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番外)黙るなよ!
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ちょこっと時間はもどり、トールの覚醒のほんの少し前の事。
「注文書通りに出来よったと思うんだんども」
ある日、ドワーフ親方が、それぞれ包みを担いだ5人のエルフさんを伴って、俺の執務室へとやって来た。
「ほうほう、どれどれ?」
俺は包みを解き、ドワーフ親方の作品を確認。
その様子をドワーフ親方と何故かエルフさん達もドキドキ顔で見つめていた。
じっくりと作品の1つ1つを細部まで確認した俺は、
「さすが親方だな。俺の注文書通りの完璧な品だ」
親方&エルフさんに向かってそう言うと、一同ほっとした顔になった。
「ちゃんど出来たど思ぅてたけんど、やっぱし領主様さぁの最終確認でOKどご貰うまでは、不安で仕方ねけんよぉ」
なるほど、俺に納品してOK貰うまでは不安だった…と。
だが、親方の作品に問題など全くない。
「んだんども、このSAIていうのだば、どの様さぁ使うはぁだかぁ?」
「ああ、釵 ね。まあ、他のは何となく使い方は分かるだろうけど、これはねぇ」
俺はそう言いつつ、親方が手にしていた2本の釵 を受け取ると、立ち上がり、
「こうやって使うんだよ」
目の前で軽く釵 を使った型を披露してやる。
「はぁ、そう使うのけぇ。想像も出来なんだやぁ」
親方だけでなく、エルフさん達も感心しながら俺の型を見つめていた。
ん~と、剣の世界だから、十手の方が分かり易かったかな?
「ソレ、オモシロイ。ツカウ、エルフ…デキルカ?」
一通り型を披露し終えた俺に向かって、エルフさんがそう訊いて来た。
「お? コレに興味が?」
どうやらエルフさん、弓も好きだけど、こういった接近戦武器も大好きだとか。
そう言えば、鉈とかサバイバルナイフみたいなの持ってるもんね、君達。
「イー、メチャ、カッコ!」
君達との会話って、何か疲れるんだよねぇ。
でも、格好いい?
そう言われたら、ちょっと普段より余計に回したくなりますなぁ。
ほれほれ! ビュンビュンと風切る音が聞こえるかな?
それを見たエルフさん達が口々に、
「おぅ! 素晴らしい!」
「すっげぇ、恰好いい!」
ん?
「親方、私達にもあれを作ってください!」
「俺も欲しい!」
「あ、俺もー!」
んん?
「領主様のぉ、許可があんればぁ、かまねけんど…」
「お願いします、領主様!」
「許可してー!」
んんん?
「エルフさん…普通に喋れる様になったの?」
さっきまでカタコトじゃなかったっけ?
「……………チョット、ナニイッテルカ、ワカリマセン」
「カタコトにしてるだけじゃねーか!」
思わず怒鳴ったが、
「……………リョウシュ、アタマ、ダイジョブカ?」
「うるせーよ! ってか、普通に喋れよ!」
「…………………」
「黙るなよ! 何か喋れよ! 俺が変な奴だと思われるだろうが!」
エルフさん、最近日常会話をマスターしたとか。
だけどエルフの文化を護るため、普段は昔ながらのエルフの会話をしてたらしい。
うん、確かに文化を守るのって大切だよね。
けどさぁ、出来るんだったら、会話ぐらい普通にしようぜ!
「デ…キョカ?」
「許可するよ! 許可するけど、警備してるエルフさんだけな? んで、釵 は結構使いこなすまで時間かかるから、十手にしよう! 後でドワーフ親方に注文書出しとくから! 完成したら渡すから! 使い方も教えるから!」
『カンシャ、カンゲキ、アメ、アラレ』
「お前ら全員で俺を馬鹿にしてんだろ!」
『チガウチガウ、ソウジャ、ソウジャナーイ』
それはマーチンの歌じゃねーか!
