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対価は何だ?
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「これはですね…」
そう言ってユズキが、どっからどう見てもド〇ゴンレーダーにしか見えない時計を説明してくれたのだが、どうやら既存の魔道具とは一線を画した完成度を誇る、ドワーフさん渾身の作だった。
何が凄いって、ダンジョンから冒険者が持ち帰る魔石を1個使用しただけで作成できる魔道具なので、非常に安価に量産できる可能性が高いって事だ。
ユズキは時計の仕組みに付いて、力を込めて色々と話してくれたんだが、俺にはさっぱりわからん。
かの有名な士郎〇宗先生はAppl〇 Seedという漫画の作中で、『原理は単純を、構造は複雑を極め、人は最も人らしく』と、とキャラに言わせていたが、この時計はまさにその言葉通りの逸品だ。
しかも、懐中時計というにはちょっと大きいかも知れないが、それでも携行できる大きさで作る事が出来るなんて、マジで凄いと言わざるを得ない。
「それで、この…異世界時計とでも名付けましょうか。これが地球時間とどれほど違うのかと言いますと」
そう言ってユズキが、愛用の執事服の胸ポケットから取り出したのは、
「お、おま…! それってG-SH〇CKじゃねーか! ど、どうしてそんなん持ってんだよ!」
そう、ユズキが取り出したのは、アメリカ軍も採用したとか嘘か誠か知らんけど、一時期話題になった、耐衝撃と防水構造を持つ、世界一タフネスと名高いあの腕時計だ。
「しかもソーラー充電搭載モデルです!」
おお、それ前世でむっちゃ欲しかった奴じゃん! じゃなくて!
「何でそんな物をお前が持ってるんだよ!」
おかしいだろ! ここは地球じゃないんだぞ? 時計屋も家電量販店も無ければ通販だって無い世界で、どうやって手に入れたんだよ?
も、もしかして…柚希には地球から品物を取り寄せる能力があるのか?
対価は何だ? 金か、金なのか? いいだろう、希望の金額を言いたまえ!
「あ、これは転移してきた時にしてた時計です」
「へっ?」
「スマホもありますよ? バッテリー切れちゃったので、もう使えませんけど」
「はっ?」
「あ、柚夏もスマホ持ってますよ。僕と同じように、もう使えませんけど」
「えっ?」
「充電ケーブルがあっても、電気も電波も無い世界じゃ使い物にならないですし」
「そりゃまぁ…」
「でも転移の時に持ってた物は、大事な思い出なので、全部大事に残してます」
「……そ、そうなんだ」
よく考えたら当たり前の事だった。
そりゃ、ユズキとユズカが、手ぶらのすっぽんぽんで地球から転移して来たなんて事は無いよな。
手荷物とか持ってただろうから、そりゃ地球産のものがあっても不思議ではない。
え、スマホ知ってるかって? それぐらい知っとるわ! 馬鹿にすんな!
「ちなみに、地球の時間とこの星の時間に差がある事がわかったのは、この時計のおかげです。一日の時間が地球時間よりも7時間ほど短いですね」
そんなに違うのか?
「伯爵さまは、そもそもこの星の生まれなので、この星の時間感覚が身についてしまっているから、この差に気づかなかったのかもしれませんね」
「っと、言うと?」
「伯爵さまの感じている30分は、地球時間の30分よりも随分と短いという事です。僕や柚夏は地球の30分で考えてましたので、転移してきた当初は随分とこの違和感に悩まされたものです」
横で柚夏がうんうんと頷いている所を見ると、確かに違和感あったんだろう。
「まあ、今ではこの星の時間にも慣れてきましたけどね」
そう言って、ユズキは優しい眼差しで、微笑んだ。
そう言ってユズキが、どっからどう見てもド〇ゴンレーダーにしか見えない時計を説明してくれたのだが、どうやら既存の魔道具とは一線を画した完成度を誇る、ドワーフさん渾身の作だった。
何が凄いって、ダンジョンから冒険者が持ち帰る魔石を1個使用しただけで作成できる魔道具なので、非常に安価に量産できる可能性が高いって事だ。
ユズキは時計の仕組みに付いて、力を込めて色々と話してくれたんだが、俺にはさっぱりわからん。
かの有名な士郎〇宗先生はAppl〇 Seedという漫画の作中で、『原理は単純を、構造は複雑を極め、人は最も人らしく』と、とキャラに言わせていたが、この時計はまさにその言葉通りの逸品だ。
しかも、懐中時計というにはちょっと大きいかも知れないが、それでも携行できる大きさで作る事が出来るなんて、マジで凄いと言わざるを得ない。
「それで、この…異世界時計とでも名付けましょうか。これが地球時間とどれほど違うのかと言いますと」
そう言ってユズキが、愛用の執事服の胸ポケットから取り出したのは、
「お、おま…! それってG-SH〇CKじゃねーか! ど、どうしてそんなん持ってんだよ!」
そう、ユズキが取り出したのは、アメリカ軍も採用したとか嘘か誠か知らんけど、一時期話題になった、耐衝撃と防水構造を持つ、世界一タフネスと名高いあの腕時計だ。
「しかもソーラー充電搭載モデルです!」
おお、それ前世でむっちゃ欲しかった奴じゃん! じゃなくて!
「何でそんな物をお前が持ってるんだよ!」
おかしいだろ! ここは地球じゃないんだぞ? 時計屋も家電量販店も無ければ通販だって無い世界で、どうやって手に入れたんだよ?
も、もしかして…柚希には地球から品物を取り寄せる能力があるのか?
対価は何だ? 金か、金なのか? いいだろう、希望の金額を言いたまえ!
「あ、これは転移してきた時にしてた時計です」
「へっ?」
「スマホもありますよ? バッテリー切れちゃったので、もう使えませんけど」
「はっ?」
「あ、柚夏もスマホ持ってますよ。僕と同じように、もう使えませんけど」
「えっ?」
「充電ケーブルがあっても、電気も電波も無い世界じゃ使い物にならないですし」
「そりゃまぁ…」
「でも転移の時に持ってた物は、大事な思い出なので、全部大事に残してます」
「……そ、そうなんだ」
よく考えたら当たり前の事だった。
そりゃ、ユズキとユズカが、手ぶらのすっぽんぽんで地球から転移して来たなんて事は無いよな。
手荷物とか持ってただろうから、そりゃ地球産のものがあっても不思議ではない。
え、スマホ知ってるかって? それぐらい知っとるわ! 馬鹿にすんな!
「ちなみに、地球の時間とこの星の時間に差がある事がわかったのは、この時計のおかげです。一日の時間が地球時間よりも7時間ほど短いですね」
そんなに違うのか?
「伯爵さまは、そもそもこの星の生まれなので、この星の時間感覚が身についてしまっているから、この差に気づかなかったのかもしれませんね」
「っと、言うと?」
「伯爵さまの感じている30分は、地球時間の30分よりも随分と短いという事です。僕や柚夏は地球の30分で考えてましたので、転移してきた当初は随分とこの違和感に悩まされたものです」
横で柚夏がうんうんと頷いている所を見ると、確かに違和感あったんだろう。
「まあ、今ではこの星の時間にも慣れてきましたけどね」
そう言って、ユズキは優しい眼差しで、微笑んだ。
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