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びびってなんかいませんよ?
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夕飯を食べる頃には、もう陽もとっぷり暮れていた。
この時間にもなると、トンネルの営業は終了し、扉はがっちりと絞められいる。
当たり前だが、夜警のエルフさんも交代を除いて、本日の勤務は終了。
で、その残った夜警のエルフさんにお願いして、俺達は扉の中へと入った。
…達?
って思ったそこの人! 決して言い間違いなんかじゃありませんよ?
俺が修行のためにとん得るに入るのは当然なんだが、何故か家族全員が付いてきちゃったのだよ…本当に何でだか…。
夜に男が領地の街方面へと長時間行くって所が、どうやら引っかかったらしい。
俺の領地には、男の冒険者さん達に大人気の一大歓楽街がある。
簡単に言えば、娼館がいっぱいあるって事だ。
俺の目的地はそこじゃないんだが、その近くを通って行くわけで、家族…つまりは嫁ーず一同から見ると、俺が娼館に通う様に見えるんだとか。
んで、浮気して無いかの監視って事で、付いて来るらしい。
………この星だけでなく、この世界全てが危機に曝されそうだって事を分かってる俺が、そうそう遊びに行くわけないんだけどね。
まあ、それを言ったら、『危機じゃなかったら娼館通いするんですか?』とか、上げ足取りまくって言われちゃいそうなんで、無論言いませんけどね…。
ってなわけで、家族全員を乗せた蒸気自動車(ミニバンタイプ)で、夜のトンネルの入り口までやって来たってわけです。
何故か嫁ーず専用車のスポーツタイプの蒸気自動車であるうさぎさん号で、ユズユズ夫婦もユズノちゃん(1歳)を連れてついて来ているけど…君達は邸でのんびり寝てていいのよ?
そう思ったんだけど、最近ユズノちゃんが夜泣き酷いらしく、夜風に当たりながらドライブも気分が変わって良いかも知れないから…とか言われたら、大きな声で反対も出来ませんでした。
「うっし! んじゃ始めますか!」
真っ暗なトンネルに入った俺は、長い布を後ろに垂らして腰に括り付ける。
「向こうまで行ったら戻てくるけど…それまで待ってるつもり?」
振り返って嫁ーずにそう訊ねると、
「勿論、お待ちしております」
長男アルバーノ君を抱いたメリルが、
「夫の帰りを待つのは当然です」
次男ドナート君を抱いたミルシェが、
「わ、私も…待ってます…」
「長時間立って待つ事は出来ませんが、ここでお待ちします」
妊娠中のミレーラとマチルダが、何処からともなく引っ張りだした椅子に座り、
「新しい修行が気になります!」
妙に元気なイネスが、口々にそう言った。
「あ、ああ…うん。今の淹れがどれぐらい走れるか分かんないけど、取りあえず頑張ってみるよ」
そう言って、全ての明かりが消されて真っ暗なトンネルに向き直った。
「ねぇねぇ、柚希。私達も車で付いてく?」
何が言いたいんだよ、ユズカは?
「いや、それは止めよう。伯爵様の修行の邪魔になるかもしれないし。あと、幾ら魔石式の蒸気機関とは言えど、少しは煙も出るんだから、それがトンネル内に籠ったりしたら…」
お、流石は元秀才のユズキ君! よくぞ気付いたねぇ!
そうそう、閉じた空間で一酸や二酸化炭素は怖いもんね…、
「柚乃ちゃんの身体に悪いだろ?」
「俺の心配じゃ無いのかよ!」
お前ら何で『何を言ってんだ、こいつ?』みたいな顔してんの?
え、俺の事なんてどうでも良いってか?
ああ、そうですか…もう良いですよ…。
どうせ俺なんて…ぐすん…。
「もういいや。んじゃいってきまーす」
でも、夜の電気消したトンネルって…マジで暗くて、ちょい怖いな。
トンネルの営業中は、光の魔道具でトンネル内を明るく照らしているが、営業時間外は、経費削減の為に明かりは消してある。
だって、魔道具に使ってる魔石って、そこそこのお値段だからね。
まあ、モフリーナのダンジョンから、ザックザックと冒険者が持ち帰るけど…それでも魔石の需要は高いから、価値が落ちる事は無い。
夜の先の見えない真っ暗なトンネル…。
いえ、びびってなんかいませんよ?
そんな事を考えていると、何処からともなく大勢の火の精霊さん達が集まって来て、等間隔にずらっと並んでトンネル内を照らしてくれた。
『おぉ!』
それを見た、俺と嫁ーずにユズユズ夫婦は、感嘆の声をあげた。
なんか、すっげぇ光景だぞ、これ!
あ、でも…さっきユズキが言ってた、一酸や二酸化炭素中毒って大丈夫なんか?
え、燃えてる様に見えるけど、可燃物と支燃物で炎が構成されてるわけじゃ無い?
精霊さんや、可燃物と支燃物って何?
ああ、燃える物と、酸素の事…へぇ…。
あとついでに発熱もしない? だから、安全安心?
ちょっとお日様よりも暗いから、数で勝負しようと思う?
そですか…ならば、トンネル内を照らしてもらってもいいでしょうか。
え、照らす対価として生のエネルギーが欲しい?
