システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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意味わかんねぇー!

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「私の名前は、コクマーだ。そして、君の本当の名はマルクトだよ」
 えっと、こいつは何を言ってんだろう?
 俺の名前は、トールヴァルド・デ・アルテアンで、前世の名前は大河芳樹なんですけど? マルクトって俺の事? 
「ふ、副局長! それは未確定で超極秘情報なのでは!?」
 混乱して固まっている俺を余所に、リリアさんが何か騒いでいる。
「まるくとって、何の事ぉ~?」
 サラは会話に…いや、会話の内容について来れてないらしい。  
「そう言うが、私は彼が長年探し求めていたマルクトで間違いないと思ってるよ?」
 マルクと? 丸くと? ま・る・く・と?
「もしもそうであれば、確かにそうであればセフィラの最終の虹色が…」
「おっと、それはまだ現状では話すべき事ではないな」
 何か、俺には理解できない事をコクマーと名乗った男とリリアさんがしてる。
「おお、あれか! アダムとイブが~リンゴを食〇てから~♪ ふにふ〇ふに跡を絶たない~♪ ってやつか!」
「サラは黙らっしゃい! っというか、ひろみときりんは古すぎて誰も知らんわ!」
 いや、サラの歌ったそれ…俺、知ってますけど、リリアさん…。  
「あ、漸くサラも思い出したかね?」
 コクマーさんや、それって管理局員なら皆知ってる事なの?

「あ~ところで、副局長は一体どうやってここを嗅ぎつけたんですか? 私もサラも管理局とは完全に通信も切れてますから位置情報など分からないはずですが?」
 あ、リリアさん、俺抜きで勝手に話を進めてる!
「そんなの簡単だよ。君達と通信が途絶した時の情報があれば、逆にその近くを探せばいいんだから」
 まあ、そりゃそうだわな…罠?
「しかし、近くに居るとは限らないと思うのですが…」
 まあ、確かに…。
「それはそうだけど、それまでの行動パターンから、君達がそう遠くない所に居るだろうと考えてね。事実、君達は居たじゃ無いか、通信が途絶した元の場所に」
「まあ、そうですけど…」
 リリアさん、撃沈。
「ってか、あんた管理局の副局長なんだよな? マジで何しに来たの!?」
 何とか固まった身体が解れた俺は、コクマーさんに指を突き付け叫んだ。
「こらこら、人を指差すんじゃありません。行儀悪いですねぇマルクトは」
「違ぇから! 俺はトールヴァルドだから!」
「知ってるよ、トール君。いや、前世では大河君だったね」
 うっ…こいつ、どこまで知ってんだ?
「君の事は、君よりもよ~っく知ってるさ」
 めちゃ怪しい事言い出した!
「僕が呼んだのは、君の中にある魂の名前だよ、マルクト君」
 ……魂の名前って、つまりはソウルネーム? めちゃ厨二病やん!
「あ、言っとくけど、 私の真名は終焉の幻想…ファイナルファンタジアと呼んでくれ…とかいう厨二病的なのじゃないからね」
 心を読まれた…だと? こやつ…何者だ?
「君の名前もそうだけど、私の名前も含めて、ちょっとお話しようか」
 コクマーと名乗った男は、そう言って静かにティーカップを持ち上げた。

 この宇宙の始まりは、どうやらこの世界以外の外からやって来た超巨大なエネルギー体が、虚無の空間に偶然触れた事によって起きた偶発的かつ予想外の爆発、所謂ビッグバン的な物が最初だったらしい。
 時間も空間も温度も、ありとあらゆるものが存在しない虚無の空間。
 それは外から観測する事も出来ない、とある次元の狭間に存在する物らしい。
 らしいというのは、誰も観測できないので、理論上そこにあると思われているだけであって、現物を見つける事が出来ないから、らしい…なのだそうだ。
 その虚無の空間に超巨大なエネルギーが触れたらどうなるか?
 もっと簡単に言えば、確かに存在するエネルギー体が、何も無い何かと一瞬でも触れあってしまったら? 
 答えは簡単、均質を求めて虚無の空間がエネルギー体を取り込もうとする…だ。
 有から無へと、爆発的に一気にエネルギーが流れ込む。
 そして、今まで何もかも無かった世界が動き出す。
 つまりは、それがビッグバンらしい。
 この時、エネルギー体が内包していた精神体が、バラバラに引き裂かれた。
 数え切れないほどに引き裂かれたエネルギーではあるが、精神体だけは数えられるる程度にまとまって別れる事が出来た。 
 それが10個の大きな欠片と、22個の小さな欠片。
 いや、もっと数はあるらしいのだが、観測できたのがそれだけなのだそうだ。
 そして、その大きな欠片の1つ…それが俺であり、マルクトなんだと言う。

「ちょっと待ってくれ。んじゃ、管理局長ってのもその大きな欠片の1つなのか?」
「その通りだよ。そしてこの私も。つまりは、君も私も局長でさえも、元は同じ一つの存在なのだよ」
 ……以前、どっかで似た様な事を聞いた気がするけど、
「それじゃ、サラとかリリアさんは?」
 まさか、馬鹿サラとも一緒なのか?
「まあ、一緒といえば一緒なのかもしれないけれど、私達とは次元が大分違う存在だね。破裂したエネルギー体の方で創りあげた存在だからね、彼女達は」
 ふぁ!? 
「精神体とエネルギー体。元は同じだけど、存在の次元が違うんだよ」
 話しが難しすぎて、意味わかんねぇー!
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