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和、敬、清、寂
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Day 3(後半)
「呼吸が出来る様になったら、ゆっくりと目を開けて」
ひよこがそういうので、ゆっくりと俺とイネスが目を開けると…、
「さあ、次に君達が行うのは、このポーズだ!」
座禅を組んだままで両羽を地面に付き…体を浮かしてる?
ひよこは意味不明なポーズをしているのだが、よくその身体でそんな事できるな?
え、ちょっと待って…その羽って、手なの? 体重支えられるの?
「むっ! これは簡単そうに見えて…難しいな…」
真面目なイネスは、ひよこのポーズを一生懸命真似てるけど、あれ簡単そうに見えるけど、かなり難易度高そうな気がするんですけど。
でもさ、あれって…確か前世でテレビで見た気がするんだよなぁ…。
「これはヨガのトーラーサナというポーズだ」
やっぱヨガかよ!
ひよこの言葉に突っ込みを入れたくなる!
「このポーズをマスターする事により、真なる己と向き合う事が出来るようになる」
ほう…なるほど…。
「副次的に、広背筋や腹筋、骨盤底などの向上、筋股関節の柔軟性のアップ、そして体感を強化できたりするので、武術の道を極めんとする者にも有効だ」
むむむ、それは重要だな!
「また、これをこれを女性がマスターすると…」
ひよこに向かって、イネスが訊ねた。
「女性がマスターすると?」
ひよこと、唾をゴクリと飲み込んだイネスが、真剣な顔で向き合った。
「とある場所の締まりが良くなるのだ!」
「が、頑張りまっす、師匠!」
…駄目だ、こいつら…。
Day 4
「私の指導は、少々厳しいので、覚悟する様に」
「押忍!」「はいっ!」
4日目のひよこは、今までのひよことはどこか違う気がする。
ちなみに、返事はどっちが俺でどっちがイネスなのかは、想像に任せます。
「この修業は、非常に簡単に見えるかもしれないが、未だかつてない程の衝撃を君に与える事だろ。そして覚醒への道が一気に開けると思う。奥方が私達に付き合うのは不可能かと思われるので、まずは見学して欲しい」
「厳しい…上等だ」「くっ…今回は見取り稽古と言うわけか…」
修行が厳しいなんて当たり前だ。むしろ、ドーンと来いってなもんよ。
まあ、イネスは見学しててくれ。
「では始めよう。私に付いて来るが良い」
ひよこの先導で、何故か我が邸の裏門を開けて、ネス湖の湖畔へと向かうひよこ。
まさか、水中での稽古なのか?
俺とイネスは、何だか良く分からないまま、ひよこに付いて行く。
すると、俺の視界に入って来たのは…畳? 湖畔に畳の間!?
「ああ、そこで靴を脱ぎ、一礼してから上がりなさい」
そう言うと、ひよこは立礼をしたのち、そっと畳の間に上がった。
…畳みはひのふのみの…6畳かな?
「ふむ…君はともかく、奥方も畳の縁を踏まぬとは…なかなか礼儀は出来ているな」
これって、茶道…だよね?
ちなみに、俺もイネスもドワーフさんの村で畳は何度も目にしているので、それぐらいの礼儀は知っているのだ。
「では座ってくれたまえ。ああ、君は正座だ」
普通に腰を下ろそうとした俺は、慌てて正座をしたが、俺を真似て正座しようとしたイネスは何だか腰が落ち着かない様子。
外人って、上手く正座出来ないって聞いた事あるけど、マジだったんか!
あれ? ドワーフさん達は、普通に出来てるけど…何でだ?
「本来であれば、まずは床の掛物や季節の花などを鑑賞する物なのだが、ここには雄大な自然が広がっているから、そこは割愛するとしよう」
目の前の湖は、実は俺と精霊さんの合作なんで、人工物ですけど…。
「今回は茶菓子などは用意していない。無論、茶もだ」
えっと、んじゃ何でお茶の席を用意したん?
