システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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TVで見たアレ

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「……ってな事があった分けですよ」
 月曜日のひよこ師匠に、俺はこの1週間で起きた『トンネルでユズキ大爆発事件』の概要を、隅から隅まで話をしたのだった。
 え、金曜と土曜の夜はどうなったかって? …何の事でしょうか?
 嫁ーずに手渡された色とりどりの褌の事だよって? え~っと…それ聞く?
 ちなみに、結構良いものだったとだけは言っときます…褌って…。

「そのユズキ君が言うのは至極尤もな事である」
「まあ、そりゃそうですよねえ。この世界に直線距離で200kmの道なんて…」
「確かに尤もな事ではあるが、それは覚醒していない一般人の話でもあるぞ?」
 へっ?
「そもそも、惑星上で直線で200kmもの直線道を有する星など、この広い宇宙を探した所でそうそう存在せぬ。もし存在していたとすれば、それは一般人にとって流通においてかなり重要な存在であろう? ならば、そこを鍛錬の為に貸せと言うのは、無理な話であろうな」
 まあ、そりゃそうだわな…。
「とはいえ、そもそもお主等の使っておる距離の単位が分からぬのだが…、まあ良いわ。つまりお主はあの布を地に付ける事無く走る速度と、その速度で1刻の間走り続ける事が出来る体力がすでに備わっているという事なのであろう?」
「えっと…、そういう事になるかな」
 全力で走ればあのふんど…布が地面に付かない事は分かったし、2時間ぐらいは余裕で全力で走れる事もわかったしな。
「ならば、更に鍛錬度合いを1段上げよう。思ったよりもお主の覚醒度合いは高いみたいなのでな」
 な~んか、いや~な予感がひしひしとして来ましたが…。
「そう心配するでない。次の鍛錬は、誰にも迷惑を掛けぬ。っというか、お主しか居らぬ世界での鍛錬であるからの」
 いや、心配してるのはそこじゃねぇ…って、俺1人の世界?

「では行こうか。あの星々の世界へ」
 そう言ってひよこ師匠が指(羽)指したのは、燦々と太陽輝く大空…。
「えっと、星の世界?」
「……………夜には見えるであろう…」
「はぁ、そですか」
「………………」
 めっちゃ気まずい時間が、俺とひよこ師匠の間に流れた。

「あ~…。気を取り直して、それでは行こうか」
 ひよこ師匠も、さっきまでのやり取りを無かったことには出来ないかったようだ。
 覚醒したり解脱したりしても、こんなドジするんだなぁ。
「行くのは良いけど、どれぐらいの期間宇宙に行くのか教えて欲しいんだけど…」
 ちゃんと何時何時には帰ると嫁ーずに言っておかないと、色々と後が怖い。
「そうさのぉ…。今日はお試しじゃから、精々昼には帰って来れると思うぞ」
 えっと、今が日の出少し過ぎだから…3~4時間ぐらい?
「そんなに早く帰って来れる…の?」
「本格的な鍛錬を始めたらもう少し時間が掛かるやもしれぬが、まあ今日は試しだからな。少しだけ宇宙を体験してもらうだけだ」
 宇宙っていうか、もう少しで宇宙空間ってとこまでなら行った事あるけどね。
「なるほど。では…そう言や、どうやって宇宙まで行くんだ?」
 ミヤとヒナと言った時は、あっという間に飛んでったけど…。
「不安な気持ちもわかるぞよ。そんなお主には、これをプレゼントしよう」
 そう言ってひよこ師匠が俺に手渡したのは、間違い無く子供頃にTVで見たアレだった。
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