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渋々許可
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カジマギーの検査ってのは、確かに彼女の言った通りの事をするだけで、特に怖がるような物でも無かった。
尿や糞便だって、おむつにくっ付いてた物を使用したし、遺伝子の何ちゃら解析とかっていうのも、耳かきぐらいの小さなスプーンで口の中の粘液を採取しただけ。
そのサンプルを、先のアホな名前の帝国との戦の後、ボーディ、モフリーナ、そしてモフレンダが延伸していたダンジョンの一画に置けば、ダンジョンマスターの元に転送されるって仕組みだ。
まあ、ダンジョンの一画とは言え、誰かが探索に入る様な物じゃない。
単に、ダンジョン領域になっているだけで、見た目はただの砂や土の地面だったり、草むらだっりだけど。
要は、ダンジョンの床の一部が伸びただけって考えたらいいかな?
まあ、俺達ではどこがダンジョン領域化なのか見分けがつかないから、それは後で使用人に馬車を操らせてカジマギーと俺で行こうと思う。
下手にカジマギーだけで行かせたら何があるか分からんからな。
いや、このある意味スーパー幼女だけでも、かなりの戦闘能力はあるんだろうけど、それでも侯爵家から幼女がとてとて一人で歩いて王都の外に行ったなんて、外聞が悪すぎるだろう? だからだよ。
リリアさんの触診は、エド君が寝ているほんの数秒で終わった。
お腹と背中を軽く手の平で触っただけなんだが、それで何が分かるんだろうか?
とにかく、まずはカジマギーの採取したサンプルを、ボーディ達の元へと送ろう。
って事で、やってきました王都の城壁前。
馬車には俺とカジマギーが乗り、操車は父さんのところの執事さんの計3人だ。
まだ陽は高いとはいえ、貴族家の紋章を付けた馬車が、護衛もつけずに城壁外にたった3人で出るなんていけません! しかも乗っているのは伯爵家の当主様に押さない女の子!? 駄目に決まってるじゃないですか! って、門衛さん達に寄って集って散々怒られました。
だけど…ただの貴族の端くれだったにしても、勲民だった頃の父さんと俺が王都に来た時って、確か1台の馬車で2週間近く街道をぽくぽく2人でやって来た気がするんですけど…。
侯爵家だったら駄目って事? え、何かあったら責任問題になる? いやいや、ちなみに俺も伯爵なんだけど、全然大丈夫だから気にしないで欲しい。
一応、聖なる女神、ネス様の使徒でもあるんだよ、俺?
帝国との戦争での英雄でもあるし…Don't you know me?
あ、知ってるの? でも駄目? ん~どうしようかなぁ…。
カジマギーに聞いた話では、城壁から馬車で10分程の所が目的地なんだけど。
そうだ! んじゃ、半刻で帰って来なかったら、誰か寄こしてよ。
何か問題でも起きたって事で。
え、半刻でいいのかって? そうそう、大丈夫大丈夫! 半刻で戻るから。
だからお願いしゃっす!
そんな押し問答の末、漸く城壁を越えてお外…じゃなかった王都の外へと、俺達は出る事が出来ました。
門衛さん達は、俺がどうしても行かせろって五月蠅いもんで、渋々許可したって感じだったけどね。
いや、マジで目的地まではすぐそこだし、こんな王都の近くに危険な輩も獣も出ないって! 皆、心配し過ぎだよ。
それに、そもそもカジマギーやダンジョンマスター達に関する事はトップシークレットなんで、誰かに見られるわけにも行かないから、どうしても俺達だけで行かねばならんのですたい!
さてさて、余計な時間を喰ってしまったんで、とっとと用事を済ませましょう。
幼児の事だけに…って、やかましーわ! あ、これって1人ボケツッコミ?
アホな自問自答している俺を余所に、馬車は街道をぽっくりぽっくり進みます。
城壁からちょこっと離れたなぁ…っと思っていると、徐にカジマギーが、
「ここで止めて下さい」
そう御者をしている執事さんに声をかけた。
馬車から軽快に飛びおりると、
「誰かに見られたら、使用人のお花摘みとでも言ってください」
そう言い残して、街道脇の草むらの中へと消えて行った。
ふむ…この先にダンジョン領域があるのか。
こっからじゃ見えんけど。
眼前に広がる草むらや、その先に見える森を眺めていると、すぐに草むらを掻き分けてカジマギーが姿を見せた。
カジマギーが馬車に乗り込んだのを確認した俺は、執事さんに馬車をUターンするように伝えた。
「サンプルは?」「滞りなくマスターの元へ」
カジマギーとの短いやり取りで、事が済んだことを確認した俺は、
「それじゃ、出発しましょうか」
そう御者席に伝えると、来た道を馬はまたぽっくらぽっくらと長閑な足音を響かせながら馬車を牽き歩き始めた。
さって、父さん達の待つ王都邸へ帰りましょうかね。
尿や糞便だって、おむつにくっ付いてた物を使用したし、遺伝子の何ちゃら解析とかっていうのも、耳かきぐらいの小さなスプーンで口の中の粘液を採取しただけ。
そのサンプルを、先のアホな名前の帝国との戦の後、ボーディ、モフリーナ、そしてモフレンダが延伸していたダンジョンの一画に置けば、ダンジョンマスターの元に転送されるって仕組みだ。
まあ、ダンジョンの一画とは言え、誰かが探索に入る様な物じゃない。
単に、ダンジョン領域になっているだけで、見た目はただの砂や土の地面だったり、草むらだっりだけど。
要は、ダンジョンの床の一部が伸びただけって考えたらいいかな?
