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母ちゃんと父さんとオレ
9話
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今朝は父さんと母ちゃんと3人で一緒に朝食を食べた
このまま仲良く戻れるといいけど
ああ、さすがに疲れたな…
10代の時期を繰り返すのって疲れる
今回の人生の方がいろいろやってて充実感はあるけど、幸福度は…あくまで体感でしかないけど、前回とそんなに変わらなく思える
そんな事を考えつつ、学校に着く
ユウトくんがハルさんに勉強を教えている
一ヶ月以上前からそうしている
この2人も明らかに親睦が深まってるし、良かった
「よおw」
「おはよー」
「おはようw…ハルちゃん、勉強どう?楽しくなった?」
「うん…だんだんわかるようになったよ」
「ユウトくんに感謝だねw」
「うんw」
「カオくん、ちょっとここ教えてくれよ」
「どれ?…ああ…
この2人も順調に愛を育んでるみたい
良かった
ハルさんは元々はユウトくんと結ばれてるし、気が合うんだろう
もうすぐクリスマス
ユウトくんはハルさんと一緒に過ごすって
誘ってみたら、あっさりオッケーだったみたい
良かったねw
オレも3人の女の子から、誘いを受けた嬉しかったけど、断った
その代わり埋め合わせでデートする事になったけど…
オレはオレでクリスマスは家族で過ごすから、考えてた事を実践する
その為にオレはずっと前から、小遣いを貯めてた
3DSLLを3つとモンハン3つ
新品は高いから、中古品だけど…
なんとか揃えられた
クリスマスは父さんのアパートでやる事になった
母ちゃんは父さんと一緒に、仲良くツリーを作ってたw
元々この2人だって好きで結婚したんだから、お互いの心が向けば、すぐに仲良くなれたみたい
アパートには今では、3種類のスタジアムと、ミニ四駆のコースと、シルバニアファミリーの赤い屋根の大きなおうちもあって、それがテーブルの上をかなり占めてる
なんだこの状態
元々はスタジアムを持ってったオレに責任がある気がするけど、まさかこうなるとは思ってなかった
まあ、楽しいなら良いと思う
「メリークリスマス!」
「「メリークリスマスw」」
「カオくん、わたし、カオくんにすごく感謝してる…今こんなに楽しいのは全部カオくんのおかげ」
「オレもそう思う…子はかすがいって言うのは本当だな…」
「かすがいって何?」
「えっと…木と木を繋ぐ金物の事?」
「うんw…なんかホチキスの針のデカいようなやつ…割り箸が木材だとして、ホチキスでこう…バチ…このこれがかすがい」
「おお~w…カオくん、物知り~w」
「うん…すごくわかりやすいw…カオくん、学校の先生も出来そうだな」
「やれそうw」
「いや、やだよ先生はw…あんな肉体的にも精神的にもハードな職業、なかなかないよw…そのわりに収入もたかがしれてるし」
「収入はたしかに大事だけど、あんまりそれに固執するなよ?…楽しいと思う事やって生きてくれればいいからな?」
「うんw…弁護士は楽しそうだよ…いろんな人の生々しい人生とか、考え方とか、リアルな世界が見れそうだし」
「わたしはそういうのあんまり見たくないけどなあ~」
「オレもなあ…あんま他人の不幸とか見たくはないな…」
「そうだね…でも、幸せばっかり見てても、強くはなれないから」
「カオくんが言うと、心が痛むわ」
「う、うん…」
「あ、ごめんw…とりあえず、ケーキ食べようよ…切るね」
「母ちゃんが切るぅ」
「はいw」
ケーキは父さんが奮発して、なにやら高級な生チョコのケーキで、めちゃくちゃ美味そうだ
「ヤバい父さん…これめちゃくちゃ美味い…食感も味も」
「うん!…これは高いだけあるw」
「わたしこれ1人で全部食べたいわ」
「母ちゃんはいw…オレの分一個あげるw」
「やったあ!…ありがと~///」
「大人だ、カオくんw」
「ははw…今、ステーキ焼くね…待っててね」
「ありがと~♪」
オレは早めに来て、すでに叩いたり下味をつけて仕込んであったヒレ肉を焼き、備え付けは無難にフライドポテトと、ニンジン、それと、大量の油と甘辛いタレで炒めたナスだ
そして、サラダをデカいボールに入れて、酸味と甘みのあるドレッシングを絡めたものを用意した
「出来たよ~…ごはんもたくさん炊いたから、おかわりいっぱいしてね」
