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物騒な貴族令嬢達
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自室でトールの手紙を元に、一心不乱に小太刀を振るコルネリアの元に、彼女を幼くしたような容姿の幼女が駆け込んで来た。
「おねえちゃぁぁぁぁぁぁぁん! これよんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
言うまでもないが、勢いよく入って来たのはアルテアン家の末娘のユリアーネ。
ダンジョンマスターにより、コルネリアの遺伝子情報をベースとして造り上げられたその肉体は、成人男性を数十倍も上回る性能を有したスーパー幼女なのだ。
「あらあら、どうしたのユリアちゃん?」
涙目の妹を目にしたコルネリアは、振っていた小太刀を鞘に納め、ハンカチを可愛い妹の目じりにあてながら訊ねると、
「おにいちゃんのおてがみ、ゆりあわかんないのぉ…」
どうやらトールの手紙が読めなかった様だ。
「そうなのね…。それじゃ、私が読んであげますから、もう泣かないでね?」
そう言って柔らかく微笑むと、今泣いた烏がもう笑った。
いや、ニパッ! っと言う文字が頭上に浮かんでいるのではないかという程に、腸ご機嫌に笑うユリア。
それを見たコルネも、思わず声を出して笑ってしまった。
トールの手紙は、SAI…つまりは釵(サイ)と呼ばれている、古流の空手で用いられる武器の取り扱い説明だった。
ギリシャ文字のΨの様な三又で真ん中の金属製の武器で、握り方から正しく覚えないと、非常に使い手も危険である。
古流の空手道を習っていたトールは、こういった引きの扱いも熟知していた。
なので、まずは初歩的な釵の持ち方から簡単な型稽古までを手紙に記していた。
とはいえ、絵心の無いトールの通信教育。
〇と線だけの人など、どっちが正面でどっちが後ろなのか分かりにくい。
その絵に細かく解説を付けているため、ユリアにはちょっと難解過ぎたのだ。
「ふむふむ…なるほど。えっとね、ユリアちゃん、まずはこれをこう持って…」
コルネはユリアに懇切丁寧に手取り足取り手紙の内容を伝えていく。
その過程で、ちょっと見慣れぬその武器を手にしてみたが、結構な重量だったのだが、ユリアは軽々と扱っていた。
その姿を見たコルネがちょっと落ち込んだりもしたのだが、それはまた別のお話。
コルネと一緒に練習をしていたユリアも、1刻もすれば要領を得たのか、もうトールの通信教育の内容を全て習得していた。
ブンブンと釵を振り、床が抜ける程に踏みこむその姿は、トールが見ればすぐにでも次のステップへと進むに違いない。
それほどにユリアの身体能力は高かったのだ。
そうなると黙っていられない? のは、コルネリアだ。
妹に負けてなるものかと、こちらも小太刀の技能をものにしようと振るのだった。
ちなみに、トールがコルネに送った小太刀の技は、前世で見た漫画の脇役の動きを思い出しつつ書き上げた物だ。
ウルリーカの青龍偃月刀に関しては、実は中国武術に詳しい金曜日のひよこ師匠の謹製の物であり、ヴァルナルの超巨大な両手剣にかんしては…『超硬くて重い剣です』としか書かれてなかったとか。
父親の扱いが、結構雑なトールであった。
一息ついて水分補給のために休憩を入れた姉妹は、
「ユリアちゃん、次にお兄さまに会う日までに、プレゼントしてくださった武器の使い方をマスターしましょうね!」
「うん!」
物騒な貴族令嬢達である…。
「おねえちゃぁぁぁぁぁぁぁん! これよんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
言うまでもないが、勢いよく入って来たのはアルテアン家の末娘のユリアーネ。
ダンジョンマスターにより、コルネリアの遺伝子情報をベースとして造り上げられたその肉体は、成人男性を数十倍も上回る性能を有したスーパー幼女なのだ。
「あらあら、どうしたのユリアちゃん?」
涙目の妹を目にしたコルネリアは、振っていた小太刀を鞘に納め、ハンカチを可愛い妹の目じりにあてながら訊ねると、
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どうやらトールの手紙が読めなかった様だ。
「そうなのね…。それじゃ、私が読んであげますから、もう泣かないでね?」
そう言って柔らかく微笑むと、今泣いた烏がもう笑った。
いや、ニパッ! っと言う文字が頭上に浮かんでいるのではないかという程に、腸ご機嫌に笑うユリア。
それを見たコルネも、思わず声を出して笑ってしまった。
トールの手紙は、SAI…つまりは釵(サイ)と呼ばれている、古流の空手で用いられる武器の取り扱い説明だった。
ギリシャ文字のΨの様な三又で真ん中の金属製の武器で、握り方から正しく覚えないと、非常に使い手も危険である。
古流の空手道を習っていたトールは、こういった引きの扱いも熟知していた。
なので、まずは初歩的な釵の持ち方から簡単な型稽古までを手紙に記していた。
とはいえ、絵心の無いトールの通信教育。
〇と線だけの人など、どっちが正面でどっちが後ろなのか分かりにくい。
その絵に細かく解説を付けているため、ユリアにはちょっと難解過ぎたのだ。
「ふむふむ…なるほど。えっとね、ユリアちゃん、まずはこれをこう持って…」
コルネはユリアに懇切丁寧に手取り足取り手紙の内容を伝えていく。
その過程で、ちょっと見慣れぬその武器を手にしてみたが、結構な重量だったのだが、ユリアは軽々と扱っていた。
その姿を見たコルネがちょっと落ち込んだりもしたのだが、それはまた別のお話。
コルネと一緒に練習をしていたユリアも、1刻もすれば要領を得たのか、もうトールの通信教育の内容を全て習得していた。
ブンブンと釵を振り、床が抜ける程に踏みこむその姿は、トールが見ればすぐにでも次のステップへと進むに違いない。
それほどにユリアの身体能力は高かったのだ。
そうなると黙っていられない? のは、コルネリアだ。
妹に負けてなるものかと、こちらも小太刀の技能をものにしようと振るのだった。
ちなみに、トールがコルネに送った小太刀の技は、前世で見た漫画の脇役の動きを思い出しつつ書き上げた物だ。
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父親の扱いが、結構雑なトールであった。
一息ついて水分補給のために休憩を入れた姉妹は、
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