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見せてもらおうか
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皆様、人体模型という物をご存知だろうか?
中学校の理科室などの隅で埃をかぶっていた物を見た記憶があるという方も、きっと少なからず居ると思います。
顔の半分の皮膚が無く、身体に至っては骨格の一部まで切り開かれてリアルに内臓が造り込まれているアレである。
夜の暗い廊下を走る人体模型とか、学校の七不思議の1つにあげられるほど認知度は高いと個人的には思っている。
接骨院や整形外科とかでたまに見る骨格模型は別物なので混同しないで頂きたい。
空手に夢中だった頃の俺は、筋肉の付き方や内臓の位置などを確認するためにずっと眺めていて、同級生達に変人を見る様な目で見られていた悲しい過去もあったりする…。
そんな模型を見慣れた俺であっても、さすがにコレはドン引きだ。
何せ目の前にあるのは、顔の皮膚をがっつりと取り除いた、TVならモザイク必至のリリアさん…いや、正確にはリリアさんのロボだけど…の無残な姿が…。
「こ、これは酷い…めっちゃ痛そう…」
前世で、生爪を剥いでしまった時、目茶苦茶痛かった。
転んで擦りむいて皮が捲れた時も、泣きそうな程痛かった。
部屋を掃除していた母さんが隠してたエロ本を見つけたとき時の沈黙も痛かった…あ、これは違うか。
とにかく顔面の皮を剥がされたリリアさんのリアルな姿は、非常に痛々しいばかりでなく、思わず目を背けてしまうほどグロい。
実際、目を背けてしまった俺に、
「いえ、痛くありませんけれど?」
目の前の等身大のリリアさんが声を掛けて来た。
「だって、顔がこんなにオープンに…あれ?」
「私じゃ無いんですよ?」
そう言えば、これってロボだった。
「いや、あまりにもリアルだから…この眼球とか筋肉の付き方とか…」
しかも10倍の大きさで目の前にどーーん! だぞ?
「ですから、これはあくまでもロボだと説明があったはずですよ? そもそも疑似生体材料を使用して、私やサラの肉体を見た目は完全再現しているのですから、こうなるのも当然では? それとも、胸をおっぴろげてそこから乗り込めと?」
「…そんな事は…」
「そうなると、乗り降りの時には、メイド服もブラも脱ぎ捨てて、私の胸を衆人環視の中で曝せと? 流石は鬼畜様ですね」
「いや、ちが…」
「それとも、私の胸が見たのですか? 新ボディになって、1カップ大きくなった私の胸を?」
やっぱ大っきくなってたか! やはり俺の目に狂いは無かった!
「知ってますか? 視線は口よりも誠実に物を言うのですよ?」
はっ! どこをとは言わないが思わず凝視してしまった!
「まあ、見たいなら見せてあげるのは吝かでは無いのですが…あちらの方にこの話は全部丸聞こえですよ?」
えっ…あちらの方? 俺がそうっと視線をサラロボの前に居るたユズカとマチルダとサラが、こっちをじぃぃぃぃっと見つめていた。
「あんな遠くで聞こえるはずが…」
「ト~~~ルさま~~~! 声が響いて丸聞こえですよ~~~! 今夜は、説教です~~~~~!」
下からこちらを見上げたメリルの声が聞こえた…めっちゃはっきりと。
「ここは兵器格納庫ですよ? 声を張り上げなければ会話出来ないようなら、まともな整備など出来るはず無いじゃないですか。色々と考慮してこの格納庫は造られていると伺ってますよ?」
ま、マジか! 俺、やっちまったのか!?
「そんなに見たいなら、後でじっくり見せてあげますから、そこでリリアを襲ってはダメですよ~!」
ミルシェまでそんな事を言い始めやがった! いや、見たくないとは言わないよ?
そりゃ男の子何だから、見たいし触りたいし舐めまわしたいよ! …最後のは無しで…。
でも、だからと言って、こんな所で見せろなんて言うわけ無いじゃ無いか!
「それで、どうしますか?」
「あ、ああ…見せてもらおうか(コクピットを)」
遥か足元から、『えっ!?』っという声が聞こえた。
「やはり見るのえすね(私の胸を)」
「え、当然だろ?」
またもや足元から、『ええええっ!?』っと、絶叫に似た叫び声が。
「では…」
リリアさんはそう言うと、いつも着ているメイド服の首元のボタンを一つずつ外して…って、
「ちょい待て! 何で服を脱ごうとしてんだ?」
「え、見たいって仰ってましたよね、私の胸を?」
『言ってた言ってた!』
足元っシャラップ!
「俺が見たいって言ったのは、コクピットだぞ?」
「えっ?」『ええええええええ!?』
なんだ、その意外ですって顔は! いや、足元のお前らもだぞ!
「そもそも、こんな所で胸を見せろとか言うわけ無いだろうが!」
まったく、俺を何だと思ってるんだよ!
「では邪魔が絶対に入らないような場所で2人っきりだったら?」
「……………言わない」
そんな素晴らしい条件の場所あるわけ無い…無いと思う…あるの?
「微妙な間がありましたね」『絶対に、うっそだーーーー!』
…………言わないよ?
ってか、リリアさんは、そんな微妙な間を読むな!
