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お雪と吾郎

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むかしむかしの物語
あるところに『お雪』という名のそれはそれは美しい女と、『吾郎』という強くたくましい男がいた

吾郎は木こりで、家は山の中の小屋だ
その山小屋に10年前にめおと(夫婦)になったお雪と暮らしている
お雪は28才、吾郎は36才…2人とも健康で、お互いとても愛し合っていたが、一向に子どもを授かる気配はなかった
2人とも子どもが好きな性格であった為、毎日毎日子作りに励んでいたが、ついに出来ないまま10年が経過した

お雪「ねえ吾郎さん…子ども欲しいねえ」
吾郎「うん…オレがわりいのかな?」
お雪「わたしかも…」
吾郎「なあ、お雪…お前がどうしても子ども欲しいってんならさ…オレんとこに居ねえで、他の良い男の元へ行ったっていいからな?」
お雪「な、なんて事言うの!…吾郎さん…わたしの事…邪魔になったの?」
吾郎「そんなわけない…でも、オレぁお雪に幸せで居て欲しいから…」
お雪「じゃあ吾郎さんはわたしが他の誰かに抱かれても良いの?」
吾郎「う…い、嫌だけど…そんなの身が引き裂かれる思いだけど…オレのそんな痛みなんかより、お前の幸せの方が大事だ…」
お雪「バカ!…バカ吾郎!…そんなに想ってくれる吾郎さんの他に、わたしを幸せに出来る人なんかいないんだから!…グス」
吾郎「お雪…す、すまねえ…ギュゥ…」
お雪「吾郎さんの気持ちは嬉しいけど…そんな事もう言わないで…ギュ」
吾郎「うん…ごめんな…ギュ…チュゥ…」
お雪「ん…チュ…待って待ってw」
吾郎「ん?」
お雪「まだ朝ごはんもまだだよ?w」
吾郎「だなあw…ごめんw」
お雪「うふふw…すけべw」
吾郎「だってお雪かわいいんだもんw」
お雪「こんな年増でもいつまでもそう言ってくれて嬉しいわ」
吾郎「ばばあになったって言ってやるさ」
お雪「ありがとう///」

28才は現代ならまだ全然若いが、この当時ではもう年増というのが常識だった

2人は朝食を終えると、吾郎は仕事である木こりに出かけ、お雪は川に洗濯をしに出かけた

吾郎「じゃ、行ってくるな…ケガせんようにな…ギュ」
お雪「うんw…吾郎さんもねw…チュ」
吾郎「お雪…あれして?あれ…」
お雪「も~w…チラ」
吾郎「おおお///…もっかい!」
お雪「ダメぇw」
吾郎「ちぇw…じゃ、また後でなw」
お雪「はーいw」

お雪「さて…たまには洗濯しに行かなきゃだわ…」

季節は冬に変わろうとしていて、だんだんと寒くなっている
お雪はかごに洗濯物を入れて担ぎ、家から1里ほど離れた川へとやってきた

お雪「あう…冷たい…早いとこ終わらそ…」

川べりにはたらいと洗濯板が置いてあり、お雪はそれを使い、一枚一枚、時々手を息で温めながら洗濯をしていた
すると、川上の方から一つ、大きめな桃が流れてきた

お雪(おお~!…よっしょ!…へへw…つかまえた~♪)
お雪(あれ?…桃の木なんてあったっけ?)
お雪(まあいいや…美味しそうw)
お雪(吾郎さんと半分ずつ、お昼に食べよ)
お雪(こんだけ大きなのなら、半分でもいっぱい食べれるねw)

お雪はたらいに桃を入れておき、残りの洗濯物は川で洗って、それが終わると洗濯物と桃をかごに入れ、担いで持ち帰った

お雪(あれ?…すんごい重いと思ったのに、なんだか楽だよ…)
お雪(桃…あるよね…わたしったらすんごいパゥワが?)
お雪(パゥワってなんだろw)

