システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

一応は解決？

　エド君光った事件は、全てが解決したわけじゃ無いけれど、一応は原因が分かったので、俺達はネス湖の邸へと帰る事になった。

　とは言っても、全部終わったから、『はい、さよなら～』とは行かない。
　父さんと母さんにとっての初孫が２人も来たんだから、すぐに帰してなるものかと、もの凄い圧で俺達を引き留めたので、数日泊まる事となった。
　急いで帰らなきゃならない用事があるわけじゃ無いけれど、それでも帰りが遅れれば遅れる程、デッドラインが近づいて来る。
　デッドラインって何じゃらホイ？　っという方も居るだろう。
　既にそれが何を指しているかを理解出来ている、勘のよい方も居るかもしれない。
　デッドライン…それは、人魚さん達が飢えた獣となる日。
　そして、俺に獲物もしくは供物…人身御供を要求する日時を指す言葉であり、危険領域または危険水域と読み替えても可である。　　
　邸に連絡した所、今のところは人魚さん達への助太刀は頼んではいない物の、どこからか俺達が不在であるという事を聞きつけた人魚さん達が、どうにかして（条件付きの）手伝いをしようと画策しているらしく、かなり強引な手段に出ているとか。
　強引って…どんな手段なんだよ…。
　男児の出産という奇跡が起きた人魚さん達の妊娠欲は限界突破している。
　そんな人魚さん達を抑えるには、留守番をしている俺の邸の人材は頼りない。
　早く帰らないと、間違いなく俺の邸は人魚さん達の襲撃を受けるだろう。
　取りあえず、ドワーフメイドさん達には、街のマッチョ・エルフの警備員さん達の巡回警備のルートの中に邸の巡回回数を増やす様に指示しておいた。
　いや、真面目に人魚さん達に良い人紹介してあげたいとは思うけど…ねぇ？

　結局、王都の父さんの邸で４日過ごした俺達は、最後に昼食を頂いた後、王都を飛び立った。
　今度来る時には、エド君は妹になってるのだろうか…ちょい気になる。
　嫁ーずと父さん母さんは、かなり別れを惜しんでいた。
　コルネちゃんとユリアちゃんは、妙にリリアさんに懐いていて、最後まで話をしていたんだが…言っておくが妹達よ、それはただの変態メイドだぞ？
　ちなみにカジマギーは、もうボーディ達の元に戻っている。
　さっさと王都の外にあるダンジョン領域からパンゲア大陸まで転移してしたのだ。
　カジマギー曰く、ボーディから用が済んだらすぐに戻る様に指示を受けてたとか。
　まあ、元々俺達の家族でも無いし、エド君光った事件の為に来たんだしね。
　でも、そんな急いで帰らなきゃならない程、ボーディ達は忙しいのかな？

　王城横の練兵場まで父さん達に送ってもらい、ホワイト・オルター号に乗り込むときには、陛下たち王族ご一行も遠くお城から見送ってくれた。
　目ざとくそれを見つけたメリルが一生懸命手を振っていたが、あれは間違いなく孫を最後まで見たかった、ただの爺馬鹿陛下が暴走しない様に王家ご一行が陛下を監視してたんだろうな。
　あと、こっそりとホワイト・オルター号に乗り込もうとしてた、ナディアとアーデ、アーム、アーフェンは、あっさりリリアさんに捕縛されていた。
　一度、領都リーカの大樹の元に連れて行きたい気はあるのだが、もう少し…せめてエド君の性別がはっきりするまでは我慢して欲しい。
　今はどうしても秘密にすることが多いから、本当にもちょっとだけ、ね？
　
　帰宅の空の旅は、往路と同じくとっても快適。
　往路ではモヤモヤしてた事柄が、一応は解決したからかなぁ？
　いや、解決は言い過ぎか。
　原因が分かったから…かな。
　でも、前世がプッちゃんだったってのは、かなりの衝撃を受けたなぁ…。
　女になりたいってプッちゃんが思ってたってのは、もしかして去勢手術を俺が受けさせたのが原因なんだろうか？
　男の娘に育つのも微妙だけど、性別が変わるのも微妙だよなぁ…。
　ま、今考えてもどうしようもないか。
　なる様にしかならないしね。