システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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一旦戻るか

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「えっ?」
 
 それは俺が折り返し地点で方向転換してスタート地点へ向けてダッシュを始めて間もなくの事だった。
 前方からイネスが凄い勢いで走って来る姿を見て、思わず漏れたのが冒頭の一言。

 俺は靴底が燃えるんじゃないかと言うぐらいの勢いで、両足で踏ん張って急ブレーキをかけてスピードを落とした。
 イネスも俺と同様に、やはり急減速をしたので、互いに手が届くほどの位置で止まる事が出来た。
 いや、普通に駆け抜けた所で、別にぶつかったりする訳じゃないけれどね。

「イネス、えらくゆっくりだったな?」
「トールさま、早すぎないか?」
 顔を合わせた2人が互いに口から出た言葉…いや、もしかしたら認識の違いなのかな? に驚き固まってしまい、これまた互いに『えっ?』しか言葉が続かない。
 だが、先に正気に戻ったというか、我を取り戻したというか、とにかくイネスが声を荒げた。
「いやいやいやいやいやいや! 全力で走ったけど、一瞬でトールさまの姿が視界から消えたぞ! 途中で変身したのか!?」
「んなわけあるか! イネスこそ、途中で休憩でもしてたんじゃ無いのか?」
「それこそないわ! GO! で飛び出したトールさまの後を、全力で追った!」
「「はぁ~?」」
 
 どうやらイネスの言う事には、変身したイネスが全力でダッシュしたにもかかわらず、俺のスピードが速すぎて、一瞬で姿を見失ったという。
 そんな馬鹿な…体力バカのイネスの運動能力が変身によって数倍にも引き上げられているのに、俺の速度が圧倒的に早かった…なんて事は無いんじゃないか?
「ある! ダッシュした瞬間に、トールさまの姿どころか、後ろの白い布すら見えなくなったんだぞ? 大体この程度の距離で途中で休憩するような、柔な鍛え方はしていない! それこそトールさまの方が良く知ってるだろう!?」
 イネスがヒステリックにそう喚き散らした。
 確かに生身なら別だろうが、変身しているイネスがこの程度の距離を走るのに休憩なんて不要だろう。
 って事は…本当に俺の速度が異常なのか?
「みんなの所に戻れば分かる!」
 イネスの全力の主張。
「ん~~~? 俺自身は、そんなにスピード出てた感じしなかったなぁ…」
 いや、待てよ? そういや息切れもしなかったし、汗もかいて無い。
 それどころか、鼓動する心臓の音すら普段の執務の時ぐらいに穏やかだ。
 いくら何でも、これはおかしいぞ?
「…やはりトールさまは、人の域を超えたのか?」
 スーパ〇マンにでもなちゃった? 
「実感無いんだけどなぁ…。まあ、取りあえず、一旦戻るか」
「ああ」

 イネスの言葉を疑うわけじゃ無いけれど、取りあえずみんなの元に。俺は戻る事にした。
 なので、イネスはこの場所でUターン。
 そして、帰りはイネスのスピードに合わせて走る事にした。
 そういや、往路は比較できる物が無かったから、自分がどれぐらいのスピードで走ってるのか分からなかったから、これはちょうどいいかもしれない。
 今度は、ゆっくりと、
「んじゃ、よ~~い…どん!」
 2人で並んで走ってみる事にした俺だった。



※ いつも『シスバグ』を読んで頂き、ありがとうございます。

 コツコツと更新を続けておりましたが、仕事が忙しく、とうとう週2回の更新も厳しくなってきました。
 漸くラストへ向けてばく進していたというのに、本当に心からごめんなさい!
 何とか週1回は更新は出来るように頑張る所存です!
 どうか、更新の時にはよろしくお願いいたします。

今後も皆さんに喜んでいただける作品を作っていきたいと思いますので、どうか応援よろしくお願いいたします。

作者はとても単純なので、レヴューや感想、ブックマークを頂けたら、小躍りして喜びます。
どうかよろしくお願いいたします ♪ヽ(*´∀`)ノ 



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