の人生なのか?」
「うん」
「お前…寿命は?」
「23」
「ふざけんなよ?…てめぇ…なんでそんな早死にする人生で、オレに会いにくんだよ?!…グッ…オレはカオくんとそれしか付き合えないのかよ!!」
「う…ご、ごめん…グス」
「ちっ、泣くなよ…悪かったよ…ナデナデ…」
「いや…ごめん…謝るのはオレだ…オレは自分の事しか考えてなかった…グス…ユウトくんに会えば…オレは安心出来ると思って…グス」
「もういいよ…もう会っちまったんだからさ…手遅れだ」
「ご、ごめん…グス…ごめんね…」
「いいって…ナデナデ…乱暴にして悪かったよ…きっと、今日会いに来なくても…オレたちはいつか出会ってたさ」
「そうかな…」
「そんな気がするよ…」
「そうだね…ユウトくん、ギュッとしていい?」
「え?…オレそんなゲイとかじゃねえぞ?…まさかカオくん、そうなのか?」
「ううんw…でも、前もよくそうしてくれたんだ…安心するから」
「うーん…とは言えさ、カオくんはオレを良く知ってるからそう思うんだろうけど、オレは今のかわいいカオくんは初対面だぜ?…まだそんなハグする仲には思えねえって…わりいけど」
「そっか…言われたらそうだ…ほんと、自分の事しか考えてないね、オレ」
「気にするなよw…そのうちそうするだろ」
「へへw」
「へへwってw…ほんと違うもんだなw」
「そんなに違う?」
「うーん…でも、まだわからないけど、今のところはなんとなくさ…なんつうの?…芯は同じな感じはするよ」
「たぶんね、そうだと思う…ユウトくんがそうだったから」
「そっかw…前のオレとか、カオくんとかハルの事、聞かせてくれよ」
「あ、うん…そうしたいとこだけど、そろそろ帰らないとなんだよ」
「そうなの?…まだ来たばっかりじゃん」
「うん…ごめん、母ちゃんに心配かけたくないんだ」
「わかった…明日はハルが休みだったらお見舞い行くから、明後日また会うか?」
「うん…そしたらね、オレ、あんまり時間とれないから、ユウトくん、ハルちゃんのセブンの近くのサイゼわかる?」
「ああ」
「そのサイゼの辺りに来てもらえる?」
「いいよ」
「たぶん、オレの学校と、ユウトくんの学校の中間くらいだから」
「うん…わかった」
そして、ユウトくんにマンションの出入り口まで見送られて、家に帰った
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