「絶対に馬鹿にしてるだろう? もう許可は取り消しだー!」
『ご、ごめんなさーーーーい!』
筋肉ゴリゴリマッチョのエルフさんが一斉に目の前で土下座した。
後日、完成した十手の使い方を懇切丁寧に指導した。
数日後に嫁ーずと街の様子を見に行くと、すれ違うエルフさん達の誰もが、腰に十手を差して警備に勤しんでいた。
あれで和服でも着てたら、まるで時代劇だな。
まあ、実際は腰に十手を差して歩いてたりとかはしなかったんだけど…、それはどうでもいっか。
「注文書通りに出来よったと思うんだんども」
ある日、ドワーフ親方が、それぞれ包みを担いだ5人のエルフさんを伴って、俺の執務室へとやって来た。
「ほうほう、どれどれ?」
俺は包みを解き、ドワーフ親方の作品を確認。
その様子をドワーフ親方と何故かエルフさん達もドキドキ顔で見つめていた。
じっくりと作品の1つ1つを細部まで確認した俺は、
「さすが親方だな。俺の注文書通りの完璧な品だ」
親方&エルフさんに向かってそう言うと、一同ほっとした顔になった。
「ちゃんど出来たど思ぅてたけんど、やっぱし領主様さぁの最終確認でOKどご貰うまでは、不安で仕方ねけんよぉ」
なるほど、俺に納品してOK貰うまでは不安だった…と。
だが、親方の作品に問題など全くない。
「んだんども、このSAIていうのだば、どの様さぁ使うはぁだかぁ?」
「ああ、釵 ね。まあ、他のは何となく使い方は分かるだろうけど、これはねぇ」
俺はそう言いつつ、親方が手にしていた2本の釵 を受け取ると、立ち上がり、
「こうやって使うんだよ」
目の前で軽く釵 を使った型を披露してやる。
「はぁ、そう使うのけぇ。想像も出来なんだやぁ」
親方だけでなく、エルフさん達も感心しながら俺の型を見つめていた。
ん~と、剣の世界だから、十手の方が分かり易かったかな?
「ソレ、オモシロイ。ツカウ、エルフ…デキルカ?」
一通り型を披露し終えた俺に向かって、エルフさんがそう訊いて来た。
「お? コレに興味が?」
どうやらエルフさん、弓も好きだけど、こういった接近戦武器も大好きだとか。
そう言えば、鉈とかサバイバルナイフみたいなの持ってるもんね、君達。
「イー、メチャ、カッコ!」
君達との会話って、何か疲れるんだよねぇ。
でも、格好いい?
そう言われたら、ちょっと普段より余計に回したくなりますなぁ。
ほれほれ! ビュンビュンと風切る音が聞こえるかな?
それを見たエルフさん達が口々に、
「おぅ! 素晴らしい!」
「すっげぇ、恰好いい!」
ん?
「親方、私達にもあれを作ってください!」
「俺も欲しい!」
「あ、俺もー!」
んん?
「領主様のぉ、許可があんればぁ、かまねけんど…」
「お願いします、領主様!」
「許可してー!」
んんん?
「エルフさん…普通に喋れる様になったの?」
さっきまでカタコトじゃなかったっけ?
「……………チョット、ナニイッテルカ、ワカリマセン」
「カタコトにしてるだけじゃねーか!」
思わず怒鳴ったが、
「……………リョウシュ、アタマ、ダイジョブカ?」
「うるせーよ! ってか、普通に喋れよ!」
「…………………」
「黙るなよ! 何か喋れよ! 俺が変な奴だと思われるだろうが!」
エルフさん、最近日常会話をマスターしたとか。
だけどエルフの文化を護るため、普段は昔ながらのエルフの会話をしてたらしい。
うん、確かに文化を守るのって大切だよね。
けどさぁ、出来るんだったら、会話ぐらい普通にしようぜ!
「デ…キョカ?」
「許可するよ! 許可するけど、警備してるエルフさんだけな? んで、釵 は結構使いこなすまで時間かかるから、十手にしよう! 後でドワーフ親方に注文書出しとくから! 完成したら渡すから! 使い方も教えるから!」
『カンシャ、カンゲキ、アメ、アラレ』
「お前ら全員で俺を馬鹿にしてんだろ!」
『チガウチガウ、ソウジャ、ソウジャナーイ』
それはマーチンの歌じゃねーか!
「絶対に馬鹿にしてるだろう? もう許可は取り消しだー!」
『ご、ごめんなさーーーーい!』
筋肉ゴリゴリマッチョのエルフさんが一斉に目の前で土下座した。
後日、完成した十手の使い方を懇切丁寧に指導した。
数日後に嫁ーずと街の様子を見に行くと、すれ違うエルフさん達の誰もが、腰に十手を差して警備に勤しんでいた。
あれで和服でも着てたら、まるで時代劇だな。
まあ、実際は腰に十手を差して歩いてたりとかはしなかったんだけど…、それはどうでもいっか。
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