システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,380 / 1,466

前世でブラックな交通誘導警備員を…

しおりを挟む
 月曜から金曜まで、毎朝ひよこ師匠の指導を受けて鍛錬を続け、土日は嫁ーずに絞り取られるのが、俺の1週間の大まかなスケジュール…よく考えたら、ひでぇな…。
 もちろん、鍛錬や嫁ーずに絞り取られる時間以外は、領地運営や商会経営に関する仕事は山盛り行っている。
 多分、俺はとてもブラックな環境に居るのではないだろうか?
 え、嫁ーずといちゃこらしてるんだから、ブラックじゃない…って? そこだけ見たらそうかもしれないけど、俺が望んでそうなってるわけじゃ無いからなあ…。
 前世での最後の職は、交通誘導警備員。
 1月中旬から3月中旬までは、入札案件の工事が無茶苦茶に増えるため、警備員だってフル稼働で、48時間勤務とかはザラだった。
 それも大きな幹線道路(有資格者配置路線)での舗装工事とかが多かったから、資格持ちは引っ張りだこだったんだよね。
 めっちゃ稼ぎは良かったけど、目茶苦茶疲れたのを覚えてる。
 警備員時代の繁忙期って、めっちゃブラックだったなぁ…。
 まあ、ブラックな勤務を強制されてたわけじゃないけどさ。
【前世で結構ブラックな交通誘導警備員をしてましたが、チート貰って転生した異世界では実家から追放されたので、週末嫁達に限界まで絞り取られてますが、これも一種のブラックなんでしょうか?】
 いや…そもそも実家から追放されてないんだけど、こうして今までの俺のあれこれを簡潔にまとめて並べてみたら、どこぞの説明臭い長ったらしいタイトルの小説みたいになっちゃったな…。


 ブラック談義は、ひとまず置いといて。
 ひよこ師匠達の指導の意図ってのを、じっくりと考えてみると結構深い意味がある気がする。
 指導方法はひよこによって様々だけど、ひよこ達の指導で目指す最終目的地は、自身を取りまく環境…もちろん宇宙も含めて、それを感じ一体化する事。
 それによって、自分自身を高めて輪廻転生という輪から解脱する事。
 何か、宗教的な物だったり、華道とか茶道とか、ヨガだったり中国拳法だったり、それぞれ手段は違えど、どれも同じ最終目的地へと向かっているってわかった。
 …まあ、相変わらず月曜のひよこ師匠の指導だけは、ちょっと理解に苦しむが。

 金曜のひよこ師匠とは、相変わらず組手ばっかりだ。
「…何かを掴んだようだな?」
 俺の突きや蹴りを紙一重で躱しながら、ひよこが俺に向かって声を掛けて来た。
「何かってのが何かは分かりませんが…セィッヤ!」
 渾身の俺の回し蹴りも、瞬時に後退したひよこ師匠に躱された。
「気付いて無いようだが、君は今、並列思考を使っていないだろう?」
 そう言えばそうだな。
「その能力は便利ではあるが、実は君と一体化した、元は君自身と同じ存在だった者の意識の一部だ」
「えっ?」
 マジっすか! 俺の異次元同位体って奴の力なの!?
「君自身が獲得した能力ではないのだよ。だから、この瞬間に使おうと思っても使えないはずだ」
 確かに、言われてみれば…使えん! そっか…俺自身の能力じゃなかったのか。
「君と合一した元の君の欠片達も、別に意地悪しているわけじゃない」
 涼しい顔(ひよこだから表情は変わらんけど)で、高速戦闘中にひよこが説明を始めた。
「欠片達も、君の覚醒の為に、あえて私達の指導中は意識を深く沈めて表に出ない様にしているだけなのだ」
 って事は、この指導が終ったら、また使えるって事?
 俺の中の異次元の俺ってば、俺を覚醒させる為に眠ってる感じなのか?
「君が真の意味で覚醒を果たす事が出来れば、君と合一した彼らとも会話できる様になるだろう」
 …前世のアニメとか漫画で見た様な、頭の中で天使なトール君と悪魔のトール君がリアルに争ってるのを聞けるって事? いや、会話だからそのこに俺も混ざれる!?
「だから、この私の攻撃を早く避けれるようになれ。そして私に一撃を入れるのだ」
「ツ…押忍!」
「さすれば、君の前に道が開けるだろう」
「お、押っ忍!」
「なに、そう難しい事ではない。なにせ、君は私なのだから」
「お…おっ?」
「私に出来て君に出来ないはずが無いんだからな」
「ひよこ…が、俺!?」
 ひよこ師匠の言葉の意味を考えていたら、大きな隙が出来たんだろう。
 俺は師匠の突きで、思いっきり吹っ飛んだ。 
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...