まあ、俺達ではどこがダンジョン領域化なのか見分けがつかないから、それは後で使用人に馬車を操らせてカジマギーと俺で行こうと思う。
下手にカジマギーだけで行かせたら何があるか分からんからな。
いや、このある意味スーパー幼女だけでも、かなりの戦闘能力はあるんだろうけど、それでも侯爵家から幼女がとてとて一人で歩いて王都の外に行ったなんて、外聞が悪すぎるだろう? だからだよ。
リリアさんの触診は、エド君が寝ているほんの数秒で終わった。
お腹と背中を軽く手の平で触っただけなんだが、それで何が分かるんだろうか?
とにかく、まずはカジマギーの採取したサンプルを、ボーディ達の元へと送ろう。
って事で、やってきました王都の城壁前。
馬車には俺とカジマギーが乗り、操車は父さんのところの執事さんの計3人だ。
まだ陽は高いとはいえ、貴族家の紋章を付けた馬車が、護衛もつけずに城壁外にたった3人で出るなんていけません! しかも乗っているのは伯爵家の当主様に押さない女の子!? 駄目に決まってるじゃないですか! って、門衛さん達に寄って集って散々怒られました。
だけど…ただの貴族の端くれだったにしても、勲民だった頃の父さんと俺が王都に来た時って、確か1台の馬車で2週間近く街道をぽくぽく2人でやって来た気がするんですけど…。
侯爵家だったら駄目って事? え、何かあったら責任問題になる? いやいや、ちなみに俺も伯爵なんだけど、全然大丈夫だから気にしないで欲しい。
一応、聖なる女神、ネス様の使徒でもあるんだよ、俺?
帝国との戦争での英雄でもあるし…Don't you know me?
あ、知ってるの? でも駄目? ん~どうしようかなぁ…。
カジマギーに聞いた話では、城壁から馬車で10分程の所が目的地なんだけど。
そうだ! んじゃ、半刻で帰って来なかったら、誰か寄こしてよ。
何か問題でも起きたって事で。
え、半刻でいいのかって? そうそう、大丈夫大丈夫! 半刻で戻るから。
だからお願いしゃっす!
そんな押し問答の末、漸く城壁を越えてお外…じゃなかった王都の外へと、俺達は出る事が出来ました。
門衛さん達は、俺がどうしても行かせろって五月蠅いもんで、渋々許可したって感じだったけどね。
いや、マジで目的地まではすぐそこだし、こんな王都の近くに危険な輩も獣も出ないって! 皆、心配し過ぎだよ。
それに、そもそもカジマギーやダンジョンマスター達に関する事はトップシークレットなんで、誰かに見られるわけにも行かないから、どうしても俺達だけで行かねばならんのですたい!
さてさて、余計な時間を喰ってしまったんで、とっとと用事を済ませましょう。
幼児の事だけに…って、やかましーわ! あ、これって1人ボケツッコミ?
アホな自問自答している俺を余所に、馬車は街道をぽっくりぽっくり進みます。
城壁からちょこっと離れたなぁ…っと思っていると、徐にカジマギーが、
「ここで止めて下さい」
そう御者をしている執事さんに声をかけた。
馬車から軽快に飛びおりると、
「誰かに見られたら、使用人のお花摘みとでも言ってください」
そう言い残して、街道脇の草むらの中へと消えて行った。
ふむ…この先にダンジョン領域があるのか。
こっからじゃ見えんけど。
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カジマギーが馬車に乗り込んだのを確認した俺は、執事さんに馬車をUターンするように伝えた。
「サンプルは?」「滞りなくマスターの元へ」
カジマギーとの短いやり取りで、事が済んだことを確認した俺は、
「それじゃ、出発しましょうか」
そう御者席に伝えると、来た道を馬はまたぽっくらぽっくらと長閑な足音を響かせながら馬車を牽き歩き始めた。
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