「うっわ…うっわぁ…ゴクリ」
「早く食べた~い!」
「あははw…じゃあ早速食べよう、いただきまーす」
「「いただきまーす」」
「…マジ、カオくん、レストラン開業すれば?」
「うん…すごい美味しい…」
「あはは…オレ、職に困らないねw」
「うん…美味いw…マジで」
それは我ながら、本当に美味かった
さすがにユウトくんがご馳走してくれた、あのステーキには劣るけど、十分だと思う
父さんは2回おかわりして、母ちゃんも珍しくおかわりしてた
満足してくれて良かった
でも、オレの目的はプレゼントだ
喜ぶといいな
母ちゃんが喜ぶのは前回でわかってるけど、父さんがやるかな…
そんで、プレゼント交換
「カオくん、はい…嬉しいかわからないけど///」
「ありがと父さん…開けるね?」
「うん」
父さんからのプレゼントは腕時計だった
すごくカッコいい
オレは高校生になったらバイトするつもりなので、腕時計はありがたい
「父さんありがと!…カッコいいねえ!」
「だろぉ?…実はひそかにユウトくんに聞いてさ」
「あ、そうなの?!…ユウトくんが選んだの?」
「そう…選んでくれた」
「さっすがユウトくん…」
「ユウトくんはオシャレだろ?…で、雑誌とかも見るんだろ?」
「うんうん」
「そんでカオくんも一緒に見たりした時にカオくんが『これいいねえ』って言ったやつ、ユウトくんは覚えてたんだよ…だからユウトくんはカオくんの好みがわかったんだ…『ハルの方がわかんねえ』とか言いながら選んでくれたよw」
「おお~w…父さんからでも嬉しいのに、ユウトくんの気持ちも入ってるなんて最高だww…ありがとう!」
「ああ~…そんないいプレゼントあげたら、わたしのが霞んじゃうよ~」
「そんな事ないw…ちょうだい?」
「はい…ありきたりだけど」
母ちゃんのは手編みのマフラーだった
色はグレーで、シックな感じ
これは超嬉しい
母ちゃんがオレのために作ってくれた
「母ちゃん…すげ~あったかいよ…」
「嬉しかった?」
「うん…嬉しい…スリスリ…オレ全然知らなかった、編んでるの」
「内緒で頑張ったのよw…喜んでくれて良かったw」
「嬉しいよ…ギュ…ほら、あったかいよ」
オレは母ちゃんとオレと一緒に巻いた
「うん、あったかい…ギュ…グス」
「ありがと…」
「良かったなあ…ウル」
そして、オレの番だ
「オレはね…これ…開けてみて?」
「おお、なんだろ…ガサガサ」
「なんだろ~…ガサガサ」
「これは…ゲーム機?」
「うん、3DSLL」
「え?…高かったでしょ!」
「あ、大丈夫w…その…さすがに新品は無理だったから、中古品だけど///」
「で、このソフトは?…モンスターハンターXX?」
「これはどんなの?」
「これはね…待ってね」
「これ見ててね…このマップにピンクの丸があるでしょ?」
「うん」
「ここに今回のクエスト…クエストっていうのはミッションみたいな…それの目的になってるモンスターがいるの」
「うんうん」
「そいつを倒すの?」
「そう…で、オレの武器はこれ、大剣ていうの」
「でっか!w」
「武器はすごくたくさん種類があるの…片手剣とかランスとか」
「ふむふむ」
「で、それぞれの武器で、アクションは決まってるのね」
「うん」
「そんで、このゲームの一番肝心なところなんだけど」
「うん」
「このゲームにはレベルアップってのがないんだよ」
「ええ?!」
「このアバターは何百時間経とうとも、今の強さと変わらないの」
「そうなの?」
「うん…モンスターを倒したりして、モンスターから素材を剥ぎ取るの…こんなザコでも…ほら、剥ぎ取れる…こうやって素材をいろいろ集めると、武器や装備を作ったり強化できるのね」
「うんうん」
「ほお…」
「その装備品の強さがこのアバターの強さになるんだけどね」
「うん」
「レベルがないって事は、同じ装備するとステータスも同じって事」
「ああ、だなぁ」
「だから肝心なのは、操作する人のテクニック…上手い人と下手な人だと、雲泥の差になる…同じ装備でも」
「難しそうだな」
「最初は難しい…で、このピンクのとこ行くね………あ、こいつ、こいつがモンスター…こいつを倒すの」
「わ、何これ…鳥?」
「うん、ゲリョスって鳥のモンスター…コイツらもいろんな攻撃方法がある…それを見極めて戦うの…だけど、敵は強いから、心が折れてくるのね」
