システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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心臓も止めておけ

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「いや、でも宇宙だろ? 真空だよな? 無重力だよな?」

 星の海に行くって事は、つまりは宇宙空間に出るって事。
 成層圏とかならまだ何とかなるかもしれないけど、真空の宇宙に行くなら宇宙服は絶対に必要だろ? 
 もしかして…こいつ、UFOを持ってる…のか?
 UFOって言っても、某メーカーのカップ焼きそばじゃないよ。
 当たり前だけど、未確認飛行物体の事だからな。
 いや、待てよ…確か、こいつさっき某銀河の鉄道のパス持ってたよな。
 もしかしたら、この星に銀河の鉄道の駅があったりするのか?
 お、オラわくわくすっぞ!

「言っておくが、多分お主の考えているのは間違いだからな?」
 な、何故に俺の考えている事がわかるんだ! お前、エスパーか?
「あのなぁ…。お主は覚醒、いわば進化したのじゃ。この星の人という種族からの進化というだけでは無いぞ? 生命体としての進化を遂げたのじゃ」
「ん~~~~…ん?」
 何のこっちゃ?
「ううむ…理解が出来ぬか。そうじゃのぉ…お主は、常識の枠から外れた存在となった…とでも言えば理解できるかの?」
 常識の枠ねぇ…。
「んで、それが真空の宇宙に行くのと、どんな関係が?」
 まあ、常識の枠ってのが、そもそも理解出来てないんだけどさ。
「いや、真空は大した問題では無いぞよ? 無重力の方が、今回の目的なのじゃ」
「いやいやいや、真空って大問題じゃねーか! 死ぬよ? 俺、間違い無くこのまま宇宙に行ったら死ぬよ?」
 そんなの、当たり前田のクラッカーだろうが!
 だって、真空なんだぞ? 呼吸できないんだぞ? しかも、正確かどうかはさておき、確かマイナス270℃の世界だって記憶にある。
 窒息するし、真空で肉体は膨張するし、凍っちゃうし、どう考えても人が生きれる場所じゃないよな?
「死ぬわけ無かろうて。お主は覚醒したのじゃぞ? 大凡考えられる生命体の常識の全てから解放されたのじゃ」
 えっと…、
「どゆこと?」
 意味不明だにゃん?
「呼吸? お主には不要ぞ。真空? お主の肉体派すでにそれを超越しておる。大気の存在せぬ世界じゃが、あらゆる放射線も極低温であろうとも灼熱であろうと、お主の肉体が損傷する事は無いぞよ?」
「いや、それってもはや化け物じゃん!」 
 覚醒って、もしかして最強生物クマムシになる事なのか?
「化け物とな? まあ、その表現があながち間違っているとも言えぬのぉ。何せ、寿命という概念すら超越した存在になったのじゃから、普通の生命体と比べれば確かに化け物じゃ」
 マジっすか!?
「まあ、お主の精神と言うか思考が常識にとらわれておるで、実感も体感も出来ぬじゃろうがのぉ」
 って事は、俺が考え方とか変えれば、人から化け物にジョブチェンジしちゃうって事になるのかな?

「ちなみに、この場でもそれを体感する事が出来るぞ?」
「え、どやって?」
 自分が化け物になった事を、ここで体感できるの?
「何、簡単な事じゃよ。ほれ、後ろにある湖に潜れば良いのじゃ。10分程な」
 10分潜る? 息が続かない…、
「はっ、そうか! 確か地球でのフリーダイバーの世界記録が無呼吸で4分の潜水だったはず! 10分も無呼吸で潜れるって事は、完全に化け物じゃん!」
 このネス湖は、確か水深50m程。
 そこまで行って、10分ほど潜り続ける事が出来たら…。
「ちょっと試してきまっする!」
「いや、待て待て待つのじゃ! お主は、まだきちんと理解出来て無かろうが。呼吸を止めて潜るのでは意味がないのだぞ?」
 何言ってんだ、こいつ? 潜水だったら、息は止めるでしょ?
「まずは地上でやってみよ。呼吸を止めるのではなく、呼吸をする事をそもそも止めるのじゃ。あ、あと心臓も止めておけ」
「………………はぁ!?」
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