システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,359 / 1,466

気を付けてください

しおりを挟む
 何のかんのとありましたが、なんと俺の弟は、実は前世で飼っていた猫のプッちゃんだったという事が判明しました。

 確かにプッちゃんは不思議な猫だった。
 俺の話す言葉を何となく理解している様にも感じられた。
 前世で結婚して俺が家を出た時は、目茶苦茶寂しがって、餌も食べなくなったと両親が心配して連絡をして来た。 
 急いで帰って、プッちゃんに『俺の家に来るか?』と尋ねたら、めっちゃ喜んで絶対に一緒に行く! と言わんばかりに鳴いていた。
 あれ、絶対に俺の言葉が分かってたとしか思えん。
 俺と嫁のエッチの時なんかは、空気を読んでそっと部屋の外に出て行くくせに、行為が終って寝間着を整えたら、ちゃっかり布団にもぐり込んできたりした。
 間違いなく、普通の猫じゃ無かった。
 でも不思議だよなぁ。
 だって、プッちゃんは俺が前世で死ぬ前に死んだはずだ。
 でもこの世界では、俺よりも随分年下の弟に転生するって、どうなん?

 微妙に何かが違うと感じながら、俺は家族がエド君を取り囲んで何やら話し合っているのを、ぼへっと眺めていると、
「何も人の魂だけが輪廻転生するわけではありません。貴方様が住んでいた国の…仏教の教えにもありますが、悪行を成せば人の魂は畜生に転生します」
 おっと、ここでリリアさんの講義か。
「確かそれって…六道の中の畜生道の事?」
「ええ、その通りです。畜生道の詳細は省きますが、逆に善き行いをした畜生の魂が人に転生しても、何ら不思議はありません。無論、現実では輪廻転生システムが自動的に転生先を振り分けているので、多分そういう事もあるのだろうとしか言えませんが」
 なるほどなぁ。
「って事は、人も動物も魂の形は似ているって事なのかな?」
「知的生命体という括りがどこからどこまでを指すのか分かりません。ですが、仲間とある程度以上のコミュニケーションを取る事が出来る動物は、知的生命体と呼んでも良いのではないでしょうか。であれば、肉体から離れた魂は、人とはそう変わらないのかもしれませんね」
 そういう解釈もあるのかぁ。
「ま、私は魂という物は見た事がありますが、どの魂が生前にどんな肉体を持っていたのかは知りませんので、憶測ですけれども」
 俺が転生する時に見た、あの見渡す限り存在していた光の塊は、確かに全部が人だったという証拠はないもんな。
「そして、時の流れとは、常に一定の速度で一定の方向に流れている分けではありません。貴方様の前世の死を起点として考えて、その前後に亡くなった他の方々の魂が、貴方様の魂の転生の前後に転生するわけではありませんよ」
 …何だって?
「貴方様の前世のお子様の魂が、貴方様のこの世界のご両親に宿っていても不思議では無いと言っているのです。もっとも、それは次元の壁を越えて転生して来た魂に限って…ですけれどもね」
 最後…何て言った?
「次元の壁?」
「そうです。貴方様もユズキやユズカも、同じ日本という国から転生や転移をしてきたようですが、その日本が同じであるという保証はありません。次元が違う可能性は十分すぎる程にあります。同様にエドワード様の肉体に宿ったプッちゃんという猫の魂が、本当に前世で貴方様が飼っていたいた猫と同一だとも保証しかねます」
 ……なるほど。
「貴方様的には、生前に飼っていて可愛がっていたタマタマを捕られた猫耳美少年が、次元の壁を越えても追いかけて来た…という設定の方が燃えるでしょうが」
「ちょっと待て…何故に猫耳の美少年?」
「失礼。燃えるではなく萌えるでしたね」
「おいっ!」
「禁じられた同性愛…。ホモの執念って恐ろしいって言いますもんね」
「ちょっと待てーーい!」
「ああ、禁断の異種同性愛…もはやこれだけでご飯が3杯はいけそうです!」
「このド変態が!」
 腐った脳みそ持ってるだろ、この変態メイドは!
「あ、でも気を付けてください」
「何をだよ!」
「この世界では、同性愛は基本的に禁止ですから」
 何故か人差し指をピンと立てて俺に注意する、リリアさん。
「それはお前の事だろうが、このドSのレズメイドが!」
「ばれなきゃいいんですよ、ばれなきゃ」
 どっかの犯罪者みたいな事を言い出したよ、このアマ!
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...