それ以外の君達! ちょっと失礼だぞ! ぷんぷん!
「でもお好きですよね?」
「…………………」
中学校の理科室などの隅で埃をかぶっていた物を見た記憶があるという方も、きっと少なからず居ると思います。
顔の半分の皮膚が無く、身体に至っては骨格の一部まで切り開かれてリアルに内臓が造り込まれているアレである。
夜の暗い廊下を走る人体模型とか、学校の七不思議の1つにあげられるほど認知度は高いと個人的には思っている。
接骨院や整形外科とかでたまに見る骨格模型は別物なので混同しないで頂きたい。
空手に夢中だった頃の俺は、筋肉の付き方や内臓の位置などを確認するためにずっと眺めていて、同級生達に変人を見る様な目で見られていた悲しい過去もあったりする…。
そんな模型を見慣れた俺であっても、さすがにコレはドン引きだ。
何せ目の前にあるのは、顔の皮膚をがっつりと取り除いた、TVならモザイク必至のリリアさん…いや、正確にはリリアさんのロボだけど…の無残な姿が…。
「こ、これは酷い…めっちゃ痛そう…」
前世で、生爪を剥いでしまった時、目茶苦茶痛かった。
転んで擦りむいて皮が捲れた時も、泣きそうな程痛かった。
部屋を掃除していた母さんが隠してたエロ本を見つけたとき時の沈黙も痛かった…あ、これは違うか。
とにかく顔面の皮を剥がされたリリアさんのリアルな姿は、非常に痛々しいばかりでなく、思わず目を背けてしまうほどグロい。
実際、目を背けてしまった俺に、
「いえ、痛くありませんけれど?」
目の前の等身大のリリアさんが声を掛けて来た。
「だって、顔がこんなにオープンに…あれ?」
「私じゃ無いんですよ?」
そう言えば、これってロボだった。
「いや、あまりにもリアルだから…この眼球とか筋肉の付き方とか…」
しかも10倍の大きさで目の前にどーーん! だぞ?
「ですから、これはあくまでもロボだと説明があったはずですよ? そもそも疑似生体材料を使用して、私やサラの肉体を見た目は完全再現しているのですから、こうなるのも当然では? それとも、胸をおっぴろげてそこから乗り込めと?」
「…そんな事は…」
「そうなると、乗り降りの時には、メイド服もブラも脱ぎ捨てて、私の胸を衆人環視の中で曝せと? 流石は鬼畜様ですね」
「いや、ちが…」
「それとも、私の胸が見たのですか? 新ボディになって、1カップ大きくなった私の胸を?」
やっぱ大っきくなってたか! やはり俺の目に狂いは無かった!
「知ってますか? 視線は口よりも誠実に物を言うのですよ?」
はっ! どこをとは言わないが思わず凝視してしまった!
「まあ、見たいなら見せてあげるのは吝かでは無いのですが…あちらの方にこの話は全部丸聞こえですよ?」
えっ…あちらの方? 俺がそうっと視線をサラロボの前に居るたユズカとマチルダとサラが、こっちをじぃぃぃぃっと見つめていた。
「あんな遠くで聞こえるはずが…」
「ト~~~ルさま~~~! 声が響いて丸聞こえですよ~~~! 今夜は、説教です~~~~~!」
下からこちらを見上げたメリルの声が聞こえた…めっちゃはっきりと。
「ここは兵器格納庫ですよ? 声を張り上げなければ会話出来ないようなら、まともな整備など出来るはず無いじゃないですか。色々と考慮してこの格納庫は造られていると伺ってますよ?」
ま、マジか! 俺、やっちまったのか!?
「そんなに見たいなら、後でじっくり見せてあげますから、そこでリリアを襲ってはダメですよ~!」
ミルシェまでそんな事を言い始めやがった! いや、見たくないとは言わないよ?
そりゃ男の子何だから、見たいし触りたいし舐めまわしたいよ! …最後のは無しで…。
でも、だからと言って、こんな所で見せろなんて言うわけ無いじゃ無いか!
「それで、どうしますか?」
「あ、ああ…見せてもらおうか(コクピットを)」
遥か足元から、『えっ!?』っという声が聞こえた。
「やはり見るのえすね(私の胸を)」
「え、当然だろ?」
またもや足元から、『ええええっ!?』っと、絶叫に似た叫び声が。
「では…」
リリアさんはそう言うと、いつも着ているメイド服の首元のボタンを一つずつ外して…って、
「ちょい待て! 何で服を脱ごうとしてんだ?」
「え、見たいって仰ってましたよね、私の胸を?」
『言ってた言ってた!』
足元っシャラップ!
「俺が見たいって言ったのは、コクピットだぞ?」
「えっ?」『ええええええええ!?』
なんだ、その意外ですって顔は! いや、足元のお前らもだぞ!
「そもそも、こんな所で胸を見せろとか言うわけ無いだろうが!」
まったく、俺を何だと思ってるんだよ!
「では邪魔が絶対に入らないような場所で2人っきりだったら?」
「……………言わない」
そんな素晴らしい条件の場所あるわけ無い…無いと思う…あるの?
「微妙な間がありましたね」『絶対に、うっそだーーーー!』
…………言わないよ?
ってか、リリアさんは、そんな微妙な間を読むな!
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