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「おかえり」
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俺の絶叫が木霊する地下の格納庫。
さすがに作業中のコボルトもゴブリンも、ビクッ! と立ち止まって俺を振り返った…だけじゃない!
どっかから視線を感じる! ど、どこだ、俺の直感にビンビン来るものがあるぞ!
この明らかにコボルトとゴブリンと俺の周囲にいる者達からの物とは違う視線は…まさか、俺もシックスセンスに目覚めたのか?
なんだか視線は頭上からの様な気がしてふと見上げると、巨大なサラ&リリアロボ(?)の目がこっちを…うぇ!
ロボの目がこっち見てるぅぅぅぅ…って、ロボだから操縦してる奴がいる分けで…つまりは子の視線はサラとリリアさんか!?
少し戦慄きながらロボの顔を俺が見上げていると、綺麗な肌にしか見えなかっらロボの額にピシリと線が入った。
…小じわ? いや、ロボなんだから老化とかあるはずない! そもそもいきなり老化してたまるか!
って事は、もしかして…もしかする?
俺がアホみたいな顔でロボを見上げていたからだろうか、何時の間にかこの場の全員がロボの顔を見上げていた。
そのままじっと見つめていると、額に入った一筋の線は、そのまま顔の輪郭線にそって左右に広がってゆき、やがてその線は顔を一周して顎の先で止まった。
ごくりっ…今から何かが起こると感じた俺は、思わず唾を飲んだ。
いや、これから何が起こるかなんて、誰にでも想像は付くだろう。
いつの間にか格納庫の音は消え、不気味なほどの静寂が瞬時にこの地下に広がった。
心なしか地下空間全体の明かりがほんの少し暗くなり、逆にロボの顔だけがライトアップされている様に感じた。
しんと静まったこの空間に、ガコンっと小さく音が鳴ったかと思うと、続いてプッシュー…っと、まるで炭酸の缶を開けた時に聞こえる様な気の抜けた音が響き渡った。
その次の瞬間、ロボの顔がゆっくりと額から前に落ちて来た。
実際には落ちるなんて事は無いだろうけど、下から見上げてるとそう見えたって事だ。
ゆっくりと倒れて来るロボの顔面は、ちょうど顎の先の1点を支えとして水平…かな? でピタリと止まった。
あ、これ…やっぱアレや…あっこがコクピットなんや。
俺のその考えが正しいと証明されたのは次の瞬間であった。
「やぁやぁ、皆の衆! 出迎えご苦労!」
動きのとまったロボの顔? の端っこ(丁度左頬の横ぐらい)で片手をフリフリしながらこっちを見下ろす懐かしい顔が。
「皆様、只今戻りました。サラ、開口一番がそれですか? あとでもう少し調教が必要ですね」
もう片方のロボからは、これまたリリアさんが凛々しくロボの顔の縁に立ってこちらを見下ろしていた。
「ちょ、調教!? これ以上、サラちゃんを虐めて、一体お前は何がしたいんだよ!?」
「え、そんなの決まってるじゃないですか。私好みのドMにしたいのです」
「あ、あほかーーーー!」
何やら頭上で漫才を始めたのは、半年ぶりぐらいに顔を見るお久しぶりの2人だった。
ロボを支えている2本の柱のうちの一方から伸びたタラップに軽快な足取りでヒョイッと乗り移ったサラとリリアさん。
そのまま柱まで行くと、柱の側面にある自動で開いた扉の中に消えていった。
柱の中の搭乗用エレベーターにどうやら乗り込んだか?
2人の姿が柱の中に消えたほんの数秒後には、2本の柱の根元から…ち~ん…というこれまた気の抜けた音が聞こえた。
うん、実に懐かしい音だ。
良く見ると、今まで隙間など見当たらなかった柱の根元の一部がゆっくりと開いていって、そこから顔を出したのは当たり前だがサラとリリアさん。
2人は俺達の前まで歩いて近づくと立ち止まり、
「皆様、お久しぶりで御座います」
そう言ってリリアさんが頭を下げると、
「恥ずかしながら帰って参りました!」
何故かサラは敬礼を…って、そのネタは古すぎるぞ!?
