システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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特異な現象です

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「中から外へは出ることができないと先程は説明しましたが、正確にはボールの内側から外側へは干渉できないというのが正しいのかもしれません」
「ふむ?」
 えっと、つまり?
「つまり、我々は一つの閉じた世界の中に存在しているという事です」
 …閉鎖空か…いや、ころは言わないでおこう。
「話は変わりますが、貴方は宇宙とはどういう物と認識されていますか?」
「そりゃぁ…中心から外へ向かって放射状にどんどん広がっていく世界…」
 え、常識だろ?
「その認識だけでは不十分です。実際にはその宇宙の中に存在する質量にもよって変化するからです。その宇宙の中の質量が一定量以上存在した時、球状に膨張した後に徐々に宇宙は収縮していきます」
 え、縮んじゃうの?
「まあ、その宇宙に存在する質量によりますので、一概に絶対にそうだとは言い切れませんけれど」
 なるほどねぇ…んで、話しの本題は?
「少々話が脱線しましたが、つまりは宇宙とは貴方や貴方がかつて生きていた地球の方々が持つレベルの知識では、到底理解出来ない物であると考えていただきたいのです」
 って事は、今俺が生きているこの世界の人々にとっては、もっと理解できないんんだろうなぁ…。
「さて、そんな宇宙ですが、先ほども言いましたように、その宇宙から外へは出る事が出来ません」
「えっと、ボールの話?」
「はい、その通りです。要は、ボールの中に一つの世界が収まっており、それと並列的に存在する別のボールがまた存在する。それぞれはまた別のボールを無数に内包して…といった具合に、内側には無限に広がっている世界なのですが、ボール一つ一つが別次元の世界ですので、自分が存在しているボールとは別のボールに干渉する事は普通は出来無いのです」
 …ややこしくなってきたぞ…。
「そこに干渉できるのは、全てのボールを包んでいる、最も大きなボールの世界に存在している、輪廻転生管理局であったり、解放魂魄統轄庁なのです」
 ふぅむ?
「つまりは、我々が何かに干渉したり創り出そうとするのであれば、自分達の存在している世界の内側の世界…つまりは、その世界が内包している次元世界などにしか出来無いのです」
 えっと…数学的に言えば、一番外側の円に俺が立っていたとして、が囲んでいる無数の円にしか干渉とか出来ないって事かな?
「よく理解されてますね。つまり、外側に対しては普通は干渉できないのです」
 それほどでも…って、俺、声に出してた!?


「さて、それでは問題です」
「ごくりっ…」
「管理局や統括庁がある場所は、本当に最も外側のボールなのでしょうか?」
「あっ!?」
 なるほど、確かにそれを証明する手段が無い!
「先ほども言いましたが、内から外への干渉は非常に難しいのです。そこに干渉できる可能性がある、非常に特別な存在の管理局や統括庁だからといって、本当に自分が一番外側に居るのか自ら証明は出来ない」
 うんうん。
「ここで仮に、最も大きいボールを最上位とし、内包されるボールを下位世界と定義しましょう」
 大きさ順? あ、世界を内包している数が多い世界の存在程上位って事か。
「なのに、局長は自分達が存在している、最上位と考えられている世界のさらに外側に新たな世界を創り出そうとしている。その為に必要なエネルギーを、自分よりも下位の世界から奪って…」
 って事は…、
「エネルギーが減ったら、ボールが縮む?」
「正解です!」
 やったね!
「ですが現在最上位である世界の外に新たな世界を創る…。仮に出来たとして、それってどういう世界なんでしょう?」
 ん?
「自分が最上位世界にいると仮定した場合、それは新たな最上位の世界を生み出す事となるでしょう。もしも最上位で無かった場合…つまりは、局長も含めた世界が、さらに大きな世界に内包されていたとすると、新たな世界を創り出せたとしてもまたその外側に更に上位の世界広がっているわけですから、新たな世界の創造とは言えないのではないでしょうか?」
 む、難しい…頭が混乱して来た…。
「余談ですが、今回あの地球と思しき惑星の姿が上空に浮かんだのは、たまたまそこ出身の貴方が転生者としてこの星で生きていたり、パンゲア大陸におかしな道筋を構築してまで局長が大量の転移者を送り込んだり、そもそも地球出身のユズキやユズカが転移者が偶然にも紛れ込んだりと、あまりにもイレギュラーがこの世界に集まってしまったからこそ引き寄せてしまった特異な現象です」
 …あれって、俺やユズユズとかパンゲア大陸に局長が転移者を送り込んだのが原因なのかよ…。
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