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大正解じゃ!

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「はぁ…まあ、いいや。取りあえず利便性向上の為だけって事ならダンジョン化を許可するよ」
「おお、許可してくれるか? ありがたやありがたや…」
 前世の田舎のおばあちゃん思い出すから、その手を合わせて拝むのやめてもらってもいい?
 そもそも、うちの裏庭の一部は既にダンジョン化されちゃってるんだから、今更なんだし…って、
「ちょっと待てよ。何で俺の許可が要るんだ? 別に勝手にダンジョン化したらいいんじゃないのか? それぐらいのエネルギーは渡してると思うんだけど…?」
 ダンジョンって、ダンジョンマスターがどんどん勝手気ままに広げていくイメージあんだけど?
「はぁ? 勝手に他人の土地をダンジョン化したら駄目だろう。何を言っておる?」
 え~っと…ん?
「いや、だってお前ら結構あちこちにダンジョン領域広げてるじゃん? 今更許可求めるって、どうにも俺には理解不能で…」
 そう俺が言うと、
「おい、モフリーナよ。こ奴にダンジョン化のルールを説明しておらぬのか?」
 横に立つモフリーナへと、ボーディが問いかける。
「そう言えばあまり詳しい説明はしていなかったかもしれません。ダンジョン化のメリットはお伝えしておりますが…」
 って、モフリーナがちょっと困った顔をして答えた。
「ふむ…まあ、よいか。いいか、トールよ」
「あ、はい。どうぞボーディさん」
 取りあえずボーディが説明してくれそう。
「誰かの所有する土地を、勝手にダンジョン化…つまりはダンジョンの領域化するのはルール違反なのじゃ」
「え…? だって、今までだってあちこちに領域増やして…」
 前の戦争の時だって、あの腐れ帝国の近くまでダンジョン化したり、深~い穴掘ったり、モフレンダが新しいダンジョン造ったり、確かこの国の北のシャン脈の向こうまでダンジョン化したりしてたじゃん?
「お主は何か勘違いしておる様じゃが、この世界では所有権を保有していると世界に認められ証明されている土地などほとんど無いぞ?」
「えっ? だって地図とかではほとんどの土地はどこかの国の領地とかになってるはずだけど…?」
 地球の時だって地図を広げれば、土地って大体どっかの国の所有物だよな?
「それは現地人が勝手に決めただけじゃろ? この世界には認められて…ああ、言い方が悪かったの。この次元世界その物に所有を認められた土地では無いじゃろう?」
 ………へ?
「例えばこのお主の領地じゃが、それはこの領地が所属する国が決めた事じゃろ? かつて誰かが国王となり、勝手に国を隔てる線引きし、その中で誰かに下賜したという事であって、数多の世界を内包する次元世界はそれを認めておらぬ」
「言われてみれば…この世界には登記簿とか無いんだから、誰のものかって言ったら国王とか領主の物って思ってたけど…」
「じゃから、それが勝手に線引きしただけじゃと言うておる。この世界の真理はそれを認めておらぬ」
 うん、よくわかんね。
「ん~っと、そんなら他の土地を勝手にダンジョン化した事は一旦おいといて、何でここは俺の許可が要るん?」
 そこがいまいち理解できんのよ。
「そりゃ、ここは世界が認めたお主の土地じゃから…じゃぞ?」
「俺の領地って事?」
 って事は、俺の領地は王国の行政区画の1つなんだから、国王陛下の居かも要るんじゃ? 
「たわけ! ここはお主がエネルギー変換玉を使い、全く新しく創り上げた土地では無いのかや?」
 そりゃそうだけど。
「あ、ああ…確かに創った…ああ、そうか、そう言う事か! つまり、ここは俺の所有するダンジョンって事か!」 
「正解じゃ。お主が創り上げた場所じゃ。裏庭に門を置く時もお主の許可を貰ったじゃろう?」
 ぽむっ! っと、俺は手を打った。
「って事は…この地下も含めて、俺の邸は俺がマスターにダンジョンと似た様な物って事なんだな?」
「大正解じゃ! ダンジョンマスターが造り出せしダンジョンとは、すなわち自然の摂理から大きく外れておる。お主がこの場所をエネルギー変換玉を使用し、イメージをもって創り上げたはずじゃ」
「ああ、確かに」
「つまり、お主は知らずの内に妾達と同じ事をしておったのじゃ。エネルギー変換玉を使ってイメージ通りの邸を造り上げた=エネルギーを代償として領域をイメージ通りに造りあげた。ほれ、ダンジョンの成り立ちと同じじゃろう?」
「ああ、やっと理解できたよ。つまり、ダンジョンマスターだからといって、勝手に他のダンジョンを自分の領域には出来ないって事か。んでダンジョン以外の土地に関しては、エネルギーが続く限り、どんどんダンジョン化出来る…んだな?」
「うむ」

 そりゃそうだよな。
 勝手に他のダンジョンを自分の物に出来るんだったら、ダンジョン同士での争いが起きる
 だけどそれだとダンジョンの存在意義に関わる。
 則ちエネルギー吸収。
 冒険者を多く引き入れる事により、ダンジョンはエネルギーを得る事が出来る。
 なのに、ダンジョン同士で争ってたら、誰もそんなダンジョンには行かなくなる。
 争い合ってるダンジョンの中なんて、絶対に戦力増強のために無茶苦茶強力な魔物とかが待機してるだろうからな。
 そんな所に飛び込んだら、普通の冒険者達なんて瞬殺だろう。
 ダンジョン同士で争わず、きちんと住み分けが出来ていなかったら、色んな面で問題が起こってただろう。
 それなら俺の俺のロマンあふれる地下秘密基地をダンジョン化するのに許可を求めるわけだ。

「それでは、妾達はこの地をダンジョン化する事にあたり、お主が許可を出した思ってよいのかや?」
 確認するかのように、下から俺の顔を覗き込むような眼で見つめるボーディ。
「ああ、許可する。好きにリフォームしてちょ!」
 危険な魔物が跋扈したりしなければ、あおは好きにしてくれていい。
 だけど壊しちゃ駄目な壁とか柱とかあるかも知れないけど、改装の時は気を付けてくれよな。  
 あ、あとウルスラグナの辺りもダンジョン化して下さいね。
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