「うん…」
「でもこのゲームは4人まで一緒に協力して戦えるのw…だから、オレと父さんと母ちゃんで、一緒に力合わせてね…やりたいの…このゲーム自体、ものすごく面白いしね」
「ほおお!…いいねえ」
「やる~!」
「うんw…今から一緒にキャラ作ってやろうよ」
「うん」
そうして、キャラメイクとオープニングやいろいろ話など聞いて、それだけで1時間はかかってしまう…
そんで、やっと一緒にクエストに行けるようになった
「最初のうちは何か集めるってやつだから、とりあえずそれやってみよう…オレについてきて?」
「うん」
「はーい」
オレはいろいろ教えながら、フィールドを回った
ザコと戦わせたりした
「ハッキリ言って、この素人の装備もろくにないようなオレたちじゃ、最初のモンスターでもキツいから、まずは足掛かりになる装備を作ろう」
「うん、そうしよう…面白いこれ」
「うん、めっちゃハマりそうw」
「ハマるよw…すごい人は5000時間とかやっちゃうからw」
「げえw」
「めちゃくちゃやる事はたくさんあるから、かなり長く遊べる」
「うん…」
案の定、母ちゃんはすぐのめり込んだ
父さんも予想以上に楽しんでる
良かったw
オレたちは鉱石とかで作れる武器や防具を一通り揃えるまでやった
そしたら23時になってた
「うお!…もうこんな時間!」
「ね!…ヤバいこれw」
「楽しいよねw…でも今日はこのくらいにして、明日はモンスターと戦おう」
「うんw」
「じゃあ今日は帰ろうか」
「はーい」
そうして、オレたちはハンター仲間になった
ユウトくんとハルさんも、仲間に入れて、父さんのアパートにみんな集まるようになった
オレもユウトくんも、行こうとしてる高校の受験は楽勝だからいいけど、ハルさんは危ないから、オレとユウトくんは交代でハルさんの勉強を見てあげた
その意味でも、アパートに集まるのは好都合だった
そして受験も終わり、ハルさんも無事に合格した
春から高校生になる
ユウトくんとハルさんは同じ高校
オレは違う
それでも、ユウトくんはこのアパートで会えるのをとても喜んでくれた
オレも嬉しい
オレはなんだかんだあったけど、上手い事やれてると思う
みんなの幸せそうな顔を見るのが嬉しい
卒業式が終わり、そして入学式も済み
オレは高校生になった
初めての高校生活が始まった
このまま仲良く戻れるといいけど
ああ、さすがに疲れたな…
10代の時期を繰り返すのって疲れる
今回の人生の方がいろいろやってて充実感はあるけど、幸福度は…あくまで体感でしかないけど、前回とそんなに変わらなく思える
そんな事を考えつつ、学校に着く
ユウトくんがハルさんに勉強を教えている
一ヶ月以上前からそうしている
この2人も明らかに親睦が深まってるし、良かった
「よおw」
「おはよー」
「おはようw…ハルちゃん、勉強どう?楽しくなった?」
「うん…だんだんわかるようになったよ」
「ユウトくんに感謝だねw」
「うんw」
「カオくん、ちょっとここ教えてくれよ」
「どれ?…ああ…
この2人も順調に愛を育んでるみたい
良かった
ハルさんは元々はユウトくんと結ばれてるし、気が合うんだろう
もうすぐクリスマス
ユウトくんはハルさんと一緒に過ごすって
誘ってみたら、あっさりオッケーだったみたい
良かったねw
オレも3人の女の子から、誘いを受けた嬉しかったけど、断った
その代わり埋め合わせでデートする事になったけど…
オレはオレでクリスマスは家族で過ごすから、考えてた事を実践する
その為にオレはずっと前から、小遣いを貯めてた
3DSLLを3つとモンハン3つ
新品は高いから、中古品だけど…
なんとか揃えられた
クリスマスは父さんのアパートでやる事になった
母ちゃんは父さんと一緒に、仲良くツリーを作ってたw
元々この2人だって好きで結婚したんだから、お互いの心が向けば、すぐに仲良くなれたみたい
アパートには今では、3種類のスタジアムと、ミニ四駆のコースと、シルバニアファミリーの赤い屋根の大きなおうちもあって、それがテーブルの上をかなり占めてる
なんだこの状態
元々はスタジアムを持ってったオレに責任がある気がするけど、まさかこうなるとは思ってなかった
まあ、楽しいなら良いと思う
「メリークリスマス!」
「「メリークリスマスw」」
「カオくん、わたし、カオくんにすごく感謝してる…今こんなに楽しいのは全部カオくんのおかげ」
