システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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これも修行の一環

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 月曜から金曜の午前中は、ひよこ師匠との鍛錬。
 それが終ると、午後からは執務。
 土曜と日曜の日が昇っている内は、平日で熟し切れなかった執務。
 土日の夜は、嫁ーずに限界まで絞り取られる…。
 ……………。

「こんなん、やってられるかーーーー!」
『い、いきなり大声をあげて、どうしたんだね?』
 本日は新しい週の初め、つまりは月曜日。
 そして今は朝一番の恒例の鍛錬のお時間。
 って事で、俺に声を掛けて来たのは月曜のひよこ師匠。 
「いや、先も言ったでしょう、俺の一週間!」
『ああ、まぁ…聞いたな。かなりハードなスケジュールだと思う…ご愁傷様…』
「ご愁傷様~? はぁ~?!」
『い、いや、まぁ、落ち着き給え』
 他人事だと思いやがって、このひよこ饅頭が!
『いいかね、こう考えるのだ。これも修行の一環であると』
 何か言いやがったよ、すごく美味しいすぐ美味しいチキン野郎が!  
『日々の修行の重要さに、君は既に気付いているだろう? それを週末にも生かすのだよ。君が今まさに得ようとしているのは、この世界との一体化だ。ならば、君が妻達と一体化する事も、是また修行なり…だ』
「………言われてみれば、そんな気もして来た」
 アレが修行? 無我無欲の境地とはかなりかけ離れているが、確かに今までそんな風に考えた事は無かったな。
『君の妻達が求めているのは何だ? それは子を成す事だけなのか? 違うはずだ。彼女達は、君との肉体的な繋がりから、精神の繋がりを感じているのだ。ならば、君はそんな彼女達を満足させる為にはどうすればいいか、それを考え実行すれば良いのだよ! 肉欲という快楽に溺れるのではなく、君が彼女達の心を満たす事が出来れば、それ則ち目指す道の先にある大いなる世界へと繋がるのだ!』
「お、おぉ…!」
 何か、ひよこ師匠が輝いて見える!
『………………まぁ、身体も繋がってるわけだが』
「何か言いましたか、ひよこ師匠!?」
 確かに、今何か聞こえた様な?
『い、いや、何でもない! では、君が早く目指す道の先の世界へと羽ばたくためにも、今日もしっかりと心を鍛えようでは無いか!』
「はい、師匠!」
 俺はやるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
『…………ちょろ…』
「さあ、師匠! 今日も頑張りましょう! まずはこの星と一体化出来る様に、大地に寝れば良いですか!?」
『あ、ああ…うん、そうだね』
 よっし! まずはこの大地の息吹を全身で感じ取るぞぉぉぉ!


「ねぇ、トールさまって…かなりチョロい?」
「結構、お調子者だったりしますからねぇ…」
「で、でもでも、そういう所…可愛くないです…か?」
「今までのトールさまの行動や言動からも、押しに弱いだけかと」
「そうは言うが、だからこそ私やマチルダはトールさまの嫁になれただろうが」
 
 トールを陰から(本人達がそう思っているだけで、全然隠れられて無い)見守っていた、嫁ーず5人衆は、ぼそぼそと小声で話していた。
 まあ、どれが誰の発した言葉かは伏せておくが、結構自分の旦那に対して、容赦ない事を言っている気がする。

「ところでイネスさんは、今日は鍛錬をしないのですか?」
 ふとマチルダがイネスに向かって問いかけた。
「ああ。ユズカが言うには、あまり鍛えすぎても妊娠し難いんだそうだ。だから、子を授かるまでは、鍛錬はほどほどにしようかと」
 そう答えたイネスにメリルは、
「鍛錬のやり過ぎも駄目なんですねえ。まあ、そもそも私達にはG戦隊ジェムファイターの装備があるんですから、戦力的には問題無いでしょう? 私が助力します」
「そうですね。イネスさんのルビー4の戦闘能力的は、私達の中でも飛びぬけて高いですし、無理に鍛える事も無いでしょう。私もお手伝いしますから」
「そ、そうですよ…。それより…妊娠を目指しましょう?」
 メリル、ミルシェ、ミレーラが、そう言ってイネスを変な方向に励ます。
 いや、言ってる事は、確かに間違ているわけでは無い。
「み、みんな…ありがとう。よ~~~し! 私も妊娠目指して頑張るぞーーー!」
 だが、それは第三者から見れば、結局はトールと同じようにチョロいんさんである事に変わりは無く、どうにもこうにも似た者同士であった。
 メリルとミルシェが、とっても悪い顔で笑っている所など、イネスは見ていない。
 ミレーラとマチルダの懐妊報告当初、次は何としてもイネスを身籠らせようと遠慮がちであったメリルとミルシェであったが、「私が助力します」「私もお手伝いしますから」と宣言したように、これで堂々と週末はトールの寝所に入れることとなった。
 無論、2人がいう助力やお手伝いという発言は、則ちそっち方面での事であり、体力お化けのイネスを2人が協力してさっさとK.Oし、2人でじっくりねっとりとトールを味わおう…なんて目論見が裏にある事に、全く気付かないイネスであった。
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