システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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 って事は…ボーディの話かから想像するに、つまりは局長って奴は周囲の影響とか何にも考え無しで行動する、要は馬鹿て事なんでしょうか?

「まあ、よく考えれば分かる事じゃがのぉ。新たな世界創造の為に、今ある世界が壊れそうになっている事にも気づかん様な奴じゃ。享楽的な馬鹿としか表現できん」
 ってことは、対極にある副局長ってのは…?
「対して副局長はかなり理知的じゃ。現在この世界が危機的状況である事を十分に理解しておる」
「おぉ…」
 思わず声が漏れちゃったよ。
「理解はしておるが、敢て傍観しておるのじゃ」
「おぉ?」
「つまりは、全てが分かったうえで無視する様な奴…じゃな。お主等の話からするに、まずここに来たのが副局長ではあろうと思うが…」
 無視? 無視ですか?
「待ってください! それならば、何故副局長? はここに来たんでしょうか?」
 ここまで黙っていたリリアさんが、思わずといった風に声をあげた。
「それは簡単じゃ。奴はお主等に情報を与えて手駒として踊らせようとしておるのじゃろう。あ奴の話を聞いて、お主等はじっとしておる様なタマではなかろう?」
「言われてみれば…」
 うん、何かしようと動くな。
 現に、こうしてボーディ達を呼び出して話し合いしてるぐらいだし。

「そもそも、局長の計画が失敗する事など、副局長にはお見通しじゃしのぉ」 
「計画…って、そうか!」
 この全次元世界を含む宇宙の外側に、新たなる世界を創る計画。
 だが、副局長の話によると、この宇宙の外側にも別の世界が元々存在していた様にも聞こえた。
 つまりは、元から別の世界が存在している。
 別の世界があるのに、新たな世界をそこに創造…そりゃ失敗しそうだな。
「じゃが、その試みがこの世界の崩壊の引き金になりかねんと考えた副局長は、お主に何とかさせようとしたんじゃろうのぉ」
「そんな壮大な計画を阻止するって、俺に何とか出来るもんなの?」
「そのための覚醒であり、我々が色々と手を貸しておるのじゃ」
 えっと、嫁ーずとかユズユズとか父さんや母さんや妹達のLシリーズとか、ミヤヒナとか、地下の巨大ロボットの事? あ、例の不思議なお薬もか。
「俺が覚醒して、我が家の戦力を結集すれば、局長の計画を阻止する事も出来る?」
「うむ、可能じゃ」
 可能って本当かよ?
 いや、そもそも嫁ーずとかユズユズとか、全員をどうやってどっかの次元の局長の元まで連れて行くんだ?
「じゃから、さっさと覚醒せよ。それで色々と道が開けるというものじゃ」
 …いまいち理解が追い付かんけど、ボーディがそう言うなら頑張ろうかな。

「そういうわけじゃから、週末にこ奴の精神と肉体に、余計な負担をかけるんじゃないぞ、奥方達よ」
『えっ!?』
「じゃから、搾り取りすぎるなと言うておるんじゃ。こ奴の鍛錬に影響するでの」
 おお、もっと言ってくれ、ボーディ様!
『えぇ~~!?』
 嫁ーずは、めっちゃ不満そうだな…。
「まあ、覚醒するまでの事じゃ。妾の見立てでは、そう遠い日の事では無いぞよ」
『…………1人1回で我慢します』
 それでもするんかーーい!
「まあ、それぐらいなら許容範囲かのぉ…」
 ちょ、ボーディさん! もっときつく言ってくれても良いのよ!?
『ほっ…』
 よ、嫁ーずが納得しちゃったけど、1人1回って内容によるよねぇ?
 滅茶苦茶に濃ゆい内容だったら、1回でも疲れちゃいますけどぉ!?

「さて、少々長居してしまったようじゃで、そろそろお暇しようかのぉ」
「ええ、そうですね。そろそろ良い時間ですからね」
 どうにも多くの謎が残るダンジョンマスターとの会談ではあるが、どうやらボーディとモフリーナはそろそろ帰るという。
「そうか…。まだ聞きたい事や謎が残るが、また近いうちに話を聞かせてくれ」
 無理に引き留めてもなぁ…。
「うむ、それは当然じゃな。また近いうちに時間を取るとしよう」
 そう言い残し、ボーディ達はパンゲア大陸へと帰って行った…。

 え、帰ってない?
 地下の秘密基地に行った?
 あ、そっちにモフリーナとかもふりんとかカジマギーも居るもんね。
 え、夕飯を所望されたから、5人分持って行った?
 浴室と個室がいつの間にか増設されてた?
 あいつら、まさかネス湖の地下に住んでんじゃねーだろーな?
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