「オレもそう思う…子はかすがいって言うのは本当だな…」
「かすがいって何?」
「えっと…木と木を繋ぐ金物の事?」
「うんw…なんかホチキスの針のデカいようなやつ…割り箸が木材だとして、ホチキスでこう…バチ…このこれがかすがい」
「おお~w…カオくん、物知り~w」
「うん…すごくわかりやすいw…カオくん、学校の先生も出来そうだな」
「やれそうw」
「いや、やだよ先生はw…あんな肉体的にも精神的にもハードな職業、なかなかないよw…そのわりに収入もたかがしれてるし」
「収入はたしかに大事だけど、あんまりそれに固執するなよ?…楽しいと思う事やって生きてくれればいいからな?」
「うんw…弁護士は楽しそうだよ…いろんな人の生々しい人生とか、考え方とか、リアルな世界が見れそうだし」
「わたしはそういうのあんまり見たくないけどなあ~」
「オレもなあ…あんま他人の不幸とか見たくはないな…」
「そうだね…でも、幸せばっかり見てても、強くはなれないから」
「カオくんが言うと、心が痛むわ」
「う、うん…」
「あ、ごめんw…とりあえず、ケーキ食べようよ…切るね」
「母ちゃんが切るぅ」
「はいw」
ケーキは父さんが奮発して、なにやら高級な生チョコのケーキで、めちゃくちゃ美味そうだ
「ヤバい父さん…これめちゃくちゃ美味い…食感も味も」
「うん!…これは高いだけあるw」
「わたしこれ1人で全部食べたいわ」
「母ちゃんはいw…オレの分一個あげるw」
「やったあ!…ありがと~///」
「大人だ、カオくんw」
「ははw…今、ステーキ焼くね…待っててね」
「ありがと~♪」
オレは早めに来て、すでに叩いたり下味をつけて仕込んであったヒレ肉を焼き、備え付けは無難にフライドポテトと、ニンジン、それと、大量の油と甘辛いタレで炒めたナスだ
そして、サラダをデカいボールに入れて、酸味と甘みのあるドレッシングを絡めたものを用意した
「出来たよ~…ごはんもたくさん炊いたから、おかわりいっぱいしてね」
「うっわ…うっわぁ…ゴクリ」
「早く食べた~い!」
「あははw…じゃあ早速食べよう、いただきまーす」
「「いただきまーす」」
「…マジ、カオくん、レストラン開業すれば?」
「うん…すごい美味しい…」
「あはは…オレ、職に困らないねw」
「うん…美味いw…マジで」
それは我ながら、本当に美味かった
さすがにユウトくんがご馳走してくれた、あのステーキには劣るけど、十分だと思う
父さんは2回おかわりして、母ちゃんも珍しくおかわりしてた
満足してくれて良かった
でも、オレの目的はプレゼントだ
喜ぶといいな
母ちゃんが喜ぶのは前回でわかってるけど、父さんがやるかな…
そんで、プレゼント交換
「カオくん、はい…嬉しいかわからないけど///」
「ありがと父さん…開けるね?」
「うん」
父さんからのプレゼントは腕時計だった
すごくカッコいい
オレは高校生になったらバイトするつもりなので、腕時計はありがたい
「父さんありがと!…カッコいいねえ!」
「だろぉ?…実はひそかにユウトくんに聞いてさ」
「あ、そうなの?!…ユウトくんが選んだの?」
「そう…選んでくれた」
「さっすがユウトくん…」
「ユウトくんはオシャレだろ?…で、雑誌とかも見るんだろ?」
「うんうん」
「そんでカオくんも一緒に見たりした時にカオくんが『これいいねえ』って言ったやつ、ユウトくんは覚えてたんだよ…だからユウトくんはカオくんの好みがわかったんだ…『ハルの方がわかんねえ』とか言いながら選んでくれたよw」
「おお~w…父さんからでも嬉しいのに、ユウトくんの気持ちも入ってるなんて最高だww…ありがとう!」
「ああ~…そんないいプレゼントあげたら、わたしのが霞んじゃうよ~」
「そんな事ないw…ちょうだい?」
「はい…ありきたりだけど」
母ちゃんのは手編みのマフラーだった
色はグレーで、シックな感じ
これは超嬉しい
母ちゃんがオレのために作ってくれた
「母ちゃん…すげ~あったかいよ…」
「嬉しかった?」
「うん…嬉しい…スリスリ…オレ全然知らなかった、編んでるの」
「内緒で頑張ったのよw…喜んでくれて良かったw」
「嬉しいよ…ギュ…ほら、あったかいよ」
オレは母ちゃんとオレと一緒に巻いた
「うん、あったかい…ギュ…グス」
「ありがと…」
「良かったなあ…ウル」
そして、オレの番だ