「まずは正座になれてもらう為だ。正座をし、きちんと背を伸ばす。膝の上に左手を軽く置き、その上に右手をそっと重ねる様に置く。この状態で前方やや下、1m程の所へと視線はを向けたまま、1時間キープして頂く」
1時間!? そりゃ俺だってキツイ! イネスなら、10分もたないんじゃ…?
「ふむ、すでに奥方は足に痛みが来たようだな。足を崩すが良い。初めてならばそんな物だろう。お、君は出来ているな? うむ、呼吸も良いぞ」
意識したわけじゃ無いけれど、正座したまま腹式呼吸をしてたみたいだ。
まあ、静かに正座する俺の横で、『ふぐひゃ!』っと、奇妙な声をあげて両足の先を抱えて引っくり返っているイネスが雰囲気ぶち壊しだけど。
ううむ…痺れた足先をツンツンしたい…。
「む? 雑念が入って無いか?」
ギクッ! こいつ、見えるのか?
「私は僧侶ではないので警策など持ってはおらぬが、禅の修行であれば間違いなく肩を打ち据えられていたぞ。注意する様に」
……注意します。
まあ、俺も正座は30分が限界でした。
しかも、めっちゃ足が痺れたし。
「本日はここまでとしよう。この修業で重要なのは、四規七則である」
初めて聞く言葉だな。
「詳しくは説明すると長くなるので簡単に説明すると、和、敬、清、寂を四規と言う。七則は利休七則とも言われ、茶は服のよきように点て、炭は湯の沸くように置き、夏は涼しく冬は温かに、花は野にあるように、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ…という客人を持て成す時の7つの心構えである」
ふむふむ。
「今回は、修行であるがゆえ、七則はおいておこう。まずは四規を極める事だ」
和、敬、清、寂だっけ?
「今はその言葉の意味を自分で考えよ。さすれば道が開けるだろう」
…漢字からして、その意味って何となく想像つくんだけどなぁ…。
「呼吸が出来る様になったら、ゆっくりと目を開けて」
ひよこがそういうので、ゆっくりと俺とイネスが目を開けると…、
「さあ、次に君達が行うのは、このポーズだ!」
座禅を組んだままで両羽を地面に付き…体を浮かしてる?
ひよこは意味不明なポーズをしているのだが、よくその身体でそんな事できるな?
え、ちょっと待って…その羽って、手なの? 体重支えられるの?
「むっ! これは簡単そうに見えて…難しいな…」
真面目なイネスは、ひよこのポーズを一生懸命真似てるけど、あれ簡単そうに見えるけど、かなり難易度高そうな気がするんですけど。
でもさ、あれって…確か前世でテレビで見た気がするんだよなぁ…。
「これはヨガのトーラーサナというポーズだ」
やっぱヨガかよ!
ひよこの言葉に突っ込みを入れたくなる!
「このポーズをマスターする事により、真なる己と向き合う事が出来るようになる」
ほう…なるほど…。
「副次的に、広背筋や腹筋、骨盤底などの向上、筋股関節の柔軟性のアップ、そして体感を強化できたりするので、武術の道を極めんとする者にも有効だ」
むむむ、それは重要だな!
「また、これをこれを女性がマスターすると…」
ひよこに向かって、イネスが訊ねた。
「女性がマスターすると?」
ひよこと、唾をゴクリと飲み込んだイネスが、真剣な顔で向き合った。
「とある場所の締まりが良くなるのだ!」
「が、頑張りまっす、師匠!」
…駄目だ、こいつら…。
Day 4
「私の指導は、少々厳しいので、覚悟する様に」
「押忍!」「はいっ!」
4日目のひよこは、今までのひよことはどこか違う気がする。
ちなみに、返事はどっちが俺でどっちがイネスなのかは、想像に任せます。
「この修業は、非常に簡単に見えるかもしれないが、未だかつてない程の衝撃を君に与える事だろ。そして覚醒への道が一気に開けると思う。奥方が私達に付き合うのは不可能かと思われるので、まずは見学して欲しい」
「厳しい…上等だ」「くっ…今回は見取り稽古と言うわけか…」
修行が厳しいなんて当たり前だ。むしろ、ドーンと来いってなもんよ。
まあ、イネスは見学しててくれ。
「では始めよう。私に付いて来るが良い」
ひよこの先導で、何故か我が邸の裏門を開けて、ネス湖の湖畔へと向かうひよこ。
まさか、水中での稽古なのか?