生? あ、俺から直接って事っすか。
はぁ…んじゃ、後で良いならここにいる精霊さん達で吸いに来て良いっすよ。
そっかぁ、これって精霊さんの善意とかじゃないんですね…。
この時間にもなると、トンネルの営業は終了し、扉はがっちりと絞められいる。
当たり前だが、夜警のエルフさんも交代を除いて、本日の勤務は終了。
で、その残った夜警のエルフさんにお願いして、俺達は扉の中へと入った。
…達?
って思ったそこの人! 決して言い間違いなんかじゃありませんよ?
俺が修行のためにとん得るに入るのは当然なんだが、何故か家族全員が付いてきちゃったのだよ…本当に何でだか…。
夜に男が領地の街方面へと長時間行くって所が、どうやら引っかかったらしい。
俺の領地には、男の冒険者さん達に大人気の一大歓楽街がある。
簡単に言えば、娼館がいっぱいあるって事だ。
俺の目的地はそこじゃないんだが、その近くを通って行くわけで、家族…つまりは嫁ーず一同から見ると、俺が娼館に通う様に見えるんだとか。
んで、浮気して無いかの監視って事で、付いて来るらしい。
………この星だけでなく、この世界全てが危機に曝されそうだって事を分かってる俺が、そうそう遊びに行くわけないんだけどね。
まあ、それを言ったら、『危機じゃなかったら娼館通いするんですか?』とか、上げ足取りまくって言われちゃいそうなんで、無論言いませんけどね…。
ってなわけで、家族全員を乗せた蒸気自動車(ミニバンタイプ)で、夜のトンネルの入り口までやって来たってわけです。
何故か嫁ーず専用車のスポーツタイプの蒸気自動車であるうさぎさん号で、ユズユズ夫婦もユズノちゃん(1歳)を連れてついて来ているけど…君達は邸でのんびり寝てていいのよ?
そう思ったんだけど、最近ユズノちゃんが夜泣き酷いらしく、夜風に当たりながらドライブも気分が変わって良いかも知れないから…とか言われたら、大きな声で反対も出来ませんでした。
「うっし! んじゃ始めますか!」
真っ暗なトンネルに入った俺は、長い布を後ろに垂らして腰に括り付ける。
「向こうまで行ったら戻てくるけど…それまで待ってるつもり?」
振り返って嫁ーずにそう訊ねると、
「勿論、お待ちしております」
長男アルバーノ君を抱いたメリルが、
「夫の帰りを待つのは当然です」
次男ドナート君を抱いたミルシェが、
「わ、私も…待ってます…」
「長時間立って待つ事は出来ませんが、ここでお待ちします」
妊娠中のミレーラとマチルダが、何処からともなく引っ張りだした椅子に座り、
「新しい修行が気になります!」
妙に元気なイネスが、口々にそう言った。
「あ、ああ…うん。今の淹れがどれぐらい走れるか分かんないけど、取りあえず頑張ってみるよ」
そう言って、全ての明かりが消されて真っ暗なトンネルに向き直った。
「ねぇねぇ、柚希。私達も車で付いてく?」
何が言いたいんだよ、ユズカは?
「いや、それは止めよう。伯爵様の修行の邪魔になるかもしれないし。あと、幾ら魔石式の蒸気機関とは言えど、少しは煙も出るんだから、それがトンネル内に籠ったりしたら…」
お、流石は元秀才のユズキ君! よくぞ気付いたねぇ!
そうそう、閉じた空間で一酸や二酸化炭素は怖いもんね…、
「柚乃ちゃんの身体に悪いだろ?」
「俺の心配じゃ無いのかよ!」
お前ら何で『何を言ってんだ、こいつ?』みたいな顔してんの?
え、俺の事なんてどうでも良いってか?
ああ、そうですか…もう良いですよ…。
どうせ俺なんて…ぐすん…。
「もういいや。んじゃいってきまーす」
でも、夜の電気消したトンネルって…マジで暗くて、ちょい怖いな。
トンネルの営業中は、光の魔道具でトンネル内を明るく照らしているが、営業時間外は、経費削減の為に明かりは消してある。
だって、魔道具に使ってる魔石って、そこそこのお値段だからね。
まあ、モフリーナのダンジョンから、ザックザックと冒険者が持ち帰るけど…それでも魔石の需要は高いから、価値が落ちる事は無い。
夜の先の見えない真っ暗なトンネル…。
いえ、びびってなんかいませんよ?
そんな事を考えていると、何処からともなく大勢の火の精霊さん達が集まって来て、等間隔にずらっと並んでトンネル内を照らしてくれた。
『おぉ!』
それを見た、俺と嫁ーずにユズユズ夫婦は、感嘆の声をあげた。
なんか、すっげぇ光景だぞ、これ!
あ、でも…さっきユズキが言ってた、一酸や二酸化炭素中毒って大丈夫なんか?
え、燃えてる様に見えるけど、可燃物と支燃物で炎が構成されてるわけじゃ無い?
精霊さんや、可燃物と支燃物って何?
ああ、燃える物と、酸素の事…へぇ…。
あとついでに発熱もしない? だから、安全安心?
ちょっとお日様よりも暗いから、数で勝負しようと思う?
そですか…ならば、トンネル内を照らしてもらってもいいでしょうか。
え、照らす対価として生のエネルギーが欲しい?
生? あ、俺から直接って事っすか。
はぁ…んじゃ、後で良いならここにいる精霊さん達で吸いに来て良いっすよ。
そっかぁ、これって精霊さんの善意とかじゃないんですね…。
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