「オレはね…これ…開けてみて?」
「おお、なんだろ…ガサガサ」
「なんだろ~…ガサガサ」
「これは…ゲーム機?」
「うん、3DSLL」
「え?…高かったでしょ!」
「あ、大丈夫w…その…さすがに新品は無理だったから、中古品だけど///」
「で、このソフトは?…モンスターハンターXX?」
「これはどんなの?」
「これはね…待ってね」
「これ見ててね…このマップにピンクの丸があるでしょ?」
「うん」
「ここに今回のクエスト…クエストっていうのはミッションみたいな…それの目的になってるモンスターがいるの」
「うんうん」
「そいつを倒すの?」
「そう…で、オレの武器はこれ、大剣ていうの」
「でっか!w」
「武器はすごくたくさん種類があるの…片手剣とかランスとか」
「ふむふむ」
「で、それぞれの武器で、アクションは決まってるのね」
「うん」
「そんで、このゲームの一番肝心なところなんだけど」
「うん」
「このゲームにはレベルアップってのがないんだよ」
「ええ?!」
「このアバターは何百時間経とうとも、今の強さと変わらないの」
「そうなの?」
「うん…モンスターを倒したりして、モンスターから素材を剥ぎ取るの…こんなザコでも…ほら、剥ぎ取れる…こうやって素材をいろいろ集めると、武器や装備を作ったり強化できるのね」
「うんうん」
「ほお…」
「その装備品の強さがこのアバターの強さになるんだけどね」
「うん」
「レベルがないって事は、同じ装備するとステータスも同じって事」
「ああ、だなぁ」
「だから肝心なのは、操作する人のテクニック…上手い人と下手な人だと、雲泥の差になる…同じ装備でも」
「難しそうだな」
「最初は難しい…で、このピンクのとこ行くね………あ、こいつ、こいつがモンスター…こいつを倒すの」
「わ、何これ…鳥?」
「うん、ゲリョスって鳥のモンスター…コイツらもいろんな攻撃方法がある…それを見極めて戦うの…だけど、敵は強いから、心が折れてくるのね」
「うん…」
「でもこのゲームは4人まで一緒に協力して戦えるのw…だから、オレと父さんと母ちゃんで、一緒に力合わせてね…やりたいの…このゲーム自体、ものすごく面白いしね」
「ほおお!…いいねえ」
「やる~!」
「うんw…今から一緒にキャラ作ってやろうよ」
「うん」
そうして、キャラメイクとオープニングやいろいろ話など聞いて、それだけで1時間はかかってしまう…
そんで、やっと一緒にクエストに行けるようになった
「最初のうちは何か集めるってやつだから、とりあえずそれやってみよう…オレについてきて?」
「うん」
「はーい」
オレはいろいろ教えながら、フィールドを回った
ザコと戦わせたりした
「ハッキリ言って、この素人の装備もろくにないようなオレたちじゃ、最初のモンスターでもキツいから、まずは足掛かりになる装備を作ろう」
「うん、そうしよう…面白いこれ」
「うん、めっちゃハマりそうw」
「ハマるよw…すごい人は5000時間とかやっちゃうからw」
「げえw」
「めちゃくちゃやる事はたくさんあるから、かなり長く遊べる」
「うん…」
案の定、母ちゃんはすぐのめり込んだ
父さんも予想以上に楽しんでる
良かったw
オレたちは鉱石とかで作れる武器や防具を一通り揃えるまでやった
そしたら23時になってた
「うお!…もうこんな時間!」
「ね!…ヤバいこれw」
「楽しいよねw…でも今日はこのくらいにして、明日はモンスターと戦おう」
「うんw」
「じゃあ今日は帰ろうか」
「はーい」
そうして、オレたちはハンター仲間になった
ユウトくんとハルさんも、仲間に入れて、父さんのアパートにみんな集まるようになった
オレもユウトくんも、行こうとしてる高校の受験は楽勝だからいいけど、ハルさんは危ないから、オレとユウトくんは交代でハルさんの勉強を見てあげた
その意味でも、アパートに集まるのは好都合だった
そして受験も終わり、ハルさんも無事に合格した
春から高校生になる
ユウトくんとハルさんは同じ高校
オレは違う
それでも、ユウトくんはこのアパートで会えるのをとても喜んでくれた
オレも嬉しい
オレはなんだかんだあったけど、上手い事やれてると思う
みんなの幸せそうな顔を見るのが嬉しい
卒業式が終わり、そして入学式も済み
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