俺とイネスは、何だか良く分からないまま、ひよこに付いて行く。
すると、俺の視界に入って来たのは…畳? 湖畔に畳の間!?
「ああ、そこで靴を脱ぎ、一礼してから上がりなさい」
そう言うと、ひよこは立礼をしたのち、そっと畳の間に上がった。
…畳みはひのふのみの…6畳かな?
「ふむ…君はともかく、奥方も畳の縁を踏まぬとは…なかなか礼儀は出来ているな」
これって、茶道…だよね?
ちなみに、俺もイネスもドワーフさんの村で畳は何度も目にしているので、それぐらいの礼儀は知っているのだ。
「では座ってくれたまえ。ああ、君は正座だ」
普通に腰を下ろそうとした俺は、慌てて正座をしたが、俺を真似て正座しようとしたイネスは何だか腰が落ち着かない様子。
外人って、上手く正座出来ないって聞いた事あるけど、マジだったんか!
あれ? ドワーフさん達は、普通に出来てるけど…何でだ?
「本来であれば、まずは床の掛物や季節の花などを鑑賞する物なのだが、ここには雄大な自然が広がっているから、そこは割愛するとしよう」
目の前の湖は、実は俺と精霊さんの合作なんで、人工物ですけど…。
「今回は茶菓子などは用意していない。無論、茶もだ」
えっと、んじゃ何でお茶の席を用意したん?
「まずは正座になれてもらう為だ。正座をし、きちんと背を伸ばす。膝の上に左手を軽く置き、その上に右手をそっと重ねる様に置く。この状態で前方やや下、1m程の所へと視線はを向けたまま、1時間キープして頂く」
1時間!? そりゃ俺だってキツイ! イネスなら、10分もたないんじゃ…?
「ふむ、すでに奥方は足に痛みが来たようだな。足を崩すが良い。初めてならばそんな物だろう。お、君は出来ているな? うむ、呼吸も良いぞ」
意識したわけじゃ無いけれど、正座したまま腹式呼吸をしてたみたいだ。
まあ、静かに正座する俺の横で、『ふぐひゃ!』っと、奇妙な声をあげて両足の先を抱えて引っくり返っているイネスが雰囲気ぶち壊しだけど。
ううむ…痺れた足先をツンツンしたい…。
「む? 雑念が入って無いか?」
ギクッ! こいつ、見えるのか?
「私は僧侶ではないので警策など持ってはおらぬが、禅の修行であれば間違いなく肩を打ち据えられていたぞ。注意する様に」
……注意します。
まあ、俺も正座は30分が限界でした。
しかも、めっちゃ足が痺れたし。
「本日はここまでとしよう。この修業で重要なのは、四規七則である」
初めて聞く言葉だな。
「詳しくは説明すると長くなるので簡単に説明すると、和、敬、清、寂を四規と言う。七則は利休七則とも言われ、茶は服のよきように点て、炭は湯の沸くように置き、夏は涼しく冬は温かに、花は野にあるように、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ…という客人を持て成す時の7つの心構えである」
ふむふむ。
「今回は、修行であるがゆえ、七則はおいておこう。まずは四規を極める事だ」
和、敬、清、寂だっけ?
「今はその言葉の意味を自分で考えよ。さすれば道が開けるだろう」
…漢字からして、その意味って何となく想像つくんだけどなぁ…。
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