システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,309 / 1,466

洗濯の生地は重要です!

しおりを挟む
「順調にテスト項目を消化出来てる…後は127項目を残すだけ…」
 トールの邸の地下格納庫の改造は、一旦もふりんとカジマギーに任せ、モフレンダ達ダンジョンマスターはパンゲア大陸で自分の身体と巨大メイドロボのテストを兼ねた、サラとリリアの慣熟訓練の様子を見に戻って来た。
「うげぇ…まだそんなに項目が…?」
 モフレンダが呟いたテスト項目というのは、つまりは実戦配備前に行う最終的な試験であるが、あまりにも細かく多い項目にサラは少々飽きて来たようだ。
「まあ、そう言うな。実際、このロボたちはロールアウトしたとはいえ、まだまだ稼働試験は必要じゃ。何せ、最終決戦時に不具合で動けなくなったりしたら大変じゃからのぉ」
 そんなサラを励ます様に言葉を掛けたのはボーディ。
「そうですね。確かにいざという時に不具合が見つかったら目も当てられません。とはいえ、実際の戦闘になったら不具合は出るかもしれませんが…」
 これはリリアの言。
「設計と試験場で問題無くても、実際に動かしたら問題が出るっていうやつ?」
「ええ、その通りですサラ。例えば戦闘機でもそうですが、テスト飛行は気が遠くなる様な数を熟さねばなりませんし、それでも十さん配備された後に不具合は出るものです。なので、随時アップデートが必要なのは、このロボでも同じ事ですよ」
 リリアがそう解説をするが、それでもすでに何十時間もテストを繰り返しているサラからすると、面倒な事は面倒なのだ。
「ま、まぁ…まだ時間は多少あるかと思いますので、気長に頑張ってテストをしましょう」
 ちょっと焦りながら、なんとかこの場を収めてサラにテストを続けさせようと、モフリーナが宥める。

「へ~へ~、分かりましたよ…っと、ところで何であんなおかしな機能を付けたんです?」
「えっと、サラさんは何か気になる機能がありましたか?」
 一度は納得したサラであったが、気になる点をモフリーナに問いかけた。 
「感覚リンクシステムの、超敏感ビンビン・モードだよ!」
「あぁ~……アレですか……。モフレンダ、説明を」
 サラの叫びを聞いたモフリーナは、悦明をモフレンダに丸投げした。
「リリアの要求通りに付けただけ。いやならリンクを切ればいい」
 実に簡潔に纏めた説明である。
「切れねーんだよ! ってか、切り方知らねーんだよ!」
「教えてない」
 サラがキレないと切れた…いや、切れないとキレたのに対し、モフレンダの非情な一言。
「何で!?」
 サラがそう言うのも当然か?
「教えるなとリリアに言われた。現状は教師び〇びん物語…違った、超敏感ビンビン・モード固定」
「何かおかしな事言わなかったか? トシち〇んが出てたドラマの名前みたいなの聞こえたぞ?」
「気のせい」
 モフリーナの説明に喰いつくサラと、無表情で軽く躱すモフレンダ。
「気の…まあいいや。どうせ私にゃ選択の余地なんて無いんでしょうし!」
 とうとう、サラが拗ねた。
「そうです、選択の余地は無くとも、洗濯の生地は重要です! 何であのサボットのパンツの生地は、あんなにゴワゴワなのですか!? 私は断固シルク製もしくは総レース製を要求します」
「サボット? ちょっと略しすぎなんじゃね!? ってか、リリアは一体何を言ってんだ? ロボのパンツの生地なんて何でもいいだろーが!」
 とうとうロボットの名称がこんなに略されました。
「あれはパンツではない! スク水だ!」
 サラの悲痛(?)な叫びなど完全に無視したモフレンダが、リリアに告げる。 
「な…なんと!? まさか、メイド服の下がスク水とは斬新…これは1本とられました。なるほど、股間部分しかずらせなかったのはその為なんですね…」
「リリア、お前何言ってんの!?」
「流石だ。もうそこまで確認しているとは…」
「いや、モフレンダも何感心してんだよ!」
「ですがあの色は…まさか、白スク!?」
「まさか色まで確認済みとは、恐れ入ったぞ、リリア」
「あの幻の白スクなの!? って、何でそんなの着せてんだよ!」
「もしや胸部には…『さら』と書かれたゼッケンが?」
「勿論、付けてある。アイロン・シールで」
「それ…どこかで着た記憶が…って、何でそれをモフレンダが知ってんだよ!」
「ほう、なかなかこだわっておりますね」
「いやいや、それほどでも」
「サラちゃんの言葉は全部無視!?」
 自分の機体の話のはずなのに、完全に話に置いてけぼりのサラ。
 ついでに、モフリーナもボーディも初めて聞くロボのメイド服の下に驚愕。
「お前ら…揃いも揃って、アホばっかりかよ!」
 流石のサラも、完全無視となれば癇癪玉が破裂するのも当然…なのだが…。
「「お前にだけは言われたくない!」」
 リリアとモフレンダの息の揃った反撃の前に、あえなく撃沈したサラだった。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...