システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,399 / 1,466

問題ない問題ない

しおりを挟む
 俺が訊ねたい事…何だっけ?
 まあ、こいつの説明長すぎるから忘れちゃったんだけど…。

「まぁ、最初はシステムで魂の浄化をするっていう名目で記憶を消去してたのだが…流石にそれは勿体ないと思って、統括庁を創設した時にそれらをこっそり秘密裏に転送してたんのだよ」
「えっ?」「はっ?」
 俺とリリアさんはその秘密に驚き、
「てんどう?」
 サラは聞き間違いをしていた。
 って、それは大ちゃん数え唄という偉大なアニメソングを歌った歌手の方だぞ?
「そうして溜めた知識や経験がダンジョンマスター達の脳にインストールされ、随時更新されていくから、管理局よりも技術力が上なのだ」
 ほっほう。
「さらに解脱…つまりはシステムを超越した魂たちの知識や経験や技術といった物の提供もしてもらっているから、右から左に魂をシステムへと通しているだけの管理局とは技術力が雲泥の差になるのだよ」
 なるほどぉ! 

「さて、これで大体は説明を終えたかな?」
 あんまり理解出来なかった気もするけど、
「ああ、うん…。って、これって俺からあんたへの質問タイムじゃなかったか?」
「そうだったか?」
 そうだよ!
「いや、もういいや…お腹いっぱいだから」
「そりゃいかん。食い過ぎは良くないぞ。腹八分にしとけ」
「そういう意味じゃない!」
 疲れる…こいつ…。
「そうか? それで質問ってのは、何だい?」
「えっと…、自分で管理局の局長とか統括庁の偉いさんにならないで、何で副局長とかしてるんだ?」

 こいつの話を聞いてて、一番気になったのはここだ。
 とにかく想像もできない程の高度なシステムである輪廻転生システムとそれの保守管理をする組織や、その高度なシステムをも超えて来る魂を統括する組織を作っておいて、それを他の奴に任せてるってのが滅茶滅茶気になる。

「なるほど、マルクトはそこが気になるのか」
 …もう、俺の事は何とでも呼んでください。
「その理由を話せば長くなるが…」
「いえ、手短に」
 これ以上こいつの長話に付き合ってられるか!
「そうか? まあ、手短に言うと、面倒くさいから…だな」
「盛大にぶっちゃけたな、おい!」
「いやだって、やっぱスローライフがいいじゃん? 要職に就いたら色々と忙しいだろ? そんなん面倒だよ」
 いや、確かに俺の人生目標もスローライフだから、その気持ちは分からんでもないけれど…それでも全宇宙を巻き込んだ組織だぞ?
 めっちゃ権力在りそうじゃんか? 
「でも、そんな組織を作っておいて他人に丸投げって、無責任すぎん?」
「何で?」
 副局長は、何言ってんだお前? って顔で俺を見た。
「え、何でって言われても…えっ?」
「だって、任せたの俺だよ?」 
「いや、そりゃあんたが任せたんだろうけど…」
「そうじゃ無くて、俺が任せた相手は、元は俺なんだって事だよ」
 え~っと、何だって?
「マルクトは忘れて無いかい? 俺も君も局長をしている彼も、それぞれ個性はあるにせよ、元は同じ存在だぞ? 俺が俺に仕事を任せたからって、何か問題あるか?」
「あっ!」
 言われてみれば、また忘れてたかも!
 俺が俺の分身に仕事を任せる…確かにそれなら問題無さそう?
「君の身近にだって、自分の仕事を分け身に任せている者達が居るだろう?」
「身近…って…あっ!」 
 そうだ! ボーディやモフリーナも分け身だからと、カジマギーやもふりんに仕事を丸投げしたりしてるじゃないか!
「居るだろう? それに君自身だって、元々同じ存在だった者達に覚醒の手伝いをしてもらっているじゃないか?」
 そういえばひよこ達って、別次元の俺だったっけ…。
「自分で自分を助ける事に、何か問題でも?」
「も、問題ない…です」
 うん、問題ない問題ない。

「んじゃ、まぁ長くなったのでそろそろお暇しようかな」
 俺が少しだけ考え込んでいると、そう言って席を立とうとする副局長。
「あ、ちょい待ってくれ!」
「どうしたんだい?」
 そんな彼を俺は呼びとめ壊そうとしてるんだ?」
 
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...