お雪は家に着くと、その少し不思議な感じのする桃を玄関に置いて、洗濯物を干した

一方、吾郎
木こりという仕事は、木材となる木を切り、それを売る
しかし、切った木をそのまま売る事は出来ない
枝を削ぎ、何ヶ月か天日にさらし、乾燥させてからようやく売れる

吾郎(ふん!…ふん!)
吾郎(てごわい奴だw…よし!…オレの必殺技をおみまいしてやるw)
吾郎「行くぞ!…メテオ…ストライク!!」

吾郎は巨大な斧をしゃがんだ状態で構え、起き上がりに回転の勢いを乗せた一撃を、先程のかけ声と共に木に打ち込んだ
木はメキメキと音を立てて、吾郎とは反対側に倒れる

吾郎(おし!…メテオストライクはやっぱ強えなw)
吾郎(メテオストライクってなんだよw)
吾郎(おーし…枝を落とすか…お雪は今頃手ェ冷たくなってるかな…)
吾郎(今度町に降りたら、あったけえの買ってやろう)

吾郎はそうして、昼近くになると、一旦昼食を食べに家に帰った

吾郎「ただいま~」
お雪「おかえり~w」
吾郎「うわ!…桃?…でっか!!」
お雪「デカいよね~w…川に流れてきたんだよw…後で食べよう…さ、座って」

吾郎は玄関に腰を下ろし、お雪は吾郎の足を清める
それから座敷に上がり、昼食を食べ、ついに桃を食べようって事になった

お雪「おーし!…これ、種もデカいのかなw」
吾郎「ほとんど種だったりしてw」
お雪「ええ~…やだあw」
吾郎「切ってみ、切ってみ~w」
お雪「おーし…セイ!」

お雪「あれ…種ちっさw」
吾郎「ゲラゲラww…こんなでけぇのに種は普通ww」
お雪「吾郎さん…なんかすごく…甘い匂いだね」
吾郎「う、うん…早く食おうぜ」

お雪が食べやすい大きさに切り分けると、2人は食べ始めた
それは今まで味わった事のない、極上の美味しさだった
身も心もとろけるように甘く、身はトロトロとしていて、口に入れると溶けるような…そんな極上の桃であった

お雪「おいしすぎる!」
吾郎「美味しすぎて何だこれ!」
お雪「世田谷自然食品か!」ビシ!

2人は食べきれるかなという最初の思いもバカらしくなるほど、あっという間に食べ尽くしてしまった

吾郎「お雪…なんかさ…///」
お雪「も、もしかして…吾郎さんも?///」
吾郎「お雪…昼間っからだけど…」
お雪「うん///」

その桃のせいなのか、2人はとてもいやらしい気分になり、いつもよりも激しく愛し合った

お雪「あう…ハァ…ハァ…」
吾郎「うう…やっと落ち着いた…なんだったんだ?」
お雪「なんだろね~…でもすんごい気持ち良かった…」
吾郎「うん…もう今日はこれから働く気にならねえ…」
お雪「うん…もう今日はこうしてよ?」
吾郎「ああもう…かわいい…ギュ」
お雪「うう…スリスリ」

そうしてその日は2人でじゃれあいながら過ごし、また翌日からいつもの生活に戻った

それから半年程

お雪のお腹はだんだんと膨れてきた

お雪「ね、これってさ…」
吾郎「うん…間違いねえ…」
お雪「やった!!」
吾郎「やったー!!」
お雪「へへ~///…ね、これってあのおっきな桃のおかげかなあ?」
吾郎「きっとそうだよ…いつも優しくて健気なお前にさ、神様がくれたご褒美の桃だよ、きっと」
お雪「違うよ~w…いっつもわたしの幸せを願ってくれる吾郎さんの愛に神様が応えてくれたんだよw」
吾郎「またそんなかわいい事言って…ガバ」
お雪「うぶぁ!…ギブ!ギブ!」
吾郎「へへw…ギュ…」
お雪「吾郎さん…チュゥ…」

お雪はついに念願の子どもを授かり、大好きな吾郎と一緒に、産まれるのを楽しみにして過ごした
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