というツッコミは今回はしない。
代わりに当たり前の言葉を2人に送ろう。
「おかえり」
さすがに作業中のコボルトもゴブリンも、ビクッ! と立ち止まって俺を振り返った…だけじゃない!
どっかから視線を感じる! ど、どこだ、俺の直感にビンビン来るものがあるぞ!
この明らかにコボルトとゴブリンと俺の周囲にいる者達からの物とは違う視線は…まさか、俺もシックスセンスに目覚めたのか?
なんだか視線は頭上からの様な気がしてふと見上げると、巨大なサラ&リリアロボ(?)の目がこっちを…うぇ!
ロボの目がこっち見てるぅぅぅぅ…って、ロボだから操縦してる奴がいる分けで…つまりは子の視線はサラとリリアさんか!?
少し戦慄きながらロボの顔を俺が見上げていると、綺麗な肌にしか見えなかっらロボの額にピシリと線が入った。
…小じわ? いや、ロボなんだから老化とかあるはずない! そもそもいきなり老化してたまるか!
って事は、もしかして…もしかする?
俺がアホみたいな顔でロボを見上げていたからだろうか、何時の間にかこの場の全員がロボの顔を見上げていた。
そのままじっと見つめていると、額に入った一筋の線は、そのまま顔の輪郭線にそって左右に広がってゆき、やがてその線は顔を一周して顎の先で止まった。
ごくりっ…今から何かが起こると感じた俺は、思わず唾を飲んだ。
いや、これから何が起こるかなんて、誰にでも想像は付くだろう。
いつの間にか格納庫の音は消え、不気味なほどの静寂が瞬時にこの地下に広がった。
心なしか地下空間全体の明かりがほんの少し暗くなり、逆にロボの顔だけがライトアップされている様に感じた。
しんと静まったこの空間に、ガコンっと小さく音が鳴ったかと思うと、続いてプッシュー…っと、まるで炭酸の缶を開けた時に聞こえる様な気の抜けた音が響き渡った。
その次の瞬間、ロボの顔がゆっくりと額から前に落ちて来た。
実際には落ちるなんて事は無いだろうけど、下から見上げてるとそう見えたって事だ。
ゆっくりと倒れて来るロボの顔面は、ちょうど顎の先の1点を支えとして水平…かな? でピタリと止まった。
あ、これ…やっぱアレや…あっこがコクピットなんや。
俺のその考えが正しいと証明されたのは次の瞬間であった。
「やぁやぁ、皆の衆! 出迎えご苦労!」
動きのとまったロボの顔? の端っこ(丁度左頬の横ぐらい)で片手をフリフリしながらこっちを見下ろす懐かしい顔が。
「皆様、只今戻りました。サラ、開口一番がそれですか? あとでもう少し調教が必要ですね」
もう片方のロボからは、これまたリリアさんが凛々しくロボの顔の縁に立ってこちらを見下ろしていた。
「ちょ、調教!? これ以上、サラちゃんを虐めて、一体お前は何がしたいんだよ!?」
「え、そんなの決まってるじゃないですか。私好みのドMにしたいのです」
「あ、あほかーーーー!」
何やら頭上で漫才を始めたのは、半年ぶりぐらいに顔を見るお久しぶりの2人だった。
ロボを支えている2本の柱のうちの一方から伸びたタラップに軽快な足取りでヒョイッと乗り移ったサラとリリアさん。
そのまま柱まで行くと、柱の側面にある自動で開いた扉の中に消えていった。
柱の中の搭乗用エレベーターにどうやら乗り込んだか?
2人の姿が柱の中に消えたほんの数秒後には、2本の柱の根元から…ち~ん…というこれまた気の抜けた音が聞こえた。
うん、実に懐かしい音だ。
良く見ると、今まで隙間など見当たらなかった柱の根元の一部がゆっくりと開いていって、そこから顔を出したのは当たり前だがサラとリリアさん。
2人は俺達の前まで歩いて近づくと立ち止まり、
「皆様、お久しぶりで御座います」
そう言ってリリアさんが頭を下げると、
「恥ずかしながら帰って参りました!」
何故かサラは敬礼を…って、そのネタは古すぎるぞ!?
というツッコミは今回はしない。
代わりに当たり前の言葉を2人に送ろう。
「おかえり」
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